肝臓
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37 巻, 1 号
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  • 福井 博
    1996 年 37 巻 1 号 p. 1-3
    発行日: 1996/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 薬剤性肝障害との比較検討を含めて
    吉井 治
    1996 年 37 巻 1 号 p. 4-12
    発行日: 1996/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    本研究ではウイルス性慢性肝炎144例(HCV 88例,HBV 56例),薬剤性肝障害35例,急性肝炎30例,対象31例の肝内好酸球浸潤について,生検肝を病理組織学的に検討した.肝内好酸球浸潤は,主として門脈域に起こる事より,好酸球浸潤率〔Eosinophilic infiltration ratio(EIR)=全門脈域内の好酸球数/全門脈域数〕を設定し,統計学的に解析した.その結果ウイルス性慢性肝炎全体およびHCV, HBVの各々においても,門脈域内好酸球浸潤は,薬剤性肝障害,急性肝炎,対照に比べて有意に多く,またC型肝炎では,piecemeal necrosisや門脈域内の炎症が強くなるに従い,門脈域内好酸球が増加していた.ウイルス性慢性肝炎では,肝内への好酸球浸潤は肝線維化に関係しない知見も得られた.薬剤性肝障害と対照との間では,門脈域内好酸球浸潤に差がない結果が得られ,肝内への好酸球浸潤は,薬剤性肝障害の病理組織学的診断の指標とならない事が示唆された.
  • 梶川 工, 片平 裕次, 大藤 正雄, 原 久弥, 梅園 忠, 斉藤 雅彦, 吉川 正治, 杉浦 信之, 江原 正明, 税所 宏光
    1996 年 37 巻 1 号 p. 13-18
    発行日: 1996/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    千葉県富浦町にて年齢40歳以上の住民1,627名についてHCV感染の疫学調査を行い,同時にHCV抗体陽性であった184名に超音波検査による肝細胞癌の検診を実施した.
    HCV抗体陽性率は男性にて女性よりも,年齢50歳以上にて50歳以下よりも,職業別では漁業に従事する男性にて農業に従事する男性よりも高かった.HCV抗体陽性率は男性と女性ともに輸血,手術,覚醒剤注射,薬物自己注射,針治療などの既往歴を持つ例にて原因となる動機を待たない例よりも高かった.HCV抗体陽性者の超音波検査により肝細胞癌9例を検出した.9例のうち8例に輸血や手術などHCV感染の原因となる動機を認めた.9例のうち8例は腫瘍径が≦20mmであり,エタノール注入療法などの腫瘍の局所治療が有効であった.HCV抗体測定と超音波検査を組み合わせたスクリーニングが肝細胞癌の早期診断に役立つ結果であった.
  • 中山 善秀, 塚田 勝比古, 星野 信, 埜村 智之, 東 克謙
    1996 年 37 巻 1 号 p. 19-28
    発行日: 1996/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    ラット分離肝細胞においてエタノール(EtOH)によるフォスフォリパーゼC(PLC)活性化に対するプロテインフォスファターゼ阻害剤のokadaic acid (OKA)の効果とvasopressinによるPLC活性化に対するEtOHとOKAの相互作用について検討した.EtOH (300mM)刺激によりイノシトールリン脂質(PtdInsP, PtdInsP2)は上昇し,OKA前処置(1μM, 5分間)により,さらに上昇した.EtOH (30-300mM)による細胞内Ca2+([Ca2+]C)の上昇,イノシトール三リン酸(InsP3)の産生はOKA前処置により有意に抑制された.EtOH, OKAはそれぞれvasopressinによるPtdInsP2の分解,InsP3の産生,[Ca2+]C上昇を抑制し,受容体-G蛋白-PLC複合体に作用すると考えられたが,両者併用により相乗・相加効果がみられた.また,この併用効果は飽和濃度のEtOHにおいても認められ,OKAとEtOHは作用部位が異なることが示唆された.
  • 中正 恵二, 山口 桂, 安室 芳樹, 東野 一彌
    1996 年 37 巻 1 号 p. 29-35
    発行日: 1996/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    症例は69歳,女性.自己免疫性肝炎に対するプレドニン漸減療法中は自己免疫現象の増悪とともに著しい肝機能障害をきたして死亡した.病理組織学的検索の結果,自己免疫性肝炎に起因すると考えられる乙型肝硬変を認めた.また,両側肺の末梢肺動脈枝は中膜あるいは内膜成分増生による種々の程度の内腔の狭小化および再疎通像を伴う血栓形成を広範囲に認めるとともにplexiform lesionの形成も散見され,原発性肺高血圧症(PPH)類似の形態的特徴を示した.本例におけるPPH類似の肺血管病巣形成の成因として肺血栓症および自己免疫異常の関与の可能性が示唆された.
  • 小池 和彦, 伊坪 真理子, 原 正樹, 榎本 康之, 奥田 丈二, 穂苅 厚史, 奥秋 靖, 坂口 正巳, 河辺 朋信, 戸田 剛太郎
    1996 年 37 巻 1 号 p. 36-41
    発行日: 1996/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    症例は57歳男性.肝硬変として外来に通院中,血清AFP値の上昇と腹部超音波検査にて肝内腫瘤像を指摘された.肝動脈造影にて肝S8領域に腫瘍濃染像を認めたため肝細胞癌と診断,右肝動脈前上行枝より肝動脈塞栓術を行った.4カ月後に一旦低下傾向を示した血清AFP値が再上昇したため血管造影を施行した.肝S1領域に新たな腫瘍病変がみられたため左肝動脈内側枝から分岐する腫瘍栄養動脈よりchemolipiodolizationを行ったが,治療後に上腹部皮下組織壊死が出現した.本症例は,肝動脈造影時に左肝動脈より分枝し肝円索に伴行するhepaticfalciform arteryと思われる特異な動脈枝が描出されており,この細動脈の支配する上腹部皮下組織がchemolipiodolizationによる化学毒性と虚血に陥ったことが主因と考えられた.極めて稀な合併症であるものの示唆に富む症例と考えられ報告した.
  • 中正 恵二, 山口 桂, 山元 哲雄, 安室 芳樹, 東野 一彌
    1996 年 37 巻 1 号 p. 42-49
    発行日: 1996/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肉腫様細胞(SC)成分を伴う肝細胞癌(HCC)の2剖検例を各種指標で用いた免疫組織化学的染色結果を加えて病理組織学的に検討した.2症例ともHCC成分とSC成分間に移行像を伴うとともに症例1では両成分にマロリー体の出現を認めた.免疫組織化学的染色結果では,症例1の両成分にα-フェトプロテインの発現を,症例2では両成分の一部にCEAの発現を認めた.さらに2症例ともに両腫瘍成分は胆管細胞としてのCK発現像を示した.以上の結果をもとにSC成分を伴うHCCの組織起源について文献的考察を加えて報告する.
  • 足立 浩司, 浜中 まさみ, 米島 博嗣, 大場 栄, 稲垣 豊, 森本 日出雄, 鈴木 邦彦, 杉岡 五郎
    1996 年 37 巻 1 号 p. 50-53
    発行日: 1996/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    症例は66歳,女性.Lymphadenopathyの診断で治療を受けていたが,腋窩リンパ節腫脹が増悪したため生検し,非ホジキンリンパ腫(diffuse, mixed cell type, T-cell type)と診断された.CHOP療法を3クール行い,リンパ節は著明に縮小し,完全寛解状態と考えていたが,発熱とともに肝機能異常が出現した.腹部超音波検査では肝は著明に腫大し,エコーレベルの不均一な上昇がみられた.各種肝炎ウイルスマーカーは陰性で,肝障害の原因となる薬剤も使用しておらず,悪性リンパ腫の肝浸潤を疑った.第156病日呼吸不全で死亡し,剖検所見では肺出血を認め,そのための呼吸不全が直接死因と考えられた.肝は腫大し,門脈域を中心にリンパ腫細胞の著明な浸潤が認められた.本例は化学療法によりリンパ節が著明に縮小したにもかかわらず,肝を中心に再燃をきたしたもので稀な症例と考え報告した.
  • 小林 万利子, 熊田 博光, 荒瀬 康司, 茶山 一彰, 坪田 昭人, 鈴木 義之, 小林 正宏, 鯉田 勲, 斉藤 聡, 村島 直哉, 池 ...
    1996 年 37 巻 1 号 p. 54-55
    発行日: 1996/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 宮本 岳, 安波 礼子, 志水 洋二, 安丸 正一, 吉田 浩, 佐藤 智信, 春名 能通, 石上 佳孝, 神田 勤
    1996 年 37 巻 1 号 p. 56-57
    発行日: 1996/01/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
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