肝臓
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23 巻 , 4 号
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  • 佐藤 信紘, 小山 亮, 林 紀夫, 七里 元亮, 鎌田 武信, 阿部 裕
    1982 年 23 巻 4 号 p. 361-363
    発行日: 1982/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝の呼吸能は耐糖能と密接な関係にあり,耐糖能異常が著しい程,肝の呼吸能が低下していることが最近明らかとなった.一方,血清m-GOTは肝のミトコンドリア障害を表わすと考えられるので,m-GOTと肝の呼吸能について耐糖能との関連より検討を行った.
    耐糖能正常例ではm-GOTの低い例は肝呼吸活性は高く,m-GOTの上昇と共に呼吸活性は低下傾向を示し,両者には負の相関が認められた.これに対し耐糖能異常例では全般に肝の呼吸活性は低く,必ずしもm-GOTと肝の呼吸活性には相関が認められなかった.
    即ち,耐糖能が正常の場合は血清m-GOTレベルは肝組織の呼吸能をよく表わし,m-GOTの増加は肝の呼吸能の低下を示す.しかし,肝疾患の進展により耐糖能が低下してくると,m-GOTレベルは必ずしも呼吸能を反映しない.
  • 熊田 卓, 中野 哲, 太田 博郷, 佐々木 智康, 北村 公男, 綿引 元, 武田 功, 奥山 澄彦, 高木 健次
    1982 年 23 巻 4 号 p. 364-371
    発行日: 1982/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    劇症肝炎9例,急性B型肝炎12例について高速液体クロマトグラフィと3α-hydroxysteroid dehydrogenaseの固定化カラムとを組み合わせた方法により血中胆汁酸15分画を測定しその臨床的意義について検討した.
    1) 劇症肝炎および急性肝炎における総胆汁酸量,抱合率,G/T比は両群に差を認めなかった.
    2) GC, TCおよび総Cが総胆汁酸に対して占める割合は劇症肝炎で有意に低値を示した(p<0.05).またGC/GCD比,TC/TCDC比および総C/CDC比は劇症肝炎で有意に低値であった(p<0.05).
    3) TT, HPT, α2-HS glycoproteinはC, CDCの占める割合およびC/CDC比と良好な相関を示した(p<0.01).
    以上より劇症肝炎で血中胆汁酸分画を測定することは診断および治療によるみかけの変動が少ないため病態把握や経過の観察に有用と考えられた.
  • 南部 勝司, 上山 洋, 今井 康允, 和田 偉将, 崎田 隆一, 森川 綾子, 佐久間 光史, 前田 裕, 高原 義, 真弓 忠, 津田 ...
    1982 年 23 巻 4 号 p. 372-378
    発行日: 1982/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    HBs抗原持続陽性者246例を対象とした.これを,A:無症候性HBs抗原持続陽性者(ASC), B:初めて肝機能障害を指摘されたもの,C:肝疾患患者,の3群に分けて検討し,さらに,42家族97名について家族内調査を行った.B群では,肝機能検査の1項目だけに異常を示したものが57.7%を占め,この異常はGOT, GPT, ICGに多く,ASCからの発症は潜行性に起り,徐々に慢性化するものと推測された.家族内HBs抗原陽性率はC群の家族で高く,しかも,配偶者より血族者で高率であった.組織学的にみても,血族者内にHBs抗原陽性者が存在する発端者では肝硬変,肝癌が45.5%を占め,肝病変の進展も急速であったのに対し,存在しない発端者では肝硬変は5.3%にすぎず,その差は有意(p<0.05)であった.これらの結果から,B型肝炎の発症と肝病変の進展に,遺伝的因子の関与が示唆された.
  • 熊田 博光, 小宅 映士, 吉田 行哉, 池田 健次, 吉場 朗, 大迫 悦子, 宮崎 明子, 瀬戸 幸子, 塚田 理康, 遠藤 雄三
    1982 年 23 巻 4 号 p. 379-387
    発行日: 1982/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    B型慢性肝炎におけるHBs抗原の消失およびHBs抗体へのseroconversionの頻度について検討した.2年以上長期観察できた101例の慢性肝炎について,コルチコステロイド剤使用群27例と,未使用例74例のHBs抗原の陰性化率をみると,コルチコステロイド剤27例では5例(18.5%)にR-PHA法RIA法共に,HBs抗原の陰性化が認められた.また,陰性化した5例中3例(60%)にHBs抗体が出現した.一方,コルチコステロイド剤を使用しなかった74例では1例(1.4%)にHBs抗原の陰性化が認められたが,HBs抗体の出現はなかった.コルチコステロイド剤を使用してHBs抗原が陰性化した症例はいずれもコルチコステロイド剤を使用し中止後に大きなrebound現象が認められた症例であった.また,コルチコステロイド剤の使用法は,初回30mg/日~40mg/日を7日間連日使用し,以後7日ごとに10mgずつ減量し,血清トランスアミナーゼのreboundが起った時点で,コルチコステロイド剤を中止する方法を用いた.
  • 飯島 敏彦
    1982 年 23 巻 4 号 p. 388-395
    発行日: 1982/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    薬剤アレルギー性肝障害の診断に用いられる,リンパ球刺激試験(LST),マクロファージ遊走阻止試験(MIT),白血球遊走阻止試験(LIT)の陽性率は必ずしも一致しない.その原因を検討するため,LSTを行なった382例についてMIT (353例),LIT (29例)を行ない比較した.MITとLITで,遊走細胞に対する添加薬剤の直接的遊走抑制を除去するためにはパルス培養法を行なった.また,遊走阻止因子は血清無添加法で最もよく生成された.薬剤アレルギー性肝障害例で,血清無添加・パルス培養法によるMITとLSTを行ない,LSTとの一致率が25%より55%に向上した.好酸球数の増加はLSTとMIT共に陽性を示した群で高値を示し,GOTとLDHはLSTとMIT,あるいはMITに陽性を示した群で有意に高値を示した.またMITは発症早期に陽性を示す例が多く,LSTは発症後長期を経過した症例でも陽性を示した.病理組織像では,炎症像はMIT陽性を示した群に強い傾向がみられた.
  • 辻 孝夫, 長島 秀夫, 佐藤 二郎
    1982 年 23 巻 4 号 p. 396-403
    発行日: 1982/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    ヒトの肝細胞癌を免疫学的方法を用いて治癒させることを目的として,AFPとalbumin (Alb)を産生するヒトhepatoblastoma由来の培養肝細胞を標的細胞として,AFP, Albと特異的肝細胞膜抗原(LMAg)に対する3種類の抗体を用いたADCCとcomplement-mediated cytotoxicityのcytotoxicity testを行うと共に,蛍光抗体間接法によるそれら抗体の標的細胞への反応状態を観察した.その結果,ADCCとcomplement-mediated cytotoxicityの両方法で抗AFPと抗Albは同程度のcytotoxicityを示したが,それらは対照血清とそれほど有意に高率ではなかった.それに反して,LMAgに対する抗体(LMAb)を用いた際には両方法で,共に有意に高率のcytotoxicityを示し,蛍光抗体法による観察でも,標的細胞の障害には,細胞膜がbarrierになるために前2者の抗体は反応の程度が弱く,やはり細胞膜自身の抗原に対応する抗体が標的細胞障害には重要視されることがわかった.
  • 武本 憲重
    1982 年 23 巻 4 号 p. 404-412
    発行日: 1982/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    手術によって得られた肝細胞癌(HCC) 38例のうち,2例の類洞型,6例の置換型肝細胞癌につき,光顕,透過電顕像を検討した.(1)類洞型発育様式をとるHCCの多くは,主として類洞内を,時にDisse腔内を浸潤性に発育している.癌細胞はDisse腔内浸潤巣ではcollagen,basement membrane-like substance間を発育し,類洞の内皮細胞,collagenには変性,萎縮あるいは消失がみられ,癌細胞が直接,正常肝細胞に接している像も観察される.類洞内浸潤巣では,癌細胞は類洞の内皮細胞,Disse腔内のcollagenに影響をおよぼしている.この型の発育を示すHCCでも,類洞ではmicrofilamentを有している内皮細胞は比較的よく残存している.癌細胞はvilliが少なく,rER, mitochondriaなどの発達は不良で,癌細胞相互の結合状態も悪くstud-like projection, desmosomeなどの接着装置はみとめられない.(2)置換型発育様式を示すHCCは癌細胞は主としてDisse腔内において,肝細胞と置換しながら発育している.肝細胞と置換している境界部では癌細胞索は,類洞により囲繞されてはいるが,内皮細胞に変性像がみられ,癌組織内の血洞ならびに内皮細胞とは形態をことにしている.癌細胞は胞体内小器官の発育は比較的未熟であるが,癌細胞相互の結合状態はよく保たれ,stud-like projectionやinterdigitation,ごく一部にdesmosomeがみられ,胆毛細管の形成にあずかっている癌細胞相互にはjunctional complexをみる.1μm. large section Giemsa染色所見はよく電顕所見と一致している.
  • 栗岡 成人, 仲島 信也, 岡 博子, 貫野 徹, 朝井 均, 門奈 丈之, 山本 祐夫, 小林 伸行, 佐藤 守男, 中塚 春樹, 山田 ...
    1982 年 23 巻 4 号 p. 413-419
    発行日: 1982/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    Transcatheter arterial embolizationを行なった原発性肝癌のうち,超音波検査で経過観察した20例につき,超音波像の変化を検討した.embolization後,10例に非常に輝度の強いhigh level echoを腫瘍内に認めたが,これはCT scanとの比較により腫瘍内部のairであると考えられ,embolization後の腫瘍内air産生の可能性が示唆された.embolization後の腫瘍のecho patternの変化は多彩であったが,embolization有効例では75%に腫瘍のecho levelの低下をみた.一方embolizationが無効であった1例ではecho levelが上昇した.経過観察中,血管造影上再燃を認めた例ではecho levelが上昇した.この結果,無侵襲であるため反復検査が可能な超音波断層法は,embolizationの効果判定及び経過観察に有用であると考えられた.
  • 日野 邦彦, 菊家 恒二, 宮川 浩, 岡崎 睦也, 岩崎 政明, 高橋 淳
    1982 年 23 巻 4 号 p. 420-425
    発行日: 1982/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    患者は27歳,男性.昭和56年4月中旬,全身倦怠感と共に発黄.検査の結果,血中HBs抗原陽性,e抗原陽性,GOT 1,170U, GPT 1,700U, T-Bil. 7.1mg/dl (D-Bil. 4.5mg/dl)と高値を示し,肝生検では急性肝炎像を呈した.また発症早期よりHBc抗体価が高値で,HBVキャリアーの急性発症が疑われた.しかしながらTTT, IgMは高値でHA抗体はIgM分画で陽性であったため,A型肝炎の重複感染と診断した.臨床経過は極めて順調で,第18病週の肝生検像では,ほぼ正常肝に復した.本症例の肝組織内HBs抗原は,第1回肝生検では,単細胞孤立性に分布し,第2回目の回復期には陽性細胞は認められなかった.しかし,18病週に施行した第3回肝生検組織内には,散在性に濃く染色されるHBs抗原陽性細胞が観察された.
  • 日下部 篤彦, 吉岡 健太郎, 岡山 政由, 黒川 晋, 三輪 正夫, 岡 勇二, 伊藤 庄三, 宇野 裕
    1982 年 23 巻 4 号 p. 426-432
    発行日: 1982/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    チオプロニンによると考えられる薬剤起因性肝障害3例を経験したので,臨床経過を中心に報告した.症例1は45歳の女性で,湿疹のためチオプロニンを内服したところ24日目に発黄した.発黄25日後の肝機能検査成績では閉塞性黄疸様所見が認められた.肝組織像では小葉中心性の胆汁うっ滞と4核までの多核肝細胞が認められた.症例2は48歳の男性で,湿疹のため同剤服用後22日目に発黄した.入院時急性肝炎様の肝機能障害を呈した.肝組織像では軽度線維化と少数の胆汁色素および2核肝細胞を認めた.症例3は60歳の女性で,同剤内服後19日目に発黄した.初診時より著明なLAP活性の上昇が認められた.肝組織像では門脈域の細胞浸潤と線維化および3核までの多核肝細胞を認めた.
    3例ともリンパ球幼若化試験でチオプロニン陽性と判定された.黄疸が消褪したあとも胆道系酵素活性の異常が9ヵ月以上にわたって続いているのが共通した所見であった.
  • 森 理比古, 井手 秀水, 谷岡 一, 川本 充, 三島 致衍, 城間 盛光, 今西 健夫, 田中 義人, 中村 憲章, 牧山 和也, 原 ...
    1982 年 23 巻 4 号 p. 433-438
    発行日: 1982/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    著者らは最近,肝の変形・肝内動脈走行異常・肝動脈末梢の動脈瘤様abnormal vascular spaceの存在と,同部での門脈との交連および交通していると思われる門脈分枝の閉塞所見を伴った門脈圧亢進症の1例を経験した.症例は67歳の女性で,主訴は吐血である.昭和50年肝機能異常・腹水・食道静脈瘤を指摘され,その後腹水もなく無症状で経過観察中であったが,昭和54年12月・55年3月・6月と計3回の吐血をみて,手術適応決定のため当科に紹介されて入院した.入院時,軽度の肝・脾腫があり,食道造影・肝シンチ・腹部CT・腹腔動脈造影・術中門脈造影その他の諸検査より,上記の異常が発見された.また肝生検では肝線維症を思わせる所見があった.肝の動脈・門脈瘻以外に多くの異常を合併しており,その成因については確証も少なく,確実な結論は得られなかったが,若干の考察を加え報告した.
  • 寺尾 英夫, 板倉 英世, 中田 恵輔, 河野 健次, 室 豊吉, 古河 隆二, 楠本 征夫, 棟久 龍夫, 長瀧 重信, 石井 伸子, 小 ...
    1982 年 23 巻 4 号 p. 439-445
    発行日: 1982/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    Wilson病に肝癌が合併した報告は,現在まで著者が調べた限りでは世界で3例をみるにすぎない.本論文はWilson病に肝癌を併発した1剖検例の報告である.症例は40歳,男性.23歳より言語緩徐,上肢振戦がみられ,29歳でKaiser-Fleischer角膜輪,血中セルロプラスミン値0,肝硬変などの所見からWilson病と診断された.以後D-penicillamineなどで治療されていたが,17年後肝癌を合併し死亡した.
    病理組織学的には,粗大結節性肝硬変,軽度の肝細胞内銅沈着および肝の90%を占める肝癌がみられた.脳は肉眼的に著変を認めないが,光顕的には被殻に小壊死巣があり,脳全体にきわめて多数のAlzheimer II型gliaと小数のAlzheimer I型gliaおよびOpalski細胞を認めた.ホルマリン固定後の各臓器内銅濃度は,肝,脳,腎で高値を示した.
    Wilson病と肝癌合併につき文献的考察を行った.
  • 溝口 靖紘, 筒井 ひろ子, 阪上 吉秀, 東森 俊博, 門奈 丈之, 山本 祐夫, 森沢 成司
    1982 年 23 巻 4 号 p. 446
    発行日: 1982/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 阿部 賢治, 志方 俊夫, 柄沢 勉, 織田 敏次
    1982 年 23 巻 4 号 p. 447
    発行日: 1982/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 山内 真義, 中島 尚登, 木村 和夫, 藤沢 洌, 亀田 治男, 河村 博, 出浦 正倫, 石沢 和敬
    1982 年 23 巻 4 号 p. 448
    発行日: 1982/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 与芝 真, 岡田 吉博, 山田 春木, 戸田 剛太郎, 岡 博, 織田 敏次, 鈴木 宏
    1982 年 23 巻 4 号 p. 449
    発行日: 1982/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 鵜沼 直雄, 寺林 秀隆, 川辺 隆夫, 田川 一海, 大森 友幸, 鈴木 征子, 清瀬 闊, 高梨 利一郎, 津田 文男, 吉沢 浩司, ...
    1982 年 23 巻 4 号 p. 450
    発行日: 1982/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 中村 光男, 牧野 勲, 町田 光司, 宮沢 正, 今村 憲市, 武部 和夫
    1982 年 23 巻 4 号 p. 451
    発行日: 1982/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 吉田 博, 向坂彰 太郎, 岩崎 正高, 前山 豊明, 安倍 弘彦, 谷川 久一
    1982 年 23 巻 4 号 p. 452
    発行日: 1982/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 吉沢 浩司, 伊藤 行夫, 岩切 重憲, 立花 利公, 島岡 達郎, 野口 有三, 小田原 悦子, 中村 徹雄, 真弓 忠
    1982 年 23 巻 4 号 p. 453
    発行日: 1982/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 山本 貞博
    1982 年 23 巻 4 号 p. 454-463
    発行日: 1982/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
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