肝臓
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22 巻 , 12 号
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  • 高野 明
    1981 年 22 巻 12 号 p. 1645-1653
    発行日: 1981/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝細胞の空胞変性の形態発生を明らかにする目的で,うっ血をおこしたラット肝の光顕的および電顕的検索を行った.空胞は横隔膜直下の下大静脈を狭窄し,肝静脈圧を40mmH2O以上上昇させると5ないし7分以内に発生した.空胞は一層の限界膜に包まれ,血液成分ときには赤血球や血小板をいれている.空胞は類洞側肝細胞膜の陥入によって生じ,初期の段階においては空胞膜は肝細胞膜との連続性を有し,酵素組織化学的に肝細胞膜とほぼ同一の性状を示す.以上の所見より,肝細胞の空胞変性は類洞圧の急激な上昇によって生じた極端なendocytosisに他ならないと結論された.
    また,空胞変性は肝細胞の退行性変化ではなく,細胞外圧上昇による被害を緩和するための一種の防禦機転であろうと考えた.
  • 佐田 通夫, Paul R. Beninger, 瀬戸山 浩, 向坂 彰太郎, 久永 孟, 安倍 弘彦, 谷川 久一
    1981 年 22 巻 12 号 p. 1654-1661
    発行日: 1981/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    HBV carrierでA型肝炎を発症した15例,およびHAVとHBVに一過性に重感染した2例を経験し,その臨床症状,肝機能検査所見,抗原抗体系の推移および肝組織所見につき検討した.重感染例の臨床症状,肝機能検査所見はHAV単独感染例に比べ,軽くなる傾向は認められず,肝機能異常が正常化する日数は,むしろ長い傾向が認められた.重感染例でのHAVに対する液性抗体の応答は,単独感染例と比べても抑制は認められず,IgMHA抗体は,より高値を示す傾向にあった.HBV関連抗原抗体は,一過性に軽度の増減を示す例もあったが,HBs抗原価の著明な減少を認める例はなく,e抗原,抗体のseroconversionも認められなかった.重感染例のうち急性期に肝生検を施行し得た2例の光顕肝組織所見は,HAV単独感染例に比べ肝細胞の壊死はやや強い傾向がみられた.以上のことから,HAVとHBVの重感染では,生体レベルでは両ウイルス間に干渉現象は起らないことが示唆された.
  • 水野 元夫, 山田 剛太郎, 坂本 裕治, 西原 隆, 長島 秀夫
    1981 年 22 巻 12 号 p. 1662-1669
    発行日: 1981/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    25例のHBs抗原陽性慢性肝疾患患者の血清95検体を用いて経時的にRadioimmunoassay (RIA)法でHBe抗原・抗体を測定し,同時に血中DNA polymerase (DNA-P)活性,Dane粒子を検索し両者の関連を検討した.RIA法でHBe抗原陽性群のDNA-P活性はHBe抗体陽性群に比し有意に高値を示したが,HBe抗原陽性群でも約1/3の検体でDNA-P活性は低値を示した.急性増悪を伴う慢性肝炎10例の経時的観察では,HBe抗原持続陽性例は4例で,うち3例ではDNA-P活性は常時高くDane粒子も多く観察されたが,1例ではDNA-P活性もたえず低くDane粒子もごく少数であった.急性増悪期に一致してHBe抗原からHBe抗体または判定保留へと変動を示した4例中3例では,DNA-P活性やDane粒子の増減がほぼ平行して経過したが,1例では急性増悪時にもDNA-P活性やDane粒子は低値のままであった.経過中主としてHBe抗体が検出された2例では,急性増悪期にHBe抗体陽性ないし判定保留でも一過性にDNA-P活性の上昇やDane粒子の増加が観察された.
  • 中川 彦人
    1981 年 22 巻 12 号 p. 1670-1677
    発行日: 1981/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    慢性B型各種肝疾患におけるインターフェロン(IF)動態と肝炎の遷延・慢性化との関連性を明らかにする目的で,Sendai virusをinducerとして末梢血リンパ球のIF産生能および血清中のIF活性の検索を行なった.末梢血リンパ球のIF産生能は,健常成人群1354±483I U/ml, Carrier群1678±770IU/ml, CAH群548±236IU/ml, LC群526±235IU/mlで,Carrier群では健常成人と同程度のIF産生がみられたのに反し,CAH, LC群ではともに有意に低下していた.IF産生能が著明に低下していた症例は,CAH, LCに多くみられ,血清GPT値,BSP値が高値を呈す程IF産生能が低下する傾向が認められた.血清中のIF活性は,健常成人および肝疾患群とも検出されなかった.以上の成績より,末梢血リンパ球のIF産生能の低下は,B型肝炎の遷延・慢性化および活動性と密接に関連している可能性が示唆された.
  • 山内 眞義, 鬼沢 信明, 藤沢 洌, 亀田 治男, 石沢 和敬, 出浦 正倫, 岩崎 仁, 佐藤 泰雄, 河村 博, 藤松 順一, 志方 ...
    1981 年 22 巻 12 号 p. 1678-1684
    発行日: 1981/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    1980年5月をピークとして,清水市興津・小島地域に流行した急性肝炎82例について,その臨床経過につき検討し,同時に血清学的に型診断を行った.82例は非A非B型肝炎と診断され,本邦初の非A非B型肝炎の地域流行であることが確認された.臨床検査成績では,T. Bil 2.0mg/dl以下が38.3%を占め,GOT, GPTも1,000単位前後を示した.AI-P, LAP, γ-GTPも中等度の上昇を認め,TTT,免疫グロブリン
    は正常範囲内であった.6ヵ月以上を経過した49症例のうちトランスアミナーゼ異常が持続した症例は28例(57.1%)と高頻度であり,多峰性を示したものはすべて遷延した.非A非B型剖検肝ホモジネートに対する抗体(anti-AN 6520)について検討すると12例中8例(66.7%)に抗体価の漸増を認め,本抗原の関与が示唆された.
  • 内海 勝夫, 高相 豊太郎, 金田 丞亮, 岩間 章介, 横須賀 収, 小俣 政男, 奥田 邦雄
    1981 年 22 巻 12 号 p. 1685-1692
    発行日: 1981/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    清水市における,1977年及び1980年の散発性急性肝炎について検討した.市東部の興津地区に,非A非B型急性肝炎が多発しており,市内他地区にくらべて有意差を認めた(p<0.001). 1980年には,その発生地域が拡大し,西隣の横砂地区でも非A非B型肝炎が多発していた.1980年には,34例にHA抗体の検索を行ない,8例をA型,26例を非A非B型と診断したが,興津,横砂地区の症例は全例非A非B型であった.予後に関しては,A型,B型は全例治癒したが,非A非B型は6月で13例中8例,61.5%と,高率に肝機能異常持続を認めた.肝機能検査では,非A非B型はSGOT, SGPT, TTTが,A型,B型にくらべ有意に低値を示した.非A非B型は中高年齢者に多く,また女性にやや多く見られた.高頻度慢性化率,及びトランスアミナーゼの多峰化等より,当地区で観察した散発性非A非B型肝炎は,輸血後非A非B型肝炎に類似していると思われる.
  • 関 孝一, 南 雄三, 西川 正博, 河田 純男, 三好 志雄, 今井 康陽, 垂井 清一郎
    1981 年 22 巻 12 号 p. 1693-1700
    発行日: 1981/12/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    我々は大量の合成estrogenで治療中の前立腺癌患者が,γ GTPの上昇を伴なう肝腫大を来たすことに気付き,肝腫大例6例を対象に腹腔鏡検査を行ない形態学的検討を加えた.腹腔鏡所見は肝の腫大とgranularからmicronodularの肝表面像を,生検肝の光顕所見は肝細胞のballooning,脂肪浸潤,steatonecrosis, alcoholic hyaline様物質,好中球浸潤,pericellular fibrosisなどアルコール性肝炎に特異とされる所見を,電顕所見は滑面小胞体のhypertrophyとvesicula tion, autophagic vacuoleの増加の所見を示した.近年アルコール性肝炎に類似する肝組織所見を示す非飲酒者の存在が,高度の肥満,肥満に対するjejunoileal bypass術後,糖尿病,2.3の薬剤に報告され,Ludwigらはこれに“nonalcoholic steatohepatitis”なる名称を呈称している.大量の合成estrogenもまた“nonalcoholic steatohepatitis”を起因する薬剤の一つであると考える.
  • 安部 行弘, 永田 耕一, 石井 美岐代, 有馬 暉勝, 長島 秀夫
    1981 年 22 巻 12 号 p. 1701-1707
    発行日: 1981/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    血清蛋白電気泳動に際して,まれにγグロブリン分画が陰極側に異常に伸びる症例があることに気づき,その検討をおこなった.1)対象8,400検体のうち,152検体に顕著な陰極への伸びがみられた.2)この異常塩基性蛋白はIgGであり,protein Aに吸着されることから,そのサブクラスはIgG3以外のものと考えられた.3)ノイラミニダーゼ処理の成績から同蛋白は正常の糖鎖のシアル酸がはずれて生じたものではないと考えられた.4)同蛋白は肝疾患に多く(異常塩基性蛋白を持つ59例中37例,62.7%), HBs抗原陽性者に多くみられた(異常塩基性蛋白を持つ肝疾患37例中29例,78.4%), 5)同蛋白が慢性肝炎増悪期に相前後して増加する症例があった.
  • 野田 健一, 安藤 啓次郎, 沼 義則, 坪田 若子, 江崎 隆朗, 福本 陽平, 沖田 極, 竹本 忠良
    1981 年 22 巻 12 号 p. 1708-1713
    発行日: 1981/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝癌の発癌過程における薬物代謝酵素epoxide hydrolaseの生体での意義を解明する目的で,正常ラット肝をもちいてepoxide hydrolaseの精製を試み,SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法にて1本の最小分子量50,000のポリペプチド蛋白を分離抽出した.精製分画には440unit/mg蛋白量の酵素活性(styrene oxide)がみられ,精製率20倍,活性の回収率56%が得られた.これより家兎抗ラットepoxide hydrolase血清を作成し,ヒト肝より調整された小胞体分画との間に1本の沈降線形成が認められた.
  • 山崎 晋, 長谷川 博, 幕内 雅敏
    1981 年 22 巻 12 号 p. 1714-1724
    発行日: 1981/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    細小肝癌(直径5cm以下,多発の場合は1肝亜区域内に限局するもの)の27切除例につき臨床病理学的に分析した.27例中24例に肝硬変が合併していた.AFPは細小肝癌発見のために有用であるが,6例でAFP 50ng/ml以下であり,AFP値の高低にかかわらず,CT Scan,超音波検査等による定期検診が慢性肝疾患患者の管理上必要である.病理学的には偽被膜形成が90%以上に見られるものの,脈管浸潤も極めて旺盛で,腫瘍動態としては決して限局性ではなく,進行癌として対処すべきである.肝癌は腫瘍径のみで早期癌を定義できない.治療としては切除が望ましいが,肝硬変が高率に合併すること,および脈管浸潤が旺盛であることを考慮し,脈管支配に応じた系統的小範囲切除が現状ではよいと思われる.術中超音波検査法を導入し,系統的亜区域切除を創案し,手術成績の向上が得られた.
  • 三宅 周, 河野 宏, 植田 昌敏, 尾上 公昭, 渡辺 正博, 杉山 明, 岩本 龍夫, 岩原 定可, 鷲田 哲雄, 荒木 文雄
    1981 年 22 巻 12 号 p. 1725-1730
    発行日: 1981/12/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    当院において経験されたカロリー病2例について検討を加えた.症例1は30歳男性で,心窩部痛,全身倦怠,腹満を,一方症例2は41歳男性で,心窩部痛,発熱,悪寒,嘔吐を主訴に来院した.本病の診断については,ERCPおよびPTCが普及し,それらによる例が増加したが,それでも現在諸外国で128例,本邦で13例の報告をみるに過ぎない.我々の2例もいずれもPTCにより診断され,2例とも確診と治療を目的に手術を行い,症例1では手術下に肝生検も施行され,どちらも先天性肝線維症を合併しない純型の本病と診断された.
    治療については,根本的なものはない.まず,胆管炎に対して抗生剤を投与し,それが不効の場合にはPTCDとか手術が考慮される.Tチューブを通して,また薬剤とかホルモン投与により胆道洗浄を行うのも一考である.くり返す胆管炎とか,原因不明の門脈圧亢進症をみた時には,本症も考えに入れておきたい.
  • 新井 孝之, 山田 昇司, 下條 宏, 長坂 一三, 長嶺 竹明, 竹沢 二郎, 市川 邦男, 高木 均, 須賀 勝久, 関口 利和, 小林 ...
    1981 年 22 巻 12 号 p. 1731-1736
    発行日: 1981/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    sサルコイドーシスでは肝に肉芽腫を見る頻度が高いが,肉芽腫のみならず小葉間胆管に変化をみとめたサルコイドーシス例を報告する.症例は16歳の女性で,眼サルコイドーシスと診断されて入院.胸部レ線上,両側肺門リンパ節腫張と肺野に顆粒状陰影がみられ,拡散能の低下もみとめられた.肝機能検査では経過中GPT, LDH, γ-GTP, LAPの軽度上昇がみられた.肝針生検による所見では肝実質に脂肪浸潤がみられ,門脈域には多数の類上皮細胞肉芽腫をみとめ,一部の小葉間胆管の壁の破綻が観察された.しかし形質細胞やリンパ球を中心とする細胞浸潤はめだたず,原発性胆汁性肝硬変の所見とは相違していた.最近,原発性胆汁性肝硬変を肉芽腫性疾患として把えようとする動向があり,また,サルコイドーシスと原発性胆汁性肝硬変の異同が問題となる症例の報告もあり,かかる症例の集積と経過観察が必要と思われる.
  • 辻 孝夫
    1981 年 22 巻 12 号 p. 1737
    発行日: 1981/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 浪久 利彦, 今成 晴代, 黒田 博之
    1981 年 22 巻 12 号 p. 1738
    発行日: 1981/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 岡部 和彦, 清水 昭一, 渡辺 勇四郎
    1981 年 22 巻 12 号 p. 1739
    発行日: 1981/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 幕内 雅敏, 長谷 川博, 山崎 晋, 万代 恭嗣, 渡辺 五朗, 伊藤 徹
    1981 年 22 巻 12 号 p. 1740
    発行日: 1981/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 倉井 清彦, 飯野 四郎, 鈴木 宏, 三田村 圭二
    1981 年 22 巻 12 号 p. 1741
    発行日: 1981/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 岡崎 伸生, 吉野 正曠, 吉田 孝宣, 大倉 久直, 森山 紀之, 松江 寛人
    1981 年 22 巻 12 号 p. 1742
    発行日: 1981/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 中島 悦郎, 小笠 原孟史, 岡上 武, 奥野 忠雄, 瀧野 辰郎, 杉野 成, 岸田 綱太郎
    1981 年 22 巻 12 号 p. 1743
    発行日: 1981/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 阿部 賢治, 志方 俊夫, 柄沢 勉, 織田 敏次
    1981 年 22 巻 12 号 p. 1744
    発行日: 1981/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 1981 年 22 巻 12 号 p. 1745-1769
    発行日: 1981/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
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