肝臓
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26 巻, 4 号
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  • 石井 公道, 渋谷 明隆, 柴田 久雄, 岡部 治弥, 佐々木 憲一, 奥平 雅彦
    1985 年 26 巻 4 号 p. 421-427
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    肝障害の経過に及ぼすカテコールアミンの作用を,雄性ラットを用い以下の群について検索した.(I) CCl4連続投与群,(II) CCl4と共にノルエピネフリン(NE)を投与した群,(III) CCl4と共にエピネフリン(EP)を投与した群.(I)群では経過と共に硬変肝へ進行し,同時に肝の萎縮が著明で全例15週迄に肝不全状態で死亡した.肝微小血管構築面では,血管壁の不整及び末梢枝の潰れ,消失等,微小循環系の擾乱が認められた.これに反し(II)群では肝萎縮は抑制され,肝血管造影上血管増生像が見られ,58週に至る迄死亡例は無かった.組織学的には,偽小葉結節内の類洞は拡張していた.(III)群も(II)群と同様の過程を辿り,35週の観察期間中死亡例は無く,血管造影所見,組織学所見も略々同じ結果であった.斯様なNE, EPの障害肝,殊に微小循環系への作用は,正常動物に対するものと全く様相を異にしており,生体の恒常性維持に与っていることを示唆した.
  • 河原 敏彦
    1985 年 26 巻 4 号 p. 428-434
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    Pronase消化法および遠心分離法によりラット肝より分離培養したKupffer細胞のendocytosisに及ぼすethanol (EtOH), acetaldehyde (AA)の影響を種々の被食粒子を用い,光顕,電顕的に検討した.50mMおよび100mM EtOHの作用下では,培養Kupffer細胞の表面突起数の減少が観察され,phagocytosisで取り込まれる直径2.2μのlatex粒子のen-docytosisは培養液中EtOHのdose dependentに抑制をうけたが,pinocytosisで取り込まれる直径0.59μのlatex粒子およびstreptococcal preparationであるOK-432粒子のendocytosisは抑制をうけなかった.200μ AA作用下では,Kupffer細胞の表面突起数の著明な変化は認められず,上記被食粒子のendocytosisも抑制をうけなかった.これらのことより,EtOHは直接的に培養Kupffer細胞の表面突起数を減少させ,phagocytosisを抑制すると考えられた.
  • glucagon負荷後の血中cyclic AMP値解析による肝機能予備力検査法
    大西 俊郎
    1985 年 26 巻 4 号 p. 435-444
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    glucagon 2.5μg/kg静注後の血中cyclic 3',5'-adenosine monophosphate (c-AMP)値の変動解析による新しい肝機能予備力検査法を開発する目的で,ラット肝障害モデルおよび肝硬変症25例,肝硬変合併肝癌18例,閉塞性黄疸17例で検討した.また本法と糖負荷試験(GTT), Hepaplastin test(HPT), ICG Rmaxによる肝予備力検査法を比較検討した.
    glucagon負荷後の血中c-AMP値は低反応型,高反応型および正常反応型に分けられ,肝硬変症,肝硬変合併肝癌では低反応型を示し,特に非代償例で著明であった.閉塞性黄疸では肝障害が軽度の症例では高反応型を示したが,肝障害を強く合併するにつれ正常反応~低反応型を示し予後不良であった.
    GTT, HPT, ICG Rmaxはそれぞれ問題点があるが,HPT, ICG Rmaxは本法と良く相関を示した.
    本法が分子レベルでの肝予備力検査法として極めて有用であることを確認した.
  • 中川 国利, 小山 研二, 浅沼 義博, 佐藤 寿雄
    1985 年 26 巻 4 号 p. 445-452
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    肝硬変の切除に際し,網内系を賦活する意義を明らかにするために,ラットを用いてthioacetamide経口投与による肝硬変を作成し,これにOK-432を投与して網内系を賦活した後,70%肝切除を行ない各種検討を行なった.その結果,肝切除後上昇したGOT,低下したヘパプラスチンテスト,補体価CH50は有意に上昇および低下が抑制された.また,RNA量と合成能およびミトコンドリアのATP生成能は肝切除後やや亢進したが,網内系賦活によりさらに亢進した.
    以上の成績から,実験的肝硬変ラットにおいて網内系を賦活した後に肝切除を行なうと,肝機能障害が軽減され,補体価は保持され,エネルギー代謝も亢進するとともに,蛋白合成能が改善されることが示唆された.従って網内系賦活は,硬変肝切除を安全に行なうために有効な方法であると考えられる.
  • HLAを中心とする家系調査による検討
    宮森 弘年
    1985 年 26 巻 4 号 p. 453-459
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    原発性胆汁性肝硬変(PBC)の免疫遺伝学的背景を検討するために,PBC 8例とその血縁者40例(8家系)を対象に肝機能検査,自己抗体,免疫グロブリン,HLA抗原などを中心とする家系調査を行なった.8家系のうち何らかの肝障害,免疫異常を認めた家系は7家系で,うち2家系は父娘,姉妹というPBCの家系内発症例であった.血縁者における自己抗体の陽性率はAMA 10%, SMA 38%, ANA 21%で, AMA, SMA, ANAいずれかが陽性のものは38%であった.HLAについては,PBC患者に特有なHLAハプロタイプはみられなかった.また,同一家系内でPBCの発症や免疫異常の出現はHLAハプロタイプと必ずしも一致しなかった.以上のことから,PBCの発症における宿主の疾患感受性は遺伝的に規定される可能性が推測されたが,PBCの発症には,HLA遺伝子以外の遺伝子や環境因子の関与が必要であると考えられた.
  • 元雄 良治
    1985 年 26 巻 4 号 p. 460-465
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    ヒト肝癌由来培養細胞(PLC/PRF/5)の培養液中にインスリンを添加し,細胞数,3H-thymidineのDNAへの取り込み率,培養上清中のAFP, HBs抗原価を測定した.さらに,125I-インスリンを用いてインスリンレセプターの動態について検討した.その結果,インスリンはPLC/PRF/5細胞の細胞増殖およびタンパク合成に対して促進的に作用した.インスリン添加群にて125I-インスリンの肝癌細胞への結合率がインスリン非添加群に比し低下しており,Scatchard解析の結果,この結合率の低下にはインスリンレセプターの数の減少と親和性の低下の両者が関与していると考えられた.以上より,インスリンおよびインスリンレセプターがヒト肝癌の増殖に関与している可能性が推測された.
  • 荒牧 琢己, 赤池 正博, 長沢 紘一, 寺田 秀人, 関山 達也, 勝田 悌実, 里村 克章, 奥村 英正, 羽入田 陽一郎, 林 知己夫 ...
    1985 年 26 巻 4 号 p. 466-471
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    肝硬変診断時より1年以上経過観察後に肝癌が合併したとみなされる肝癌群20例と,3年以上その合併をみない肝硬変群41例の2群について,背景因子,臨床症状,検査成績などの一般的情報を用い,数量化理論により肝癌高危険群の設定を試みた.肝癌診断までの期間は最短18カ月,平均42.0±20.3月であった.上記情報22項目の中から,両群の判別に有効と思われた16項目を選び,それぞれをいくつかのカテゴリーに分け,各カテゴリーに与えられる数量を求め,その総和,即ち判別得点が正のものを肝硬変,負のものを肝癌とした.その結果,前者は41例中36例(87.8%),後者は20例中19例(95.0%),両者を併わせ90.2%が正しく判別された.
    さらに,各項目の疾患判別に寄与する程度を相関比を用いて検討したところ,性,LDH,GOT/GPT,飲酒歴,輸血歴が他より大きい値を示した.
  • 兼松 隆之, 井口 潔, 古田 斗志也, 竹中 賢治, 園田 孝志, 江崎 卓弘, 矢永 勝彦, 杉町 圭蔵, 田村 正三, 松浦 啓一
    1985 年 26 巻 4 号 p. 472-478
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    水溶性制癌剤をリピオドールに懸濁化するため“リピオドール・ウログラフィン”システムを考案し,これを肝癌55症例の治療に応用した.その結果,次の結論を得た.
    (1) 制癌剤含有油性造影剤を腫瘍栄養血管内に投与すると,腫瘍部に選択的に停滞するが,その程度は腫瘍血管が豊富なもの程顕著であった.
    (2) 制癌剤の組織内濃度は83%の症例で腫瘍部が非腫瘍部に比べ高値であった.
    (3) 抗腫瘍効果に関しては,血中α-フェトプロテイン値低下を78%に,CT像上での腫瘍縮小を14%の症例に認めた.
    (4) 組織学的には主腫瘍の完全壊死が得られた症例でも,周辺組織へ浸潤した癌巣の一部は死滅していない所見もみられた.
    (5) 以上,本療法の有効性を確認したが,根治性には疑問があり,切除不能肝癌の治療手段,あるいは肝切除術の補助療法として位置付けられるべきものであろう.
  • 門脈血の酸素含有量よりの検討
    西田 修, 森安 史典, 中村 武史, 伴 信之, 三浦 賢佑, 酒井 正彦, 内野 治人, 三宅 健夫
    1985 年 26 巻 4 号 p. 479-484
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    脾静脈血と上腸間膜静脈血の酸素含有量を門脈圧亢進症患者において測定し,興味ある結果を得た.脾動脈・脾静脈酸素含有量較差は,特発性門脈圧亢進症(IPH)で,0.48±0.35ml/dl (mean±S.D., n=9)であり,肝硬変(0.70±0.46ml/dl, n=39)と比較し,有意に低値であった(<0.05).一方,上腸間膜動脈・上腸間膜静脈酸素含有量較差は,肝硬変で,2.45±0.92ml/dlであり,IPH (3.28±0.98ml/dl)と比較し,有意に低値であった(<0.05).脾静脈と上腸間膜静脈酸素含有量較差は,IPHで2.92±0.86ml/dl,肝硬変で1.70±0.96ml/dlであり,両者に有意な差をみた(<0.001).以上よりIPHでは,脾臓に限ったhyperdynamicsが想像され,肝硬変では,脾臓のみでなく上腸間膜動脈領域にもhyperdynamicsが及んでいると想像され,両者の血行動態の差異が明らかとなった.
  • 森安 史典, 西田 修, 伴 信之, 中村 武史, 宋 泰成, 越智 次郎, 三浦 賢佑, 酒井 正彦, 塚田 英昭, 三宅 健夫, 内野 ...
    1985 年 26 巻 4 号 p. 485-492
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    対照例5例を含む,諸種の慢性肝疾患65例において,経皮的に門脈血管抵抗を測定した.門脈血管抵抗は,同時に測定された門脈血流量(Qpv),門脈圧(Ppv),肝静脈圧(Phv)から次式を用いて算出した.PVR=(Ppv-Phv)/Qpv.門脈血流量は,超音波Bモード・パルスドップラー複合装置を用いて測定し,門脈圧は経皮経肝的門脈カテーテル法により測定し,肝静脈圧は,静脈カテーテル法により測定した.楔入肝静脈圧は,バルーンカテーテルにより肝静脈を閉塞して測定した.門脈血管抵抗は,control群:0.25±0.13mmHg・ml-l・min・kg(mean±S.D., n=5),慢性肝炎活動性(CAH群):0.64±0.29mmHg・ml-1.min・kg (n=13),肝硬変症(LC群):1.33±0.79mmHg・ml-1・min・kg (n=30),特発性門脈圧亢進症(IPH群):0.84±0.69mmHg・ml-1・min・kg (n=13)であった.Control群,CAH群,LC群では,PVRのうち約90%が類洞後性であったが,IPH群では,PVRの約60%が類洞前性であった.
  • 安永 満, 松田 彰史, 村田 誠, 荻野 昌昭, 門 祐二, 新開 泰司, 名和田 浩, 半田 哲郎, 野田 健一, 福本 陽平, 沖田 ...
    1985 年 26 巻 4 号 p. 493-499
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    アセトアミノフェンの大量服用により,急性肝障害の発症をみることは,よく知られた事実である.最近,教室では,少量のアセトアミノフェンの服用にもかかわらず,重症肝障害を生じた2例を経験したので報告した.患者は38歳の男性と31歳の女性である.アセトアミノフェン服用量は,それぞれ,3.7gと6.4gで,いずれも嘔吐,腹痛,全身倦怠感を訴えて入院した.本剤服用時,前者はアルコールを摂取し,後者は絶食状態であった.検査上,前者は著明な血清トランスアミナーゼの上昇,軽度の黄疸を認め,心内膜炎,腎障害,急性膵炎を併発し,肝組織では小葉内に巣状壊死が散在し,中心静脈周囲にも壊死が認められた.後者でも重篤な肝障害と血小板減少がみられ,肝組織像はbridging necrosisを示していた.アルコール摂取と絶食のために,少量のアセトアミノフェン服用にもかかわらず,予想以上に肝障害が重症化したと考えられ,本剤の使用にあたり,注意が必要である.
  • 福井 実, 杉村 巌, 成沢 恒男, 関谷 千尋, 並木 正義
    1985 年 26 巻 4 号 p. 500-505
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    薬剤によって多数の多核巨細胞の出現をみた肝炎の1例を経験した.症例は62歳の主婦.cefradine, ibuprofenを8日間服用後,嘔気・黄疸が出現.肝腫大と肝機能異常が認められ,急性肝炎の疑いで入院.第14病日の腹腔鏡下肝生検で多核巨細胞化した肝細胞を多数認めた.輸血歴,飲酒歴はなく,HAV, HBV, EBVの感染は血清学的検査により否定された.CMVのLA (Late Antigen)抗体の有意な変動,尿からのCMVの分離などでCMV感染は認められたが,CMV-Lymphocyte Transformation (LTF)反応は低値であった.肝の生検組織所見で巨細胞封入体を認めず,CMV感染はprednisolone使用による再活性化と考えられた.薬剤による肝障害を疑いcefradine, ibuprofenのリンパ球刺激試験(LST)を行ったところ,リンパ球刺激指数(LSI)が443%,442%と陽性を示し,本症の原因として薬剤が考えられた.prednisolone投与により臨床症状は改善し,肝機能は約3ヵ月後に正常化した.
  • 上原 秀政, 玉木 一弘, 伊藤 正高, 宇都宮 潔, 安部 孝, 高橋 信一, 斎藤 昌三, 青柳 利雄
    1985 年 26 巻 4 号 p. 506-509
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/03/08
    ジャーナル フリー
    炎天下の過激な運動により,重篤な肝障害と横紋筋融解をきたした日射病の1症例を経験したので報告する.
    症例は17歳男子学生.炎天下のサッカー練習中に突然意識が消失し近医に入院した.体温40°Cで錯乱状態であった.翌日には意識は改善したが,黄疸,肝機能異常が認められ当院に転院した.
    入院時,黄疸(+),肝を右肋骨弓下に1横指触知した.総ビリルビン4.5mg/dl, GOT4, 224mIU, GPT 5, 190mIU, PT 30%,尿ミオグロビン(+),CPK 4,920mIU, CPKアイソザイムMM型98%,HBマーカー(-),HA抗体(-)であった.
    入院後,肝機能は順調に回復し第16病日にはほぼ正常化した.第25病日の肝生検では,肝細胞索の乱れ,細胞の大小不同,二核細胞を認めたが,細胞浸潤はほとんどみられなかった.
    日射病における肝障害の発生機序については高体温,肝循環障害,低酸素血症等が考えられているがまだ解明されていない.
  • 山下 正己, 長峯 保郎, 尾嵜 潔, 上嶋 繁, 高橋 均, 井上 博司, 橋本 知子, 南野 達夫, 榎本 雅一, 諏訪 雅男, 足立 ...
    1985 年 26 巻 4 号 p. 510-514
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    症例は48歳男性.大腿部痛を主訴として来院.他科の骨シンチグラムで肋骨,臼蓋部,大腿骨に異常集積が認められ,腫瘍の多発性骨転移が疑われて当科において諸検査を行い,肝硬変合併肝癌の骨転移と診断した.その際CT検査で,肝門部のやや下方で下大静脈に接して,その前方に存在する5×3cmの肝と同様の吸収値を有する腫瘤を認め,副肝を疑い,剖検により確認された.副肝は主肝と同様に乙型肝硬変像を呈していたが,肝癌は認めなかった.文献的に検索しえた副肝報告例69例中,硬変化した副肝は本邦1例,外国4例であり,又位置的に下大静脈近傍に存在する例の報告はなく,病態を考える上で極めて興味ある症例と思われた.
  • Slow growing hepatoma 18例と巨大肝細胞癌切除症例16例の検討
    安成 茂樹, 幕内 雅敏, 新里 誠一郎, 森 孝朗, 小林 純, 鋤柄 稔, 山崎 晋, 長谷川 博, 森山 紀之, 高安 賢一, 広橋 ...
    1985 年 26 巻 4 号 p. 515-523
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    3年11ヵ月の経過観察の後に切除し得た5,500gの巨大肝細胞癌の1例を報告した.本症例は本邦の肝細胞癌切除例中最大のものであると思われた.無治療で3年以上生存した肝細胞癌18例につき日本肝癌研究会報告を対照として比較検討した.slow growing hepatomaは組織学的所見でEdmondson分類IIが有意に多かつた(p<0.05).切除標本が2,000g以上の肝細胞癌16例につき同様に比較検討した.巨大肝細胞癌の切除例はAFPの低値例が有意に多かった(p<0.05).肝硬変合併例は有意に少なかった(p<0.05).術式は拡大右葉切除以上の広範囲切除術が有意に多かった(p<0.05).
  • 森本 日出雄, 野ッ俣 和夫, 小松 義和, 鵜浦 雅志, 田中 延善, 加登 康洋, 小林 健一, 服部 信, 松井 修
    1985 年 26 巻 4 号 p. 524-529
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌(HCC)に対する化学療法は種々試みられているが良好な成績は得られていない.著者らは門脈腫瘍塞栓を伴うHCC例にVP-16(Etoposide)を投与し有効と考えられた症例を経験したので報告する.症例は66歳男性で昭和47年全身倦怠,上腹部痛にて入院,腹腔鏡肝生検にてアルコール性肝硬変と診断された.昭和58年6月より腹部膨満感が出現.10月腹水を指摘され入院.非代償性肝硬変として治療した.AFPは陰性であったが肝血管造影にてHCCと診断された.びまん型のHCCであり,門脈腫瘍塞栓を伴うことから,手術適応はないと判断し,VP-16投与を施行した.VP-16投与は80mg/mm2/day 5日間点滴静注にて2クール施行し,肝腫の縮小(縮小率44%,奏効度PR)および画像診断上門脈腫瘍塞栓の明らかな縮小を認めた.副作用として脱毛および軽度の全身倦怠感,食欲不振,悪心を認めたが,骨髄抑制制所見はみられなかった.
  • 荒川 正博, 松本 新一, 鹿毛 政義, 福田 一典, 野田 岳水, 赤木 保久, 中島 敏郎, 永田 一良, 向坂 健男, 江口 敏井, ...
    1985 年 26 巻 4 号 p. 530-534
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    食静脈瘤に対する内視鏡的硬化療法後の剖検所見についての記載は乏しい.我々は治療後5~6ヵ月間,食道静脈瘤は治癒の状態であった症例で,骨髄腫,食道癌が原因で死亡した2例と,13ヵ月後に食道静脈瘤の再発にて死亡した1例の計3例を経験した.食道壁の病理形態学的検討から,2例では静脈に広範な器質化血栓の形成があり,一部では再疎通像がみられた.再発した例では部分的内膜肥厚を伴う静脈瘤を認めた.さらに2例では線維化の範囲が固有筋層から外膜まで及んでおり,臨床的に著効を示したと思われる症例の中にも筋層,外膜まで治療の影響がおよんでいることが示された.
    これらの所見と,早期死亡例の所見を加えて硬化療法による効果と副作用について述べるとともに,静脈瘤の消失過程と再発機序について考察を加えた.
  • 小林 道男, 中務 治重, 山内 康彦, 藤原 雅親, 橋本 誠, 東 俊宏, 渡辺 明治, 長島 秀夫, 藤本 明
    1985 年 26 巻 4 号 p. 535
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
  • 藤川 正直, 冨田 昭, 栄枝 弘司, 前田 隆, 西原 利治, 大西 三朗, 伊藤 憲一
    1985 年 26 巻 4 号 p. 536
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
  • 飯野 四郎, 倉井 清彦, 小池 和彦, 市田 文弘, 小島 秀男, 鈴木 宏, 赤羽 賢浩, 吉沢 浩司, 真弓 忠, 津田 文男
    1985 年 26 巻 4 号 p. 537
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
  • 森藤 隆夫, 佐藤 和典, 斉藤 孝一, 西間 木友衛, 吉田 浩, 粕川 禮司, 小平 司
    1985 年 26 巻 4 号 p. 538
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
  • 中嶋 俊彰, 奥野 忠雄, 岡上 武, 瀧野 辰郎, 大森 吉弘, 安村 忠樹, 相川 一郎, 岡 隆宏
    1985 年 26 巻 4 号 p. 539
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
  • 鵜沼 直雄, 田川 一海, 大森 友幸, 鈴木 征子, 清瀬 闊, 伊瀬 郁, 津田 文男
    1985 年 26 巻 4 号 p. 540
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
  • 小島 秀男, 吉川 明, 上村 朝輝, 市田 文弘, 飯野 四郎, 倉井 清彦, 小池 和彦, 鈴木 宏, 赤羽 賢浩, 吉沢 浩司, 真弓 ...
    1985 年 26 巻 4 号 p. 541
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
  • 斎藤 明子, 高崎 健, 小林 誠一郎, 小幡 裕, 鶴 純明
    1985 年 26 巻 4 号 p. 542
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
  • 玉沢 直樹, 米田 政志, 牧野 勲, 武部 和夫, 曽根 賢, 古川 力男
    1985 年 26 巻 4 号 p. 543
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
  • 1985 年 26 巻 4 号 p. 544-557
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2009/05/26
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