肝臓
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30 巻 , 11 号
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  • 松本 昌之, 奥野 忠雄, 進藤 道子, 新井 賢, 武田 誠, 藤原 佳浩, 宗川 吉汪, 山田 明, 今西 二郎
    1989 年 30 巻 11 号 p. 1553-1557
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    IFN治療を施行したB型慢性肝炎17例のうち,治療後の肝組織で,通常のSouthern blot hybridization法(SBH)では肝内HBV DNAが陰性化した5例,およびsupercoiled formのみ残存した1例を対象に,肝内HBV DNAをpolymerase chain reaction法(PCR)を用いて検索した.
    PCRはHBV遺伝子のS regionの432bpをtarget sequenceとし,25cycles増幅した.target sequenceの増幅はethidium bromide染色,および32P-HBV DNAをprobeとしたSBH法にて検索した.全例において,IFN治療前後とも肝内HBV DNAを検出した.このことより,IFN治療後に通常のSBH法では肝内HBV DNAが陰性化した例でも,肝内には微量のHBVが残存することが確認された.
  • 高野 進, 小俣 政男, 大藤 正雄, 松山 泰久
    1989 年 30 巻 11 号 p. 1558-1565
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    当大学病院における6年間の全輸血患者8,637例の中から初回輸血で輸血前に肝障害がなく輸血が一週間以内に終了している2,596例について肝炎発症の有無と慢性化率を検討した.輸血後43~60日でGPT>80となる頻度は集団全体では19.5%であり,輸血後の最高値GPT>80となる例は30.5%だった.日本消化器病学会の診断基準を用いると確診例では輸血後肝炎の発生率は10.3% (205/1,991),疑診例も含めた発生率は22.7% (451/1,991)だった.発症後6ヵ月以降のGPTを指標とすると確診例の慢性化率は44.6%,疑診例も含めた慢性化率は35.5%だった.この基準で除外されている第一週異常例は23.3%でその慢性化率も29.9%と高く,ウイルス肝炎が多く含まれていると考えられた.
  • 堀池 典生, 太田 康幸, 恩地 森一, 小川 泰史, 道堯 浩二郎, 灘野 成人, 大野 尚文
    1989 年 30 巻 11 号 p. 1566-1570
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    HBVの水平感染及び垂直感染後キャリア化したHBe抗原陽性小児HBVキャリア53例のHBe抗原,抗体,肝機能検査の推移について,平均8.6年間にわたり追跡調査を行った.対象は,男性35例,女性18例,平均年齢(観察開始時)5.0±1.8歳,HBs抗原のsubtypeは,adr型21例,ayw型28例,adw型4例である.HBe抗原より抗体へのseroconversion (SC)例は,53例中27例(51%)であり,年率5.9%であった.HBV垂直感染例8例は,4例(50%)でSCを認め,水平感染例と差を認めなかった.男女別では,男性46%,女性61%であり,年率はそれぞれ5.4%,7.2%であった.HBs抗原subtype別にみたSC率は,adr型で48%,ayw型で50%,adw型で75%であった.年率は,それぞれ5.1,6.4,8.1%であり,三群間に有意の差はなかった.SCは,8歳以後にほぼ同頻度に出現し,17歳時にはHBe抗体陽性率は,78%であった.
  • 寺田 光宏, 鵜浦 雅志, 松下 栄紀, 稲垣 豊, 金子 周一, 小林 健一, 服部 信
    1989 年 30 巻 11 号 p. 1571-1577
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    e抗原陽性B型慢性肝炎20例を対象に,r-IL2点滴静注の治療成績を,250U.4W投与群10例,750U.4W投与群10例の2群に分け検討した.e抗原e抗体系の変化では,250U及び750U投与群でそれぞれ1年6ヵ月後にe抗原消失を20%,60%に認め,e抗体出現は各々10%, 30%であった.また,e抗原消失群は非消失群に比し年齢が若く,投与中前値に比し一過性の有意なGPTの上昇とDNA-Pの減少を認めた.副作用としては,発熱,全身倦怠感,食欲不振,頭痛,下痢,リンパ球・好酸球増多を一過性に認めたが臨床的に問題となるものは認めなかった.以上より,e抗原陽性B型慢性肝炎に対するrIL-2療法は有用な治療法であり,投与法は750 U.4Wが適当と考えられ,対象としては,若年で,投与1,2週でシューブを起こし,その後DNA-Pの有意な減少を認める症例に対し有効であると考えられた.
  • 吉田 直哉, 住野 泰清, 上野 幸久, 島田 長樹, 柴田 実, 定本 貴明, 佐藤 源一郎, 小野 塚靖, 野中 博子
    1989 年 30 巻 11 号 p. 1578-1583
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    各種慢性肝疾患におけるACAを測定し検討すると同時に,PBCにおいてはACAの有無と臨床症状,検査成績,肝組織学的所見,経過,予後を比較しその臨床的意義について検討した.対象は慢性肝疾患123例で,内訳はPBC25例,ルポイド肝炎11例,その他の慢性肝疾患87例(ウイルス性73例,アルコール性14例)である.ACAは慢性肝疾患の中においてはPBCに最も高率(44%)に検出された.従って肝障害例においてACAが陽性であればPBCを疑う必要がある.
    一方PBCにおいてはACA陽性例は陰性例に比べ,無症候性が多く,症状発現例においてはCREST症候群様の症状など肝外性の症状を示すものが多く,検査所見ではAMA・Bil・IgMが低い傾向を示し,経過は緩徐であり,組織学的変化も軽度なものが多く,予後は良好なものであると推測された.従ってACA陽性例と陰性例とは組織学的に同じPBCであっても多少異なる疾患群であることが示唆された.
  • 田村 信司, 河田 純男, 伊藤 信之, 高石 健司, 斉藤 隆三, 垂井 清一郎
    1989 年 30 巻 11 号 p. 1584-1588
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    ヒト肝癌細胞に対するtransforming growth factor-βの作用を明らかにする目的でヒト肝癌由来細胞株であるPLC/PRF/5細胞及びMahlavu細胞を用いtransforming growth factor-β1(TGF-β1)の細胞増殖及びDNA合成に及ぼす影響について検討した.さらにTGF-β1の細胞増殖抑制機構を明らかにするため,competence geneの1つであるc-myc発現に及ぼすTGF-β1の添加効果をNorthern法を用い検討した.PLC/PRF/5細胞ではTGF-β1添加により細胞増殖及びDNA合成が著明に抑制されたが,Mahlavu細胞ではほとんど影響をうけず,ヒト肝癌細胞由来であっても,細胞株によりTGF-β1に対する反応性の異なることが明らかになった.TGF-β1はPLC/PRF/5細胞においてc-myc発現を著明に抑制したがMahlavu細胞ではc-myc発現に変化を認めなかった.以上よりTGF-βによる細胞増殖抑制の機序としてc-myc発現抑制の関与が示された.
  • 小黒 仁, 青柳 豊, 斉藤 敦, 五十嵐 健太郎, 鈴木 康史, 上村 朝輝, 朝倉 均
    1989 年 30 巻 11 号 p. 1589-1595
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌(HCC)の血清学的診断を目的に,HCC60例,良性肝疾患70例,転移性肝癌25例においてAFP,PIVKA-II,SLX,CA-50,Dupan-2の測定を行った.AFP陽性例についてはさらに,フコシル化率を求めた.HCC診断における陽性率(感度)はAFPが80%と高値を呈したが,PIVKA-II,SLXはそれぞれ53,30%とAFPに比し低値を示した.しかしながら良性肝疾患における特異性において,PIVKA-II(97%)やSLX(97%)はともにAFP(81%)より高値を呈した.また,AFPのフコシル化率測定はAFPの特異性をAFP単独の81%より91%まで向上させた.AFP,フコシル化率,PIVKA-II,SLXの4者を併用することで,血清学的に88%のHCCが診断可能であり,特異性も91%と高くその正診率は90%であった.
  • 鳥村 拓司
    1989 年 30 巻 11 号 p. 1596-1605
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    線維性被膜(被膜)を有する肝細胞癌14例について,抗I,III,IV型コラーゲン抗体,抗ラミニン抗体を用いたHorseradish peroxidase (HRP)酵素抗体法による光顕・電顕的観察を行ない,肝総胞癌に伴う被膜の形成機序や存在意義について検討した.被膜の非癌部側や被膜周辺の圧排された肝細胞周囲に著明な円形細胞浸潤を認め,被膜の非癌部側には多数の新生された脈管もみられた.薄い被膜の場合は増加した線維芽細胞やtransitional typeの伊東細胞,被膜周辺の肝細胞で産生されたIII型コラーゲンで形成されていた.肥厚した被膜の場合には非癌部側は主にIII型コラーゲンで構成され,癌部側はI型コラーゲンが主体をなしていた.I型コラーゲンはIII型コラーゲンと同様,線維芽細胞,transitional typeの伊東細胞,肝細胞で産生されていた.このようにして形成された被膜は,肝細胞癌の増殖にたいして防禦機構の一部となっていることが示唆された.
  • 山下 健
    1989 年 30 巻 11 号 p. 1606-1616
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    1977年1月より1984年11月までに診断した肝細胞癌非切除例(以下肝癌)411例中,治療開始日より4年以上生存し得た14例についてその腫瘍因子,背景因子,治療法など臨床病理学的特徴を検討した.また腫瘍径が3cm以下で2年以内に死亡した18例と各因子を比較し以下の結果が得られた.1)最長生存期間は6年5ヵ月であった.2)腫瘍径が3cm以下の単発の結節型肝癌が多く,組織学的にはEdmondson-Steiner分類のII型までの分化度の高い肝癌であった.3)アルコール常習飲酒が病因と考えられる肝癌が多く,しかも治療開始前より断酒を継続した症例であった.4)治療法は多数回の治療を繰り返し行い,早期に良好な効果が得られた症例であった.以上より長期生存例の特徴は,組織学的に分化度が高く,アルコールが病因と考えられ,断酒を継続した肝癌で,多数回の集学的治療を受けていた症例であった.
  • 見市 昇, 三村 久, 浜崎 啓介, 柏野 博正, 津下 宏, 岡林 孝弘, 森 光樹, 柚木 正行, 折田 薫三, 吉野 正
    1989 年 30 巻 11 号 p. 1617-1622
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    細小肝癌(small liver cancer)に対して肝部分切除(HrO)を施行した12例の予後と病理組織像を検討した.累積生存率は1生率100%,2生率75%,3生率64%であった.3年以内に死亡した5例のうち無再発肝不全死が3例を占め,癌の進行以上に肝障害(肝硬変症)の増悪が予後を左右していた.術後2年以内の再発は12例中2例であり,TW(+)の切除でも7例中1例であった.TW(+)は必ずしも再発の重要因子とはいえず,HrOといえども根治性が得られる場合も多いと考えられ,症例によっては切除量を少なくして術後の肝障害の増悪を防止することがより重要である.病理組織像でfc-inf(-),fc(-),v(-)例には再発はみられず,fc-inf(+),v(+)例で高率に再発がみられた.浸潤先進部の発育様式に注目すると非再発例がegを主体にしていたのに対して,再発例はigを主体にしていた.
  • 河田 則文, 溝口 靖紘, 長谷川 格, 申 東桓, 筒井 ひろ子, 小林 絢三, 近藤 洋子, 森澤 成司, 門奈 丈之, 山本 祐夫
    1989 年 30 巻 11 号 p. 1623-1628
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    interferon(以下,IFN)α,βのKupffer細胞に及ぼす影響について,とくにprostaglandin E2(PGE2)産生を指標に検討した.IFNα,βはKupffer細胞からspontaneousに遊離するPGE2量を減少させた.また,Kupffer細胞をzymosanAやcalcium ionophore A23187で刺激してphospholipase A2経路によるPGE2産生を誘導促進すると,Kupffer細胞からのPGE2遊離は著明に増加するが,IFNα,βで処理されたKupffer細胞からのPGE2産生は有意に抑制された.一方,phospholipase A2活性は細胞内cAMP濃度の上昇により抑制されることが知られているが,事実,Kupffer細胞にdibutyryl cAMPを投与することでPGE2産生が抑制され,さらに,IFNα,βは細胞内のcAMP濃度を上昇させた.以上の結果から,IFNα,βはKupffer細胞の細胞内cAMP濃度の上昇を介してPGE2産生を抑制している可能性が示唆された.
  • 菅谷 洋子, 菅谷 仁, 飯島 誠, 湯村 和博, 藤原 弘道, 伊吹 泰一, 久内 徹, 原田 尚
    1989 年 30 巻 11 号 p. 1629-1634
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝カルチノイドと後腹膜奇形腫とを合併した極めてまれな1例を報告する.症例は54歳の女性.全身倦怠感・腹部膨満感を主訴として肝精査目的にて入院した.入院時肝は著明に腫大し,画像診断では肝内・肝外に性状を異にする二つの腫瘤を認め,肝内腫瘤からの吸引細胞診ではClass Vであったが,原発巣の同定はできず,入院6カ月後肝内の腫瘍破裂で死亡した.なお,経過中明らかな内分泌症状は認められなかった.剖検上,肝は3,850gで肝右葉に出血・壊死の混在する約19cm大の腫瘤と左葉に転移巣を認めた.さらに右葉の外側に肝と分離した後腹膜原発と考えられるdermoid cystを認め,内部に毛髪・石灰化物質が混在していた.肝腫瘍については他臓器には明らかな原発巣を認め得ず,肝原発カルチノイドと診断された.一方,後腹膜腫瘍は,上皮成分・平滑筋等を含む良性奇形腫であった.
  • 山田 剛太郎, 高口 浩一, 西本 弘, 高橋 美智子, 松枝 和宏, 藤木 茂篤, 水野 元夫, 木野山 真吾, 辻 孝夫
    1989 年 30 巻 11 号 p. 1635-1636
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 有田 洋右, 安原 一彰, 古瀬 純司, 松谷 正一, 江原 正明, 木村 邦夫, 大藤 正雄
    1989 年 30 巻 11 号 p. 1637-1638
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 安部井 誠人, 田中 直見, 松本 尚志, 松崎 靖司, 大菅 俊明
    1989 年 30 巻 11 号 p. 1639-1640
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 高木 均, 桜井 誠司, 植原 政弘, 高山 尚, 松本 達彦, 山田 昇司, 小林 節雄
    1989 年 30 巻 11 号 p. 1641-1642
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 飯野 四郎, 倉井 清彦, 日野 邦彦, 近藤 寿郎, 安田 清美, 福原 彰典, 藤岡 悟, 丹羽 寛文, 三田村 圭二, 相川 達也
    1989 年 30 巻 11 号 p. 1643
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
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