肝臓
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27 巻, 12 号
選択された号の論文の21件中1~21を表示しています
  • 吉野 泉, 飯島 敏彦, 今井 康允, 寺野 彰
    1986 年 27 巻 12 号 p. 1665-1669
    発行日: 1986/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肺結核男子患者で,手術時に輸血を受けたものと手術も輸血も受けなかったものについて20年間以上追跡調査した.1960年より1964年の間で手術時に輸血を受けた91例を輸血群とし,手術も輸血も受けなかった77例を非輸血群とした.約20年経過後の肝機能成績ではHBVマーカーの陽性率に差はみられず,輸血群はZTTが有意に高値を示し,また輸血後に急性肝障害を発症した例ではGPTとZTTが有意に高値を示した.肝疾患による死亡例は輸血群では6例あり,そのうち5例には輸血後急性肝障害の既往があり,非輸血群ではなかった.肝疾患による死亡を相対危険度として一般人口と比較すると,輸血群では原発性肝癌が13.3,肝硬変が4.0を示し,さらに輸血後急性肝障害発症群では原発性肝癌が25.9,肝硬変が12.1と高値を示した.以上より,輸血群,特に輸血後急性肝障害を発症する例は原発性肝癌や肝硬変の高危険度群であることが明らかとなった.
  • 浜口 浩一, 青沼 宏深, 山本 真由美, 淵田 則次, 宮崎 光一, 山田 昌信, 小林 道生, 村山 卓, 高瀬 幸次郎, 為田 靱彦, ...
    1986 年 27 巻 12 号 p. 1670-1677
    発行日: 1986/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝障害診断時の一般的な臨床所見から薬剤性肝障害と輸血後非A非B型肝炎との鑑別予測を判別分析と数量化理論II類を用いて行なった.判別分析では変数増減法により選択されたGOT, T-ch,年齢,好酸球,TTT, ALPの6項目を用いて判別式を作成した結果,薬剤性肝障害群は35例中31例(88.6%),輸血後非A非B型肝炎群は37例中33例(89.2%)が正しく判別された.数量化理論II類では質的データと量的データの16項目を用いて判別式を作成した結果,薬剤性肝障害群は34例中31例(91.2%),輸血後非A非B型肝炎群は35例中34例(97.8%)が正しく判別され,疾患判別に寄与する項目を偏相関係数により検討すると,GOT,好酸球,黄疸,γ-globulin, T-ch,発熱の順に高値を示した.本判別式作成以降の13症例を用いて外部検定を行なうと,正診率は判別分析で84.6%,数量化理論II類で92.8%といずれの解析方法においても内部検定とほぼ同様の判別率を得た.
  • 悪性化促進因子としての意義
    石井 公道, 苅部 ひとみ, 藤田 芳邦, 柴田 久雄, 岡部 治弥, 佐々木 憲一, 奥平 雅彦
    1986 年 27 巻 12 号 p. 1678-1683
    発行日: 1986/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    粗大結節性硬変肝の悪性進展に及ぼす黄体ホルモンの影響を実験的に検討した.Wistar系雄性ラットに0.06% 3'-Me-DAB混入飼料を3週間投与し,次いで通常食に切換えると共に四塩化炭素を14週間皮下注射して,非可逆性の粗大結節性硬変肝を作製した.ここで,I)無処置群,II)カプロン酸ヒドロキシプロゲステロンを投与した群,の2群に分けて,以下経時的に検索した.I群では偽小葉結節の大きさや性状に著しい変化は見られず,病理組織学的には過形成結節形成に留まって,26週の観察期間中明らかな悪性腫瘍の発生は認められなかった.II群では偽小葉結節の大きさが増大して,その内部の血管構築像は粗血管状態から血管新生・増生の過程を辿り,肝細胞腺腫の発現を経て,39匹中9匹(23%)に肝細胞癌が惹起された.以上より,黄体ホルモンは粗大結節性硬変肝の悪性進展に対して促進物質として作用することが強く示唆された.
  • 山舗 昌由
    1986 年 27 巻 12 号 p. 1684-1691
    発行日: 1986/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    原発性胆汁性肝硬変(PBC)患者における末梢血リンパ球の表面形質について各種単クローン抗体とflow cytometryを用いて解析し,その免疫学的意義について検討した.OKT11陽性率においてはPBCでは健常および疾患対照群との間に差を認めなかったが,平均蛍光強度(FI)値は他群に比し有意に高値であった(p<0.01, p<0.001). OKT11FI値の上昇はmitogen刺激後の健常者リンパ球においてもみられた.一方PBC患者への免疫抑制剤投与はFI値を正常化させた.またDR+・Leu12-陽性率においてPBCは健常群に比し有意に高値であった(p<0.001).症候性PBCにおいては全例OKT11FI値の異常高値を認め,DR+・Leu12陽性率は無症候性PBCに比し有意に高値であった(p<0.05).このようなPBC,特に症候性PBCにおけるT11++またはDR+の活性化T細胞の相対的増加は本症の免疫動態をよく反映し,リンパ球各亜群のFI値の検索の重要性が示唆された.
  • 伴野 昌厚, 渡辺 純夫, 広瀬 美代子, 竹内 真, 黒田 博之, 浪久 利彦
    1986 年 27 巻 12 号 p. 1692-1696
    発行日: 1986/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    初代培養肝細胞のdoublet cellを用い,cytochalasin Bで処置した群(CB群)と,phalloidinで処置した群(Ph群)について経時的に形態変化を観察し,DACM-HMM法を用いてactin filaments (mf)の分布を観察した.無処置の対照群では3時間の培養によりmfは毛細胆管(BC)周囲に集族し,細胞質内には認められなかったが,24時間後には肝細胞は扁平化し,細胞質内に線維状のmf束が出現した.CB群では3時間の培養によりBCは著明に拡大し,mfはBC周囲に顆粒状に散在し,24時間後も細胞の扁平化はみられず,細胞質内のmf束の出現も認められなかった.Ph群では3時間の培養後に細胞質内の空胞形成や細胞膜のbleb形成がみられ,24時間後では細胞の扁平化は認められなかったが,mf束はBC周囲に増加し,細胞質内では顆粒状の特異蛍光が出現した.以上の結果から,mfはBCの収縮に関与すると同時に,細胞の形態保持にも関連することが明らかとなった.
  • 奥田 博明, 中西 敏己, 古川 隆二, 橋本 悦子, 小幡 裕
    1986 年 27 巻 12 号 p. 1697-1702
    発行日: 1986/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    健常者及び肝細胞癌(HCC)を含む各種疾患例において血漿中の異常プロトロンビンPIVKA-II (P-II)をEIA法を用いて測定し,HCC例の57.7%が高値を示した.他の肝疾患,悪性腫瘍疾患例では陽性率は極めて低く,そのうち肝硬変例では全例低値であり,HCCに高い特異性が認められた.
    HCCにおけるP-IIの上昇機序を検索する目的でAFP産生株であるヒト肝癌由来細胞株(huH-2)を用いて培養上清中のP-IIを測定した結果,細胞濃度に比例してP-II量は増加し,vitamin K添加によりP-IIは検出されなかった.
    以上からヒト肝癌培養細胞huH-2はP-IIを産生し,それはvitamin Kの存在に左右される事が示唆され,P-IIは臨床的に有意義な腫瘍マーカーとみなされる.
  • 白井 睦訓, 香川 博幸, 渡辺 精四郎, 西岡 幹夫
    1986 年 27 巻 12 号 p. 1703-1707
    発行日: 1986/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌患者の細胞性免疫不全の機構を解明する目的で,肝細胞癌患者の末梢血リンパ球のLymphokine-Activated Killer (LAK)活性をin vitroで測定した.健常者のリンパ球は,25units/ml以上のrecombinant interleukin 2(TGP 3, Takeda)の添加培養72時間後に,標的細胞であるDaudi cellに対して強いLAK活性を示した.このLAK活性の発現は,末梢血リンパ球中の粘着細胞の除去にはほとんど影響されなかった.肝細胞癌患者のリンパ球においても,interleukin 2の添加培養後にLAK活性が発現した.しかし,患者リンパ球は,健常者リンパ球より有意に低いLAK活性を示した.特に,直径5cm以上の大きい腫瘍を有する患者では,12例中4例でほとんどLAK活性が誘起されなかった.
  • 菅野 茂男, 水吉 秀男, 岡島 存男, 石井 耕司, 安部井 徹, 町田 啓一
    1986 年 27 巻 12 号 p. 1708-1713
    発行日: 1986/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    CT上のある部分の造影剤の消長を曲線上で解析する,いわゆる,dynamic CTが検討されているが,私たちはこれら局所の変化を濃度差によって視覚的に表現するblood flow mappingを試みた.すなわち,肝横断面のある点の造影剤流入流出状況をgray scaleによってimageとして表現させた.造影剤の最高濃度に達する時間での描写では,対照では肝横断上にびまん性に濃灰色の描写が得られたのに対して慢性肝炎では淡灰色がびまん性に,肝硬変では淡灰色に黒色部が混入しまだらに描写された.造影剤通過時間を同様の方法で画像化すると,対照,慢性肝炎,肝硬変の順にびまん性に濃灰色から淡灰色に,さらに,淡灰色と黒色のまだらな分布に描写された.
    以上,本法は,肝血流動態分布の客観的,経時的解析を可能ならしめる有力な手段となり得ると思われた.
  • 玉沢 直樹, 牧野 勲, 米田 政志, 武部 和夫, 曽根 賢, 古川 力男
    1986 年 27 巻 12 号 p. 1714-1719
    発行日: 1986/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    胆汁中遊離カルシウムイオン(Ca2+)は生物学的活性を有し,不溶性Ca塩の形成に関与する.著者らはCa2+ selective electrode法による胆汁中Ca2+の実用的測定法を開発し,その測定値の妥当性を分画分子量1,000による限外濾過液中Ca値と比較し確認した.本法を用いて胆石症患者14例(純コレステロール石8例,混合石6例)の胆嚢胆汁中Ca2+濃度を胆汁脂質濃度とともに測定した.胆汁中総Ca濃度は9.46±3.42mg/dlで胆汁脂質濃度との間に強い相関が認められた.一方胆汁中Ca2+濃度は2.40±0.63mg/dlで胆汁脂質に非依存性でほぼ一定値に保たれていた.限外濾過液中Ca値はCa2+値よりやや高値(3.2±0.6)であるが極めて近似していた.Ca2+添加実験,胆汁稀釈実験においても,Ca2+濃度の変化は極めて軽微で一定値に保たれることが示された.これらの事実は混合ミセルの胆汁酸がCa2+と可逆的に結合・解離をくり返しCa2+濃度を一定に保持している事を示唆している.
  • 野口 雄司, 林田 研司, 谷岡 一, 鈴山 純司, 川本 充, 三島 致衍, 田中 義人, 牧山 和也, 原 耕平, 山口 義彦, 三宅 ...
    1986 年 27 巻 12 号 p. 1720-1727
    発行日: 1986/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    症例は17歳女性.意識障害,黄疸,糖尿病を主訴として入院した.入院時の理学的所見では全身の黄疸と傾眠傾向を認め,入院時検査でプロトロンビン時間の延長,総ビリルビンの上昇,著明な尿糖,空腹時血糖の上昇が認められた.その意識障害の出現時期と併せ考えI型糖尿病と合併した亜急性肝炎と診断した.入院後,血漿交換などの種々の治療にも拘わらず意識障害が遷延化し,糖尿病のコントロールも困難な状態が続いたが,約3カ月後になって,肝機能は改善傾向を示し,6カ月後にはほぼ正常化して,糖尿病もコントロール可能となった.
    しかし,本患者はこのほか原発性甲状腺機能低下症も合併しておりその多彩な病態から興味ある症例と思われたので,文献的考察を加えて,ここに報告した.
  • 高瀬 幸次郎, 淵田 則次, 青沼 宏深, 小林 道生, 山田 昌信, 山本 真由美, 為田 靱彦, 中野 赳, 小坂 義種
    1986 年 27 巻 12 号 p. 1728-1732
    発行日: 1986/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    warfarin potassiumによる肝障害は極めて稀であり,内外で数例の報告をみるにすぎない.著者らはwarfarin potassiumによる薬剤性肝炎を経験したので報告する.症例は55歳の男性でaorto-coronary bypass術後の抗凝固療法としてwarfarin potassiumが投与され,約50日後黄疸とトランスアミナーゼおよび胆道系酵素の著明な上昇を示した.HBウイルスマーカー,IgM HA抗体は陰性で薬剤性肝障害が示唆されたため同薬剤の投与を中止したところ速やかに肝機能検査は正常となった.肝生検所見では急性肝炎回復期と診断された.warfarin potassiumによるリンパ球培養試験は陰性を示し臨床上抗凝固療法を必要としたため再度warfarin potassiumを投与したところ3日後全身倦怠感とともに肝機能検査に異常を来した.再度同剤によるリンパ球培養試験を行ったところstimulation indexは320%と陽性でwarfarin potassiumによる薬剤性肝障害と診断された.
  • 芦田 寛, 田淵 正人, 伊藤 通男, 橋本 直樹, 大石 泉, 石川 羊男, 宇都宮 譲二
    1986 年 27 巻 12 号 p. 1733-1737
    発行日: 1986/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    選択的shunt術である遠位脾腎静脈吻合術におけるshuntの選択性喪失の主要因としては,shunt脾静脈への遠肝性側副血行路-特に膵内および膵周囲を通る-発達といえ,本術式の改良(shunt脾静脈の膵からの完全遊離)がshuntの選択性の術後長期間の保持に有効であると考えられた.そこで改良術式を行い術後3年8カ月目に肝不全で死亡した症例(55歳男,肝硬変)の剖検時門脈造影よりshuntの選択性維持に関しての検討を行った.脾静脈近位端よりのshmt脾静脈への細い数本の側副血行路を認めたのみで,門脈循環異常といえる病態は認めず,術式の改良は十分効果的といえた.ただshunt脾静脈への下腸間膜静脈からの側副血行路を認め,高圧のportamesenteric systemの腹腔内では低圧のshunt脾静脈の完全な分離は遠位脾腎静脈吻合術の術式改良を行っても不可能と考えられた.
  • 渡辺 浄, 星野 和彦, 東恩納 厚, 木田 光広, 重井 文博, 福井 光治郎
    1986 年 27 巻 12 号 p. 1738-1743
    発行日: 1986/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    慢性膵炎経過中に,Cavernous Transformation of the Portal Vein (CTPV)を呈する広範な門脈血栓症を来たした稀な症例を経験したので報告する.症例は50歳男性,アルコール性慢性膵炎にて入退院を反復していた.既往に膵尾部切除・摘脾他,多手術歴あり.上腹部痛にて来院,腹部超音波検査(US)により,半年前には認められなかった門脈血栓症を認めた.CT,上腸間膜動脈性門脈造影及び経皮経肝門脈造影(PTP)にて,上腸間膜静脈から肝内門脈枝まで血栓充満し,門脈本幹周囲にはCTPVを形成していた,抗血栓療法として,新しく開発された抗トロンビン剤MD-805とWarfarinを併用し,一週間後より効果を認めた.2カ月後,上腸間膜動脈性門脈造影とPTPを再検し,肝内門脈枝の血栓の大半の消失を確認したが,門脈本幹の血栓は器質化し,更にCTPVの発達が著明となった.尚,肝生検組織は軽度の脂肪浸潤と非活動性慢性肝炎の像を呈していた.
  • 岡島 存男, 菅野 茂男, 石井 耕司, 山室 渡, 住野 泰清, 古河 一男, 伊東 高仁, 安部井 徹
    1986 年 27 巻 12 号 p. 1744-1750
    発行日: 1986/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    症例は32歳男性,吐血を主訴に入院,食道静脈瘤破裂と診断された.既往歴,家族歴に肝疾患はない.血液生化学的検査で肝障害は認められなかった.各種画像診断で,肝脾腫と,Umbilical portionから発達した側副血行路が上腹部を上行し,数各の細い胸腔内静脈に移行しているのが認められた.さらに,剣状突起部に最強点を有する連続性静脈性雑音が聴取され,Cruveilhier-Baumgarten症候群(C-B症候群)を呈していた.特発性門脈圧亢進症(IPH)の診断で食道離断,及び摘脾術が施行された.しかし,肝病理組織像は,グリソン鞘中心に,増生した胆管を含む線維帯が発達し,先天性肝線維症(CHF)に一致した.本例には高率に合併する嚢胞腎は認められず,病理組織像のみがIPHと鑑別し得る所見であった.われわれの調べ得た限りでは,CHFの本邦報告例は31例と少なく,C-B症候群との合併例は,欧米例を含めても本例が3例目であった.
  • 宮田 康司, 本村 正治, 古賀 俊逸, 井林 博, 辻 裕二, 金城 満
    1986 年 27 巻 12 号 p. 1751-1756
    発行日: 1986/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    プロトポルフィリン症(PP)の兄弟2症例の肝病変につき組織学的に検討した.両症例ともに幼少時より日光過敏性皮膚炎を繰り返し,入院時に軽度の肝機能障害と赤血球プロトポルフィリン量の異常高値を示した.肝組織の光顕所見では炎症細胞浸潤,偽胆管増生および限界板破壊をともなう門脈域の線維性拡大に加えて,胆汁染色陽性を呈する色素沈着を肝細胞,Kupffer細胞,毛細胆管および小葉間胆管に認め,胆汁うっ滞を伴う慢性活動性肝炎の所見であった.蛍光顕微鏡下ではプロトポルフィリンの肝内蓄積を示す赤色自家蛍光を肝組織全体に認め,特に色素顆粒部に高度であった.また電顕では毛細胆管内にポルフィリン体結晶を認めた.PPにおける肝病変の発現にはプロトポルフィリンによる胆汁排泄障害とプロトポルフィリンの胆管内沈着による胆汁うっ滞の関与が考えられた.
  • 柴山 隆男, 林 星舟, 中尾 國明, 加知 一友, 大竹 寛雄, 田中 慧, 田中 亨, 小池 盛雄, 佐々木 常雄, 高橋 元一郎, 青 ...
    1986 年 27 巻 12 号 p. 1757-1765
    発行日: 1986/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    症例は70歳,女性.腹部腫瘤を主訴として入院.腹部CT, Echo,腹腔動脈造影などの検査,および腹腔鏡下腫瘍生検による癌部組織診断が乳頭管状腺癌であったことより,胆嚢癌とその肝内転移と診断した.入院時よりalpha-fetoprotein (AFP)値ならびにcarcinoembryonic antigen (CEA)値が共に異常高値を示し,crossed immuno-affinoelectrophoresisによるAFPのレクチン親和性の分析では,本症例のAFPパターンがyolk sac型を呈していた.Methotrexate (MTX), 5-fluorouracil (5-FU) sequential療法を5クール施行することによって,AFP値74,000ng/ml→8,600ng/ml, CEA値3,500ng/ml→326ng/mlと改善,さらに触診およびCTで腫瘤の縮小を確認し,本療法の有効性を確認した.AFPおよびCEAの局在は,酵素抗体法での検索で,原発巣と肝転移巣の腫瘍細胞の一部に証明されたが,肝転移巣周辺の非癌部肝組織には証明されなかった.従ってAFP値ならびにCEA値の高値は,腫瘍細胞自体の産生によるものと考えられた.
  • 渡辺 恭行, 池本 吉博, 川上 広育, 舛田 一成, 森石 真吾, 中村 利夫, 松尾 行雄, 中山 茂, 末盛 彰一, 吉川 正哉, 竹 ...
    1986 年 27 巻 12 号 p. 1766
    発行日: 1986/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 吉田 晴彦, 栗田 昌裕, 稲垣 徹, 平野 正憲, 杉本 恒明
    1986 年 27 巻 12 号 p. 1767
    発行日: 1986/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 酒井 義法, 泉 並木, 入江 徹也, 田沢 潤一, 蓮村 靖, 武内 重五郎, 金山 正明
    1986 年 27 巻 12 号 p. 1768
    発行日: 1986/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 松田 隆, 妹尾 磯範, 岡田 隆好, 谷本 要, 白木 和夫, 樋野 興夫
    1986 年 27 巻 12 号 p. 1769
    発行日: 1986/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 1986 年 27 巻 12 号 p. 1770-1822
    発行日: 1986/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
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