肝臓
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27 巻, 10 号
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  • 木村 昭彦, 鹿毛 政義, 弓削 建, 小野 栄一郎
    1986 年 27 巻 10 号 p. 1363-1370
    発行日: 1986/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    B型慢性肝炎の経過中に,血中HBe抗原からHBe抗体にseroconversionした24例のうち血中HBe抗原陽性時に肝生検を施行しえた11症例について臨床病理学的検討を加えた.なお,この11例中5例は血中HBe抗体陽性時にも肝生検を施行しえた.血中HBe抗原陽性時肝組織診断は,犬山の分類で慢性活動性肝炎8例,慢性非活動性肝炎3例であった.肝組織内HBc抗原は,陽性5例,陰性6例であった.血中HBe抗体陽性時は,慢性活動性肝炎1例,慢性持続性肝炎1例,他は慢性非活動性肝炎であり,肝組織内HBc抗原は施行した2例とも陰性であった.肝組織内HBc抗原が陽性であった5例はseroconversionするまでに平均22ヵ月かかり6ヵ月未満のものはなかった.陰性の6例は平均10.6ヵ月で2例は6ヵ月以内にseroconversionを起こした.seroconversion前は,肝組織内HBc抗原と血中HBe抗原抗体系,HBc抗体との間には明らかな関連はみられなかった.
  • 橋本 悦子, 中西 敏己, 吉田 錦吾, 邸 世賢, 栗原 毅, 山内 克己, 奥田 博明, 久満 董樹, 小幡 裕
    1986 年 27 巻 10 号 p. 1371-1375
    発行日: 1986/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    HBワクチン接種例の長期観察と,follow-up後にHBs抗体の力価(PHA法)が23以下の例にHBワクチンのBooster injectionを施行し,そのHBs抗体responseを検討した.HBsAg, anti-HBs陰性の116例に1981年8月から82年11月の期間にHBワクチン(HBsAg 20μg)を,初回,4週,24週後に接種した.そして,84年5月,85年8月にfollow-up後の検査を施行した.HBs抗体(PHA法)陽性率は,ワクチン接種終了時の28週では,79.8%で,経過とともに(平均156週)25例陰性化し,57.7%と低下し,力価も28週をピークとして低下した.又,力価上昇の1例はHBウイルスの感染と考えられた. Booster injectionでは,Responderでは全例,すみやかに十分なHBs抗体responseがみられ,HBs抗体産生メモリは保たれていると考えられ,Low responderでは70%, No responderでは23.1%であった.経過とともに,HBワクチンによって得られたHBs抗体の力価は低下し,力価が感染予防に不十分な例には,Booster injection(1回)が必要であるので,少なくとも1年毎の定期的なfollow-upを要すると思われた.
  • 奥野 忠雄, 中島 年和, 阿部 芳道, 武田 誠, 岡上 武, 瀧野 辰郎, 山田 明, 今西 二郎
    1986 年 27 巻 10 号 p. 1376-1383
    発行日: 1986/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    比較的大量のIFNをB型慢性肝炎15例(CAH 14例, CIH 1例)に投与し,投与終了後1.5年から3.3年間経過観察し,主としてHBV関連マーカーの推移を検討した. HBe抗原は全例で陽性であり,DNAPは14例で陽性,1例で陰性であった. HBV DNAは全例で陽性であった.使用したIFNはα型,β型,組み換え型ヒト白血球αA, HLBIである.2例でIFNが2回投与された.IFNの総投与量は1×108IUから4.77×108IUで,投与期間は原則として4週間である.HBe抗原の消失率は投与終了時33.3%, 1.5年後40%で,それ以降に変化は認めなかった.SC率は終了時13.3%, 1年後20%で,それ以降に変化はなかった, DNAPの陰性化率は終了時42.8%, 1年以降は約40%であった.しかし,HBV DNAはHBe抗原消失例においても,1年以降持続的に陰性化した例はなかった.2例でIFN治療後HBe抗体へSCし,抗体価が高値で持続しているにもかかわらず,HBVの増殖と関連してSGPTの異常がみられた.IFNが有効と考えられた例では治療前のSGPTが150KU以上の変動を示すCAHであった.
  • 斉藤 正明, 大西 久仁彦, 寺林 秀隆, 飯田 真司, 野村 文夫, 檜山 義明, 鵜沼 直雄, 奥田 邦雄
    1986 年 27 巻 10 号 p. 1384-1388
    発行日: 1986/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    ウイルス性肝疾患76例に,肝内圧の測定と肝の組織学的変化の検索を行なった.肝内圧と光学顕微鏡上の肝の線維化,炎症,壊死の程度ならびに電子顕微鏡上のDisse腔の膠原線維沈着の程度は,いずれも有意の一次相関(線維化:r=0.67,p<0.001,炎症:r=0.47,p<0.001,壊死:r=0.51,p<0.001, Disse腔の膠原線維:r=0.54,p<0.05)を認めたが,なかでも肝内圧と光学顕微鏡上の肝の線維化の程度が最も良い一次相関を認めた.
  • 熊田 卓, 奥山 澄彦, 井本 正己, 西村 大作, 福田 吉秀, 杉山 恵一, 佐竹 辰夫
    1986 年 27 巻 10 号 p. 1389-1397
    発行日: 1986/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    Sulfataseを利用した酵素加水分解法による硫酸抱合型胆汁酸の測定法を用い,正常,肝胆道疾患患者の血清硫酸抱合型および非硫酸抱合型胆汁酸を測定し検討した.
    加水分解の条件は0.2M acetate buffer 0.5ml (pH 5.0), 25×10-7M D-saccharic acid-1, 4-lactone溶液0.4ml, 0.2%NaCl酵素溶液(sulfatase 32U/ml)で37℃48時間のincubationを必要とした.加水分解率は83.3~87.8%であった.血清中の硫酸抱合型胆汁酸は急性肝炎,肝内胆汁うっ滞および肝外胆汁うっ滞で高率で,硫酸抱合型胆汁酸が全胆汁酸に対して占める割合は,劇症肝炎は急性肝炎に対し,肝硬変非代償期は代償期に対し有意に低値を示した(p<0.01).また硫酸抱合型胆汁酸の占める割合は,肝合成能をみる検査と良い相関を示し,これらの胆汁酸の測定は肝障害の程度を評価する1つの有用な指標となりうると考えられた.
  • 末盛 彰一, 竹崎 英一, 松尾 行雄, 中山 茂, 中村 利夫, 舛田 一成, 森石 真吾, 池本 吉博, 渡辺 恭行, 吉川 正哉, 中 ...
    1986 年 27 巻 10 号 p. 1398-1404
    発行日: 1986/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    障害肝のモデルとしてD-galactosamine障害肝ラットを用いて,障害肝におけるガラクトース代謝を検討した.D-galactosamine投与2日後にガラクトース負荷試験は最長半減期を示し,肝組織のglucose-6-phosphatase, galactokinase活性の障害がガラクトース負荷試験の成績に強く影響を及ぼしていることが示唆された.さらにD-galactosamine投与後,経日的に投与されたガラクトースの代謝系を検討すると経日的にかなり変動していることが認められた.投与されたガラクトースの肝細胞内での代謝は肝細胞の障害の程度及び末梢組織の代謝状態の影響を受け,glycogenesis, glycogenolysis, glycolysisに利用されるガラクトースが量的変化していることが認められた.これは,肝障害により生じた糖代謝の障害に対して生理的にホメオスターシスを維持するために調節されて変動したと考えられた.
  • 水吉 秀男, 石井 耕司, 山室 渡
    1986 年 27 巻 10 号 p. 1405-1411
    発行日: 1986/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    閉塞性黄疸27例にBSPを体重1kgに対して5mg,計39回負荷して抱合型BSPの動態を検討した.10~15分毎に血清および胆汁を採取し,BSPをシリカゲル薄層クロマトグラフィーで分離して3分画(胆汁の一部では4分画)を得た.これらのRfは遊離型BSP, cysteine抱合型BSP,GSH抱合型BSPと一致した.血清総BSPの消失率Kは,血中総ビリルビン値が高い程低下する傾向があったが,血中BSPの停滞は黄疸の程度にかかわらずcysteine抱合型BSPの増加によるものであり,静注後120分では総BSPの75~82%を占めていた.
    胆汁中BSP分画では遊離型BSPとcysteine抱合型BSPが主な分画であった.
    以上より閉塞性黄疸では,肝でBSPを抱合したGSHの水解亢進によるcysteine抱合型BSPの生成亢進と,その血中への逆流が示唆され,これが血中BSP停滞の主因をなすと考えられた.
  • 経皮経肝門脈造影所見と肝内門脈全身短絡率の検討
    田中 秀雄, 大西 久仁彦, 陳 信義, 寺林 秀隆, 斉藤 正之, 飯田 眞司, 野村 文夫, 奥田 邦雄
    1986 年 27 巻 10 号 p. 1412-1417
    発行日: 1986/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝硬変症の進行に伴ない増加してくると考えられる肝内の門脈肝静脈短絡路について,肝硬変症82例,その他の肝疾患25例の計107例を対象に,経皮経肝門脈造影所見を検討し,この造影所見を99mTc-macroaggregated albuminを用いて同時に測定した肝内門脈全身短絡率と比較し検討した.
    肝硬変症82例中20例に門脈造影にて右肝静脈が描出されたが,他の疾患では描出されなかった.肝静脈が描出された肝硬変群の肝内門脈全身短絡率は,描出されない肝硬変群やその他の肝疾患群のそれに比し有意に高かった.肝硬変症について肝内門脈全身短絡率の程度と肝静脈描出率および描出開始時間を検討すると,肝内門脈全身短絡率が高い群ほど肝静脈描出率が増大し,肝内門脈全身短絡率が高い症例ほど早い時相から右肝静脈が描出され始めた.また肝静脈が描出された20例のうち18例に直径1~2mmの門脈と肝静脈を結ぶ吻合部が確認された.
  • 森 順子, 田川 まさみ, 小俣 政男, 奥田 邦雄, 寺尾 清
    1986 年 27 巻 10 号 p. 1418-1423
    発行日: 1986/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    Duck hepatitis B virusのアヒル感染実験において,経時的(6, 12, 24, 36時間,3, 6, 10日)に採取した20羽のアヒル及び陰性コントロールアヒル1羽の肝においてin situ hybridizationを行ない,既報のspot hybridizationによる肝内DHBV DNAの核酸量と対比した.in situ hybridizationeこよる肝細胞当りの粒子数(2~61粒子/細胞)とspot hybridizationより解析したDHBV DNAのコピー数(3~210コピー/細胞)は相関係数r=0.96をもって正の相関を示し,in situ hybridizationによる粒子数がウイルスのコピー数を反映する事を証明した.またin situ hybridizationが従来の組織抽出核酸によるSouthern或いはNorthernblot hybridizationによる解析では不可能であった細胞レベルでの核酸の局在の解析を可能とし,また感染初期におけるウイルスの肝内増殖が極めて瀰漫性である事を初めて示した.
  • 池田 健次, 熊田 博光, 荒瀬 康司, 中村 郁夫, 野澤 靖美, 吉場 朗, 海上 雅光
    1986 年 27 巻 10 号 p. 1424-1430
    発行日: 1986/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    過去8年間に入院した肝細胞癌161例のうち,肝硬変を合併していなかった15例(9.3%)について検討した.HBs抗原陽性例が6例(40.0%)で肝硬変合併例の21.2%に比し高率である他,背景に差はなかった.HBs抗原陽性6例の非癌部組織は,肝線維症が4例,chronic persistent hepatitisが2例と,全例炎症の少い肝障害であった.一方,HBs抗原陰性9例では,chronic aggressive hepatitis 2Aが4例,chronic aggressive hepatitis 2Bが2例,肝線維症2例,正常肝1例で,活動性の慢性肝炎が多かった.15例のうち,肝障害として経過観察を受けていた5例では3例が肝切除,2例が動脈塞栓術を行えたが,他の10例では進行した例が多く,肝切除1例,動脈塞栓術が2例に行えたにとどまった.
    HBs抗原陽性例や慢性肝障害症例では,低率ながら肝癌発生のあることを認識し,何らかの定期的経過観察を行うことが重要である.
  • 中原 俊尚
    1986 年 27 巻 10 号 p. 1431-1438
    発行日: 1986/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    原発性肝癌剖検例393例中,混合型肝癌とみなされた10例について,臨床病理学的研究をおこなった.年齢,性,臨床症状,及び生化学的検査所見等は通常の肝細胞癌と比べ何ら異なることはないが,AFPは60%の症例に陽性で,値は10,000ng/ml未満の比較的低値のものが多く,CEAは88%と高率に陽性であった.肉眼的に中島の分類の浸潤型8例,混合型(浸潤型+膨張型)1例,びまん型1例で被包型は1例もみられなかった.組織学的に肝細胞癌と肝内胆管癌の接点で移行像がみられないもの7例(うち1例は重複癌),移行像のみられるもの3例であった.転移巣では血行性は肝細胞癌,リンパ行性は胆管癌の成分が多くみられた.混合型肝癌の発生について以下の3つの機序が考えられた.1)重複癌,2)肝細胞あるいは胆管細胞のいずれかを基盤として発癌したのち,その一部が他方へ分化する.3)肝細胞と胆管細胞の中間の性格を有する細胞に発癌,肝細胞癌,胆管細胞癌の両方向へ分化する.
  • 荻野 景規, 坂井田 功, 岡 紳爾, 村上 不二夫, 日野 啓輔, 佐貫 和俊, 新開 泰司, 名和田 浩, 門 裕二, 安永 満, 江崎 ...
    1986 年 27 巻 10 号 p. 1439-1443
    発行日: 1986/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    ヒト胎盤よりglutathione S-transferase anionic form (GST-π)を精製した.最小分子量は,21,000で,等電点は4.5であった.抗GST-π特異抗血清を用いたOuchterlony法では,肝癌・腎などからのanionic GSTとは免疫学的に同じものであることがわかったが,肝から抽出したcationic GST (Ligandin)とは全く異なるものであった.肝細胞癌30例を用いた免疫組織学的検討では,癌部においては,50%の陽性率で,Edmondson I, II型の高分化型に陽性率が高かった.非癌部では,癌組織周囲のHE染色で正常と思われる細胞が比較的強く陽性に染色された.以上より,GST-πは,肝細胞癌の腫瘍マーカーとして有用性が示唆されるが,前癌性病変という意味で,非癌部における染色性の検討が今後必要と考える.
  • 小東 克次, 福田 善弘, 井村 裕夫, 中野 博
    1986 年 27 巻 10 号 p. 1444-1450
    発行日: 1986/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝腫瘍発生におけるエストロゲン(E)のプロモーター作用,さらにはその作用機序を明らかにする目的で,雄ラットにDiethylnitrosamine (DEN) 200mg/kgを1回投与後,Diethylstilbestrol (DES) 1.8mgを8カ月間連日経口投与した.その結果肝にhyperplastic noduleが発生し,γ-GTP陽性の病巣の総面積,平均面積共にDENやDESを単独投与したラットに比して有意に大きく,DESのプロモーター作用が確認できた.また肝細胞質のエストロゲンリセプター(ER)を測定すると,DES投与ラットではenzyme immunoassayにより測定される総contentは増加し,radioreceptor assayにより測定されるunoccupied formのcontentは減少していた.このことはERの核へのtranslocationを示唆し,肝腫瘍発生のプロモーション過程においてもEが,ERを介して作用することがうかがわれた.
  • 鈴木 茂, 増子 和郎, 山崎 親雄, 三井 健宏, 柴田 貢, 近藤 芳正, 塚田 勝比古, 武内 俊彦, 真鍋 康二, 山田 剛太郎, ...
    1986 年 27 巻 10 号 p. 1451-1456
    発行日: 1986/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    患者は28歳,男性,昭和58年5月下旬に発熱,全身倦怠感,嘔吐にて発症.血清学的検査にて末梢血異型リンパ球の増加とT. Bil, TTT, IgMの高値,プロトロンビン時間の高度の延長があり,IgM-HA抗体が陽性かつHBs抗原陽性でHBc抗体価が高値を示しIgM-HBc抗体も陰性であったため無症候性HBVキャリアーにHAVが重感染した劇症肝炎と診断した.入院直後より血漿交換,グルカゴン-インシュリン療法などを施行したがプロトロンビン時間の延長は改善なく,肝性昏睡も増強し入院第5病日にDICを合併し死亡した.後日,RIA法で血中δ抗体が高力価陽性,酵素抗体間接法でIgM-δ抗体が陰性,さらにnecropsy組織を酵素抗体直接法で染色し肝細胞核にす抗原が陽性であったことよりδ因子が持続的に感染していたことも明らかとなった.δ因子感染の無症候性HBVキャリアーにHAVが重感染し劇症肝炎となった興味ある症例を経験したので報告した.
  • 青木 伸一, 斉藤 昌三, 尾崎 芳樹, 中島 洋, 真部 淳, 安部 孝, 青柳 利雄
    1986 年 27 巻 10 号 p. 1457-1462
    発行日: 1986/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    症例は38歳女性,下血を主訴として昭和59年10月22日入院した.昭和55年より当科にて肝硬変,糖尿病にて加療中であり,既往歴は虫垂切除術,帝王切開術がある.輸血歴および飲酒歴はない.入院後,食道,胃内視鏡検査にてstage IVの食道静脈瘤を認めるが,出血源は確認できず,大腸内視鏡検査にても凝血塊のみで出血源は確認できなかった.12月18日より大量の下血出現,21日腹部血管造影にて拡張した空腸腸間膜静脈を認めたので,小腸静脈瘤よりの出血の疑いにて開腹し空腸静脈瘤破裂を確認した.
    小腸静脈瘤はきわめて稀であるが,肝硬変症および門脈圧亢進症を伴う消化管出血例でその出血源が不明の場合には腸間静脈瘤破裂をも念頭において検索する必要があると思われる.
  • アミロイド蛋白の分析所見も含めて
    南部 勝司, 前田 昭太郎, 飯島 敏彦
    1986 年 27 巻 10 号 p. 1463-1469
    発行日: 1986/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    著明な黄疸(T-Bil. 14.3mg/dl)で入院し,入院10日目に,腹腔内出血で死亡した原発性アミロイドーシスの1剖検例(46歳男子)を報告した.黄疸は,胆石溶解の目的で,CDCAとUDCAを併用投与した2, 3日後に出現しており,黄疸出現の原因として,胆汁酸の関与が強く疑われたが,確証は得られなかった.アミロイド蛋白の分析結果から,本症例のアミロイド蛋白はAA蛋白ではなく,L鎖のfragmentがaggregateしたか,あるいはAL蛋白とは異なった他の蛋白である可能性が示唆された.死因は,肝海綿状血管腫の破裂によって,腹腔内に大量の出血が起ったことによるものであった.血管腫は,アミロイド沈着で血管壁が脆くなっていた上に,物理的圧力が加わったために破裂した,と推測された.
  • 藤原 研司, 沖田 極, 赤松 興一, 安倍 弘彦, 為田 靱彦, 堺 隆弘, 井上 昇, 金井 弘一, 岡 博, 青木 延雄
    1986 年 27 巻 10 号 p. 1470
    発行日: 1986/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 栄枝 弘司, 西原 利治, 松浦 靖, 藤川 正直, 富田 昭, 前田 隆, 大西 三朗, 伊藤 憲一
    1986 年 27 巻 10 号 p. 1471
    発行日: 1986/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 末盛 彰一, 竹崎 英一, 中村 利夫, 松尾 行雄, 中山 茂, 舛田 一成, 森石 真吾, 池本 吉博, 渡辺 恭行, 吉川 正哉, 中 ...
    1986 年 27 巻 10 号 p. 1472
    発行日: 1986/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 松浦 一陽, 澤原 正彦, 山口 秀文, 辻 孝夫
    1986 年 27 巻 10 号 p. 1473
    発行日: 1986/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 単離肝細胞を用いた検討
    瀬戸 良文, 中嶋 俊彰, 中島 年和, 島 俊英, 奥野 忠雄, 瀧野 辰郎
    1986 年 27 巻 10 号 p. 1474
    発行日: 1986/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 中島 年和, 中嶋 俊彰, 島 俊英, 瀬戸 良文, 奥野 忠雄, 瀧野 辰郎, 吉崎 和男, 西川 弘恭, 成瀬 昭二, 平川 公義
    1986 年 27 巻 10 号 p. 1475
    発行日: 1986/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 石川 隆, 井廻 道夫, 大西 真, 松橋 信行, 高久 史麿, 橋本 大定, 森山 貴志, 鈴木 元
    1986 年 27 巻 10 号 p. 1476
    発行日: 1986/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 白井 睦訓, 吉村 吾志夫, 西岡 幹夫, 志賀 淳治, 森 亘
    1986 年 27 巻 10 号 p. 1477
    発行日: 1986/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 1986 年 27 巻 10 号 p. 1478-1506
    発行日: 1986/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
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