肝臓
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37 巻, 10 号
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  • 林 紀夫
    1996 年 37 巻 10 号 p. 539-542
    発行日: 1996/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 松下 栄紀, 金子 周一, 河合 博志, 寺崎 修一, 下田 敦, 卜部 健, 木谷 恒, 中川 彦人, 鵜浦 雅志, 樋上 義伸, 野田 ...
    1996 年 37 巻 10 号 p. 543-548
    発行日: 1996/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    初回IFN-α治療に対し,一過性にトランスアミナーゼの正常化を示すも著効に至らなかったC型慢性肝炎10例に対し,IFN-β(フェロン®,東レ)による再治療を試みた.いずれも初回治療でのIFN-αは1回投与量6MU以上で2週間連日投与後22週間の週3回間歇投与を受け,総投与量は480MU以上であった.C型肝炎ウイルス(HCV)のgenotypeは1bが9例,2aが1例で,HCV-RNA量は全例106 copy/ml以上であった.IFN-βは1回投与量6MUで,8週連投あるいは4週連投後週3回10週間歇投与がなされ,総投与量はどちらも336MUであった.10例中5例(50%)で著効が得られ,4例(40%)でHCV-RNAの持続陰性が得られた.IFN効果とウイルス量や組織所見,再治療までの期間などに関連は認めなかったが,genotype 1bで高ウイルス量であっても著効例が認められたことより,IFN-α一過性反応例に対しIFN-βでの再治療が有用である可能性が示唆された.
  • EBウイルス肝炎との比較を含めて
    金政 秀俊, 太田 正治, 小林 紀明, 酒井 基成, 森 能史, 藤野 博也, 稲田 安昭, 上羽 毅, 中尾 誠, 岡上 武, 加嶋 敬
    1996 年 37 巻 10 号 p. 549-555
    発行日: 1996/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    本邦では比較的稀な健常成人に発症したサイトメガロウイルス(CMV)肝炎6症例を経験したので,それらの臨床病理学的特徴につき検討し,さらにEBウイルス(EBV)肝炎と比較検討した.CMV肝炎発症患者は,若年男性に多く,発症時期は夏から秋に多かった.CMV肝炎の臨床像は,発熱等の感冒様症状,肝脾腫がしばしばみられ,血清トランスアミナーゼの上昇は軽度であった.
    CMV肝炎とEBV肝炎の比較では,CMV肝炎発症年齢はEBV肝炎発症年齢に比べて有意に高齢であった.血清GPT値はCMV肝炎の方が,EBV肝炎に比べて有意に低値であった.CMV肝炎2症例の肝組織像では,核内封入体はみられず,門脈域及び類洞内への単核球の浸潤,肝細胞壊死,胆管障害の所見を認めた.
  • 後藤 亨
    1996 年 37 巻 10 号 p. 556-562
    発行日: 1996/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    超音波映像下血管造影法(US-angiography)により腫瘍内の動脈血流を検出しうるため,本法は小肝細胞癌の診断にも応用されている.著者は本法を,経皮的エタノール注入術(percutaneous ethanol injection therapy: PEIT),肝動脈塞栓療法(transcatheter arterial embolization: TAE)あるいは動注化学療法(transcatheter chemoinjection therapy: TAI)による治療の経過観察に応用した.対象は肝細胞癌のためPEITあるいはTAEの治療を受けた6例である.
    これら6例において,造影CTおよび血管造影の病変部位のviabilityについての判定結果は一致し,3例はviabilityありと判定され,他の3例はいずれの方法によってもviabilityなしと判定された.造影CTと血管造影によりviabilityありと判定された例はUS-angiographyによっても同様に判定されたが,CTと血管造影によりviabilityなしと判定された3例中1例はUS-angiographyによりviabilityありと判定された.US-angiographyによりviabilityありと判定された4例に対してPEITを追加し,全例経過は良好である.また,US-angiographyの所見は,PEIT施行における部位選定を容易にした.US-angiographyは肝細胞癌の治療効果判定,ならびにPEIT追加施行時の部位選定に有用と考えられる.
  • 宋 健二, 木岡 清英, 森吉 靖子, 岡 博子, 針原 重義, 李 光春, 山崎 修, 村田 佳津子, 真鍋 隆夫, 黒木 哲夫, 小林 ...
    1996 年 37 巻 10 号 p. 563-571
    発行日: 1996/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌17例に対し,マイクロ波凝固療法(以下MCT)を施行した.17例のうち8例は,MCT後,肝切除し,画像診断と対比した.MCTによる凝固壊死部は,dynamic CTのearly phaseで,全例,enhanceを受けない著明なlow densityを呈し,dynamic MRIのearly phaseでは,全例,enhanceを受けない著明なlow intensityを呈した.肝切除例より確認された,MCTによる凝固壊死部周囲に形成される線維性被膜は,MRIのT2とdynamic MRIのearly phaseでは,high intensityの縁取りとなり,境界が明瞭であった.今回,MCTを施行した17例中6例に,治療部位の腫瘍残存を認めた.MCT後1ヵ月以内のdynamic CTのearly phaseでは,6例中3例が診断可能であった.ほぼ同時期のMRIでは,T1で6例中1例,T2およびdynamicMRIのearly phaseで,それぞれ6例中4例が診断可能であった.CTやMRIは,MCT後,早期より腫瘍の残存を明らかにできるため,治療効果判定に極めて有用であると思われた.
  • 中正 恵二, 西上 隆之, 植松 邦夫, 衣笠 亨, 新谷 繁之, 澤田 康史, 和田 正明, 下山 孝
    1996 年 37 巻 10 号 p. 572-579
    発行日: 1996/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    C型肝炎ウイルス(HCV)感染を伴う散発性晩発性皮膚ポルフィリン症の1男性例を報告する.本例は48歳男性で,輸血歴および多飲酒歴を有していた.入院時血液検査でHCV抗体,HCV RNAが陽性を示すとともに軽度のトランスアミナーゼの異常およびγ-GTPの明らかな上昇を認めた.肝生検組織像ではpiecemeal necrosis, spotty, necrosis等のHCVの関与を示唆する慢性活動性肝炎像を認めるとともにpericellular fibrosis, central sclerosis等のアルコール性肝障害(ALD)を示唆する像を認めた.また,肝細胞およびKupffer細胞には中等度にヘモジデリンやリポフスチンの沈着を伴っていた.本例の慢性肝障害の主な成因としてHCVおよびALの両者の関与が示唆された.以上の所見からHCV感染を伴う大酒家の肝生検組織における慢性肝炎,ALD,鉄沈着像の同時出現は,日常の光学顕微鏡観察下において,PCTを示唆する重要な組織学的所見をなすと思われた.
  • 小林 正和, 一條 哲也, 小林 正典, 松本 晶博, 今井 明彦, 古田 清, 田中 栄司, 袖山 健, 清澤 研道
    1996 年 37 巻 10 号 p. 580-587
    発行日: 1996/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    ウイルス性肝硬変で経過観察中,頻回に肝性脳症を繰り返し,門脈本幹に血栓を認めた2例を経験した.前者は52歳の男性.C型肝硬変の経過中,1991年4月より,腹水,下腿浮腫および肝性脳症出現.1994年4月に超音波検査にて門脈血栓を指摘された.血管造影上,肝門部にcavernous transformationが形成されていた.後者は52歳の男性.B型肝硬変の経過中,1991年7月,腹部CT検査にて門脈血栓を指摘された.1991年10月に肝性脳症出現.血管造影上,門脈血栓を認め,血流は左胃静脈を経て奇静脈へ流入していた.2例とも門脈血栓の原因は肝硬変と考えた.前者での肝性脳症の主因は肝機能不全と考えられたが,後者については門脈血栓の出現による,門脈-大循環短絡路を介するシャント血流の増大が関与することが示唆された.門脈血栓出現後の脳症出現および増悪の有無は,求肝性側副血行路の発達の程度,および門脈-大循環短絡路の程度に影響されるものと考えられた.
  • 曽我 憲二, 相川 啓子, 豊島 宗厚, 柴崎 浩一
    1996 年 37 巻 10 号 p. 588-595
    発行日: 1996/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    症例は42歳,男性.30歳頃より1日ウイスキー500mlから600mlを飲酒.1991年1月,腹部膨満感が出現し当科受診,黄疸と多量の腹水を認め,アルコール肝硬変と診断された.CT,USでは,多量の腹水と脾腫を認め99mTc-phytateシンチではRIの肝への取り込みは不良であった.断酒により黄疸,腹水が消失,以後外来にて経過観察していたが,1994年6月,99mTc-phytateおよび99mTc-GSAシンチでは右葉を中心とした多発するSOLを認め,CTでは内部densityの不整が出現し肝細胞癌あるいは転移性肝癌が考えられた.しかし,AFP, PIVKA-IIは陰性で,US,腹部血管造影でも腫瘤性病変は認められなかった.本症例は大量飲酒のために網内系細胞,肝細胞が広範に脱落したが,禁酒により限局性の大きな瘢痕組織を残して回復に向かったため,肝シンチで特異なSOLを呈した稀な1例と考えられた.
  • 正木 勉, 徳田 雅明, 白井 陸訓, 大西 誠, 有馬 啓治, 谷口 清英, 渡辺 精四郎, 畑中 良夫, 畠瀬 修, 西岡 幹夫
    1996 年 37 巻 10 号 p. 596-597
    発行日: 1996/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 上野 信一, 田辺 元, 川井田 浩一, 浜之上 雅博, 三枝 伸二, 小倉 芳人, 吉留 伸郎, 塗木 健介, 愛甲 孝
    1996 年 37 巻 10 号 p. 598-599
    発行日: 1996/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 鵜沼 直雄, 前田 修, 丹沢 佳子, 藤野 均, 田川 一海, 大森 友幸
    1996 年 37 巻 10 号 p. 600-601
    発行日: 1996/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 1996 年 37 巻 10 号 p. 602-606
    発行日: 1996/10/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
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