Wistar系雄ラットにα-naphthylisothiocyanate(ANIT),およびtaurolithocholate(TLCA)を投与して,実験的肝内胆汁うっ滞症を作成した.phenobarbital(PB)の効果を見るために,これらの薬物の投与前5日間,ラット体重100g当り5 mgのPBを投与して,PBを投与しない群との間で比較してみた.
ANITによる胆汁うっ滞の場合には,PBを投与したものでは2日目から胆汁量が増加し,血清ビリルビン値も低下する傾向にあり,BSPを負荷するとBSPの血中よりの消失が促進される.
TLCAによる胆汁うっ滞の場合にはPBを投与した群では胆汁量,胆汁中ビリルビンともに増加の傾向にあり,血中ビリルビン値も対照群に比べて低く,さらに,BSP負荷の場合にはBSPの胆汁中への排泄が増加し,血中のclearanceも早い.
このように,実験的肝内胆汁うっ滞症に対し,PBが有効に働くことがわかった.
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