肝臓
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34 巻, 8 号
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  • 川向 裕司
    1993 年34 巻8 号 p. 583-590
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    先天性銅代謝異常を伴うLEC (Long Evans Cinnamon)ラットの肝炎肝癌発症経過における肝細胞の核DNA ploidyを解析した.肝炎を発症しないLEAラットを対照とした.LECラットのDNA ploidyは生後2ヵ月まではLEAラットと同様であった.3ヵ月の急性肝炎期にoctoploidが出現し,肝炎の増悪とともにpolyploid化した.劇症化し黄疸になると,tetraploid及びoctoploidは激減しdiploidのみとなった.組織学的には,3ヵ月齢より多核や巨大異型核を持つ肝細胞が出現し,黄疸期では肝には広範壊死が見られた.肝内銅蓄積は生下時より異常高値を示し,3ヵ月齢では対照ラットの50倍以上に上昇した.発癌期では肝内銅濃度は異常高値を持続し,炎症細胞の浸潤と多数のoval cellの増殖が見られた.対照ラットではtetraploid優位だが,LECラットではdiploid優位で有意にtetraploidの減少とoctoploidの増加をみた.肝細胞癌ではdiploid, polyploid, aneuploidのすべての分布をみせた.
  • 斎藤 聡, 池田 健次, 鯉田 勲, 坪田 昭人, 荒瀬 康司, 茶山 一彰, 小林 万利子, 小山 志真, 岩崎 里美, 熊田 博光
    1993 年34 巻8 号 p. 591-596
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    アビジンービオチン法(ABC法)による高感度PIVKA-IIを用いて肝細胞癌の早期診断について検討した.対象を腫瘍径30mm以下の肝細胞癌148症例とし,PIVKA-IIのカットオフ値を0.004AU/ml以上とすると検出率は44.6%,肝硬変での偽陽性率は18.9%であった.AFP(>100ng/ml)とのcombination assayでは59.5%が陽性であり,分化度別では高分化・中分化・低分化それぞれ29.2%, 57.9%, 71.4%が陽性で,有意差(p<0.01)を認めた.超音波検査で描出困難な14症例中10例(71.4%)に検出可能であった.PIVKA-II陽性14例でのretrospectiveな検討では診断時点より2~3ヵ月以前でも検出可能であった.ABC法による高感度PIVKA-IIは小型の肝細胞癌でも陽性率が高く,より早期に検出可能であり,AFPと組み合わせることにより早期肝細胞癌の検査法として有用と考えられた.
  • 杤尾 人司, 冨田 周介, 工藤 正俊, 岡部 純弘, 簑輪 和士, 樫田 博史, 三村 純, 濱田 充生, 平佐 昌弘, 伊吹 康良, 小 ...
    1993 年34 巻8 号 p. 597-605
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝内門脈逆流現象はA-P shuntの存在を示唆する一つの所見と考えられる.著者らは,カラードプラ法にて肝内門脈逆流所見の認められた肝細胞癌症例(n=15)を対象にして,逆流門脈部の血流ドプラ所見と血管造影上のA-P shuntの有無を対比検討し以下の結果を得た.1.拍動性の門脈逆流例(n=4)にはA-P shuntが全例(4/4)に認められた.2.定常性の門脈逆流例(n=11)の内,5例(45%)はA-P shunt陽性であり,残り6例(55%)は陰性であった.A-P shunt陽性群(n=5)の最高血流速度(Vmax)は10.6±5.3cm/secであり,陰性群(n=6)のVmax(5.3±1.8cm/sec)に比べ有意(p<0.05)に速かった.更に,A-P shuntの出現率はVmax≧10cm/sec群で100%(4/4),Vmax<10cm/sec群で14%(1/7)であり,両者間に有意差(p<0.01)を認めた.以上の結果より,肝細胞癌症例において拍動性門脈逆流,あるいはVmaxが10cm/sec以上の定常性門脈逆流はA-P shuntの存在を示唆する所見と考えられた.
  • 木村 浩之, 香川 恵造, 角水 正道, 大川原 徹, 中島 智樹, 坂部 一夫, 松本 匡史, 水野 雅之, 上田 和茂, 疋田 宇, 出 ...
    1993 年34 巻8 号 p. 606-610
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    癌抑制遺伝子のひとつであるp53遺伝子の変異が,種々のヒト癌で報告されている.今回我々は,肝細胞癌におけるp53蛋白の発現異常を,凍結切片を用いて免疫組織化学的に検索し,同時に増殖関連マーカーであるKi-67についても免疫染色を行い,p53遺伝子の変異と腫瘍の分化,増殖との関連を検討した.その結果,手術で得られた肝細胞癌組織30例中7例(23.3%)でp53蛋白の発現を認めた.高分化型肝癌4例は全てp53蛋白陰性,中分化型では16例中2例(12.5%),低分化型では10例中5例(50.0%)が陽性であった.また,Ki-67標識率にもとづく腫瘍の増殖活性を比較すると,p53陽性群は陰性群に比し有意に増殖活性が高かった.以上より,肝細胞癌におけるp53遺伝子の変異は,より分化度が低く,増殖活性の高い腫瘍で生じていることが示唆された.
  • 平野 朝光, 星野 信, 早川 富博
    1993 年34 巻8 号 p. 611-620
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    ラットの肝を約70%切除し,切除1,3,7,14日後にタウロコール酸(TCA)0.5μmol/min/100g b.wt.を経静脈的に持続投与した。その結果,コントロール群に比し1,3,7日群において胆汁流量の増加,3,7日群においてリン脂質排泄量,アルカリフォスファターゼ排 泄量の増加がみられた.また,各群におけるTCAの最大輸送能は1,3,7日群において有意 に高値を示した.切除3日後群とコントロール群に対して摘出肝灌流を行いTCAを負荷した ところ,in vivoと同様に切除3日後群において胆汁流量,胆汁酸排泄量,リン脂質排泄量が有 意に増加していた.TCA負荷からみた部分肝切除後の再生肝における胆汁酸排泄量の亢進は リン脂質排泄量と並行して変化することより,分裂,増殖に伴い,細胞内よりbile canalicular membraneへのリン脂質の充分な補給が関与している可能性があると考えられた.
  • 奥平 定之
    1993 年34 巻8 号 p. 621-629
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    外科的に切除された肝限局性結節性過形成(FNH) 23例25結節について臨床病理学的検討を行った.平均年齢は約49歳と従来の報告と同様であったが,性別では男性に多かった.肝生検が行われた6例中,FNHと診断されたのは2例のみで,他は高分化肝癌と誤診されていた.FNHに特徴的とされる中心性瘢痕は1cm以下の5例でも3例(60%)にみられ,瘢痕形成はFNHの経過とは関係ないことが示唆された.また,明らかな中心性瘢痕を有しない非定型的なFNHが約30%にみられた.不完全な被膜形成,結節内肝細胞のdysplasia,脂肪化,慢性肝炎の伴う症例もみられた.多発例のFNH結節近傍に肝組織に血管腫様病変を取り囲むように肝細胞の過形成像を示すものがあり,FNHの組織発生に局所性血管異常の関与が強く示唆される症例もみられた.
  • 高橋 宏明
    1993 年34 巻8 号 p. 630-642
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    犬を用い,同所性全肝・全膵十二指腸同時移植(I群)及び全肝(II群)或は全膵十二指腸(III群)移植後のアミノ酸代謝の変化を検索した.
    3群とも血流再開後6時間以内の早期と拒絶反応が出現する5日目以降の後期に血清アミノ酸値の著明な変動が認められた.すなわち術後早期ではI群の血清アミノ酸値はBCAAを除きII群と同様に異常値を示したが,後期ではI群の値はII, III群の中間で推移しており,I群の拒絶反応がII, III群に比し軽度であるという成績と一致していた.血清アミノ酸値と肝膵機能との関係をみると,AAAはAKBRとBCAAは血清IRI値と夫々負の相関を示し,また犠牲剖検時のBCAAの大腿動静脈較差は血清IRI値と正の相関を示した.
    肝膵十二指腸同時移植後のアミノ酸代謝の変動は,早期では移植片のviabilityに,後期では肝・膵の拒絶反応の程度に依存して,アミノ酸代謝は肝膵機能と良く相関して変動しており,特にインスリンは末梢組織でのBCAAの代謝に密接に関与していることが示された.
  • 特に臨床的特徴と肝疾患との関連について
    田中 基彦, 藤山 重俊, 山崎 邦雄, 柴田 淳治, 佐藤 辰男, 木山 茂
    1993 年34 巻8 号 p. 643-648
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝硬変患者にみられたVibrio Vttlnificus感染症の自験例3例と,本邦での報告例を合わせ,計46例について,その臨床的特徴,肝疾患との関連などを検討した.原発性敗血症型38例,創傷感染型2例,感染源不明6例の計46例であった.男性40例,女性6例で,年齢は33歳から73歳(平均57.4±1.1歳)であった.発症は6月から10月に限られ,44例は東京以西に発症していた.基礎疾患として,93.5%と極めて高率に肝疾患を有し,特に肝硬変例が多く,また,肝疾患の中の41.9%はアルコール性ないし大酒家であった.消化器症状は67.4%に,紅斑,水庖,蜂窩織炎などの皮膚症状は87.0%と高率に認め,死亡率は65.2%と予後不良であった.肝硬変患者は,しばしば消化管出血,動静脈シャント形成,肝内網内系の機能低下,鉄過剰状態などをきたすため,本感染症の成立を容易にする宿主であると考えられた.
  • 高橋 裕, 山室 渡, 永井 一毅, 増田 多恵子, 岡島 存男, 羽鳥 知樹, 住野 泰清, 杉本 元信
    1993 年34 巻8 号 p. 649-653
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    症例は41歳の女性.軽度の黄疸を主訴に当科入院.特記すべき家族歴,輸血歴ともなかったが,15年前より肝障害を指摘されていた.T-Bil 3.7, D-Bil 0.7mg/dlと間接型高ビリルビン血症を呈し,低カロリー試験陽性.HCV抗体陽性,GOT 31, GPT 42, LDH 251IU/Lと軽度の肝機能障害あり.肝生検組織像は軽度の脂肪沈着を伴った非活動型慢性肝炎であった.ICGはR15 65%と著明な停滞を示したが,BSP R45は6%,胆汁酸負荷試験は正常であった.本症例はC型慢性肝炎を合併した,間接型ビリルビンおよびICGの先天性色素代謝異常症と考えられるが,ICGあるいはBSPの高度異常を伴う間接型高ビリルビン血症の本邦報告例を検討すると,本症例のように肝炎の合併あるいは既往を認める例が少なからず存在し,このような色素代謝異常症における後天的な要素の関与の可能性も考えられた.
  • 桝本 直子, 石橋 大海, 高橋 和弘, 田中 実, 工藤 二郎, 平田 泰彦, 岡 泰正
    1993 年34 巻8 号 p. 654-659
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    輸血を受けたC型肝炎患者が慢性肝炎から肝硬変を経て,肝癌の発生をみるまでに,通常15~30年の経過が必要とされている.われわれは輸血後4年3ヵ月という早期に肝硬変と共に肝に腫瘤を診断し,4年11ヵ月目にその腫瘤が肝細胞癌であることを確認できた症例を経験したので報告する.症例は73歳の女性,69歳時胆石症に対し胆嚢摘出術を受けた.術前検査で肝機能は正常,術中に観察した肝表面は平滑で,組織像も正常であった.術後出血のため輸血を受け,肝炎を発症した.4年3ヵ月目肝硬変の診断,腹部超音波検査にて径1cmの腫瘍が3個発見された.4年11ヵ月目に狙撃生検にて肝細胞癌(高分化型)の診断を得ることができた.HCV抗体は陽性であった.輸血後このような短期間に肝細胞癌の発生がみられた報告はない.輸血後黄疸を伴う高度の炎症が持続し,肝硬変に早期に移行したことがその要因と考えられた.
  • 中田 博也, 伊藤 秀一, 横矢 行弘, 山西 徹治, 原 猛, 中田 秀則, 河合 純, 坂辻 喜久一, 西岡 新吾, 田中 智之
    1993 年34 巻8 号 p. 660-664
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    症例は34歳,男性.平成4年6月初旬より右季肋部痛が出現し腹部超音波検査で肝腫瘍を認めたため6月20日当内科に入院した.肝を4横指径触知し,血液検査では赤血球数544万/mm3, Ht55.7%であり,血中エリスロポエチンは550mIU/mlと高値を認めた.画像診断では肝S5,6,7に広がる径約12cm大の巨大な腫瘍を認め,その周辺に直径10~20mm大の病変を多発性に認めた.入院後エリスロポエチンは上昇し,9月9日には7,100mIU/mlと著明な高値を示した.患者は同日肝不全のため死亡した.肝組織学的所見では中分化型肝細胞癌であり,免疫組織化学的に癌部にエリスロポエチンを証明し得た.肝細胞に伴う赤血球増加症は比較的稀であり,その病態に関しては不明な点が多い.文献上,免疫組織化学的に肝細胞癌組織内においてエリスロポエチン産生を確認したものは未だなく,貴重な症例であると考えた.
  • 中舘 一郎, 中村 篤志, 遠藤 龍人, 岩井 正勝, 金田 泰一, 下遠野 秀文, 佐々木 清寿, 滝川 康裕, 山崎 潔, 班目 健夫, ...
    1993 年34 巻8 号 p. 665-671
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    重症急性肝炎様の発症を示し,劇症肝炎ならびに亜急性肝炎の経過をたどった自己免疫性肝炎3例を経験し,文献的報告を加えて報告した.症例1:39歳,女性.感冒様症状,全身倦怠感,食欲不振にて発症.γ-gl 3.6g/dl, IgG 2,438mg/dl, ANA640倍,抗DNA抗体160倍,LE test(±).症例2:69歳,女性.嘔気,全身倦怠感にて発症.γ-gl 3.0g/dl, IgG4, 454mg/dl, ANA160倍,抗DNA抗体320倍,LE test(++).症例3:69歳,女性.黄疸,全身倦怠感にて発症.γ-gl 2.8g/dl, IgG 3,603mg/gl, ANA40, 960倍,抗DNA抗体160倍,LE test (+).3症例とも副腎皮質ステロイドの投与および血漿交換等の人工肝補助を施行したが,救命に至らなかった.文献的にも自己免疫性肝炎の急性,重症発症例の報告が認められるが,多くは予後不良の経過を示しており,その発生機序の解明と治療法についての再考が必要と考えられた.
  • 山川 治, 竹森 康弘, 野田 八嗣, 太田 五六
    1993 年34 巻8 号 p. 672-678
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    症例は初診時64歳の女性,1980年検診にて肝機能異常を指摘され第1回入院.胆道系酵素中心の異常と,肝組織上グ鞘の線維性拡大,炎症細胞浸潤をみたが,経静脈的胆道造影にては総胆管像に異常なく,注腸透視にも異常をみなかった.1987年第2回目の入院では,胆道系酵素が著増しており,ERCPにて肝内胆管及び総胆管の不整狭窄像がみられ,原発性硬化性胆管炎(PSC)に合致した所見であった.また注腸透視にて右半結腸型潰瘍性大腸炎(UC)の所見をみた.1988年に初めて黄疸が出現し,UDCAを投与したが現在まで黄疸の消長を繰り返し,肝性脳症の出現もみている.またERCP上も胆管像に著変はなかった.本例では,11年間の経過観察中に胆管病変は肝内から肝外へ進展し,肝内PSCがUCの発症に先行していた.またUDCAの投与は胆道系酵素値を改善したが,黄疸の出現や肝病変の進展は抑制しえなかった.
  • 冨田 稔, 山本 和秀, 小橋 春彦, 大本 昌樹, 辻 孝夫
    1993 年34 巻8 号 p. 679-680
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 西田 圭志, 荒木 康久, 伊藤 圓, 長村 洋一
    1993 年34 巻8 号 p. 681-682
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 高瀬 修二郎, 佐藤 育子, 澤田 信, 高田 昭
    1993 年34 巻8 号 p. 683-684
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 水井 正明, 守屋 尚, 佐々木 富美子, 中西 敏夫, 市村 宏, 大野 尚文, 吉澤 浩司
    1993 年34 巻8 号 p. 685
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 伊坪 真理子, 石川 智久, 戸田 剛太郎, 田中 貢
    1993 年34 巻8 号 p. 686
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
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