肝臓
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25 巻 , 4 号
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  • 樋野 興夫, 北川 知行, 菅野 晴夫, 森 亘, 中島 敏郎, 原 満, 服部 信, 柳沼 克幸, 小林 みどり, 小池 克郎
    1984 年 25 巻 4 号 p. 463-469
    発行日: 1984/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    剖検および手術によって採取した日本人の肝癌51例においで,B型肝炎ウイルス(HBV)の感染と,ウイルスDNAの宿主細胞DNAへの組込みの状況を調べた.肝臓の癌部および非癌部より抽出したDNAを制限酵素で切断し,HBV(adr亜系)DNAをプローブとしで用いたサザン法によりウイルスDNAの存在の有無を調べた.51例中HBV持続感染者であるHBs抗原陽性者が14例あり,その中13例(93%)に,またHBV感染歴のある抗体のみ陽性者8例中4例(50%)に,肝癌DNA中にHBV DNAの組込みが認められた.他方,臨床的に非A,非Bと思われた29例中7例(24%)の肝癌DNA中にもHBV DNAの組込みがあやだ.HBV DNAが組込まれている場合,制限酵紫による切断パターンは症例により異っていた.HBV DNAの組込みのある肝癌とない肝癌の間に,病理組織学的に差異は見出し難かった.非癌部には,遊離のHBV DNAないしはランダムなウイルスDNAの組込みが一部の症例に認められた.
  • 野村 元積, 古田 精市, 赤羽 賢浩, 立花 克己, 臼田 定和
    1984 年 25 巻 4 号 p. 470-476
    発行日: 1984/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    B型肝炎ウイルスキャリアー血清中にはIgG class anti-HBcおよびIgM class antiHBcのほかに新たにIgA class anti-HBcが存在することを証明した.IgA class anti-HBc活性の測定系としてanti-α-chain monoclonal antibodyをmicrotite plateに固相し125Iを標識したanti-HBc monoclonal antibodyとでsandwich RIA法を確立した.このIgA class antiHBcの臨床的意義を検討するためB型肝炎ウイルスキャリアー187例を対象に測定した.その結果無症候性HBs抗原carrierではIgG class anti-HBcは検出されるがIgA class anti-HBcは低頻度(4%)にしか検出されなかった.HBs抗原陽性慢性肝疾患ではIgA class anti-HBcは高頻度(78%)に検出され,その活性も高力価を示すことがわかった.また慢性肝疾患でも慢性肝炎活動性,肝硬変,肝細胞癌が慢性肝炎非活動性に比べて有意に高力価を示した.また慢性肝疾患ではHBe抗原陽性群がanti-HBe群に比べて有意に高力価を示した.
  • 赤羽 賢浩, 清沢 研道, 野村 元積, 和田 秀一, 袖山 健, 長田 敦夫, 古田 精市, 内藤 成子, 津田 文男
    1984 年 25 巻 4 号 p. 477-482
    発行日: 1984/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    HBV感染症におけるHBVの初感染と持続性感染状態な鑑別する目的で,HBVの初感染によるAVH-B 42例と慢性HBs抗原carrier 183例につき,monoclonal anti-μおよびanti-γを用いで血清中のIgM class anti-HBcとIgG class anti-HBcを測定した.その結果,IgM class anti-HBcの測定ではAVH-B 42例中40例がS/N比20以上の高値を示したのに対し慢性HBs抗原carrierではほとんどが低値で,S/N比20以上を示したのは183例中15例のみであった.しかし少数例ではIgM class anti-HBcの測定のみでは両群の鑑別が不可能であったため,IgM class anti-HBcとIgG class anti-HBcの比を求めたところAVH-Bでは42例中41例が0.9以上を示し,逆に慢性HBs抗原carrierでは183例中180例がその比0.9以下を示し,両群の桐違はさらに明瞭となった.
  • 倉井 清彦, 飯野 四郎, 小池 和彦, 鈴木 宏, 三田村 圭二, 遠藤 康夫, 岡 博
    1984 年 25 巻 4 号 p. 483-490
    発行日: 1984/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    Enzyme immunoassay法を用いてHBe抗原の定量的測定な試みた.1) 本測定系の最少検出濃度は1単位(任意設定)であり測定範囲は1~100単位であった.しかし,実際には適宜希釈を行うことより10,000単位以上の濃度まで測定可能であった.2) 再現性試験では測定内,測定間変動係数はそれぞれ4.24~11.82%(n=5), 8.57~13.39% (n=5)であった.3) 添加回収試験では回収率は82.6~109.1% (n=10)の範囲にあり平均98.45%であった.4) HBe抗原量とcutoff index値との間には相関係数0.7064とある程度の相関は認められたが,実際には比較的低い濃度より両者に解離がみられ,cut off index値が2.5以上になると定量性が失われると解釈された.5) HBe抗原量とDNA polymerase活性値およびHBs抗原価との間には明らかな相関関係は示されなかった.
    本測定系は測定可能範囲も広く,再現性試験,添加回収試験でも良好な結果が得られ,今後臨床応用が可能であると判断された.
  • 相原 正弘
    1984 年 25 巻 4 号 p. 491-500
    発行日: 1984/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    常習飲酒家及び大酒家95例の生検肝な用い,慢性肝炎67例及び正常肝30例を対照として,類洞壁格子線維管の正常基本構築とアルコール性肝疾患における改変特徴を調べ,以下の結果を得た.1) 成人の正常対照肝の類洞壁格子線維を,太い,中等大,細い及び微細の4種の線維に識別し,夫々の分布密度及び走行特徴を明らかにした.2) アルコール性肝障害では,伸展した中等大及び細い線維の密度が増し,さらに肝小葉中心帯における微細線維の増生が高頻度にみられた.これらの所見ならびに肝細胞周囲性膠原線維の出現は肝小葉内循環障害好発部位に強くみられた.しかも,微細線維の増生は積算飲酒量の少ない症例においても高頻度にみられた.3) 慢性肝炎における格子線維の増生は上記とは趣きを異にしていた.4) 以上より,アルコール性肝障害の早期から発現する線維化は,慢性肝炎とは異なる特徴があり,その発生は肝小葉内の循環障者と密接な関連なもつと者えた.
  • 大部 誠
    1984 年 25 巻 4 号 p. 501-513
    発行日: 1984/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    過敏性機序による急性薬剤性肝障害42例,対照として急性B型肝炎52例,閉塞性黄疸19例,および正常対照例22例,計135例の生検材料につき,病理形態学的ならびに組織計測的に検索し,次の結果を得た.急性薬剤性肝障害では,(1)3核以上の多核肝細胞が,急性B型肝炎,閉塞性黄疸に比し,数多く出現し,それは肝小葉中心帯に目立った.(2)毛細胆管内胆汁栓は,急性B型肝炎に比し数多く出現し,しかも発症後長期間にわたって認められる傾向がある.急性B型肝炎は発症後比較的早期に消退する傾向を示した.(3)多核肝細胞の出現が多いほど胆汁栓の出現も目立つ傾向がみられた.急性B型肝炎には,そのような相関性が認められなかった.(4)胆汁うっ滞は肝小葉中心性にみられ,そのパターンは閉塞性黄疸とは異なる.(5)上記の所見は過敏性機序による急性薬剤性肝障害の病理組織学的診断に際して有力な指標となると考えた.
  • 水入 紘造, 陳 鴻章, 田代 果代子, 毛 克弘, 水谷 正之, 遠山 正博, 若松 貞雄, 安部井 徹
    1984 年 25 巻 4 号 p. 514-522
    発行日: 1984/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    原発性胆汁性肝硬変(PBC)6例のPHA反応,Con A反応,自己リンパ球混合培養反応(AMLR), Prostaglandin産生抑制機能(PPSF)と健常者でのcorticosteroidの末梢血,免疫応答に及ぼす影響について検討した.PBCではmitogen反応(S.I.), PPSFは健常者に比べて異常を示さなかったが,AMLRは有意に低下していた.PBCの1例にmethylprednisolone pulse療法を試みて,臨床症状,検査成績,AMLRの改善がみられ,血清抑制因子が消失した.
    治療としてcorticosteroidを使用したので,免疫応答に対する影響を検討する目的で健常者にprednisolone 30mg,経口投与した.その結果,Con A反応とAMLRの低下,PPSFの増大が認められた.以上の成績より,PBCでは免疫調節機構が障害されており,methylprednisolone pulse療法により臨床症状や免疫応答の異常が改善する症例が存在し,corticosteroidはmitogen反応,AMLRを抑制しPPSFに何らかの影響を与えるものと推定される.
  • 新井 篤子, 志方 俊夫
    1984 年 25 巻 4 号 p. 523-531
    発行日: 1984/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    Banti病或いはいわゆる特発性門脈圧亢進症の肝病変の特徴はグリッソン鞘の線維化と門脈枝の狭窄である.然し組織学的にその成因を推定するには小葉中心部,中心静脈,肝静脈の変化を同時に検討することが必要であろう.ただそこに見られる変化がprimaryの変化であるかsecondaryの変化であるか十分に考えねばならない.グリッソン鞘のみならず小葉中心部に古い線維化があるという事は,この病変を引きおこす変化がグリッソン鞘のみならず肝実質の傷害をも引きおこすものであるという一つの証明になるだろう.又非常に著明な変化は肝流血量が減少していると推定されるにかかわらず異常に拡張した中心静脈,肝静脈がみられることである.これらの多くはグリッソン鞘周囲にみられる異常血行路と連絡しおり,一種の肝内でのbypassを形成していると思われる.
  • 村上 龍夫
    1984 年 25 巻 4 号 p. 532-539
    発行日: 1984/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    76歳男性肝癌患者手術例より,肝細胞癌細胞株(KIM-1)を樹立した.この細胞は,光顕的,電顕的にoriginalの癌細胞に似ているだけでなく,ヌードマウスに移植して形成させた腫瘍も組織像がきわめて類似していた.KIM-1細胞は無血清培地でも培養可能で,また培養液中からα-fetoprotein (AFP),β2-microglobulin (BMG), ferritinなどの腫瘍マーカーが検出された.KIM-1細胞は,形態学的にも,機能的にも肝細胞癌の特徴をよく保持しており,今後肝癌研究の有用な実験系になると思われる.
  • 圓谷 敏彦, 玉置 透, 赤坂 嘉宣, 松下 通明, 佐々木 文章, 真鍋 邦彦, 柿田 章, 葛西 洋一, 近藤 光
    1984 年 25 巻 4 号 p. 540-548
    発行日: 1984/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    α1-microglobulin(以下α1-mと略す)は低分子の血清蛋白であり,その生理的機能はいまだ十分に解明されていないが,肝細胞や肝癌細胞で産生すると考えられているので,各種肝疾患における血中α1-mの意義を検討した.その結果ではα1-mは従来からひろく利用されているhepaplastin test (HPT), anti-thrombin III, (AT III), choline-esterase (Ch-E)などと良好な相関を示した.
    健常成人の血清α1-mは8~14.0mg/lであるが,加齢とともに増加の傾向にある.肝疾患では,肝硬変症で著しく低値となる.肝切除後翌日からα1-mは,残存肝の硬変の程度や切除の量に対応して低値となる.更に残存肝の機能回復が速いと考えられる非硬変肝では切除量が多くてもα1-mの回復が速い.これらのことからα1-mは肝切除後の残存肝の機能の回復程度をよく反映していると考えられる.原発性肝癌症例では,健常人と有意差がみられなかった.
  • 徳永 尚登
    1984 年 25 巻 4 号 p. 549-556
    発行日: 1984/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝内胆管癌45剖検例について検索し,末梢型は10例(右葉7例,左葉3例),肝門型は35例である.平均年齢は63.0±11.4SD歳であり,性比は28:17でやや男性優位である.臨床症状は末梢型では右側胸部痛,腹痛,全身倦怠感,肝門型では黄疸,全身倦怠感が主症状である.両型間に黄疸の時期,出現率に差があり,出現率は末梢型は40.0%,肝門型は94.3%である.肝硬変の合併は17.7%と少なく,結石の介在は末梢型では60.0%と高率である.組織学的に癌組織は間質結合織に富む分化型腺癌が主体を占め,PAP法によるCEA染色は全例に陽性である.転移は77.8%と高率にみられ,血行性,リンパ行性,浸潤・播種性のいずれの形式もみられるが,転移部位に関しては末梢型,肝門型とも同様の傾向を示す.
  • 中野 博, 瀬古 修二, 小東 克次, 河崎 恒久, 宮村 正美, 福田 善弘, 井村 裕夫
    1984 年 25 巻 4 号 p. 557-560
    発行日: 1984/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    性腺機能低下症10例について内分泌学検査とともに肝機能,脂質などの血液化学検査を施行した.その結果10例中5例においてGOT, GPT, LDHの異常高値例がみられ,これらの症例ではすべて血中コリンエステラーゼ,コレステロール,β-リポ蛋白,トリグリセリドの上昇が伴っていた.一方GOT, GPT, LDHの正常例ではコリンエステラーゼ,血中脂質もすべて正常であった.肝機能検査異常発現群のうち1例で肝の組織学的検討を行ったところ肝内に高度の脂肪沈着が確認された.肝機能検査異常発現群では+20%以上の肥満を伴うものが3例肝機能正常群では1例のみに存在した.病因別にみると肝病変発現群のうち2例が性腺原発,3例が視床下部性と考えられた.
    以上の成績より本症にみられる肝病変の成立には本症にみられる脂質代謝異常が原因であり,肝病変は,肝内脂肪沈着が主病変であると考えられた.
  • 森近 茂, 戸部 和夫, 土屋 隆宏, 田辺 高由, 川口 憲二, 伊藤 俊雄, 糸島 達也, 長島 秀夫, 三村 久, 高倉 範尚
    1984 年 25 巻 4 号 p. 561-566
    発行日: 1984/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    腹腔鏡および超音波断層法(US)で観察し得た肝adenomatous hyperplasiaの1症例を報告する.症例は62歳男性.腹腔鏡にて硬変肝の胆嚢右側肝縁に,径約2.5cmの赤褐色で表面に細血管を伴う半球状腫瘤を認め,細小肝癌が疑われた.USでは,内部に線状高エコー像を伴う境界明瞭なhypoechoic lesionとして観察された.Plain CT, contrast enhancement CT(点滴法),シンチグラフィー(67Ga citrate,99mTc Sn celloid)では,ともに検出されなかった.楔状切除標本では,腫瘤は径1cmの大きな偽小葉2個よりなり,周囲硬変部と細胞形態,核異型およびKupffer細胞の頻度に差異を認めず,Glisson鞘が存在していたので,adenomatous hyperplasiaと診断した.
    Adenomatous hyperplasiaの臨床報告はまれで,そのUS像,CT像の報告は見られないので,文献的考察を加えて報告した.USで硬変肝に小さなhypoechoic lesionを検出した場合,adenomatous hyperplasiaと小肝癌を鑑別することが重要であると考える.
  • 奥野 忠雄, 武田 誠, 堀土 雅秀, 太田 正治, 勝馬 芳徳, 小笠原 孟史, 岡上 武, 瀧野 辰郎
    1984 年 25 巻 4 号 p. 567-572
    発行日: 1984/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    39歳,男性,医師,数年来不眠のためニトロゼパムな時々服用していたが不眠増強のためメトキシルフレン(ペントレンR)を1回に約2mlを反復して吸入し,約1カ月間に総量125mlを使用後,食欲不振,全身倦怠感,黄疸等を来し入院.入院時意識清明なるも多弁にて行動過多を認める.EEGにてhepatic encephalopathyを示唆する所見を認めず,症候性精神病と診断される.入院時,GOT 165KU, GPT 400KU, ALP 23.8KAU, γ-GTP 196mU/ml, T. Bil. 12.7mg/dl・発症後第36病日に施行したペントレンRによるリンパ球の幼若化反応は陽性.発症後第18病日に施行した肝生検では著明な小葉中心部の肝細胞壊死と小葉中心部から中間帯にかけて細胞浸潤に乏しい広範な壊死を認めるも門脈域には著変なし.また小葉中心部の肝の電顕組織では多数の脂肪滴様の空胞や,secondary lysosomesの増加がみられ,intercellular spacesの開大やミトコンドリアのcristaeやdense bodyの減少も認められた.入院第52病日軽快退院する.
  • 瀧野 辰郎, 結城 武彦, 橋本 恒一, 栗山 欣弥, 阿部 芳道, 王 〓玉, 岡上 武, 奥野 忠雄
    1984 年 25 巻 4 号 p. 573
    発行日: 1984/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 白鳥 康史, 川瀬 建夫, 滝川 一, 岡野 健一, 松本 和則, 平石 秀幸, 寺野 彰, 平野 正憲, 本木 達也, 杉本 恒明
    1984 年 25 巻 4 号 p. 574
    発行日: 1984/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 和田 秀一, 野村 元積, 古田 精市, 赤羽 賢浩
    1984 年 25 巻 4 号 p. 575
    発行日: 1984/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 森山 光彦, 清水 洋子, 志方 俊夫
    1984 年 25 巻 4 号 p. 576
    発行日: 1984/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 1984 年 25 巻 4 号 p. 577-600
    発行日: 1984/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
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