急性ウイルス性肝炎における血清TNF-α,可溶性TNFレセプター(sTNFR)および可溶性ICAM-1(sICAM-1)の動態とその臨床的意義にっいて,とくに劇症肝炎などの重症肝炎の病態との関連より検討した.急性ウイルス性肝疾患においては血清TNF-α,sTNFRおよびsICAM-1の三者とも入院時には健常者に比較して有意の高値を示し,とくにsTNFRは劇症肝炎急性型において最も高値で,急性肝炎,急性肝炎重症型に比しても有意であった.入院後の経過では,TNF-α,sTNFR,sICAM-1とも急性肝炎,急性肝炎重症型では低下し,とくにsTNFRの低下は有意であった.一方,劇症肝炎,LOHFでは,死亡例の多くはTNF-α, sTNFRとも高値で,さらに上昇を示し,sICAM-1はほぼ全例で低下したが,健常者に比して高値であった.各種検査成績との関連では,TNF-αはGOT, GPT, FDPとの間に,sTNFRはGOT, GPT, PT, HPT, FDP, WBC, hHGFとの間に,ICAM-1はT. Bil, PT, HPT, AT-IIIとの間に有意の相関関係が認められた.以上の成績より劇症肝炎などの重症肝炎において血清TNF-α,sTNFR,sICAM-1の測定はその病態把握に有用であり,とくにsTNFRが最も鋭敏なマーカーになる可能性がある.
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