肝臓
Online ISSN : 1881-3593
Print ISSN : 0451-4203
ISSN-L : 0451-4203
18 巻, 2 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 安藤 喬, 下中 恵美子, 酒井 正衛, 川出 真坂, 吉田 洋, 森下 博史, 高井 輝雄, 深沢 俊男, 高橋 善弥太
    1977 年 18 巻 2 号 p. 73-78
    発行日: 1977/02/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    アガロースゲル電気泳動法を用いて,肝,胆道疾患におけるリボ蛋白像を観察し,各リボ蛋白分画の脂質染色性と移動度の差から9型に分類した.非代償性肝硬変の多くはpre-β帯が消失し,α,β帯の減少したA型を示した.慢性肝炎ではpre-βがβに連続したB型を示した.閉塞性黄疸,急性肝炎で,総ビリルビン,血中胆汁酸の著明な増加のみられた症例はα帯が消失し,幅広いβ帯のみが泳動されるL型を示した.
    一般にリボ蛋白泳動後,デンシトメトリーにより得られたα%はアポA濃度と相関が見られたが,幅広く濃染したα帯を示すM型の2例でアポA濃度はむしろ低下していた.
    経過を追って観察した急性肝炎症例では症状の改善に伴ってpre-β帯が出現した.又細いβ帯のみ泳動されるA-L型をとった症例は予後不良であった.
    リポ蛋白像の観察は肝,胆道疾患の診断,予後の判定に有用な指標になると考えられた.
  • 小林 健一, 亀田 正二, 杉本 立甫, 鈴木 邦彦, 西邨 啓吾, 加登 康洋, 服部 信, 中谷 泰康, 高瀬 修二郎, 高田 昭, 武 ...
    1977 年 18 巻 2 号 p. 79-84
    発行日: 1977/02/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    急性肝炎の予後不良例とくに早期死亡例の早期鑑別を目的として,rapid turnover serum proteinを明らかな肝性昏睡や消化管出血のみられる前に測定した.その結果血中半減期が1ないし2日間ときわめて短いprealbumin値は亜急性肝炎の死亡例,生存例ともに著減し差はみられなかった.しかし半減期4ないし5日間のα2-HS-glycoprotein値は死亡例と生存例で有意の差がみられ,かつ重なりもほとんどみられなかった.以上よりα2-HS-glycoproteinの測定は早期死亡例の鑑別に有用であると考えられた.
  • 蛍光抗体補体法による成績を中心に
    徳山 勝之, 長島 秀夫, 小坂 淳夫
    1977 年 18 巻 2 号 p. 85-95
    発行日: 1977/02/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    HBc抗体検出法として蛍光抗体補体法を応用開発し,その方法の詳細を報告すると共に,臨床症例におけるHBc抗体の出現状況を検討した.その結果,補体法は感度,手技の容易さに秀れ,さらにHBc抗原の分離精製が不要で,かつ同一方法により肝組織内HBc抗原の検索が可能であるなどの利点があった.HBc抗体検出頻度については,各種肝疾患105例では65.7%に陽性であり,そのうちHBs抗原陽性27例では全例に,HBs抗体陽性28例では71.4%に,両者とも陰性の50例では44.0%に陽性検出した.また,供血者におけるs-transaminase値の異常の有無や,症例の輸血歴,黄疸歴の有無との間にはHBc抗体検出率に有意差がなかった.疫学調査ではHBvirus汚染状況を強く示唆した成績を得,またHBc抗体の消長では,HBs抗原の陰性化後も数カ月以上持続する成績を得た.以上より,HBc抗体はHBvirusの感染抗体と目され,肝炎経過に直接影響がないと考えられた.
  • 安部 明郎, 沓掛 伸二, 島野 毅八郎
    1977 年 18 巻 2 号 p. 96-100
    発行日: 1977/02/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    志方らによって見いだされたパラフィン切片を用いてのHBs-Ag染色法の1つAldehy-de-Fuchsin染色を用い,過去の剖検例の中から肝硬変,肝癌例を対象として形態学的にHBs-Agの検索を試みた.その結果,1) 対象例の約30%に本法陽性例を見いだした.肝硬変のみの症例では女性の陽性率が高かった.2) ヘパトーム例では男女ともに約40%に本法陽性例を認めた.3) 対象例中酒客では約25%に本染色陽性者を認めたが,高度の肪肪球発現を伴う肥大性肝硬変の3例はすべて陰性であった.4) 18年前同一家系に肝障害例が多発して問題になった脳症状を主徴とした肝硬変の1症例に今回本法陽性であることを確認し,最近ヘパトームで死亡したその実弟の肝組織にも陽性細胞を認め,HB-抗原集積家系であることを形態学的に立証した.
  • 沢武 紀雄, 中源 雅俊, 米田 正夫, 牧野 博, 亀田 正二, 小林 健一, 杉岡 五郎, 服部 信, 石井 勝
    1977 年 18 巻 2 号 p. 101-108
    発行日: 1977/02/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    種々の基礎的な研究によりγ-GTPはAFPと同様にcarcinoembryonicな性格を有することが示されている.かかる成績に注目し,原発性肝癌に特異なγ-GTP isoenzymeの出現する可能性があると考え,原発性肝癌22例を含む各種肝・胆道疾患123例においてpolyacrylamide gradient gel電気泳動法によるγ-GTP isoenzymeの検討を行った.この方法でisoenzymeは12分画の活性帯に分離された.このうちceruloplasmin領域に出現するII分画は原発性肝癌22例中6例(27%)に検出され,この6例中3例で同時にIIよりやや陰極よりにII′分画が認められたが,他の疾患でこれらの活性帯の出現したものはなかった.以上よりIIおよびII′分画は原発性肝癌に特異なγ-GTP isoenzymeと考えられ,原発性肝癌の新たな生化学的診断法として期待される.
  • 山本 誠, 伊藤 清吾, 水沼 寿洋, 長谷 祐一, 本多 幸博, 竹田 亮祐, 吉田 通章, 小島 靖彦, 中沼 安二, 太田 五六
    1977 年 18 巻 2 号 p. 109-116
    発行日: 1977/02/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    我々は慢性甲状腺炎治療中,亜急性肝萎縮にて死亡した73歳の女子において,生前・死後の2回にわたり検索された肝組織に多数の多核巨細胞の出現を認めた症例を経験した.死亡約2カ月前の肝組織では2個から26個までの核を有する肝細胞が多数認められ,胆汁うっ滞が著明であった.剖検肝は亜広汎~広汎壊死を示し,生検肝に比し軽度ではあったが残存肝実質にはやはり多核巨細胞が認められた.多核巨細胞の原形質内には多くの胆汁栓が形成されており,肝細胞相互の融合による多核化機序が考えられた.
    更に,橋本甲状腺炎の合併があること,抗甲状腺抗体,クームステスト並びに寒冷凝集反応の陽性という一連の血清学的異常所見に加え,門脈領域にリンパ濾胞様集簇が認められたことより,本患者の肝病変に何等かの自己免疫機序が関与していた可能性が考えられる.
  • 柴田 久雄, 石井 公道, 岡部 治弥, 大宮 東生, 草野 正一, 矢島 太郎
    1977 年 18 巻 2 号 p. 117
    発行日: 1977/02/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 辻 孝夫, 荒木 清典, 尾上 公昭, 井上 純一, 高田 真治, 篠原 徹, 岡田 武志, 徳山 勝之, 江草 国之, 内藤 紘彦, 野崎 ...
    1977 年 18 巻 2 号 p. 118
    発行日: 1977/02/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 新谷 寿久, 野々村 昭孝, 太田 五六, 加登 康洋, 小林 健一, 杉岡 五郎
    1977 年 18 巻 2 号 p. 119
    発行日: 1977/02/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 18 巻 2 号 p. 120-144
    発行日: 1977/02/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
feedback
Top