肝臓
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25 巻 , 11 号
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  • 奈良 秀八洲, 相沢 道郎, 川部 汎康, 芳賀 陽一, 高橋 賢郎, 和田 一穂, 大川 正臣, 佐々木 大輔, 吉田 豊
    1984 年 25 巻 11 号 p. 1377-1384
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    昭和58年1月から4月にかけて青森県全域に632例のA型肝炎の流行をみた.この流行は血清学的にIgM-HA抗体検索により確定診断し得たA型肝炎では国内外の報告のうちで最も大規模な流行であった.患者の性別では1.7:1と男性に多く,年齢別では0歳から74歳に及んだが20~30歳代が75%と多く,50歳代以上は2.0%と少数であった.劇症肝炎が5例あり3例が死亡したが,いずれも男性であった.全発症者の74.8%が発症前に生ガキを摂取しており,同時期の非発症者対照群の摂取の率より有意に高く,青森県むつ湾内産のカキが感染経路として強く疑われた.生ガキ摂取から発症までの期間は平均29日であった.青森県内のHA抗体保有についての検診を行った.20歳以下でHA抗体保有率は0%で,30歳から50%を越え,36歳以上では80%以上と国内の疫学調査の結果と同じ傾向であった.
  • 小池 和彦, 飯野 四郎, 倉井 清彦, 鈴木 宏, 三田村 圭二, 遠藤 康夫, 岡 博
    1984 年 25 巻 11 号 p. 1385-1393
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    transaminase動揺を示すB型慢性肝疾患45例でIgM型HBc抗体を測定し,延べ66回のs-GPT一過性上昇時42回(63.6%)でIgM型HBc抗体陽性化を認めた.その最高値はs-GPTの最高値に平均3.6週遅れて出現した.抗体価はB型急性肝炎に比し低値であったが,11回(16.7%)でCI4.0以上を示し,これらの例ではB型急性肝炎との鑑別が困難と思われた.HBe抗体陽性例ではHBe抗原陽性例に比しIgM型HBc抗体陽性化率は高く,また前者の全例においてs-GPTの一過性上昇時にIgM型HBc抗体の有意な上昇を認めたことから,これらの症例でのs-GPT上昇がHBV増殖に由来する肝障害であることが推定された.IgM型HBc抗体の陽性化率は,急性増悪時のs-GPT最高値の低い例でむしろ高率であり,またHBe抗原量とは関連が認められなかった.IgM型HBc抗体の反応性を規定する因子としては,HBV量よりも宿主例の免疫反応の方が大きいと思われた.
  • 倉井 清彦, 飯野 四郎, 鈴木 宏, 三田村 圭二, 田中 直見, 小池 和彦, 遠藤 康夫, 岡 博
    1984 年 25 巻 11 号 p. 1394-1405
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    HBV持続陽性者292例を対象に5年から12年余(平均7.0年)にわたり肝機能ならびにHBV関連マーカーの経時的検索を行つた.HBe抗原陽性例の年間seronegative率,seroconversion率は無症候性キャリアー(ASC)ではそれぞれ5.0%, 3.2%,慢性肝疾患例では10.8%, 4.8%であった.HBe抗原陰性化に際しASC 26例全例に肝機能異常を,慢性肝疾患33例中31例(93.9%)にその増悪を認めた,seronegativeないしseroconversion例の観察期間内における肝機能改善率はASC 26例中25例(96.2%),慢性肝炎27例中20例(74.1%),肝硬変6例中1例(16.1%)で,肝硬変で有意に低かった.HBe抗体陽性例ではASC 138例中9例(6.5%)に一過性に軽度の肝機能異常を認め,慢性肝炎23例中7例(30.4%)に肝機能の改善をみたが,肝硬変4例では異常が持続した.ASCからの肝炎発症例におけるその発症年齢が30歳未満例では30歳以上例に比し肝機能改善率,seronegative率が高く,肝炎の持続期間も短くその差はいずれも有意であった.
  • 兵頭 一之介, 山田 剛太郎, 西原 隆, 奥新 浩晃, 真鍋 康二, 水野 元夫, 木野山 真吾, 坂本 裕治, 長島 秀夫, 小林 敏成
    1984 年 25 巻 11 号 p. 1406-1411
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    B型慢性活動性肝炎患者15例から得られた末梢血リンパ球および肝生検材料をもとに,natural killer (NK)/killer (K) cellsに特異的なモノクローナル抗体anti-Leu-7を用い酵素抗体法による観察を行った.Leu-7陽性細胞は,大きさ7~11μmで表面にvillus様の突起が発達し,比較的豊かな胞体とelectron denseな顆粒や多数の小空胞を有し,核はheterochromatinが明瞭で腎臓形を呈するものが多かった.光顕による観察では,末梢血中Leu-7陽性細胞の全リンパ球中に占める比率が平均23%であるのに対して,肝組織中では5.8%と少なく,門脈域,小葉内ともに一様に散在性に分布し,Leu-2a陽性細胞(cytotexic/suppressor T cell)に認められたようなpiecemeal necrosisやfocal necrosisの部位に集簇している像は観察されなかった,さらに電顕による観察でもLeu-7陽性細胞は,小葉内では類洞に存在し肝細胞とのcontactは認められなかった.以上の所見は,NK/K細胞がR型慢性肝炎の肝細胞傷害の要因の1つと考えられているin vitroの成績と矛盾する所見であり,その点についても考察した.
  • 西原 隆, 山田 剛太郎, 兵頭 一之介, 坂本 裕治, 木野山 真吾, 奥新 浩晃, 真鍋 康二, 水野 元夫, 長島 秀夫
    1984 年 25 巻 11 号 p. 1412-1419
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    臨床的に非B型慢性肝炎と診断された17例で肝組織内各種リンパ球サブセット(Leu1, Leu-2a, Leu-3a, Leu-7, Leu-10陽性リンパ球)の分布を酵素抗体法を用いて観察し,B型慢性肝炎の症例と比較検討した.非B型慢性肝炎例では肝組織内Leu-1陽性細胞64.7±8.1(Mean±SD)%, Leu-2a陽性細胞32.2±8.0%, Leu-3a陽性細胞33.9±6.2%, Leu-7陽性細胞9.5±4.3%, Leu-10陽性細胞12.9±5.8%, Leu-3a/Leu-2a比1.13±0.41とB型の症例での比率と大差は認められなかった.しかもB型の症例と同様Leu-2a陽性細胞(T cytotoxic/suppressor cell)は門脈域では周辺部のpiecemeal necrosisの部分に多く,さらに実質内ではfocal necrosisの部分に一致してしばしば観察された.またs-GPTが400IU/L以上の急性増悪の直前または極期に肝生検した症例ではs-GPTが常時100IU/L以下に安定した症例に比しLeu-2a陽性細胞が有意に増加しLeu-3a/Leu-2a比は逆に低値を示した.以上より非A非B型肝炎ウイルスによると考えられる慢性肝炎でも肝細胞壊死の機序の1つにT cell cytotoxicityの関与が強く示唆された.
  • 須藤 淳一
    1984 年 25 巻 11 号 p. 1420-1432
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    慢性肝炎の針生検組織で門脈域の門脈枝の電顕的観察を行い,正常対照例と比較検討した.観察しえた門脈枝は,すべて内径が80μm以下の門脈末梢枝であった.慢性肝炎の門脈枝内皮細胞に,対照例では観察されなかった細胞質を貫く小孔の形成を発見し,門脈枝の有窓化と称することを提唱した.小孔を有する内皮細胞下腔は拡大し,同部に血管内容物やリンパ球を主とした単核細胞浸潤が観察されたが,内皮細胞の変性所見や細胞間接合部の開大は認められなかった.これらの所見は,慢性肝炎の門脈域では,有窓化した門脈枝の内皮細胞の小孔を通って,血漿成分の滲出や細胞浸潤がおこることを示している.この有窓化した門脈枝の認められる頻度を慢性肝炎の病型別でみると,CPHはCAHに比較して有意に少なく,その程度も軽度であった.しかし,CAH2Aと2B間には頻度でも程度でも明らかな差異は認められなかった.
  • 筋野 甫, 松浦 知和, 本間 定, 蓮村 哲, 藤瀬 清隆, 永森 静志, 亀田 治男, 幡場 良明, 桐野 有爾, 田中 寿子, 鈴木 ...
    1984 年 25 巻 11 号 p. 1433-1443
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    collagenase灌流法および低速遠心法により単離したラット肝実質細胞をPercollを使用した新しい直線密度勾配遠心法により亜分画した.摂食および絶食ラットの単離肝実質細胞は死細胞を除き3亜分画に,70%肝部分切除3日後のそれは1亜分画,7日後は2亜分画に明瞭に分離した.摂食ラットの3亜分画細胞の小葉内分布を決定するためFluorescein diacetateの灌流および透過電顕,走査電顕により機能的・形態的に検討をした.その結果,低密度肝実質細胞は小葉中心域肝細胞,高密度肝実質細胞は小葉周辺域の肝細胞に一致した.中間密度肝実質細胞は形態学的には高密度肝実質細胞に近似していた.また亜分画細胞の可溶性蛋白量とglucose-6-phosphatase (G6Pase)を測定した.その結果,可溶性蛋白量は亜分画により著しい差を認めたが,G6Paseは若干の差を認めるのみであった.さらに,亜分画細胞は5日間初代単層培養され,形態学的特徴が5日間持続することを認めた.
  • 土佐 征英, 小笠原 孟史, 勝馬 芳徳, 堀士 雅秀, 上田 敬, 岡上 武, 奥野 忠雄, 瀧野 辰郎
    1984 年 25 巻 11 号 p. 1444-1451
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝灌流法を用いてICG代謝の小葉内局在と胆汁酸のICG排泄に及ぼす影響を検討した.門脈より注入されたICGは主として小葉周辺部肝細胞に,肝静脈よう注入されたICGは小葉中心部肝細胞に同量摂取され,血流方向によりICGの摂取部位に差が認められた.この摂取部位の差は,肝の血流方向に基く類洞内濃度勾配により生じたものと考えられた.門脈より注入された高濃度の胆汁酸は,ICGの摂取部位に関係なくICGの排泄を促進した.しかし,低濃度の胆汁酸は,小葉周辺部肝細胞に摂取されたICGの排泄を促進したが,中心部肝細胞に摂取されたICGの排泄には影響を及ぼさなかった.この結果より,胆汁酸の摂取・排泄には小葉内heterogeneityがみられ,胆汁酸が低濃度の場合には殆んどが小葉周辺部肝細胞に摂取され,濃度の上昇に伴ない中心部肝細胞も順次胆汁酸摂取に加わり,胆汁酸依存性胆汁の生成に関与するものと考えられた.
  • 高橋 仁公, 山田 昇司, 長嶺 竹明, 佐伯 俊一, 阿部 毅彦, 桜井 誠司, 山田 俊彦, 湯浅 圭一朗, 市川 邦男, 竹沢 二郎, ...
    1984 年 25 巻 11 号 p. 1452-1460
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    慢性肝疾患において各種甲状腺パラメーターを測定し,特に遊離の甲状腺ホルモンに注目し,それらの意義を検討した.また合成TRH 500μgを静注し,血中TSH, T3の変動についても検討した.対象は慢性持続性肝炎(CPH) 10例,慢性活動性肝炎(CAH) 23例,肝硬変(LC) 26例,健常者(C) 14例である.I. free T4 (FT4)はC群に対しLCでのみ有意に低下した.free T3 (FT3)はC群に対し,CPH, CAN, LCの順に肝障害の程度に従って低下した.またFT4, FT3はそれぞれICGR15,プロトロンビン時間,血清アルプミン値と有意の相関を示したことより,とくにFT3は肝障害の重症度を表現する指標となり得るとも考えられた.II.TRH負荷試験では,TSHの増加量(ΔTSH)は各群で差はなかったが,LCでのみTSHの遅延反応が認められた.またTRH負荷後のT3の反応はLCで明らかに低下した.TRH試験におけるT3の反応性の低下より肝-甲状腺間に機能相関の存在が示唆された.
  • 山崎 潔, 佐藤 俊一, 中沢 一臣, 吉田 俊巳, 班目 健夫, 石川 和克, 鈴木 一幸, 海藤 勇, 武田 泰典
    1984 年 25 巻 11 号 p. 1461-1467
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    Sjogren症候群(SjS)を合併した原発性胆汁性肝硬変症(PBC)において,肝,唾液腺とともに,膵を生検材料にて検索した.症例は55歳女性,黄疸と掻痒感を主訴とし,トランスアミナーゼの軽度上昇と,Al-P,γ-GTP, IgMの著明高値を認めた.抗ミトコンドリア抗体陽性であり,肝は,ckronic non-suppurative destructive cholangitisの組織像であった.乾燥症状を有し,唾液腺は,典型的SjSの像を呈した.経過中,膵型アイソザイム優位のアミラーゼ高値持続をみたため,外科的肝生検と同時に膵生検を行なった.膵には,び漫性に,小円形細胞の浸潤巣が認められ,同部の腺房細胞の退行性変化は著明であった.これらの像は,いずれも非特異的な変化とも考えられたが,同胞女性に無症候性PBCや高アミラーゼ血症が認められたことから,膵障害がPBCやSjSと病因の共通性を有する可能性も否定はできなかった.本例はPBCの膵を生検材料にて検索し得た初めての報告である.
  • 河野 信博, 長尾 桓, 瀬戸山 隆平, 森岡 恭彦
    1984 年 25 巻 11 号 p. 1468-1473
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    本症例は59歳の女性で,肝腫大を主訴として来院した.AFP高値(113,574.5ng/ml),画像診断,細胞診等より,肝両葉にわたり肝体積の50%以上を占めるびまん型肝細胞癌と診断され,局所進展高度のため切除不能と判定された.Noviにより肝細胞癌に対する有効性が示唆された還元型グルタチオンの大量投与(5g/日)を開始し,肝機能検査,AFP,超音波検査,CTにて経過を追跡した.投与開始3カ月後には,全身状態の改善,AFP値の低下(360ng/ml)とともに,画像診断上肝腫瘍の質的変化,縮小が観察された.6カ月後にはAFPの再上昇傾向がみられたので,還元型グルタチオンを5g/日から10g/日に増量した.その結果AFPの再上昇は抑制され,腫瘍は順調に縮小傾向を続けた.投与開始後1年6カ月を経過した現在,腫瘍の体積は肝全体の5%以下にまで消退し,患者は社会的に活躍中である.
  • 古谷田 裕久, 南部 修二, 清水 幸裕, 宮林 千春, 市田 隆文, 中野 護, 井上 恭一, 佐々木 博, 若木 邦彦, 小泉 富美朝
    1984 年 25 巻 11 号 p. 1474-1482
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    急性白血病に合併した真菌性敗血症による多発肝膿瘍の2剖検例を報告する.急性白血病に対する化学療法施行中,末梢血中の白血球数の減少とともに発熱が出現し,続いて低アルブミン血症,黄疸がみられ,肝機能検査では血清アルブミン値低下,III清ビリルビン,アルカリフォスファターゼ値の上昇がみられたが,血清トランスアミナーゼ値は正常もしくは軽度上昇したにすぎなかった.出血傾向や感染にもとづく全身状態の急速な悪化のために,各種画像診断は施行できず,黄疸の原因は病理解剖時まで不明であった.病理解剖により,1例はカンジダ敗血症による肝膿瘍,他の1例はムコール敗血症に由来する肝膿瘍が明らかにされ,黄疸は真菌性肝膿瘍によるものと考えられた.近年,抗腫瘍剤,副腎皮質ステロイドの使用増加に伴い,深在性真菌症も増加してきており,急性白血病患者の発熱,黄疸に際しては,真菌性肝膿瘍をも考慮すべきであると思われた.
  • 竹田 康男, 布田 伸一, 須藤 治郎, 越田 英夫, 上野 敏男, 竹田 亮祐, 中沼 安二, 長谷田 裕一
    1984 年 25 巻 11 号 p. 1483-1488
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    症例は31歳男性.股白癬に罹患1年後,黄疸,熱発等の症状を認め入院.肝腫大,閉塞性黄疸を認めた.逆行性胆管造影にて,肝内胆管の拡張,総胆管の狭窄を認め,試験開腹の結果,胆管壁にまで浸潤したリンパ節腫大を多数胆道周囲に認めた.切除リンパ節内部は肉芽形成を示し,内部にPAS染色陽性の菌糸を認めたが,菌の培養同定不能のまま抗真菌剤投与にて経過観察された.一時症状の軽快を認めたが,黄疸は持続性であり,Tチューブ・ドレナージその他の抗真菌剤治療にもかかわらず,現在,胆汁性肝硬変の状態に陥っている.皮膚の表在性白癬症に罹患後,そのリンパ行性感染により生じたと考えられる,肝及び胆道周囲リンパ節の肉芽形成により閉塞性黄疸をきたした極めて稀な症例と考えられるので報告する.
  • 南部 修二, 市田 隆文, 小島 隆, 青山 圭一, 松井 俊二郎, 康山 俊学, 紺田 健彦, 樋口 清博, 井上 恭一, 佐々木 博, ...
    1984 年 25 巻 11 号 p. 1489-1497
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝蛭症は本邦においては比較的稀な疾患である.今回,著者らは虫卵陰性ながら免疫学的診断法および臨床像より肝蛭症と診断し,その治療前後の画像診断上の推移を観察し得た1例を経験したので報告する.
    症例は上腹部疝痛を主訴とした28歳男性で肝腫大と好酸球増多(48%),IgE高値(14,000U/ml),肝機能異常を示し,画像診断では肝右葉に特徴的な腫瘤を描出した.特にCTでは同部に多房性低吸収域を認め,腹腔鏡検査では白色結節が観察され,同部の針生検像では,好酸球浸潤を伴う瘢痕と門脈域の線維化が特徴的であった.各種検査成績,画像診断より寄生虫症を疑い,胆汁,糞便の虫卵検査を行ったが陰性であった.しかし,Ouchterlony法において肝蛭抗原に強陽性を示し,本症例を肝蛭症と診断した.治療はBithionolの投与を行い,治療開始後3カ月でIgE高値を除き検査成績は正常化した.さらに経過観察しえたCT像で低吸収域が完全に消失した.
  • 小川 泰史, 太田 康幸
    1984 年 25 巻 11 号 p. 1498
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 斎藤 信雄, 斎藤 孝一, 森藤 隆夫, 吉田 浩, 粕川 禮司
    1984 年 25 巻 11 号 p. 1499
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 久保 正二, 松共 勲, 大谷 周造, 森沢 成司, 木下 博明, 酒井 克治
    1984 年 25 巻 11 号 p. 1500
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 飯野 四郎
    1984 年 25 巻 11 号 p. 1501
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 渡辺 純夫, 浪久 利彦, Phillps M. James
    1984 年 25 巻 11 号 p. 1502
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 土屋 隆宏, 戸部 和夫, 小出 典男, 糸島 達也, 小林 敏成, 長島 秀夫
    1984 年 25 巻 11 号 p. 1503
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 木下 博明, 酒井 克治, 広橋 一裕, 井川 澄人, 井上 直, 山崎 修, 鄭徳 豪, 松岡 利幸, 中塚 春樹
    1984 年 25 巻 11 号 p. 1504
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 石井 秀夫, 西福 幸二, 浪久 利彦
    1984 年 25 巻 11 号 p. 1505
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 1984 年 25 巻 11 号 p. 1506-1510
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
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