肝臓
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34 巻 , 12 号
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  • 明山 濯久, 寺田 昭, 吉原 治正, 山田 幸則, 新井 敬一, 榎本 憲博, 岡崎 利彦, 安松谷 由美, 野田 勝久
    1993 年 34 巻 12 号 p. 935-939
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    医療従事者におけるHCV抗体について知るため,全国労災病院の中から13病院を選び,HCV抗体の検診を実施し,種々の面から検討した.第一世代測定系(C100-3)による陽性率は1.36% (57/4198)で,第二世代測定系(C22-3, C200, C100-3)によるそれは1.45% (55/3798)であった.地方別,職種別,性別にみて陽性率に有意差はなく,また年代別的にも一般献血者と同じ傾向にあった.
    第一世代または第二世代HCV抗体陽性で,GPT値が35以上の者は殆どがHCV-RNA陽性であったが,逆にHCV-RNA陽性でもGPT値正常者が多数みられた.
    以上,我が国における医療従事者のHCV抗体陽性率は,一般人に比して決して高いものではなく,医療機関内における職員のHCV易感染性は否定的と考えられた.
  • 藤岡 博道
    1993 年 34 巻 12 号 p. 940-949
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    C型慢性肝炎(以下CH-C)における肝局所サイトカインmRNAの発現をRT-PCR法で測定し,病理組織学的所見との関係を検討した.著者の方法ではinterleukin(以下IL)-1α, IL-2, IL-6, Tumor necrosis factor-αの各mRNAは検出されなかったが,Transforming growth factor-β1 mRNAは全例で検出された.IL-2 receptor, Interferon-γの各mRNAは,健常対照では検出されず,CH-C例でのみ高率に検出された.IL-8 mRNAは,健常対照やchronic persisitent hepatitisに比し,chronic aggressive hepatitisで強い発現を示す例が有意に多く,発現強度と,(1) Histological Activity Index score,(2) periportal+/-bridging necrosis,(3) portal inflammationのscoreとの間に強い正の相関がみられた.以上よりCH-C例では,IL-2 receptor, Interferon-γ, IL-8の遺伝子転写促進が病態に関与し,特にIL-8の転写促進が病変の進行に関与する可能性が示唆された.
  • 川瀬 光八郎, 吉田 貴, 森脇 久隆, 武藤 泰敏
    1993 年 34 巻 12 号 p. 950-959
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    代償性肝硬変患者5例において運動トレーニング(1回30分,週3回,5か月間)の身体計測値,血液生化学,血漿アミノ酸濃度,最大酸素摂取量(VO2max),脚筋力,自覚的疲労症状に及ぼす効果を検討した.負荷運動量は無酸素作業閾値(anaerobic threshold; AT)を求め設定した.その結果,除脂肪体重(lean body mass)は維持され,一方,皮下脂肪厚は減少した.血清トランスアミナーゼ活性は軽度の上昇傾向を示した.血漿アミノ酸は3-methyl-histidineが有意に減少(p<0.05),正常化し,骨格筋崩壊の抑制が推測された.トレーニング前はATが健常人に比し有意に劣っており(p<0.01),トレーニングにより改善傾向を認め,VO2maxも同様であった.アンケート調査による自覚的疲労感,臨床症状(p<0.05)の改善を認めた,有酸素運動による適切なトレーニングは肝硬変患者の運動能力の改善と骨格筋の維持,自覚症状の改善に有効であると考えられた.
  • 小林 良正, 中島 猛行, 河崎 恒久, 松本 裕子, 松本 正廣, 吉見 輝也, 石井 英正, 竹平 安則, 金井 弘一
    1993 年 34 巻 12 号 p. 960-964
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    慢性肝疾患176例(肝硬変80例,慢性肝炎96例)と健常者142例を対象とし,アンケート調査にて,“こむら返り”(以下MC)の出現状況を調査した.MCが週1回以上出現する頻度は,健常者の7%に比し,肝硬変では31%と高く,肝硬変の重症度が高くなるに従いその頻度も有意に増加した.慢性肝炎と健常者との間には,MCの出現頻度に差は認められなかった.肝硬変において,MCの出現頻度と利尿剤投与の有無,血清電解質(Na, K, Cl, Ca),耐糖能との間に関連はなかった.週1回以上MCが出現する肝硬変18例に塩酸エペリゾン150~300mg/日を8週間投与し,11例(61%)にMCの消失を認め,6例(33%)にMCの減少を認めた.塩酸エペリゾンは,主として,脊髄レベルにおいて,脊髄反射を抑制する筋弛緩剤であることから,肝硬変に伴うMCの出現には,脊髄を含めた神経レベルの障害が関与している可能性が考えられた.
  • 村上 匡人, 國分 茂博
    1993 年 34 巻 12 号 p. 965-974
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    食道静脈瘤硬化療法前後でLGAを施行しえた32例についてEVISと合わせ検討した.LGAによる食道静脈瘤描出能は32例中29例(90.6%)であり,腹腔動脈造影,上腸間膜動脈造影と比べ圧倒的に良好であった.LGAでの血流方向は遠肝性53.1%,求肝性3.1%,両方向性43.8%で,EVISでは遠肝性68.8%,両方向性31.2%であり両者の一致率は50%であった.治療前後のLGAにより32例中30例(93.8%)に血流方向の改善が確認できた.硬化療法後のLGAと内視鏡所見の対比により,LGA静脈相の食道枝は,壁内静脈を現し,噴門静脈叢は,内視鏡所見と関係が薄い壁外静脈を現しているものと思われた.スダレ状静脈はその中間にあたりその途中で壁外から壁内へと入り込んでくるものと思われた.EVISでの描出供血路は左胃静脈の関与している症例が87.5%に認められたが,他の供血路も無視できないものと考えられた.
  • 加藤 博敏, 吉川 正治, 江原 正明, 古山 信明, 大藤 正雄
    1993 年 34 巻 12 号 p. 975-982
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝動脈塞栓療法(TAE)後の虚血性肝障害に対する高圧酸素療法(HBO)の有用性について検討した.基礎実験で,HBOは門脈阻血により低下したラット部分阻血肝モデルの動脈血中ケトン体比(AKBR)を有意に改善した.肝硬変合併肝細胞癌症例44例を対象としたrandomised studyにおいて,TAE直後に低下したAKBRが,TAE直後よりHBOを施行した群(TAE-HBO群)で3時間後より有意に改善した.プロトロンビン時間はTAE-HBO群で有意に短縮した.血清アルブミン値,血清総ビリルビン値,治療後1年以内の主腫瘍の最大腫瘍縮小率において,TAE-HBO群とTAE単独治療群の間に有意差は認められなかった.以上のごとく,HBOはTAEの抗腫瘍効果に悪影響を与えず,TAE後の肝障害に対して,肝内エネルギー状態を反映するAKBRおよびPTを早期より有意に改善する治療法であることが明らかとなった.
  • 首藤 太一, 木下 博明, 広橋 一裕, 久保 正二, 堀井 勝彦, 山田 明, 奥田 豊一, 若狭 研一, 山本 隆嗣, 櫻井 幹己
    1993 年 34 巻 12 号 p. 983-988
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    早期の微小肝細胞癌(肝癌)ならびにその境界病変における門脈血流の関与を検討するため,肝切除の術中あるいは術後に担癌門脈枝より色素を注入し,術後の病理標本上での結節内色素の有無を観察し,被膜形成ならびに分化度との関係を検索した.
    対象とした14例17結節を病理組織学的に検討したところ被膜形成のない高分化型肝癌は6結節(腫瘍径:10±7mm)であり,全例結節内に門脈域がみられたが,結節内に色素がみられたものは2結節に過ぎなかった.他の11結節のうち中分化型肝癌(29±26mm)は7結節で,被膜を有さない1結節にのみ色素がみられた.なお残りの4結節(34±10mm)は術前治療のため完全壊死に陥っていた.
    結節内色素の有無は各結節の組織学的分化度より被膜の有無とよりよく相関しており,肝癌の発育過程で被膜が形成されるに伴い腫瘍内門脈血流が低下することが示唆された.
  • 伊藤 隆之, 城 知宏, 関 寿人, 中川 泰一, 若林 正之, 塩崎 安子, 井上 恭一, 岡村 明治
    1993 年 34 巻 12 号 p. 989-994
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌(肝癌)34例を対象に,癌抑制遺伝子であるp53蛋白の異常発現を免疫組織学的に評価し,肝癌におけるp53蛋白異常発現と臨床病理学的意義,さらには増殖能との関連性について検討した.p53蛋白の異常発現は癌細胞の核に一致して認められ,その陽性率は26.5% (9/34)であった.進行度別にみた陽性率では,stage I・II・IIIの肝癌群(13.0%)に比べstage IV-A・IV-Bの進行癌群(54.5%)で有意に高値であった(p<0.05).また分化度別では,高・中分化型肝癌群(16.0%)に比べ低分化型肝癌群(55.6%)で有意に陽性率は高値を示した(p<0.05).さらにPCNA L.I.を指標とした細胞増殖能の検討では,p53蛋白陰性群(32.4±15.3%)に比べ陽性群(52.7±32.4%)でPCNAL.I.は有意に高値であった(p<0.05).以上のことより肝癌におけるp53蛋白の異常発現は,脱分化さらには細胞増殖能に深く関与している可能性が示唆された.
  • 三浦 徹, 前田 隆, 大西 三朗, 森木 利昭
    1993 年 34 巻 12 号 p. 995-1001
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    原因不明の慢性肝内胆汁うっ滞症を呈する57歳,60歳の姉妹症例を経験した.2例とも高値の抗核抗体を認めたが,血清IgM値は正常で抗ミトコンドリア抗体は検出されなかった.姉は黄疸,皮膚そう痒を呈したが,妹は無症候性であった.肝生検像では姉は小葉間胆管の消失,瘢痕化を,妹は慢性非化膿性破壊性胆管炎を示し原発性胆汁性肝硬変症(PBC)の組織基準に一致した.姉は免疫抑制剤が有効であり,Brunner, Klingeの提唱した免疫性胆管炎に合致する症例と考えられた.姉妹のHLAはclass I, IIとも完全に一致し,PBC並びにその類似疾患の病態を考察する上で示唆に富む症例と思われた.
  • 南部 かおり, 秋田 泰, 井上 徹也, 竹田 広樹, 水野 幸一, 手塚 貴志, 小貫 誠, 三田村 圭二, 高橋 正一郎
    1993 年 34 巻 12 号 p. 1002-1006
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    症例は54歳男性.昭和47年健診にて肝障害を指摘されたが放置.昭和63年再度肝障害を指摘され,腹部超音波検査を行ったところ,肝右葉に径65mmの腫瘍を認め,精査目的にて当科受診した.諸検査にて肝右葉内に多発性の転移を伴った肝硬変合併肝細胞癌と診断し,肝動脈塞栓療法を施行した.その後超音波検査で門脈腫瘍塞栓の存在が疑われ,各種画像診断て左葉への転移と門脈本幹から右枝にかけて門脈周囲に索状の脈管構造が認められた.門脈右枝末梢の血流が検出されていることから側副血行路が形成されていると考え,左右肝動脈に繰り返し塞栓療法を行ったが肝機能の低下は認めず,良好な予後が得られた.肝細胞癌による門脈腫瘍栓は二次性肝外門脈閉塞症の一因とされているが,本例のような側副血行路の形成の報告は少なく,側副血行路形成の機序や治療方針の検討からも示唆に富む症例と考えられ報告する.
  • 神田 勤, 佐藤 智信, 葛下 典由, 石上 佳孝, 宮本 岳, 志水 洋二
    1993 年 34 巻 12 号 p. 1007-1008
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 山上 朋之, 柴田 実, 上野 幸久, 渡辺 正志, 寺内 一三
    1993 年 34 巻 12 号 p. 1009-1010
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 横森 弘昭, 織田 正也, 金子 博, 風本 真吾, 亀谷 宣隆, 塚田 信廣, 渡辺 勲史, 土屋 雅春
    1993 年 34 巻 12 号 p. 1011-1012
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 十束 英志, 佐々木 睦男, 高橋 克郎, 豊木 嘉一, 清野 景好, 袴田 健一
    1993 年 34 巻 12 号 p. 1013-1014
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 福本 巧, 具 英成, 黒田 嘉和
    1993 年 34 巻 12 号 p. 1015
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
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