肝臓
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21 巻 , 6 号
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  • 宮本 京
    1980 年 21 巻 6 号 p. 659-668
    発行日: 1980/06/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    ラットを用いて,血中エタノール消失速度(Widmark's β60値)および肝のエタノール代謝に及ぼすUridine diphosphate(UDP)投与の影響を検討した.UDP前処置により,著明な血中エタノール消失促進効果が認められた.エタノール投与6時間および20時間後の肝トリグリセリド量の推移より,UDPは抗脂肝作用を有していると考えられた.肝エタノール酸化酵素(ADHおよびMEOS)活性やcytochrome P450量は,UDP投与により影響を受けなかった.エタノール投与6時間後の乳酸,ピルビン酸値および乳酸/ピルビン酸比は,いずれも,対照群,UDP投与群および非投与群の三者間に有意差を認めなかった.UDP前処置により,肝ATP量およびadenylate poolの有意な増加が認められる一方,energy chargeは対照およびエタノール単独投与群と変らなかった.これらの成績より,UDPのエタノール代謝促進効果は,肝ATP代謝回転の亢進の結果生ずることが示唆された.
  • 湊 志仁, 蓮村 靖, 武内 重五郎
    1980 年 21 巻 6 号 p. 669-676
    発行日: 1980/06/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    アルコール性障害肝の線維化と,星細胞(Sternzellen)との関係を明らかにする目的で,アルコール性障害肝(20例)を,線維化の程度(Masson染色)から軽度群(5例),中等度群(6例),高度群(9例)に分類し,電顕的観察を行った.
    線維化軽度群では,星細胞の形態学的特徴および数の変化には正常肝とほとんど差が認められなかった.一方中等度群では,とくに肝細胞周囲や類洞周辺部のコラーゲン線維束の増加部位に近接して,脂質滴が大きく粗面小胞体の発達した星細胞が認められた.同様の所見は線維化高度群の偽小葉中心部にも認められたが,偽小葉周辺部では,脂質滴のほとんどない星細胞が多かった.以上の成績は,アルコール性障害肝において星細胞が線維増生に関与している可能性を示唆すると考えられた.
  • 寺本 民生, 内藤 周幸
    1980 年 21 巻 6 号 p. 677-692
    発行日: 1980/06/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    閉塞性黄疸患者のリポ蛋白X(LP-X)量は血清リン脂質(TPL)/コレステロール(Chol).比によく相関していた.閉塞性黄疸の際上昇するTPLは主にphosphatidylcholine(PC)であるので,血清にPCを加えた所,LP-Xとよく似た物質が得られた.またPC添加血清と赤血球を孵置すると,赤血球よりChol.が溶出し,殆んど全てLP-X分画に取り込まれていた.ラットで胆管を結紮すると,初期には血清TPLが,Chol.に比して優位に上昇し,続いて血清Chol.の急激な上昇,赤血球Chol.の低下,LP-Xの出現が同時におこっていた.PCをラットに静注すると高Chol.血症となり,上昇したChol.の約60%はLP-X分画に回収された.この際,肝Chol.合成能は高まっていた.以上より胆汁の主成分であるPCが血中へ逆流するため,生体膜よりChol.が溶出され,LP-Xが形成され,更に肝でもChol.を失うためChol.合成能が高まり,膜を介して血中へChol.を供給し,LP-Xの生成に寄与していると考えられた.
  • 橋本 修, 斉藤 公志郎, 小畠 正夫, 川出 靖彦, 武藤 泰敏, 高橋 善彌太
    1980 年 21 巻 6 号 p. 693-703
    発行日: 1980/06/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    肝性脳症に於ける脳内セロトニン(5-HT)代謝異常を,肝硬変及び劇症肝炎患者脳脊髄液(CSF)中トリプトファン(Trp)及び5-ハイドロキシインドール酢酸(5-HIAA)の面から検討した.対照群に比し,CSF中Trpは肝硬変非脳症群,脳症群及び劇症肝炎群で有意に上昇し,5-HIAAは,肝硬変脳症群で有意に上昇したが,非脳症群では有意差はなかった.肝硬変脳症群は非脳症群に比し,CSF中Trpのみが有意に上昇した.CSF中Trpと5-HIAAの間には有意の正相関が認められた.同一症例の臨床経過中CSF Trp, 5-HIAAの変動は3例中2例で脳症発現と関連していた.尚,虚血性肝不全ラット脳内Trp, 5-HT及び5-HIAAについて分析し,Trp及び5-HIAA濃度は,ほぼ全脳にわたり有意に上昇していたが,5-HT濃度は中脳,視床下部,延髄・橋と線条体でのみ有意に上昇していた.以上の結果より,肝性脳症に於ては脳内5-HT代謝は亢進しているものと結論し,この結果と脳症発現機序との関係につき考察した.
  • 矢野 右人, 古賀 満明, 古河 隆二, 田中 智之, 松本 頼子, 森次 保雄
    1980 年 21 巻 6 号 p. 704-712
    発行日: 1980/06/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    A型急性肝炎41例の発症後経時的に得られた血清につき,RIA (HAVAB)法およびIAHA法によりHA抗体の動態を検索すると共に病初期one point血清での診断法を検討した.IAHA法では発症後もしばらくHA抗体活性が検出されず,発症4週ないし10週よりようやく検出された.従って病初期と10週以後のペア血清があれば診断可能であるがretrospectiveにしか診断されない難点がある.RIA法では病初期からHA抗体活性が検出された.発症時の主な抗体活性はIgM抗体であり,回復期のものはIgG抗体であった.2mercaptoethanol処理血清と非処理対照のHA抗体活性を測定し両者の比M-indexを算出するとA型肝炎初期の血清では1.5以上の値が得られone point血清のみによるA型肝炎の診断が可能であることが分った.発症期と回復期のペア血清を用いRIA法でHA抗体を検出する場合も血清の2ME処理を行った方がより確実に診断出来ることが分った.
  • 原田 英治
    1980 年 21 巻 6 号 p. 713-722
    発行日: 1980/06/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    1972年から1978年までの7年間に経験した輸血後肝炎71例(B型9例,非B型62例)についての臨床的検討を行なった.年次別発生例数から,近年B型は激減している一方,非B型が著増していることが示唆された.非B型輸血後肝炎を潜伏期間から,B型類似の潜伏期の長いもの(40日以上)と短いもの(14~39日)に区別したが,臨床像,経過,予後において両者に明らかな差異は認めえなかった.非B型輸血後肝炎には初期症状を呈さないもの,および無黄疸型が高率に認められた.また血清トランスアミナーゼ値1500IU/l以上のものは低率であったが,治癒例においても血清トランスアミナーゼの正常化までに10週以上を要したものが多かった.非B型輸血後肝炎の遷延・慢性化は症例の36%に認められ,とくに急性期,無黄疸で経過したものにこおいて高率(57%)にみられた.遷延・慢性化した症例(10例)の肝組織では,過半数に,chronicpersistent hepatitisまたは,chronic aggressive hepatitis, 2Aの所見を認めた.
  • 坂本 久浩, 清水 勝, 原田 英治, 大竹 寛雄, 田中 慧, 大林 明
    1980 年 21 巻 6 号 p. 723-729
    発行日: 1980/06/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    輸血後に発生した劇症肝炎5症例に対して,intermittent flow centrifuge (IFC)或いはcontinuous flow centrifuge (CFC)を使用して,患者血漿と新鮮凍結血漿(FFP)とを連続的に交換した.1回に交換した血漿量は,30~40単位(約2,400~3,200ml)で,2~3時間を要した.5症例に対して平均2.4回(1~4回)の血漿交換を行い,2例に完全な意識レベルの回復をみた.1例(75歳,男)は2回の血漿交換で完全に覚醒し,他の1例(67歳,女)は3回の交換により著明な意識レベルの改善をみ,血液潅流を追加することによって完全に覚醒した.しかしながら,両症例とも覚醒後も黄疸が増強し,それぞれ26日と41日後に合併症と意識障害をきたして死亡した.他の3例については,血漿交換は無効であった.以上の成績から,劇症肝炎に対する血漿交換療法は今後なお検討すべき肝支持療法の一つと考える.
  • 松田 彰史
    1980 年 21 巻 6 号 p. 730-739
    発行日: 1980/06/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    門脈血中に存在するhepatotrophic factorであるglucagonとinsulinの共役的肝再生促進作用に着日し,急性肝不全に対する臨床的応用を試みた.すなわち急性期の肝細胞壊死の抑制,肝再生の促進および意識障害の改善を期待し,急性肝不全15例にglucagon-insulin療法を施行し,5例の生存例をえた.また生存例以外に2例の意識改善例があった.本療法の有効例・生存例は治療開始時にいずれも意識障害がsherlock III度以下のものであり,早期に劇症化を予知して本療法を開始すれば予後もさらに良好になる可能性がある.そして,その早期診断にはhepaplastin test, rapid turnover proteinsが有効な指標となること,肝再生の指標としてAFPが有用であることをしった.なお本療法によって,低K血症,低血糖がときにみられるが,重篤な副作用はまったく認めなかった.
  • 西村 秀男, 原田 俊則, 菅 大三, 名和田 順介, 西岡 幹夫, 竹本 忠良, 早川 幹夫
    1980 年 21 巻 6 号 p. 740-744
    発行日: 1980/06/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    急性肝炎から慢性肝炎(非活動性および活動性),肝硬変をへて肝細胞癌への進展過程におけるALP isoenzymeの変化をしらべた.方法は(1)AGEによる上記疾患別ALP isoenzymeの比較,(2)PAGEによる肝硬変から肝細胞癌発生までのALP isoenzymeの追跡の2法によった.結果(1)骨性および小腸性ALP活性の出現率は急性肝炎,慢性非活動性肝炎,慢性活動性肝炎,肝硬変の順に上昇し,肝細胞癌では逆に低下した.(2)肝硬変から肝細胞癌発生まで追跡できた10症例のうち6例はAFP 400ng/ml以下の低値期に小腸性ALP活性の低下をみとめ,他の4例はAFPが高値となってから死亡するまでの間に全例が小腸性ALPの低下をしめした.
    これらの結果から,骨性および小腸性ALPの変化を慢性肝炎の活動性の判定,肝硬変の診断,AFP陰性又は低値の肝細胞癌の早期診断に利用できると考える.
  • 金戸 昭, 久保 保彦, 長崎 嘉和, 桑原 靖道, 阿部 正秀, 金子 壽興, 江畑 浩之, 佐藤 克昭, 平井 賢治, 火野坂 徹, 谷 ...
    1980 年 21 巻 6 号 p. 745-753
    発行日: 1980/06/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    肝癌(原発性肝細胞癌)50例および肝硬変30例を対象として血清ferritinを測定し,その臨床的意義について検討を行なった.
    肝癌の66%,肝硬変の27%に血清ferritinの上昇をみた.肝癌での平均は,507.4±662.8ng/mlで,肝硬変の平均151.8±142.3ng/mlに比べ有意に高かった.α-Fetoprotein (AFP)との関係については,むしろAFP低値肝癌(400ng/ml以下)において,血清ferritinが高値を示す頻度が高かった.また細小肝癌の5例中4例において血清ferritinは,200ng/ml以上を示した.以上の成績から,血清ferritinは肝癌なかんずくAFP低値肝癌に対して有用なmarkerになりうるものと考えられる.なお血清ferritinとHBsAgおよび腫瘍サイズとの間には明らかな相関はえられなかった.さらに肝癌の治療と血清ferritinとの関係については,肝切除例あるいは制癌剤one shot療法例における変動を観察し,少しく言及した.
  • 日高 久光
    1980 年 21 巻 6 号 p. 754-763
    発行日: 1980/06/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    わが国の肝細胞癌は80%以上に肝硬変症を伴っているが,著者は173例の肝細胞癌の剖検例及び手術例について肝硬変症合併の有無を検討し,肝硬変症を伴わない25例(14.5%)を中心に臨床病理学的検討を行った.肝硬変症を伴わない群では,肝硬変症を伴う群との間に,発症年齢,性差,臨床経過,直接死因,遠隔転移,肝内腫瘍血栓の頻度,血清HBs抗原の陽性率に差異を認めた.ことに血清HBs抗原は肝硬変症を伴う群では43.3%に陽性であったのに対し,肝硬変症を伴わない群では21例中2例(9.5%)のみ陽性であった.組織所見は25例全例の非癌部に線維化を認めたが,線維化の程度は症例により異なり,癌部組織は,非癌部組織の線維化の軽い症例ほど,低分化の傾向が見られた.
  • 福田 善弘, 足立 正彦, 杉山 知行, 宮村 正美, 河崎 恒久, 佐野 万瑳寿, 中野 博, 井村 裕夫, 池原 幸辰, 中川 潤, 伊 ...
    1980 年 21 巻 6 号 p. 764-768
    発行日: 1980/06/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    26歳男子のHB抗原陽性肝硬変症患者の経過中にシューブ様の増悪を認め,HA抗体価の経時的な観察からA型急性肝炎の重感染と考えられる症例に遭遇した.その際,発熱,IgMの上昇,異型リンパ球の出現等通常のA型急性肝炎に特徴的とされる所見がみられた.A型肝炎ウイルスの重感染によりHBs抗原価は一過性に減少したが,A型急性肝炎の回復と共に旧値に復した.
  • 山下 征紀, 国政 徹明, 竹野 弘, 中西 敏夫, 松尾 信孝, 盛生 宏一, 竹崎 英一, 竹本 学, 川上 広育, 三好 秋馬, 円山 ...
    1980 年 21 巻 6 号 p. 769-778
    発行日: 1980/06/25
    公開日: 2010/03/08
    ジャーナル フリー
    針生検標本では原発性胆汁性肝硬変と診断できず,外科的生検標本の連続切片標本により診断しえた原発性胆汁性肝硬変の3例について報告した.症例1は29歳,症例2は59歳,症例3は29歳ですべて女性であり,3例とも黄疸と掻痒感を主訴としている.検査所見はともに高ビリルビン血症,高アルカリフォスファターゼ血症,高コレステロール血症が見られ,IgM,γグロブリンの増加が認められた.抗糸粒体抗体は3例とも陽性であった.連続切片標本による検討では,症例1では外径が約80μmの小葉間胆管を囲む炎症細胞浸潤があり,傷害された小葉間胆管が崩壊,消失していく像を示していた.肉芽腫は認めなかった.症例2では小葉間胆管およびseptal bile ductは各連続切片標本上全く見られず,胆管が消失した部位にはリンパ球の濾胞様集簇が認められた.肉芽腫は見られなかった.症例3では小葉間胆管およびseptal bile ductの減少,消失が見られた.約200μm外径の大胆管を囲む炎症細胞浸潤が強く,基底膜を破って,胆管壁内にリンパ球の浸潤が見られた.傷害された胆管周囲に類上皮細胞からなる肉芽腫の形成が認められた.
  • 井口 潔
    1980 年 21 巻 6 号 p. 779-783
    発行日: 1980/06/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
  • 久保 保彦, 平井 賢治, 長崎 嘉和, 阿部 正秀, 谷川 久一, 酒見 泰介, 下川 泰, 本川 正和
    1980 年 21 巻 6 号 p. 784
    発行日: 1980/06/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
  • 吉村 信, 山田 勉, 桜井 勇, 下田 敏彦, 阿部 賢治, 塚越 茂, 岡野 匡雄, 柄沢 勉, 志方 俊夫
    1980 年 21 巻 6 号 p. 785
    発行日: 1980/06/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
  • 結城 武彦, 栗山 欣弥, Ronald G.Thurman, 中嶋 俊彰, 大熊 誠太郎, 土佐 征英, 高橋 示人, 瀧野 辰郎
    1980 年 21 巻 6 号 p. 786
    発行日: 1980/06/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
  • 小路 敏彦, 石井 伸子, 河野 健次, 古河 隆二, 為西 昭勇, 中村 晋, 棟久 龍夫, 平井 秀松
    1980 年 21 巻 6 号 p. 787
    発行日: 1980/06/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
  • 三條 健昌, 比田 井耕, 深沢 正樹, 二川 俊二, 牛山 孝樹, 和田 達雄, 与芝 真, 堺 隆弘, 織田 敏次, 井上 昇
    1980 年 21 巻 6 号 p. 788
    発行日: 1980/06/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
  • 菅井 桂雄, 平沢 博之, 小林 弘忠, 大川 昌権, 添田 耕司, 林 春幸, 小高 通夫, 佐藤 博
    1980 年 21 巻 6 号 p. 789
    発行日: 1980/06/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 21 巻 6 号 p. 790-797
    発行日: 1980/06/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
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