肝臓
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37 巻, 6 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 中沼 安二
    1996 年 37 巻 6 号 p. 301-303
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 斎藤 俊司, 渋谷 明隆, 西元寺 克禮, 丸尾 直子, 高橋 俊雄
    1996 年 37 巻 6 号 p. 304-312
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    IV型コラーゲンに対する2つのモノクローナル抗体を作製し,それらを用いた新しいIV型コラーゲン測定系としてEIA法によるIV-67法,IV-238法を開発した.健常者血清の測定より正常値をIV-67法では8.2ng/ml以下,IV-238法では91.6ng/ml以下とした.IV型コラーゲンは,IV-67法では慢性肝炎の87.8%,肝硬変の97.9%で,IV-238法ではそれぞれ62.2%, 89.4%で高値を示した.さらに,慢性肝炎,肝硬変と病態が進展するに従いそれぞれの測定値は有意に上昇した.IV-67法,IV-238法による測定値は組織学的な線維化の程度と正の相関を示し,門脈域や小葉内の炎症・壊死の程度には影響されなかった.以上から,IV-67法,IV-238法とも従来法と同様にすぐれた肝線維化マーカーである上に,測定法は簡便で従来法より少量の検体で短時間に多数の測定が可能なことから,有用な血清IV型コラーゲンの測定法になりうると考えられた.
  • 稲葉 宏次, 滝川 康裕, 鈴木 一幸
    1996 年 37 巻 6 号 p. 313-321
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    劇症肝炎における線溶亢進の機序を解明する目的で,劇症肝炎22例,急性肝炎重症型9例を対象として血漿中のFDP濃度をfibrin由来のFbDP (fibrin degradation products)とfibrinogen由来のFgDP (fibrinogen degradation products)とに分別して測定し,凝固線溶の分子マーカーと対比検討した.FgDP (median [25-75 per centile] ng/ml)は1090 [362-2090]と軽度上昇したのに対し,FbDPは3525 [2025-7033]と著明な高値を示した.全FDP上昇例ではその約80%をFbDPが占めた.FbDP, FgDPともにthrombinantithrombin III complexと最も強い相関を認めた.以上より劇症肝炎における線溶現象は血管内凝固に伴う二次線溶が主体と考えられた.
  • 鈴木 剛, 瀬在 秀一, 櫻林 眞, 山本 佳洋, 吉野 克正, 平野 正憲, 岡 博, 神坂 和明
    1996 年 37 巻 6 号 p. 322-326
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    門脈圧亢進症とは一般に門脈圧が20cmH2O以上とされている.しかし実際臨床の場では肝外門脈シャントは存在するが門脈圧20cmH2O未満の肝硬変症例を経験する.今回我々は門脈圧が20cmH2O未満の肝硬変症例10例の臨床的特徴について検討した.経皮経肝門脈造影(PTP)による評価では肝硬変症例110例中10例(9.1%)がそれに該当し,Child重症度はAl, B6, C3例であり,各病期に分散していた.コイル塞栓療法を施行した5例の門脈圧は14±4より23±2に上昇した.主要肝外門脈シャントの主要起始静脈として左胃静脈の関与例はなかった.内視鏡的にはF2以上の食道静脈瘤例は認めなかったが,F2以上の胃静脈瘤は3例にみられた.臨床症状は50%に反復性肝性脳症が認められたが,出血歴はなかった.
  • 荻野 英朗, 米島 博嗣, 里村 吉威, 中川 彦人, 鵜浦 雅志, 三輪 淳夫, 中沼 安二
    1996 年 37 巻 6 号 p. 327-330
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    症例は26歳の女性.1995年6月,濃染尿と全身倦怠感のため受診し,GOT 1,294IU/l, T. Bil. 4.6mg/dlr, HPT 44%と肝障害を認め入院.各種ウイルスマーカーは陰性でγ-gl. 1.93g/dl, IgG 2,640mg/dlと増加していた.蛍光抗体法による抗核抗体の検討で,核は染色陰性ながら細胞質が陽性で抗細胞質抗体の存在が疑われた.AMAは陰性で,二重免疫拡散法によりLKM-1抗体とIs抗体は陰性,MM抗体が陽性と判定した.また,HLA DNA typingでは,DR*0101と*0405が陽性であった.さらに,ステロイド投与により肝機能は正常化した.群生検では,急性肝炎回復期像で,本症例は稀な自己抗体(MM抗体)陽性で急性肝炎様発症を呈した自己免疫性肝炎疑診例と考えられた.本症例のように各種ウイルスマーカーが陰性の成因不明の急性肝炎においては自己免疫性肝炎を念頭におき各種自己抗体の検索とステロイド治療を考慮すべきと考えられた.
  • 根本 朋幸, 水腰 英四郎, 蓑内 慶次, 大場 栄, 北野 善郎, 河合 博志, 寺崎 修一, 柳 昌幸, 下田 敦, 松下 栄紀, 卜部 ...
    1996 年 37 巻 6 号 p. 331-335
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    症例は35歳男性.1965年より露光部に紅斑・浮腫が出現し,1987年,赤血球中プロトポルフィジン(PP)の高値より造血性プロトポルフィリン症(EPP)と診断された.1994年,肝障害にて当科入院.入院時の血液生化学検査で,AST 63IU/l, ALT 92IU/l, γGTP 303IU/lの肝障害と赤血球中PP値の増加(7,606μg/l)を認めた.肝組織像では小葉構造は乱れ,一部に再生結節が認められた.偏光顕微鏡で重屈折性を示す,褐色色業沈着を肝細胞,Kupffer細胞に認め,以上よりEPPによる早期肝硬変と診断した.ケノデオキシコール酸900mg/日の投与により,ALTは30IU/lと正常化し,γGTP 63IU/l,赤血球中PP5, 748μg/lと低下した.EPPにおいては時に肝不全を呈することがあり,早期診断と肝機能の厳重な経過観察が必要である.本例ではケノデオキシコール酸療法が赤血球中PPの低下と肝機能の改善に有効であったと考えられた.
  • 野口 三四朗, 橋本 悦子, 青鹿 圭子, 谷合 麻紀子, 石黒 典子, 林 直諒
    1996 年 37 巻 6 号 p. 336-342
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    Agtoimmune Cholangiopathy (AIC)の女性を発端者として,その五人の子供の内,長女がPrimary Biliary Cirrhosis (PBC),一卵性双生児の三女と四女のうち,三女がPBC,四女がAICである一家系を経験したので報告する.母親は48歳でAICを発症.発黄後7年6ヵ月,70歳時に解不全にて死亡した.第1子(長女)は50歳でPBC発症.第2子(次女)は健康.第3子(三女)は45歳で肝機能は正常だが,抗ミトコンドリア抗体陽性,M2抗体陽性で肝生検施行.stage IIのPBCと診断された.第4子(三女と双子の4女)は肝機能正常,抗ミトコンドリア抗体陰性,M2抗体陰性,抗核抗体陽性で肝生検施行し,stage IIのPBCに合致する所見でAICと診断した.本家系はPBCとAICの家族発症例であり,一卵性双生児にAICとPBCを認めている.そこで,AICとPBCの位置付け,肝機能正常例におけるPBCの進行度などを考察し報告する.
  • 後藤 隆, 小松 眞史, 正宗 研
    1996 年 37 巻 6 号 p. 343-347
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    87歳,女性.1985年2月黄疸,皮膚掻痒感が出現し町立大森病院入院.臨床経過,胆汁うっ滞性の肝機能異常パターン,AMA 320×以上よりPBCが強く疑われた.1994年9月より上下肢の浮腫,10月より異常行動がみられ10月20日再入院.入院時の検査成績では胆汁うっ滞性の肝機能異常パターン(T.B. 2.8mg/dl, ALP 368IU/l, γ-GTP 46IU/l, GOT 103IU/l, GPT 38IU/l)とともに,NH3は162μg/dlと高値であった.また,IgG 3,080mg/dl, IgM 382mg/dl, AMA 80×, HBsAg (-), HBcAb (-), HBV DNA (-), HCVAb (-), HCVRNA (-), AFP 366ng/ml, PIVKA-II 80.0AU/ml以上であった.CT, CSでは肝右葉に8.5×8.8cmの腫瘍性病変を認めた.肝組織像で非腫瘍部分は,PBC stage IVに矛盾しない所見と考えられ,腫瘍部分は低分化型肝細胞癌,明調細胞型と診断された.以上よりHBV, HCVの感染を伴わない,PBC (stage IV)に合併したHCCと診断した.肝炎virus markerがHBsAg (-), HBcAb (-), HCVAb (-), HCV RNA (-)でHBV, HCVの感染を伴わないPBCに合併したHCCの本邦報告例は本症例を含めて4例であった.
  • 清水 勝, 小島 峯雄, 大橋 宏重, 高橋 善弥太, 亀谷 正明, 石黒 源之, 津田 文男, 岡本 宏明
    1996 年 37 巻 6 号 p. 348-349
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 免疫組織化学的検討
    伊坪 真理子, 戸田 剛太郎, 羽野 寛
    1996 年 37 巻 6 号 p. 350-351
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
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