肝臓
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29 巻, 5 号
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  • 病理組織学所見との関連
    道尭 浩二郎
    1988 年 29 巻 5 号 p. 585-592
    発行日: 1988/05/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    B型慢性肝障害におけるHBV DNAの局在をin situ hybridization法で検出し,各病期のHBV DNAの組織内分布を調べた.HBe抗原陽性無症候性HBs抗原キャリアでは,HBV DNAはびまん性に分布するが,慢性肝炎から肝硬変へと病変が進展するにつれてその分布は不均一化し,集簇性に分布する例が増加した.慢性活動性肝炎ではびまん性または集簇性に分布する例が多いのに対し,慢性非活動性肝炎ではHBV DNA陰性例が多かった.巣状壊死部周辺,piecemeal necrosis部,bridging necrosis部にはHBV DNAが検出されることが多く,B型慢性肝障害の肝細胞障害機構において,主たる標的細胞はHBV増殖を認める肝細胞と考えられた.肝細胞の再生が旺盛な部位と考えられている腹腔鏡下に観察される斑紋部には,他部位に比しHBV DNAが少ないことから,再生部にはHBV増殖が軽微なことが推察され,病期の進展に伴うHBV分布不均一化の一因である可能性が示唆された.
  • 福田 亮, 沖永 聡, 赤木 収二, 日高 光宣, 小野 直美, 島田 宜浩
    1988 年 29 巻 5 号 p. 593-599
    発行日: 1988/05/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    ステロイド剤とcyclophosphamideを投与したアヒル各40羽を用いてアヒルB型肝炎ウイルス(DHBV)の接種実験を行い,両剤のDHBVのviremiaの推移に及ぼす影響を検討した.ステロイド投与群は肝炎反応陽性,cyclophosphamide投与群は陰性であったが,両群ともviremiaは延長しviremia延長の成立自体には肝炎反応は無関係と考えられたが,ステロイド投与群にのみviremiaの消失例がみられウイルスの排除には肝炎反応が関与することが推測された.ステロイド剤によるviremiaの延長機序はDHBV増殖の直接の促進と考えられ,この作用は年齢依存性を示した.cyclophosphamideにはDHBV増殖作用は有意でなく,免疫抑制により肝炎反応を抑えて2次的にウイルス排除を阻止することでviremiaを延長させると推測された.
  • 森藤 隆夫, 佐藤 和典, 迎 慎二, 斉藤 孝一, 西間木 友衛, 粕川 禮司, 小平 司
    1988 年 29 巻 5 号 p. 600-605
    発行日: 1988/05/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    単離ラット肝細胞をPlastic well上で培養後にフォルマリンで固定し,これに結合するIgGをEIAで測定する系を用いて肝細胞膜抗体の検出を試みた.基礎実験からPlastic well上の抗原は質量的に均一であり,核,ミトコンドリア等の細胞質成分の付着がないことが確められた.また,ウシアルブミン加PBSで血清を希釈することが,フォルマリン固定細胞のovercoating,被検血清中のH-D抗原の吸収に有用と思われた.この測定系を用いて検索すると,自己免疫性慢性活動性肝炎血清中に健常人血清より有意に高力価で肝細胞膜に結合するIgG型抗体が存在した.このIgG型抗体は肝細胞で最も強く吸収され,Mc-FarlaneのSepharose 6Bカラム分画のI~IIピークに一致して抑制された.また螢光抗体法で肝細胞膜にlinearに結合することが観察された.
    以上の結果から,本法によって検出されるIgGの主要成分は,肝細胞膜を認識する抗体であろうと思われた.
  • 前田 正人, 蓮村 靖, 武内 重五郎, 金山 正明
    1988 年 29 巻 5 号 p. 606-610
    発行日: 1988/05/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    ヒト肝アルデヒド脱水素酵素(ALDH)はアルコール代謝に重要な働きを持つと考えられている.そこで,アルコール性肝障害(ALD)および非アルコール性肝障害の92例の生検肝組織についてALDHの等電点電気泳動像および酵素活性の検討を行なった.ALDH I型欠損の頻度はALDでは2.3%と非ALDの47%に比して明らかに低かった.等電点電気泳動像では,肝のALDH Iは3本のサブバンド,ALDH IIは4本のバンドから構成されていた.しかし,これらの微小変異の性状および出現頻度にはALDと非ALDとの間には明かな差が認められなかった.ALDでは,肝病変の進展とともに肝ALDH活性の低下がみられたが,非ALDではこのような変化は認められなかった.ALDの進展における肝ALDH活性の変化の役割について注目すべきことを指摘したい.
  • 高木 均, 高山 尚, 小島 亨, 斎藤 修一, 植原 政弘, 山田 昇司, 小林 節雄
    1988 年 29 巻 5 号 p. 611-618
    発行日: 1988/05/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝癌培養細胞PLC/PRF/5に対するLAK活性が各種IFNによって増強されるか否かを検討した.PLC/PRF/5に対するLAK活性はIL2とIFNの併用ではIL2での培養期間が二日以上ではIFNの影響はほとんど見られず18時間培養ではIFNの前培養による増強が見られた.これらの細胞障害活性はリンパ球のDNA合成と相関した.PLC/PRF/5のDNA合成に対するIL2, IFNα, β, γの影響は単独,併用ともわずかであった.PLC/PRF/5に対するkiller活性の増強についてはIFN α, βでは同時培養から前培養48時間まで増強されたが,γでは48時間で初めて有意な増強を見た.IL2とIFNの順次併用ではIFN後IL2よりIL2後IFNの方が増強され,特にIFNα, βとの併用では有意であった.以上の結果より肝癌培養細胞PLC/PRF/5に対するLAK活性はIL2後IFN,特にα, βを順次併用することによりさらに増強され臨床に応用し得るものと思われた.
  • 船木 直也, 五十嵐 省吾, 籏原 照昌, 榊原 耕子
    1988 年 29 巻 5 号 p. 619-627
    発行日: 1988/05/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌6例,転移性肝癌5例を含む剖検肝組織中のIII型コラーゲンを組織中のIII型コラーゲンN-末端ペプチド(P-III-P)のRIA法による定量と,ヒト胎盤由来III型コラーゲンに対するモノクローナル抗体を用いて免疫組織化学染色により検討した.組織重量当りのP-III-P量は正常肝0.24±0.21μg/g Tis,非担癌硬変肝1.83±0.72μg/g Tis,肝細胞癌腫瘍組織0.511±0.272μg/g Tis,腫瘍壁4.39±6.32μg/g Tis,非癌硬変部分4.45±7.34μg/g Tis,転移性肝癌腫瘍組織1.13±1.13μg/g Tis,腫瘍壁2.36±3.93μg/g Tis,非癌肝組織0.0646±0.0690μg/g Tisであった.肝細胞癌6例中4例の腫瘍組織,5例の非癌硬変部,及び転移性肝癌5例中1例の腫瘍組織と2例の非癌部にIII型コラーゲンに対する染色性が認められた.担癌肝組織では腫瘍組織は勿論,非癌部においてもコラーゲン産生が腫瘍の存在により影響を受けている事が想像された.
  • 真島 康雄, 藤本 隆史, 岩井 一郎, 田中 正俊, 酒井 輝文, 阿部 正秀, 安倍 弘彦, 谷川 久一
    1988 年 29 巻 5 号 p. 628-636
    発行日: 1988/05/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌(HCC)の早期確定診断のために1985年5月から1986年11月までに肝の占拠性病変を疑われた231例にエコー下の真島式細径針組織生検法を行い,HCC 103結節(96例)を全例組織診断出来た.HCC組織での細胞異型度は腫瘍径が小さいほど高分化型HCC例が多く,腫瘍径が大きくなるほど低分化型のHCC例が多かった.すなわち,直径20mm以下のHCCの80.8%が高分化型であり,直径31mm以上のHCCの場合は30%が高分化型であった.そのため,細胞診の診断率は直径20mm以下のHCCでは35.6%と低かった.直径11~15mmのHCC例は高エコー型が58.3%と多く,US上注意すべき所見と思われた.また,直径21~30mmのHCC例の中に自然壊死例の2例(1.9%)を確認した.この生検法は出血や皮膚転移などの重篤な合併症を認めず,肝癌の早期確定診断法として極めて有用であった.
  • 紀野 修一, 草野 満夫, 水戸 廸郎
    1988 年 29 巻 5 号 p. 637-642
    発行日: 1988/05/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    パラフィン包埋肝組織を用いたDNA flow cytometryの方法を検討した.その際,過去に病理組織学的に検索された材料を用いることが前提となるためにに,まず組織固定の条件を検討した.次に解析可能なDNAヒストグラムを得るための処理条件を凍結組織との比較において検討した.組織摘出2から4時間後に10%ホルマリン(pH4)で固定した場合に最良のヒストグラムが得られ,過去に病理組織学的に検索された材料を用い得ることが確認された.切片の厚さを50μmとし,ペプシン処理時間を90から120分間,RNase処理時間を30分間とした場合に最良のヒストグラムが得られた.以上の条件でパラフィン包埋組織を処理すれば,DNA aneuploidyに関しては凍結組織を用いた場合と同様に検索できることが明らかとなった.しかし,切片作成にともなう核断片が存在するために細胞周期の解析を行なう際には注意が必要と考えられた.
  • を用いた光顕・電顕オートラジオグラフィーによる検討
    岩村 伸一, 大西 三朗, 山本 泰猛, 円山 英昭
    1988 年 29 巻 5 号 p. 643-650
    発行日: 1988/05/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    ヒトの肝線維化における伊東細胞のcollagen産生能を検討するため各種肝疾患の肝生検材料を3H-prolineをtracerとした光顕・電顕オートラジオグラフィー(ARG)で観察した.針生検又は切除ににより得られた肝組織(22症例)を採取後直ちに細切し,3H-proline 200μCi/mlを含む培養液中で37℃,1時間培養後,更に6時間chaseした.組織は2重固定,エポン包埋後薄切し,光顕及び電顕ARG(2-6週間露出)を施行した.1時間標識ではpiecemeal necrosis部の伊東細胞や門脈域の線維芽細胞上に限局した銀粒子の強い集積が見られ,肝細胞や胆管上皮にも多数の銀粒子が認められた.6時間chaseでは標識伊東細胞や線維芽細胞近傍の膠原線維上にも銀粒子は分布し,標識蛋白の移動が示された.ヒトの門脈域の肝線維化では線維芽細胞のほか,伊東細胞も膠原線維産生能を有すると考えられる.
  • 血中,尿中,胆汁中還元代謝物の比較検討
    米田 政志, 牧野 勲, 玉沢 直樹, 武部 和夫, 桜庭 清
    1988 年 29 巻 5 号 p. 651-658
    発行日: 1988/05/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    Dehydrocholic acid (DHCA)の還元,抱合,排泄について再検討を行うため,PTCD施行中の胆道癌症例にDHCA 1gを経静脈投与し,血中,尿中,胆汁中DHCA還元代謝物の経時的変化を追求した.その結果,負荷直後から還元代謝物の3α-hydroxy-7,12-diketo-cholanoicacid (Mono-OH-di-K)が血中に遊離型で急増し(約80μM),それに遅れて3α, 7α-dihydroxy-12-keto-cholanoic acid (Di-OH-mono-K)は抱合型で増加した.一方胆汁中にはDi-OH-mono-Kが90%以上を占める主要成分として出現し,Mono-OH-di-Kは極く一部にすぎず,両還元体はほとんどが抱合型であった.したがって,DHCA還元代謝物の構成パターンならびに抱合様式は胆汁と血中で著しく異ることを認めた.これにより血中Mono-OH-di-KとDi-OH-mono-Kの上昇機序は異ることが推察されたが,特に遊離型で増加するMono-OH-di-Kについては胆汁成分が大循環血中へ流入することで説明し難く,その詳細な解明は胆汁酸代謝研究にとって重要な課題と思われた.
  • antipyrine酸化能と尿中代謝産物の変動
    伊藤 信之, 河田 純男, 野田 修造, 今井 康陽, 斉藤 隆三, 田村 信司, 稲田 正己, 乾 由明, 松田 幸彦, 永瀬 寿彦, 垂 ...
    1988 年 29 巻 5 号 p. 659-664
    発行日: 1988/05/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    D-penicillamine治療を長期間継続中のWilson病6例(肝硬変5例,非肝硬変1例)および正常対照7例と肝炎後肝硬変症6例に対し,antipyrine (600mg/mm2)を経口負荷し,血中半減期(T1/2), clearance (Cl)および24時間尿中の主要代謝産物である3-hydroxymethylantipyrine (HMA), norantipyrine (NORA), 4-hydroxyantipyrine (OHA)をHPLCにより分離測定した.
    肝炎後肝硬変患者では,T1/2の延長とCl,尿中代謝産物総回収率および総抱合率の低下を認めたが,Wilson病患者ではいずれも正常と差がなかった.また,各代謝産物(HMA, NORA,OHA)の尿中排泄量はWilson病患者と正常対照群の間で有意差を認めなかったが,肝炎後肝硬変患者ではいずれも有意に低下していた.
    以上より,適切な治療により安定した状態にあるWilson病肝硬変患者では,薬物酸化能および抱合能がともにほぼ正常に保たれており,肝炎後肝硬変患者とは薬物代謝能および肝予備能の面で明らかな差異があることが示された.
  • 井戸 健一
    1988 年 29 巻 5 号 p. 665-672
    発行日: 1988/05/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    レーザー光回折パタ-ンを利用した二次元計測法による慢性肝疾患の肝表面解析を行った.計測にはファイバー回折格子を組み込んだ計測用腹腔鏡を使用し,レーザー光は波長488nm,出力2Wのアルゴンレーザー光を用いた.この計測用腹腔鏡は,病変の幅はもちろん,肝表面の凹凸の計測まで高精度に行えることが大きな特徴である.本法は,通常の照診光のもとでも,肝表面のレーザースポットを明瞭に視認することが可能であるため,微細な病変との対比も極めて容易に可能であった.慢性肝炎11例,肝硬変初期6例,完成した肝硬変27例を対象に計測を行い,chronic aggressive hepatitis 2Aは平滑な肝表面であり,chronic aggressive hepatitis 2Bにみられる区域化された紋理の径は1.6±0.4mm,表面の凹凸は0.1±0.1mmであった.肝硬変の結節の径は3.2±0.9mmで,結節の高さと径の比はいかなる肝硬変も約0.2でほぼ一定であった.
  • 酒井 義法, 泉 並木, 蓮村 靖, 武内 重五郎
    1988 年 29 巻 5 号 p. 673-678
    発行日: 1988/05/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    初回肝生検で慢性活動性肝炎の組織像を呈した大酒家症例2例に,禁酒後に再度肝生検を施行し,禁酒による組織学的変化を検討した.この2症例とも清酒に換算して1日5合,10年以上の飲酒歴を有し,輸血歴はなく,HBs抗原陰性であった.第1回肝生検組織像では,結節形成はなく,門脈域の拡大と軽度から中等度の円形細胞浸潤とpiecemeal necrosisがみられ,一方肝実質内には肝細胞周囲性線維化と軽度の中心静脈周囲性線維化,および脂肪変化を認めた.禁酒後,臨床所見および検査所見は著明に改善した.禁酒後の第2回肝生検組織像では,門脈域の小円形細胞浸潤および,piecemeal necrosisの明らかな軽減が認められた.以上の成績は,慢性活動性肝炎の組織像を呈する大酒家の中には,禁酒により肝炎の所見の明らかな軽減をみる症例が存在することに注目すべきことを示唆している.
  • 高橋 仁公, 山田 昇司, 竹沢 二郎, 長嶺 竹明, 小林 節雄
    1988 年 29 巻 5 号 p. 679-683
    発行日: 1988/05/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    血清トランスアミナーゼが慢性肝炎様に変動した原発性胆汁性肝硬変(PBC)例を経験した.症例は37歳,女性.肝機能検査で胆道系酵素に比し,血清トランスアミナーゼが高値で変動した.それに対して強力ネオミノファーゲンC (SNMC)が有効であった.膠質反応の上昇,IgM, IgGの高値もみられ,抗ミトコンドリア抗体(AMA)は160倍と陽性であった.また原因不明の好酸球増多も存在した.肝生検組織では慢性非化膿性破壊性胆管炎(CNSDC)を認めるPBC早期の所見であり,piecemeal necrosisは認められなかった.AMAの亜型ではanti-M2陽性,anti-M4陰性,anti-M8陽性であった.本例はトランスアミナーゼが慢性活動性肝炎(CAH)様に変動したものの,AMA亜型や組織所見よりCAH-PBC mixed typeは否定的であったが,本例のトランスアミナーゼの変動とanti-M8陽性との関連も考えられ,今後の経過に興味がもたれる.
  • 高木 徹, 宇佐見 啓治, 斉藤 孝一, 西問木 友衛, 森藤 隆夫, 粕川 禮司, 茂木 積雄, 吉田 浩, 佐藤 徳太郎
    1988 年 29 巻 5 号 p. 684-689
    発行日: 1988/05/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    多発性筋炎(PM)経過観察中,原発性胆汁性肝硬変症(PBC), Sjogren症候群(SjS)を合併した一例を報告する.症例は37歳の女性で,25歳時(昭和42年)に前腕の強直感が出現し,当院整形外科にて慢性関節リウマチの診断を受けた.2年後に四肢の脱力感が出現し,東北大学第2内科に入院.筋生検等にてPMと診断されたが,prednisoloneにて自覚症状はかなり改善し,50年当科に紹介となった.しかし51年頃より肝機能検査値に異常を認めるようになり,52年にご肝生検を施行.肝組織は慢性非化膿性破壊性胆管炎の像を呈し,Scheuer分類1期のPBCと考えられた.54年頃から口渇感が出現しSjSと診断された.PMに随伴した肺腺維症に対して,d-penicillamineが51年から59年に副作用のために中止されるまで投与されたが,その後GOT, ALPの上昇が顕著となった.現在までPBCは無症候性のまま推移し,PMの症状も増悪傾向はなく,外来で経過観察中である.
  • 西森 武雄, 西野 裕二, 金 義哲, 新井 修, 日裏 彰人, 吉川 和彦, 山下 隆史, 梅山 馨
    1988 年 29 巻 5 号 p. 690-694
    発行日: 1988/05/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    55歳女性の肝左葉に原発した巨大な肝細胞癌(HCC)を切除したが,術前検査では,AFP値は陰性,血管造影検査では肝腫瘤はhypovascularを示し,術前にHCCと確診できなかった.組織学的にはEdmondson IV型のHCCでN/C比の大きい腫瘍細胞が不規則に見られ,血管内皮細胞,類洞様血管腔は殆んど認められず,そのため造影剤が十分に入らず, hypovascularを呈したものと考えられた.肝左葉切除後13カ月の現在著変なく経過している.
    HCCの診断は,超音波検査,CT検査が進歩したとはいえ,血管造影が最も重要であり,その特徴はhypervascularityであるが,本症例のような腫瘍では各種画像診断法による総合的な判断が必要であると思われた.
  • 石津 寛之, 宇根 良衛, 秦 温信, 佐藤 直樹, 佐藤 裕二, 伊藤 美夫, 内野 純一, 野島 孝之
    1988 年 29 巻 5 号 p. 695-696
    発行日: 1988/05/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 藤瀬 清隆, 藤多 和信, 永森 静志, 蓮村 哲, 本間 定, 筋野 甫, 松浦 知和, 清水 恵一郎, 新谷 稔, 大野 典也, 亀田 ...
    1988 年 29 巻 5 号 p. 697-698
    発行日: 1988/05/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • PIVKA-II産生に対するVitamin Kの関与
    奥野 正隆, 福富 尉, 島崎 信, 山田 鉄也, 村上 啓雄, 河合 潔, 武藤 泰敏, 大森 正英
    1988 年 29 巻 5 号 p. 699-700
    発行日: 1988/05/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 野村 元積, 道鎮 正規, 伊藤 重二, 佐藤 富貴子, 得田 彰, 郡 大裕
    1988 年 29 巻 5 号 p. 701-702
    発行日: 1988/05/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 宮崎 寛, 佐多 斉, 河辺 朋信, 奥山 早苗, 高橋 宏樹, 根岸 正史, 渡辺 文時, 大越 裕文, 青山 南圭, 嵐山 恭志, 安藤 ...
    1988 年 29 巻 5 号 p. 703-704
    発行日: 1988/05/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • チンパンジーに於けるfollow up study
    阿部 賢治, 内野 〓持, 両角 枝美, 倉田 毅, 志方 俊夫
    1988 年 29 巻 5 号 p. 705-706
    発行日: 1988/05/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 山元 哲雄, 安室 芳樹, 松田 良信, 下村 壮治, 中岡 尋子, 波田 寿一, 東野 一彌
    1988 年 29 巻 5 号 p. 707
    発行日: 1988/05/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 笠井 保志, 原田 明生, 野浪 敏明, 中尾 昭公, 高木 弘
    1988 年 29 巻 5 号 p. 708
    発行日: 1988/05/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 熊田 博光, 池田 健次, 茶山 一彰, 荒瀬 康司, 郡司 俊秋, 吉場 朗, 松本 豊海, 小林 万利子
    1988 年 29 巻 5 号 p. 709
    発行日: 1988/05/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 安室 芳樹, 中岡 尋子, 下村 壮治, 田村 伸介, 藤倉 美貴男, 山元 哲雄, 波田 寿一, 東野 一彌
    1988 年 29 巻 5 号 p. 710
    発行日: 1988/05/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
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