肝臓
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37 巻, 4 号
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  • 二川 俊二
    1996 年 37 巻 4 号 p. 197-199
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 長田 成彦, 渡辺 勲史, 加川 建弘, 中野 敦史, 西崎 泰弘, 岡崎 有博, 内山 順造, 稙田 充, 松崎 松平, 板倉 勝, 白石 ...
    1996 年 37 巻 4 号 p. 200-207
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    当院に1980年から1994年12月までの15年間に入院したA型急性肝炎患者252例を対象としてretrospectiveに検討し,その背景因子,臨床的特徴を解析した.A型急性肝炎の発生年度には明らかに周期性があり,過去15年間で1990年が最も多く,最近5年間に増加傾向が認められた.近年好発年齢が高齢化し,女性の占める割合が増加する傾向がみられた.肝機能成績の特徴として最近5年間の症例の血清GPT最高値はそれ以前と比べて有意に高値であった.A型急性肝炎発症後,GPT高値が3ヵ月以上最長7ヵ月持続した遷延例が6例認められたが,慢性肝炎に移行した症例はみられなかった.プロトロンビン時間40%以下の重症型が最近2年間に集中して6例認められ,その特徴として男性,高齢であることが指摘された.重症型では血清GPT, T. Bil最高値は非重症型に比較して有意に高値で,1例が劇症肝炎に移行したが救命された.以上より,A型急性肝炎の最近の動向として好発年齢の高齢化,女性例の増加,重症型の出現がみられ,その臨床像および病態の変化が示唆された.
  • 特にserological groupとの関係
    小林 正宏, 茶山 一彰, 荒瀬 康司, 坪田 昭人, 鈴木 義之, 斎藤 聡, 鯉田 勲, 村島 直哉, 池田 健次, 橋本 みちえ, 小 ...
    1996 年 37 巻 4 号 p. 208-213
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    抗インターフェロン(IFN)抗体の治療効果に対する影響を検討するため,recombinant IFN-α2a 900万単位8週連日+16週間歇投与を施行したC型慢性肝炎患者58例について経時的に抗体(EIA法,Bioassay法)を測定した.治療前には抗体は全例陰性であったが,EIA法では8週連投終了時5例(8.6%),投与終了時14例(24.1%)で陽性化した.Bioassay法では連投終了時に陽性化例はなく,投与終了時に7例(12.1%)で抗体が出現した.抗体(EIA法)の有無と治療効果を比較すると,著効は抗体陽性者で14例中4例(29%),陰性者で44例中18例(41%)で差はなかった.しかし,抗体出現例のserological groupと治療効果をみると,group 1であった10例では著効は1例も無かったのに対し,group 2の4例は全例が著効であった.多変量解析では治療効果に寄与する独立要因はsorological groupとHCV-RNA量のみであり抗IFN抗体は有意に寄与する因子とはならなかった.
  • 全国移植施設アンケート調査
    冨川 伸二, 伊藤 生二, 菊池 賢治, 安藤 裕一, 市川 直哉, 銘形 和彦, 渡辺 建詞, 別宮 好文, 出川 寿一, 長尾 桓, 内 ...
    1996 年 37 巻 4 号 p. 214-220
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    HCV感染と腎移植後肝機能障害の関連性についてアンケート調査を行い検討した.腎移植後HCV抗体およびHBs抗原の測定が行われた1,405例のうち,HCV単独感染症例は287例(20.4%)で,生体腎移植群(153/952: 16.1%)に比べ死体腎移植群(134/453: 29.6%)で有意にHCV感染が高率で,両群間で透析期間,20単位以上輸血歴に有意差を認めた.HCV感染症例の47.2%に移植後慢性肝機能障害を認め,移植前に肝機能障害を認めた群では66.7%とさらに高率であった.多変量解析の結果から,移植前肝機能障害,移植後観察期間,輸血量の3要因が独立して腎移植後肝機能障害の発生に影響を及ぼす要因と考えられた.HCV抗体陽性ドナーから抗体陰性レシピエントへの移植は多くの施設が否定的だったが,抗体陽性レシピエントへの移値については意見が分かれた.
  • 辻 勝久, 石川 詔雄, 土井 幹雄, 長田 明, 山本 祐二, 松田 充宏, 大塚 雅昭, 轟 健, 深尾 立, 田中 栄之介, 中野 雅 ...
    1996 年 37 巻 4 号 p. 221-226
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝ミクロゾーム分画で代謝される抗てんかん薬のtrimethadione (TMO)を用いた負荷試験が,肝のいかなる組織形態学所見を反映しているか検討した.対象は肝硬変(LC) 16例,慢性肝炎(CH)と肝線維症の各2例の20例である.術前の肝CT像より算出した肝容積と肝組織の光学顕微鏡所見の画像解析により肝実質比(実質/実質+間質)や単位体積あたりの細胞数を求めた.それらの指標より肝実質量(肝容積×実質比),肝細胞量(肝容積×単位体積あたりの肝細胞数),肝実質細胞総量(肝容積×実質比×単位体積あたりの細胞数)を算出した.TMO負荷試験値と肝実質量や肝細胞量とは,それぞれ高い相関(r=0.771, r=0.809; p<0.0001)を認め,さらに肝細胞数を最も反映すると思われる肝実質細胞総量とも高い相関を認めた(r=0.798, p<0.0001).
    以上よりTMO負荷試験が肝のfunctional volumeを評価できるのは肝細胞数をよく反映しているためと考えられた.
  • 谷内田 真一, 若林 久男, 前場 隆志, 前田 肇
    1996 年 37 巻 4 号 p. 227-232
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    31例に,肝切除術前検査として血清ヒアルロン酸濃度を測定し,肝線維化の程度,門脈圧,術後の残肝再生との関係をICG 15分血中停滞率と比較検討した.組織学的肝線維化の程度(z0, 1, 2)と血清ヒアルロン酸濃度は,z0で77.0±51.7ng/ml, z1で100.4±34.8ng/ml,z2で226.7±113.2ng/mlでz0とz2群間(p<0.0005), z1とz2群間(p<0.005)に有意差をみとめた.門脈圧と血清ヒアルロン酸濃度との関係は,有意の正の相関(r=0.739, p<0.005)が認められた.一方,術後第4週目での残肝増大率は,血清ヒアルロン酸濃度と有意の負の相関(r=-0.638, p<0.01)を認め,特に,血清ヒアルロン酸濃度が200ng/ml以上の症例では,200ng/ml未満の症例と比較して,残肝増大率は有意に低値であった(p<0.05).以上より,術前血清ヒアルロン酸濃度測定は肝切除術前の肝予備能力評価の指標として有用であり,肝切除後の肝再生を予測し得る指標の一つと考えられた.
  • 中田 哲也, 河合 文平, 永山 和男, 田中 照二
    1996 年 37 巻 4 号 p. 233-238
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    柴苓湯による薬物性肝障害の1例を報告する.症例は57歳女性.慢性滲出性中耳炎の治療のため近医から柴苓湯を処方され服用していたところ,10ヵ月後に皮膚黄染が出現したため他病院を受診,血清GOT 931, GPT 1,077,総ビリルビン8.5と肝障害が認められ,同病院に入院となった.その後肝障害は順調に改善し,第24病日精査のため当院に転院した.各virusmarkerはいずれも陰性で輸血歴,飲酒歴はなかった.入院中好酸球増多を認めたが,柴苓湯によるリンパ球刺激試験は疑陽性であり,確定診断には至らなかった.退院後3年間の経過観察中,慢性中耳炎に対し近医から2回柴苓湯を再処方され,その度に肝障害を繰り返したことから,同剤による薬物性肝障害と診断した.近年漢方薬による薬物性肝障害の報告が散見されるが,本症例のように長期服用後に発症したり,典型的なアレルギー症状を呈さない例が少なくなく,診断の際に留意すべきである.
  • 高橋 泰人, 前山 史朗, 小池 淳樹, 相田 芳夫, 品川 俊人, 打越 敏之, 加藤 行雄, 鈴木 通博, 鈴木 博, 岡部 和彦, 前 ...
    1996 年 37 巻 4 号 p. 239-243
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    腺腫様過形成(Adenomatous hyperplasia,以下AH)と鑑別が困難であった初期肝細胞癌の組織像を呈した自己免疫性肝炎の1例を呈示した.
    症例は,67歳女性.平成元年,近医受診し軽度肝機能障害を指摘され,平成4年6月精査加療目的にて当院受診し,臨床的に自己免疫性肝炎と診断された.平成5年5月腹部超音波にて肝左葉に直径約20mmの腫瘤を認め,同年6月入院,腫瘍生検像は腺腫様過形成が強く疑われた.同年9月,腹部超音波にて肝内腫瘤が約30mmと増大したため,平成6年1月肝左葉部分切除術を施行した.肉眼的に腫瘍は,2.5×1.9cmの結節性病変で,周囲を薄い被膜にほぼ被われていた.腫瘍部の組織像は腺腫瘍過形成と肝細胞癌との鑑別が困難であったが,腫瘍辺縁部のごく一部に線維性被膜を破り置換性発育を示す部分を認め,悪性所見の1つである被膜外浸潤が明らかであったことより,組織学的には高分化型肝細胞癌と診断した.本例のように切除標本での詳細な組織学的検討により初期高分化型肝細胞癌と診断された症例は貴重であり,更に自己免疫性肝炎との合併例は稀で文献的考察を加え報告した.
  • 小松 陽樹, 乾 あやの, 大川 貴司, 宮川 芳宏, 藤沢 知雄, 上本 伸二, 猪股 裕紀洋, 田中 紘一
    1996 年 37 巻 4 号 p. 244-249
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    生体部分肝移植により救命し得た劇症肝炎型のWilson病,いわゆるWilsonian ful-minant hepatitisの1例を報告した.症例は13歳の女児,全身倦怠感,黄疸,血尿を主訴に来院した.尿中銅,血液検査,Kayser-Fleisher ringの存在からWilson病と診断,D-ペニシラミンを開始した.しかし,症状の改善傾向は認めず,血漿交換の効果も一時的であり,症状がさらに悪化したため,内科的治療の限界と考え,母親をドナーとして生体部分肝移植を行った.Wilsonian fulminant hepatitisは既に非代償性の肝硬変へと進展しているため,内科的治療に反応しない症例が多く,海外ではこのような症例に対して肝移植を積極的に施行している.本邦においても,Wilsonian fulminant hepatitisは,生体部分肝移植の絶対的適応になると考えられる.
  • 岡野 圭一, 国土 泰孝, 岡嶋 研二, 壷内 泰二郎, 岡田 節雄, 若林 久男, 前場 隆志, 前田 肇
    1996 年 37 巻 4 号 p. 250-251
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 矢野 右人
    1996 年 37 巻 4 号 p. 252
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
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