肝臓
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33 巻 , 1 号
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  • 高橋 美智子, 山田 剛太郎, 土井 俊彦, 遠藤 久之, 西本 弘, 辻 孝夫
    1992 年 33 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 1992/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    非A非B型慢性肝炎74例にインターフェロン(IFN)αまたはβを連日4~8週間たは週3回12週または24週間投与し,治療効果と肝組織所見との関係を検討した.全例投与前に肝生検し,14例においては投与終了直後に,26例においては投与終了後6カ月目に2回目の肝生検を施行した.投与前の肝組織のHistology Activity Index (HAI)スコアの検討では,有効例は,piecemeal necrosis や bridging necrosisの所見が軽く,線維化が弱かった.また非活動性から活動性へと,組織所見が進行するにつれて治療効果が低下したが,IFNの長期投与により有効率は改善した.治療前後の肝組織像の検討では門脈域および実質の肝細胞壊死所見に有意な改善が見られた.6カ月目の肝生検例では,4~8週間投与例に比較すると,12週または24週間投与例では,血清GPTからみて無効例でもなおスコアの改善がみられ,長期投与によりIFNの効果はより持続することがわかった.
  • 岡田 周市, 岡崎 伸生, 野瀬 晴彦, 大倉 久直, 菅野 康吉, 青木 一教
    1992 年 33 巻 1 号 p. 9-14
    発行日: 1992/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌に対する化学療法の効果判定法としての,(1)「腫瘍の縮小率による効果判定法」および,(2)「血清α-fetoprotein値の低下に基づいた効果判定法」の臨床的有用性を検討した.対象は初回治療法として単剤による全身性化学療法を受けた肝細胞癌105例である.奏効例1例に対し,臨床的背景について対応させた非奏効例を3例ずつ抽出し,両者の初回化学療法後の遠隔成績を比較検討した.判定法(1)では,奏効例8例の50%生存期間17.5カ月,1年生存率87.5%,2年生存率36.5%,非奏効例24例ではそれぞれ9.7カ月,36.7%, 0%であった.判定法(2)では,奏効例7例の50%生存期間18.4カ月,1生率100%, 2生率33.3%,非奏効例21例ではそれぞれ9.4カ月,35.1%, 0%であった.判定法(1), (2)ともに奏効例では非奏効例に比して有意に良好な遠隔成績が得られた.したがって,両判定法は肝細胞癌に対する化学療法を効果的に施行する上で有用と考える.
  • 枝光 理
    1992 年 33 巻 1 号 p. 15-20
    発行日: 1992/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    5cm以下の切除肝細胞癌73例を用いて,腫瘍血管,特に血管数について検討した.腫瘍血管は,動脈類似のA型血管と静脈類似のV型血管に分類し,前者は,腫瘍径2cmまでは径の増大とともに増加し,それ以上では変化しないのに対し,後者は,3cmまではほぼ変化がみられず,3cmを越えると増加する傾向が認められた.また,A型,V型血管のいずれも,分化度が高い程少ない傾向にあった.血管造影上,腫瘍濃染像を呈さない群は,呈する群に比してA型血管が少ない傾向にあり,小さな肝細胞癌が,血管造影上,腫瘍濃染像を呈さないことが多いのは,腫瘍血管の形成が乏しいことも理由の一つであるものと思われた.
  • 田代 京子
    1992 年 33 巻 1 号 p. 21-27
    発行日: 1992/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝疾患(162例)をアルコール性肝障害群(alcoholic liver disease: ALD)72例とアルコール性肝障害群(Non-ALD)90例にわけ,各群における赤血球膜と血漿の脂質を比較検討した.脂質の測定にはthin-layer chromatography with a flame ionization detector(TLC-FID)法を用いた.肝機能の低下にほぼ比例して,平均赤血球容積(MCV)と膜freecholesterol(FC)は増加した.肝硬変においてはアルコールそのものより肝障害の程度により赤血球膜脂質の変化が規定されるものと思われた.脂肪肝においてはALDではNon-ALD比べてMCVと膜FC/PL比の有意の上昇がみられ,比較的肝障害の軽い脂肪肝ではアルコール過剰摂取が赤血球膜の流動性を低下させている可能性があると推察された.さらに肝機能障害が進むに従いリン脂質の内層/外層比が低下し,膜が固くなる傾向が示唆された.膜の流動性を示す膜FC/PL比は,ALDでは血漿FC/PL比と正相関(r=0.65, p<0.01)がみられた.
  • 木田 徹, 溝口 靖紘, 申 東桓, 市川 裕三, 長谷川 格, 小林 絢三, 森澤 成司
    1992 年 33 巻 1 号 p. 28-35
    発行日: 1992/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    モルモットにトリニトロフェニル(TNP)化した肝特異抗原を投与して感作し,感作注射2週間後に腸間膜静脈からTNP化した分離肝細胞を投与すると著明な肝障害が誘導された.肝組織には著明な壊死像が観察され,血清トランスアミナーゼ活性は著明に上昇した.このような実験的アレルギー性肝炎の誘導におけるアラキドン酸カスケードの変化を検討するめ,著者らは肝障害誘導前後における肝非実質細胞から産生されたシクロオキシゲナーゼ系代謝産物を高速液体クロマトグラフィーおよび薄層クロマトグラフィーで分析した.その結果,TXB2ならびに6-keto-PGF1αの合成の有意な上昇が認められた.また,肝障害を誘導したモルモットおよび正常モルモットから肝非実質細胞を分離し,calcium ionophore A23187で刺激して産生されるTXB2と6-keto-PGF1αをRIAで定量すると,前者のTXB2の産生は後者の約2倍となり,6-keto-PGF1αの産生も前者では後者より有意に増加した.
  • 森本 道雄
    1992 年 33 巻 1 号 p. 36-43
    発行日: 1992/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝細胞の極性形成におけるデスモソーム(DS)と細胞骨格の関連性やその役割を明らかにするため単離肝細胞を用い,コルヒチン(Co),サイトカラシンD (CD),両者を含む培地で培養し,サイトケラチン(CK),チュブリン(Tu),アクチン(Act),デスモプラキン(DP)を蛍光抗体法で観察した.whole mount法で免疫電顕も行った.Co処理群でTuは細胞質に構造・均一に染色されたが,他の細胞骨格やDPに著変はなかった.CD処理群でActは断裂し細胞境界や細胞質に凝集し,その部位にはDPの蛍光がしばしば観察された.Co+CD同時処理群では単独処理群の所見に加え細胞の解離が強く,CKの分布は不均一であった.電顕でもActの凝集物が観察され,その周囲の中間径フィラメント(IF)の分布は乱れ,Actの凝集はDS周囲で多く見られた.以上より,IFと微細線維はDSを介して相互関係を有し,IFは細胞質内では微小管との協調の元に細胞の立体構築形成に関与していた.
  • 近沢 秀人, 藤山 重俊, 伊津野 清徳, 川野 真一, 村田 博司, 柴田 淳治, 佐藤 辰男
    1992 年 33 巻 1 号 p. 44-48
    発行日: 1992/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    インターフェロン(IFN)治療中に精神症状を呈したC型慢性活動性肝炎の2例を報告した.症例1は44歳,男性.トランスアミナーゼの異常,HCV抗体陽性を認めたためHLBIを投与した.開始当初,発熱,食欲不振が出現,遅れて13日目より不眠,抑鬱症状が出現し,さらに自殺企図,被害妄想も認めた.それ故,投与を中止し,抗精神薬で徐々に改善した.症例2は34歳,女性.トランスアミナーゼの異常,HCV-RNA陽性を認めたため,IFN-α投与を関始した.当初,発熱,悪寒,倦怠感,食思不振が出現し,4日目から不眠,焦燥感も出現した.精神安定剤を併用したところ,症状は改善し,IFN投与を終了しえた.
    IFNは,慢性肝炎に対する通常量でも,稀ながら精神症状を呈する例もあるため,IFN治療中は充分な注意が必要である.
  • 石幡 良一, 庄司 功, 平原 美孝, 佐藤 佳浩, 大平 葉子, 黒田 聖仁, 高木 徹, 近藤 祐一郎, 斎藤 孝一, 西間木 友衛, ...
    1992 年 33 巻 1 号 p. 49-53
    発行日: 1992/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    44歳女性.1976年より肝機能障害を指摘.1981年第1回入院時,transaminaseと胆道系酵素値の中等度異常,IgMの高値,ASMA陽性を認め,ANAとAMAは陰性であり,組学的にCNSDCはなかったが,抗PDH抗体が陽性であり,無症候性PBCと考えられていた.1989年10月突然の黄疸,上腹部不快感出現し,第2回入院.T.bil, transaminase, γ-gl, IgMの急激な増加が認められ,加えてLE細胞現象陽性,ANA,抗DNA抗体,ASMA,抗M2抗体などが陽性となった(抗M4抗体は陰性).2回目の肝生検にて門脈域の炎症性細胞浸潤,piecemeal necrosis,線維性拡大などCAHの組織像が認められ,さらにCNSDC様の所見も見られたことより無症候性PBCに自己免疫性肝炎を急性発症した病態と推定した.PSL療法が著効し,自覚症状,transaminase, T.bilなどの肝機能,自己抗体力価,肝組織像は著明に改善した.
  • 島津 元秀, 江崎 哲史, 鈴木 治郎, 小森 義之, 菅谷 宏, 蓮見 昭武, 青木 春夫, 黒田 誠
    1992 年 33 巻 1 号 p. 54-59
    発行日: 1992/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    門脈一次分枝に腫瘍塞栓(Vp3)を伴う稀な増殖様式を示した塊状型の胆管細胞癌を切除し,長期生存を得たので報告する.症例は47歳の男性で,主訴は右季肋部痛.超音波検査て肝右葉に巨大な腫瘤を指摘され,1984年10月当科に入院した.腫瘍マーカーはCEA, CA19-9, TPAが高値を示し,肝動脈造影では胆管細胞癌または転移性肝癌を疑う所見であったが,経動脈性門脈造影にて右一次分枝に腫瘍塞栓を認めたため肝細胞癌も考慮され,質的診断に難渋した.同年11月13日拡大肝右葉切除を施行し,門脈内腫瘍塞栓も主腫瘍と一塊にして摘出した.肝切除量は1,760g,腫瘍径は13.5×11.0×8.0cmで,病理組織診断は主腫瘍および門脈内腫瘍塞栓ともに乳頭腺癌であった.術後6年7ヵ月の現在(1991年6月)腫瘍マーカーは正常で,画像診断上も再発の兆なく元気に社会復帰している.
  • 山崎 康朗, 杉本 元信, 朝倉 一郎, 川船 隆史, 羽鳥 知樹, 住野 泰清, 安部井 徹, 野中 博子, 松嶋 広, 宮地 清光
    1992 年 33 巻 1 号 p. 60-65
    発行日: 1992/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    血清抗liver/kidney microsome (LKM)-1抗体陽性でHCV感染が確認された原発性硬化性胆管炎(PSC)の1例を報告する.症例は40歳,男性.上腹部痛,黄疸,肝機能異常の精査を目的に入院した.胆道系酵素の上昇(ALP 431mU/ml, γ-GTP 151mU/ml, LAP 95mU/ml)),高γ-globurin血症を呈し,抗核抗体陽性,抗LKM-1抗体陽性で,抗ミトコンドリア抗体と抗平滑筋抗体は陰性であった.抗HCV抗体陽性(EIA法O.D.値>2.5)で,PCR法によりHCV-RNAが検出された.超音波検査にて総胆管の壁肥厚と肝内胆管の軽度拡張を認め,ERCPにて肝門部胆管の不整狭窄像と肝内胆管の軽度拡張像および限局性狭窄像を認めた.肝生検組織像では,門脈域は炎症細胞浸潤を伴い拡大し,一部の胆管周囲に同心円状の線維化を認めた.これらのことから本例をPSCと診断した.血清抗LKM抗体の臨床的意義を考える上で示唆に富む例と考え報告した.
  • 森岡 健, 牧野 博, 蒲田 敏文, 佐々木 素子, 中沼 安二
    1992 年 33 巻 1 号 p. 66-72
    発行日: 1992/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    コントロール不良の糖尿病を合併した術後再発胃癌による肝外閉塞性黄疸に対しPTCD内瘻化治療後にガス産生肝膿瘍および急性気腫性胆嚢炎を発症した1剖検例を報告した.症例は67歳,男性.主訴は黄疸.糖尿病,高血圧,陳旧性脳梗塞,胃癌術後のため外来加療中,膵頭部の腫瘤による閉塞性黄疸および肝転移のため入院となった.PTCDの内瘻化治療後に発熱と肝内(肝転移の部位に一致),胆嚢内,胆嚢壁にガス像が認められた.ガス産生肝膿瘍と急性気腫性胆嚢炎の合併と診断し,エコーガイド下経皮的肝膿瘍および胆嚢ドレナージを施行したが,DIC,消化管出血のため死亡した.剖検では膵頭部の腫瘤は胃癌の再発で肝転移巣内に膿瘍形成が認められた.本例のように気腫性胆嚢炎とガス産生肝膿瘍が同時に合併した症例の報告は我々の検索しえた限りなく,極めて稀な症例と考えられた.
  • 酒井 洋子, 茶山 一彰, 坪田 昭人, 荒瀬 康司, 斉藤 聡, 池田 健次, 松本 豊海, 小林 万利子, 熊田 博光, 森永 傳
    1992 年 33 巻 1 号 p. 73-74
    発行日: 1992/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 大歳 健一, 岩田 信生, 大中 宣之, 原 正浩, 大岩 信之, 森 俊雄, 金丸 昭久, 垣下 榮三
    1992 年 33 巻 1 号 p. 75
    発行日: 1992/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 松田 康伸, 市田 隆文, 宮崎 裕, 波田野 徹, 山田 慎二, 畑 耕治郎, 上村 朝輝, 朝倉 均
    1992 年 33 巻 1 号 p. 76
    発行日: 1992/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 1992 年 33 巻 1 号 p. 77-119
    発行日: 1992/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
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