肝臓
Online ISSN : 1881-3593
Print ISSN : 0451-4203
ISSN-L : 0451-4203
36 巻, 7 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
  • 藤原 研司, 持田 智
    1995 年 36 巻 7 号 p. 397-400
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 井上 和明, 与 芝真, 関山 和彦, 黄 一宇, 藤田 力也
    1995 年 36 巻 7 号 p. 401-407
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝性脳症用特殊組成アミノ酸輸液(Fischer液)が劇症肝炎の予後を悪化させると報告されている.今回同液がurea cycle機能の障害の強い急性重症肝障害例の臨床症状とN処理能に与える影響を知る目的で,劇症肝炎3例,急性肝炎重症型1例にFischer液500mlを2時間で点滴静注し,投与前後での臨床症状,血中の尿素,アンモニア(NH3),グルタミン(Gln),アラニン(Ala)の各値の推移を検討した.一旦肝性脳症から完全に覚醒した劇症肝炎亜急性型の1例で投与後昏睡0度からIV度に悪化し,1例はIV度のまま不変,回復期の2例は0度だがnumber connection testが悪化した.全例で投与直後に血中NH3, Gln, Alaの異常高値が認められ,尿素生成の不良な2例では高値が持続した.urea cycle機能の高度に障害された急性重症肝障害例では他のN処理系を含めたN処理能を上回った量のアミノ酸輸液を行った場合,Fischer液の形でもNH3を増加させ,脳症を悪化させる危険がある.
  • Autoimmune Cholangiopathyを中心に
    青鹿 圭子, 橋本 悦子, 石黒 典子, 宮地 清光, 林 直諒
    1995 年 36 巻 7 号 p. 408-414
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    要旨:原発性胆汁性肝硬変(PBC)の自己抗体の有無による病態の特徴,特に“Autoimmune Cholangiopathy(AIC)”が独立した疾患群としてPBCと明確に区別できるか検討した.臨床病理学的にPBCと診断された72例を対象に抗ミトコンドリア抗体(AMA),抗核抗体(ANA),M2抗体によって4群に分類し病態を比較検討した.I群はAMAあるいはM2陽性かつANA陽性の15例,II群はAMAあるいはM2陽性でANA陰性の44例,III群はAMA及びM2陰性でANA陽性の9例,IV群はAMA及びM2陰性かつANA陰性の4例であった.4群間で有意差を認めたのは,AICに相当するIII群のIgM低値のみであった.また,ANAの力価及びパターンはAMA陽性のI群,陰性のIII群とに差を認めなかった.III群の3例にステロイド治療を施行し,1例のみ著効を示した.PBCの自己抗体による分類では,病態に特徴的な差は認められなかった.
  • 倉光 智之, 小松 眞史, 中島 康, 小野 剛, 船岡 正人, 加藤 純司, 星野 孝男, 石井 透, 正宗 研
    1995 年 36 巻 7 号 p. 415-421
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    症例1;22歳,女性.B型急性肝炎発症後18日目に精神症状が出現,劇症肝炎亜急性型と診断された.血漿交換,持続緩徐式血液濾過等の治療で急性期にみられた意識障害は改善したが,40mg/dl以上の高ビリルビン血症が遷延した.症例2;66歳,男性.急性B型肝炎に罹患し,劇症肝炎への移行が危惧されたため当科に転院した.入院後,新鮮凍結血漿輸血,ATIII製剤等で治療,精神症状の発現はなかったが,検査成績は改善せず,30mg/dl以上の高ビリルビン血症が遷延した.両症例の高ビリルビン血症に対しウルソデオキシコール酸(UDCA)600mg/日を投与し,その後,血清総ビリルビン値のすみやかな下降と共に,血清総胆汁酸の減少,その分画では一次胆汁酸の減少とUDCAの増加が認められた.重症肝障害後に高ビリルビン血症が遷延する場合,UDCA投与は有効な治療法の一つと考えられた.
  • 遠山 裕樹, 岩渕 省吾, 吉田 秀樹, 山下 和哉, 小林 裕太郎, 林 毅, 村山 正博, 飯野 四郎
    1995 年 36 巻 7 号 p. 422-427
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    症例は63歳,男性.他院にてC型慢性肝炎活動性と診断され,IFN療法開始.連日投与終了後,不眠,不穏,興奮状態,体重減少を認め,HLBI約6週(総量156MU)にて中止し当科入院となる.入院時,GOT27,GPT18と正常値を示すもリンパ球623/μlと低値を示した.その後,39℃の発熱,肺炎を併発し呼吸状態も悪化,人工呼吸管理とした.末梢血では500/μl以下の著明なリンパ球減少が持続し,抗真菌剤とともにmethylpredonisoloneのパルス療法を施行.それを契機にリンパ球は増加し,肺炎は改善傾向を示した.後日,ステロイド投与前の抗リンパ球抗体が陽性であり,投与後陰性化していることが判明した.また,リンパ球減少時は正常であったトランサミナーゼは回復とともに増加した.本例はIFN投与によりリンパ球抗体が発現し,著明なリンパ球減少,免疫不全,真菌性肺炎を来した稀な例と考えられた.また,トランサミナーゼの経過はC型肝炎の肝細胞障害機序を考察する上で興味深く,考察を加えて報告した.
  • 谷合 麻紀子, 磯野 悦子, 中村 真一, 小林 潔正, 松島 昭三, 小松 達司, 高橋 陽, 成田 洋一, 宮地 清光, 林 直諒
    1995 年 36 巻 7 号 p. 428-433
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    症例は45歳女性,1983年12月,下腿浮腫,腹部膨満感を主訴に近医受診し,腹水貯留と肝機能障害を指摘され当科紹介入院.検査所見にて,GOT 588IU/l, GPT 468IU/l, T-bil 2.3mg/dl,HBs抗原・HCV関連ウイルスマーカー陰性,IgG 2,955mg/dl,γ-globulin 2.3g/dl,抗核抗体・抗平滑筋抗体陽性,LE細胞陰性,腹腔鏡所見は馬鈴薯肝,肝生検では広汎な肝細胞壊死と単核球浸潤を認め,自己免疫性肝炎と診断された.1990年2月頃より両手指のこわばり,腫脹が出現,リウマチ因子陽性化しX線所見より慢性関節リウマチと診断,1991年に左手関節滑膜切除術が施行された.抗コルジ抗体はHEp-2細胞を基質とした間接蛍光抗体法にて同定され,1990年8月より高力価陽性が持続している.抗ゴルジ抗体は種々の自己免疫性疾患で稀に検出されるが,その検出意義,病態との関連は明らかではない.自己免疫性肝炎確診例に本抗体が検出された報告はなく,更に慢性関節リウマチを合併した極めて稀な症例と考え報告した.
  • 高橋 光, 高橋 達, 朝倉 均, 石原 清
    1995 年 36 巻 7 号 p. 434-440
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    重症筋無力症に併発した原発性硬化性胆管炎の1例を経験した.症例は55歳女性.1977年(38歳時)に肝機能異常の精査目的に当科に紹介された.腹腔鏡検査では白色肝と診断され,肝組織像では一部の小葉間胆管に同心円状かつ浮腫状の胆管周囲性線維化の所見を認めたが,確定診断には至らなかった.その後本人が通院せず,放置されていた.1988年,再び肝機能異常の精査目的に来院し以後外来通院を続けていたが,1993年ERCPにてbeaded appearanceを認め,1994年PSCを疑われ入院.腹腔鏡検査では肝表面に粗大な隆起性変化と溝状陥凹を認め,肝組織像では小葉間胆管の著しい拡張と消失,胆管周囲の著明な線維化,さらに一部の門脈域間を結ぶseptal fibrosisと小円形細胞浸潤を認め,PSCと診断した.重症筋無力症との合併は報告がなく,また本例は長期の間隔をおいて腹腔鏡ならびに肝組織像の変化を比較検討できた貴重な症例である.
  • 三浦 文彦, 浅野 武秀, 天野 穂高, 岡 住慎一, 阿部 恭久, 高山 亘, 磯野 可一, 近藤 福雄, 秋草 文四郎
    1995 年 36 巻 7 号 p. 441-447
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    症例は57歳女性.上腹部痛を主訴に近医を受診.肝腫瘍の診断で,当科に入院.Dynamic CTでは肝左葉がenhanceされたが,一部にenhanceされない部分を認めた.血管造影では左葉にcotton wool appearanceを認めた.またArterial-Portal shunting(以下,A-Pshunt)が存在し,左肝動脈は拡張していた.MRIT2強調では左葉に不均一な高信号を認めた.血管腫が疑われたが,悪性腫瘍も否定できないため,肝左葉切除術を施行した.左葉は萎縮し,表面に黒色の斑点が密集しており,外側区域に白色の充実性腫瘤が存在した.病理組織学的には,白色の充実性部分は,著明な線維化を認め,その辺縁に海綿状血管腫の像を認めた.さらに,その周囲の肝組織内に小血管腫が多発していた.A-Pshuntを伴った肝血管腫本邦報告例25例を集計し,検討を加えたが,自験例のような組織像を呈したという報告はなく,興味ある症例と考えられた.
  • 蒲池 浩文, 松下 通明, 高橋 学, 西川 眞, 田口 宏一, 小池 雅彦, 今 裕史, 内野 純一
    1995 年 36 巻 7 号 p. 448-449
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 小林 正和, 田中 栄司, 一條 哲也, 小林 正典, 松本 晶博, 今井 明彦, 袖山 健, 清澤 研道
    1995 年 36 巻 7 号 p. 450-451
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 梶 俊策, 長田 郁夫, 飯塚 俊之, 岡 本学, 原田 友一郎, 松田 隆, 岡田 隆好, 田中 雄二, 谷本 要, 日野 茂男, 白木 ...
    1995 年 36 巻 7 号 p. 452-453
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 青島 秀幸, 小林 由佳, 長沢 葉子, 柿沼 健一, 中川 秀枝, 宣 野座朋子, 鶴 園史子, 春名 正次, 引地 一昌
    1995 年 36 巻 7 号 p. 454
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
feedback
Top