肝臓
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19 巻, 12 号
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  • [4-14C] cholesteryl oleateの水解に対する至適PHと実験的障害肝における活性の動態について
    壽山 博武
    1978 年 19 巻 12 号 p. 1113-1121
    発行日: 1978/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    sterol-ester水解酵素(E.C. 3. 1. 1. 13)はラット肝,ラット膵,ラット脳,ヒト胎盤,ヒト肝等種々の組織に存在している.本酵素はエステル型コレステロールを水解し,遊離型コレステロールを産生する作用を有し,コレステロール代謝において重要な役割を果していると思われるがその生理学的意義は必ずしも明らかではない.本実験においてラット肝homogenate, mi-crosome及び上清における〔4-14C〕cholesteryl oleateの水解に対する至適pHを決定した.更にCCl4障害肝及び総胆管結紮黄疸肝における本酵素活性の動態を検索した.
    肝homogenateにおける本酵素活性の至適pHは6.6~7.4の比較的広い範囲にあり,micro-someではpH7.0,上清ではpH7.8であった.実験的肝障害群のmicrosome分画において本酵素活性が著明に増加するが,上清においては正常域かもしくはそれより減少する.血清における本酵素活性は対照群,実験的肝障害群共に極めて低い値を示した.
  • 足立 信幸, 亀谷 正明, 宇土 一道, 清水 勝, 高橋 善弥太, 小島 峯雄, 福田 信臣, 真弓 忠
    1978 年 19 巻 12 号 p. 1122-1126
    発行日: 1978/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    HBe抗原またはHBe抗体陽性のHBs Ag carrierを対象としてその家族特に配偶者,子供へのHBウイルスの感染性について検索した.HBe抗原陽性者の妻のHBs抗体陽性率は25名中23名(92.0%)であり,結婚歴5年以上では19名全例がHBs抗体陽性であった.一方HBe抗体陽性者の妻のHBs抗体陽性率は23名中5名(21.7%)であり,両群に有意の差が認められた(p<0.01).HBe抗原陽性者の夫およびHBe抗体陽性者の夫に対しても同様の傾向が認められた.したがってHBe抗原陽性者から配偶者へのHBウイルスの感染は不顕性に高率に生じ,一部に急性肝炎が生じることが推定された.またHBe抗原陽性女性の子供19名中18名(94.7%)がHBs Ag carrierであり,HBe抗体陽性者の子供15名中5名がHBs Ag陽性であったが,5名とも年齢が10歳以上であった.したがって出産時に母親がHBe抗原陽性であると,子供はHBウイルス感染を高度にうけ,HBsAg carrierに移行していくことが推定された.
  • 田中 欽一, 志方 俊夫, 柄沢 勉, 阿部 賢治
    1978 年 19 巻 12 号 p. 1127-1140
    発行日: 1978/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    チンパンジーによる実験的B型肝炎で,肝組織内のHBc抗原,HBs抗原の変動を経時的に追求した.HBc抗原,HBs抗原は主として血中にHBs抗原が証明される時期に一致して認められ,HBs抗原が血中に出現する前に見出される事は少なかった.若干HBc抗原が,HBs抗原に先行する傾向がみられた.両抗原とも急性に経過する肝炎では染る細胞の数も少なく,染色性も薄く,慢性に経過しトランスアミナーゼの上昇の軽い例では多かった.急性肝炎ではHBs抗原は先ず単細胞性散在性に染り,トランスアミナーゼの急上昇する前では若干の集簇する細胞の細胞膜にHBs抗原が認められた.然しチンパンジーの軽症の肝炎では発症前にほとんどすべての肝細胞で,HBs抗原が染るという状態はなく,むしろHBs抗原陽性細胞の数は少なかった.慢性に経過する例ではHBs抗原は単細胞性に染るものでも,はじめは細胞質内にびまん性に染まるが,後に細胞質の一部に集って封入体を作る傾向が認められた.
  • 特に体質性黄疸の鑑別診断上の有用性について
    川口 新一郎, 飯尾 正宏, 山田 英夫, 村田 啓, 千葉 一夫, 外山 比南子, 丹野 宗彦, 木田 博和
    1978 年 19 巻 12 号 p. 1141-1152
    発行日: 1978/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    99mTc標識の新しい肝胆道系スキャン製剤,99mTc-HIDA及び99mTc-(Sn)-PIを体質性黄疸5例を含む11症例で検討し,夫々の臨床的有用性を評価した.両製剤を用いると従来の131I-BSPおよび131I-RBに比べ約30分で検査を終了出来,かつ画像も鮮明であった.通常,99mTc-HIDAは99mTc-(Sn)-PIより血中クリアランスが約2.5倍程速かった.一方,99mTc(Sn)-PIは胆道系への転送が99mTc-HIDAより約1.4倍程速かった.Gilbert病2例に対して99mTc-HIDA及び99mTc-(Sn)-PIは共に正常例と同様な動態を示した.Dubin-Johnson症候群3例に対して99mTc-HIDAは正常例に比し胆道系転送は著明な遅延(約16倍)を示し,99mTc-(Sn)-PIは正常例よりやや遅れる転送を示し,前に著者らの発表した131I-BSP及び131I-RBによるスキャンによる鑑別法と類似しており,この2製剤を用いる事でより迅速に体質性黄疸の鑑別の可能性のある事を示した.
  • 満谷 夏樹, 椋田 知行, 藤田 峻作, 石津 弘視, 小泉 岳夫
    1978 年 19 巻 12 号 p. 1153-1160
    発行日: 1978/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    急性肝炎の食事療法は従来から発病初期には糖質を主とする低脂質食とし,回復期には高蛋白・高カロリー食とされてきたが,これに対する批判的な意見もある.そこで我々は急性肝炎患者の食事療法を検討するため,食欲不振,悪心等の自覚症状の強い病初から高蛋白・高カロリー食を与えた.殆んどの症例で摂取可能で,消化器症状の悪化はみられなかった.又上記高カロリー食を投与した78例と従来の食事療法を行なった77例の両群について各々の経過および検査成績を比較検討し,高カロリー食群では従来食群に比し入院1ヵ月後の血清albumin量の増加は著しく,治癒期間の明らかな短縮とともに遷延,慢性化率の低下をみとめた.又回復期における脂肪肝の発生頻度は約30%で,従来食群と略々同頻度であった.
  • 葛西 洋一, 越野 勇, 秦 温信, 松下 通明, 安達 武彦, 内野 純一
    1978 年 19 巻 12 号 p. 1161-1170
    発行日: 1978/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    小児肝血管内皮腫の切除3例を経験した.いずれも,病巣は孤立塊状型で,組織学的には,Dehner & Ischakのtype 1であった.生後21日女児(右前亜区域切除)を後出血のため失ったが,4カ月男児の2例(左外側区域切除および肝左葉切除)は,術後2年10ヵ月および10カ月の現在,健在である.
    本邦報告24例と併せて,臨床的検討を行なったが,欧米例に比べて,皮膚血管腫,心不全症状の出現率が低い.これは,多発結節型の多い欧米例に比し,本邦では孤立塊状型が多い(26例中21例)ことによるものと考えられた.
    診断法としては,動脈造影がもっとも有用である.また,治療としては,肝切除を主とする外科的治療がもっとも期待される.その適応の決定,術式の選択などの点からは,さらに,下大静脈,肝静脈を含めた“系統的”な肝血管系の検索が必要であることを強調したい.
  • 安尾 信, 池上 文詔, 三浦 麟二郎, 桜井 幸弘, 舩冨 亨, 多賀須 幸男, 打越 敏之
    1978 年 19 巻 12 号 p. 1171-1176
    発行日: 1978/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    高度の黄疸を呈した多発性肝嚢胞症の63歳女性例を報告した.全身掻痒感と発疹を主訴に来院し,黄疸と肝腫大を指摘されて入院した.総「ビ」16.3mg/dlにおよぶ閉塞性黄疸の像を示し,肝シンチグラムなどより転移性肝癌を疑った.入院後アルカリ性フォスファターゼは高値のままであったが黄疸は自然に緩解した.CT像では多発性肝嚢胞症と考えられる所見を得たが腹腔鏡検査で確信できず,試験開腹を行った.術中胆道造影で,肝門部の胆管圧迫による閉塞性黄疸であることを確めた.本症の診断にはCT像が最も有用であった.本例は既往に卵巣および甲状腺の手術を受けているが,膵・腎には異常なかった.
    1970~75年におけるわが国の肝嚢胞報告例77例中黄疸を呈したものは,本例も含めて6例(7.8%),あるが,あきらかに肝硬変症,肝癌,肝炎などの合併がなかったものは自験例を含む2例のみで,嚢胞による胆管系の圧迫によるものと考えられる.
  • 島田 宜浩, 井上 武紀
    1978 年 19 巻 12 号 p. 1177-1181
    発行日: 1978/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝硬変(肝癌合併例を含む)における上部消化管出血の実態を検討する目的で,死亡前の臨床所見と剖検所見を比較した.部検時に認められた上部消化管出血は54例中35例(64.8%)の高率であり,そのうち14例(25.9%)では同出血が直接死因であると判定された.ところが上記症例の死亡時より1カ月以前における上部消化管出血歴は5例(9.3%)にのみ認められ,予想外の低率であった.出血部位別の検討では,食道静脈瘤と胃・小腸の潰瘍や出血びらんが問題となり,肝癌非合併例では食道静脈瘤よりの出血が多いが,肝癌合併例では胃・小腸よりの出血が高率であった.腹腔内出血および胆道出血は肝癌合併傍のみに認められた.死亡前における吐下血の臨床所見と剖検所見の間には必らずしも一定の関係がなく,吐下血の症状のみから出血の部位診断は容易でないことを示していた.
  • 大西 文明, 溝口 靖紘, 志波 孝, 門奈 丈之, 山本 祐夫, 大谷 周造, 森沢 成司
    1978 年 19 巻 12 号 p. 1182
    発行日: 1978/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 溝口 靖紘, 志波 孝, 大西 文明, 門奈 丈之, 山本 祐夫, 大谷 周造, 森沢 成司
    1978 年 19 巻 12 号 p. 1183
    発行日: 1978/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 田中 直見, 鳥居 正男, 木村 洸, 織田 敏次, 大菅 俊明, 三田村 圭二, 眞重 文子, 別府 倫兄
    1978 年 19 巻 12 号 p. 1184
    発行日: 1978/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 凝集法によるHBe抗原抗体の検出頻度
    赤羽 賢浩, 古田 精市, 長田 敦夫, 清沢 研道, 野村 元積, 小田 正幸, 津田 文男, 真弓 忠
    1978 年 19 巻 12 号 p. 1185
    発行日: 1978/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 大川 昌権, 小高 通夫, 平澤 博之, 添田 耕司, 佐藤 博
    1978 年 19 巻 12 号 p. 1186
    発行日: 1978/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 閉塞性黄疸における肝障害の原因に関連して
    小山 研二, 高木 靖, 大内 清昭, 伊藤 賢司, 渡部 秀一, 佐藤 寿雄
    1978 年 19 巻 12 号 p. 1187
    発行日: 1978/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • マイクロプレート法による検討
    銭谷 幹男, 高橋 弘, 出浦 正倫, 清水 能一, 相沢 良夫, 秋庭 真理子, 斉藤 礼郎, 飛鳥 田一朗, 三枝 苗成, 亀田 治男
    1978 年 19 巻 12 号 p. 1188
    発行日: 1978/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 1978 年 19 巻 12 号 p. 1189-1205
    発行日: 1978/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
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