肝細胞癌17例に対し,マイクロ波凝固療法(以下MCT)を施行した.17例のうち8例は,MCT後,肝切除し,画像診断と対比した.MCTによる凝固壊死部は,dynamic CTのearly phaseで,全例,enhanceを受けない著明なlow densityを呈し,dynamic MRIのearly phaseでは,全例,enhanceを受けない著明なlow intensityを呈した.肝切除例より確認された,MCTによる凝固壊死部周囲に形成される線維性被膜は,MRIのT2とdynamic MRIのearly phaseでは,high intensityの縁取りとなり,境界が明瞭であった.今回,MCTを施行した17例中6例に,治療部位の腫瘍残存を認めた.MCT後1ヵ月以内のdynamic CTのearly phaseでは,6例中3例が診断可能であった.ほぼ同時期のMRIでは,T1で6例中1例,T2およびdynamicMRIのearly phaseで,それぞれ6例中4例が診断可能であった.CTやMRIは,MCT後,早期より腫瘍の残存を明らかにできるため,治療効果判定に極めて有用であると思われた.
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