肝臓
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35 巻 , 3 号
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  • 猪口 正孝, 渋谷 哲男, 庄司 佑, 浅野 伍朗
    1994 年 35 巻 3 号 p. 207-215
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    Thioacetamide投与ラット硬変肝を用い2/3の肝切除後における細胞,細胞外基質と増殖因子の動態について形態学的,免疫組織化学的に観察し検討した.肝切除の7日後に類洞の開大とKupffer細胞の増殖,3週後に類洞の狭小化,5週後には類洞の再開大とKupffer細胞の減数をみた.肝細胞のBrdU摂取率(LI)の最高値は正常肝で22.0±3.0%を示したが,硬変肝では12.3±1.7%にとどまった.S期細胞の分布は正常肝で辺縁部と中心部に差異があり,硬変肝では偽小葉内に不規則な局在を示した.増殖因子のbFGF, EGFは硬変肝で不均一に分布し,TGFβ1は硬変肝では持続的な局在を示した.細胞外基質ではI・III・IV型コラーゲン,ラミニン,フィブロネクチンの局在に肝切除前後で著変を認めなかった.以上より,硬変肝では細胞外基質に著変はなく血行動態の変化による増殖因子の非効率的供給とTGFβ1等の増殖抑制因子の持続的存在により,肝細胞の増殖能が減弱していると考えられた.
  • 荻野 英朗
    1994 年 35 巻 3 号 p. 216-223
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    慢性四塩化炭素(CCl4)投与によるラット肝線維症モデルに対する16, 16-dimethyl prostaglandin E2 (dmPGE2)の投与効果ならびにin vitroにおける線維芽細胞のプロコラーゲン遺伝子発現に対するdmPGE2添加の影響について検討した.CCl4投与開始4週後よりdmPGE2を1μg/kg(低濃度群),100μg/kg(高濃度群)毎日2回皮下注射し非投与群と比較検討した.生化学的にはGOT, GPTは3群間に差を認めなかったが,アルブミン値は16週で非投与群と低濃度群が1.6g/dlに対して高濃度群は2.2g/dlと有意に高値であった(p<0.05).組織学的には,脂肪変性は8週で,線維化は8, 12, 16週の各時期で高濃度群において有意に軽度であった(p<0.01).線維芽細胞に対する影響をin vitroで検討したところ,dmPGE2はプロコラーゲン遺伝子の発現を直接的に抑制した.以上より,dmPGE2はこれまで報告された肝細胞保護作用に加えて肝線維化を直接的に抑制し得る可能性が示唆された.
  • 永井 一毅
    1994 年 35 巻 3 号 p. 224-234
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝化学発癌過程におけるglutathione S-transferase-P (GST-P)発現の消長を知る目的で,ラットに発癌剤diethylnitrosamine (DEN)を14週投与した群(A群),4週投与後8週離脱した群(B群)について,GST-Pとproliferating cell nuclear antigen (PCNA)を免疫組織化学的に検討した.A群では4日目からGST-P陽性細胞が出現,6日目からminifoci, 14日目からlarge fociとなり,6週目から過形成性結節,10週目から癌結節の出現をみた.PCNA陽性細胞は8日目まではGST-P陽性細胞と一致せず,10日目以降一部のminifociで一致するようになった.癌結節ではGST-P陽性度は低下,PCNA陽性度は増加した.B群ではDEN離脱4週目から過形成性結節は次第に減少,GST-P陽性large fociは経時的にminifoci,さらにsingle cellとなり,PCNA陽性細胞はほぼこれに一致した.以上の成績から,DEN投与によるGST-Pの発現は癌細胞において減弱し,一方DEN離脱によりfociの段階から癌化に至らず減弱していく過程があることが示唆された.
  • 藤田 昌明, 高橋 泰行
    1994 年 35 巻 3 号 p. 235-239
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    症例は,36歳の男性で,C型慢性活動性肝炎と診断し天然型インターフェロンα(HLBI,以下IFN)投与を開始した.投与前には自己抗体は陰性でγグロブリンも正常であった.投与後GPTは正常化したが,その後投与開始5週目頃より上昇し,最高値としてGPT1,360IU/l, T-Bil 14.3mg/dlまで上昇した.投与開始9週でIFNを中止し,SNMC投与をおこなった.IFN中止後,抗核抗体などの自己抗体が陽性化し,HCV-RNAは陰性化していた.SNMC投与により肝機能は徐々に改善し,その後RNAの陽性化,自己抗体の陰性化を認めた.現在IFN-βを投与し経過観察中である.IFN投与に伴い,肝機能増悪と,自己抗体の陽性化などの自己免疫誘導をきたしたと思われた.慢性肝炎に対するIFN療法の普及に伴い,このような病態の出現も念頭におく必要があると思われた.
  • 瀬在 秀一, 山本 佳洋, 桜林 真, 蓮沼 剛, 岡林 博, 吉野 克正, 平野 正憲, 神坂 和明, 岩瀬 透, 右田 徹, 岡 博
    1994 年 35 巻 3 号 p. 240-243
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    65歳女性,1991年4月より硬変化した自己免疫性肝炎に伴う食道静脈瘤破裂により,硬化療法歴4回あり.93年4月吐血のため緊急入院.幽門部潰瘍を認めH2ブロッカーで一時軽快したが,12病日より25病日まで再度吐血続き,利尿剤に不応性な大量腹水の貯留出現した.食道静脈瘤破裂の所見はなく,胃体部大彎を中心にgastropathy所見認め,緊急TIPS施行.門脈圧50cmH2Oより40に低下し,翌日より吐血改善.7日後腹水消失し門脈圧23に低下.Laser Doppler velocity法による胃体部粘膜血流量も前値0.8Volt(正常値,4.0±1.6)から14日後2.0に上昇し,gastropathy,食道静脈瘤の所見は改善した.以上よりhepatic gastropathyに対するTIPSの有用性が確認された.
  • 本村 廉明, 田辺 雄一, 本多 正直, 中牟田 誠, 大橋 昌夫, 廣重 嘉一郎, 吉田 喜策
    1994 年 35 巻 3 号 p. 244-249
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    症例は59歳男性.C型肝硬変にて観察中,超音波検査では異常を認めなかったがα-フェトプロテイン(AFP) 370ng/ml, LCA peak3 60%と一過性に上昇し肝細胞癌の合併が疑われた.CT・血管造影では異常を認めなかったが,アンギオエコーで肝S7にφ12×16mmのpositive enhancementが認められた.超音波検査による厳重な経過観察中,4カ月後不鮮明な陰影が同部に出現,7カ月後には明瞭な低エコー陰影となり,CT・血管造影上も陽性となった.その時点で腫瘍生検を施行し高分化から中分化相当の肝細胞癌と診断した.超音波検査で描出される以前に既に病変が存在する小肝癌の例があることは推論されていたが,本症例はそれが超音波検査上陰性から陽性になる過程を観察しえた貴重な症例であり,また何らかの組織学的変化により徐々に画像上明瞭になる例があることを実証した症例である.小肝癌の診断上,肝癌の存在を強く疑う症例では各種画像診断が陰性でもアンギオエコーを考慮することが必要であり,慢性肝疾患ハイリスクグループの経過観察においては超音波検査上腫瘍が描出されない例でも頻回の超音波チェックが必要と思われた.
  • 石幡 良一, 黒田 聖仁, 高木 徹, 西間木 友衛, 粕川 禮司, 吉田 直衛, 黒沢 正喜, 飯塚 美伸, 浜田 修三
    1994 年 35 巻 3 号 p. 250-255
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    症例は45歳.男性.腹痛を主訴に来院した.腹部US, CTにて肝左葉に接し,肝外に突出する巨大な腫瘍像を認めた.血管造影はhypovascularであったが,AFP, PIVKA-IIの高値から,肝外発育型肝細胞癌として手術した.方形葉から発生した有茎性の肝外発育型肝細胞癌であった.病理学的には低分化で,肝硬変を伴い,出血,壊死,脂肪変性が強かった.また,本例を含めた本邦83例の肝外発育型肝細胞癌の臨床的,病理学的所見をまとめて総括した.
  • 都野 晋一, 石川 智久, 銭谷 幹男, 戸田 剛太郎, 田中 貢
    1994 年 35 巻 3 号 p. 256-257
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 関谷 千尋, 幸田 弘信, 並木 正義, 渡辺 啓祐, 楢木 徹
    1994 年 35 巻 3 号 p. 258-259
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 橋本 直明, 柏木 麻寿男, 池田 有成, 潘活 寛, 山田 春木, 丸山 稔之, 田中 篤, 黒川 清, 戸田 剛太郎
    1994 年 35 巻 3 号 p. 260-261
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 1994 年 35 巻 3 号 p. 267-277
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
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