肝臓
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38 巻, 10 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 神代 正道
    1997 年 38 巻 10 号 p. 583-586
    発行日: 1997/10/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
  • 福原 俊一, 日野 邦彦, 加藤 孝治, 冨田 栄一, 湯浅 志郎, 奥新 浩晃
    1997 年 38 巻 10 号 p. 587-595
    発行日: 1997/10/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    C型肝炎ウイルスによる慢性肝疾患患者の健康状態をHealth Related QOL (HRQOL) 尺度を用いて検討した. 異文化における適合性及び計量心理学的な検定が終了しているHRQOL尺度としてSF-36の日本語版を使用し, 491例について調査した. 肝性脳症患者除外後, 480例を解析対象とした. HRQOLに影響を与える因子の同定に重回帰分析を行い, 同定された因子内の各カテゴリー間の調整済平均値の差を多重比較を用いて比較した. の結果, 病理学的分類間ではSF-36の全てのサブ・スケールで有意差は認められなかった. しかしながら, 肝硬変患者をChild A及びBに分類すると, SF-36の6つのサブ・スケールで有意差が認められた. この結果は, 従来の病理学的分類が, 患者の主観的に認識する健康度及び日常生活への影響 (HRQOL) を必ずしも反映していないことを示唆した.
  • 安藤 岳彦, 有馬 啓治, 児玉 隆浩, 清澤 研道, 西岡 幹夫
    1997 年 38 巻 10 号 p. 596-601
    発行日: 1997/10/25
    公開日: 2010/02/19
    ジャーナル フリー
    自己免疫性肝炎 (AIH) の43症例について血清中の抗U1-RNP抗体をリコンビナント抗原を用いたELISA法によって詳細に検索し, その陽性率や陽性症例の臨床的特徴等について検討した. 抗U1-RNP-70K抗体, -A抗体, -B′/B抗体はそれぞれAIH症例の47%, 65%, 44%において陽性であり, 一つでも陽性を示した症例は全体の70%であった. 抗U1-RNP抗体陽性症例は陰性症例と比較して血清γ-グロブリン値やIgG値が有意に高値を示し, またSjögren症候群の合併が顕著であった. 本抗体の力価はステロイド治療後に有意に低下した. 以上よりAIH症例は抗U1-RNP抗体, 特に抗U1-RNP-A抗体の陽性率が高いことが明らかになり, また本抗体陽性症例は自己免疫現象の強いことが示唆された.
  • 榎 真佐史, 水田 敏彦, 尾崎 岩太, 原 俊哉, 福島 範子, 和田 郁子, 山本 匡介, 堺 隆弘
    1997 年 38 巻 10 号 p. 602-606
    発行日: 1997/10/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    患者は67歳, 男性. 悪性黒色腫に対する免疫療法として, 9年間BCG療法を受けていたが, 最終BCG投与後より発熱, 炎症所見とともに肝機能障害が出現した. 抗生剤投与は効果なく, ステロイドの投与にて炎症所見および肝機能は著明に改善した. 治療前の腹腔鏡検査で, 肝全体に暗紫色の紫斑を認め, 肝生検にて非乾酪性肉芽腫とともに, 血液を溜め拡張した類洞がみられたことから, 本症例はBCGにより惹起された肉芽腫性肝炎とそれに伴う肝ペリオーシスと診断した. ステロイドにより肝機能が改善した後に, 再度腹腔鏡下肝生検を行い, 肝ペリオーシスが改善していることを確認した. 肝ペリオーシスは, 結核などの消耗性疾患や蛋白同化ホルモン, 免疫抑制剤などの薬剤により起こるとされているが, BCG起因性肉芽腫性肝炎に伴った例は本症例がはじめてであり, また治療により肝ペリオーシスが改善したことを確認できた貴重な症例と考えられたため報告する.
  • 泉 並木, 菅野 一男, 斎藤 一典, 渡邊 秀樹, 野口 修, 星野 裕治, 内原 正勝, 三宅 祥三, 堺 隆弘, 佐藤 千史
    1997 年 38 巻 10 号 p. 607-611
    発行日: 1997/10/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    症例は51歳, 女性. バセドウ病の既往歴がある. 下肢浮腫と黄疸を主訴に入院した. バセドウ病の再発と悪性貧血がみられ, 腟カンジダ症を認めた. また, 肝機能障害を認め, 抗核抗体は陰性であったものの, 抗平滑筋抗体が陽性で, IgG値が5, 114mg/dlと著明な高値であり, クラスII HLA抗原の解析でDR4が陽性であった. 腹腔鏡所見では肝は粗大な隆起と広範陥凹を認め, 肝生検では慢性活動性肝炎の所見であり, 小葉間胆管の障害は認めなかった. 以上より, 多腺性自己免疫症候群に合併した自己免疫性肝炎と診断した. ビタミンB12の点滴とプレドニゾロンの内服によって, 貧血と肝機能の改善が得られた. 多腺性自己免疫症候群はわが国ではきわめて稀な疾患である. 欧米の報告では, 多腺性自己免疫症候群に合併した自己免疫性肝炎ではしばしば重篤な経過をとると指摘されている. これまでわが国では自己免疫性肝炎の合併症としての報告例はなく貴重な症例と考えられた.
  • 船岡 正人, 中島 裕子, 藤盛 修成, 長山 正四郎, 孟 祥偉, 小松 眞史, 正宗 研
    1997 年 38 巻 10 号 p. 612-616
    発行日: 1997/10/25
    公開日: 2010/02/19
    ジャーナル フリー
    症例は38歳, 男性. 発熱, 全身倦怠感を主訴に1996年2月20日入院. 入院時, 血液生化学的検査では極めて重篤な急性肝不全を示し, 2月21日より肝性昏睡III度となり, 劇症肝炎急性型として血漿交換, continuous hemodiafiltrationなどの治療を開始した. 一時肝性昏睡はV度に達し, 急性腎不全, 呼吸不全を合併したが救命し得た. 血清ウイルスマーカーは非A-E型を示したが, 5′untranslated regionをプライマーとしたreverse transcription polymerase chain reaction (RT-PCR) 法で測定した血清GBV-C/HGV-RNAは, 入院時および劇症肝炎治癒後とも陽性であった. 同時に行ったdirect sequenceでは入院時と劇症肝炎治癒後の血清GBV-C/HGV strainは異なっており, 両者の塩基配列の相同性は97.1%であった.
  • 寺田 光宏, 木谷 恒, 増田 信二, 中沼 安二
    1997 年 38 巻 10 号 p. 617-621
    発行日: 1997/10/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    神経因性食欲不振症の経過中に, steatohepatitisによる著明な肝腫大を来し, 肝不全にて死亡した1例を報告した. 症例は18歳女性, 主訴は体重減少, 食欲不振. 平成7年8月下旬より食欲不振を認め, 1カ月5kgの体重減少が出現し, 9月27日当科初診. 神経因性食欲不振症と診断された. その後も体重減少 (肥満度-49%) が続くため入院となる. 入院時より著明な肝機能障害を認め, 高カロリー輸液で対処したが, 黄疸, 腹水, 脳症等の肝不全症状が出したためG-I療法, PGE1を開始し適宜血漿交換を併用した. しかしその後も肝不全は進行し, 肝腎症候群を併発し, 透析施行するも第153病日に死亡. 経過中著明な肝腫大を認め, 組織学的にはsteatohepatitisであった. 本例の肝障害の機序として, 高度の栄養障害による肝での脂質代謝障害が主因で, 内因性エンドトキシンの上昇が肝障害を助長した可能性が推測された.
  • 丸尾 啓敏, 久米 進一郎, 中尾 國明, 松本 正廣, 岩田 滉一郎, 太田 裕彦, 金井 弘一, 秋間 道夫
    1997 年 38 巻 10 号 p. 622-626
    発行日: 1997/10/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    症例は53歳男性. 糖尿病および肝硬変の治療経過中, 超音波検査で肝右葉に腫瘤を指摘された. 超音波所見上, 腫瘍は直径2cmで辺縁低エコー帯を伴い, 内部は高エコー域と低エコー域にほぼ2分されていた. 単純CTでは低吸収域, dynamic CTではearly phaseで高吸収域, late phaseで低吸収域を呈した. 血管造影では動脈相から静脈相まで持続する腫瘍濃染像を認めた. 肝細胞癌と診断し, 肝部分切除術を施行した. 組織学的に腫瘍は中分化型肝細胞癌であり, 腫瘍内にpeliosis hepatisに類似した大小多数の血液貯留腔 (peliotic change) を認め, この部分は超音波検査における高エコー域に一致していた. 腫瘍内に広範なpeliotic changeを伴った肝細胞癌の報告は少ない. 高エコーを呈し血管腫様の画像所見を有する肝腫瘍の鑑別に際しては, peliotic changeを伴う肝細胞癌の存在も念頭に置く必要がある.
  • 谷合 麻紀子, 橋本 悦子, 野口 三四朗, 石黒 典子, 林 直諒
    1997 年 38 巻 10 号 p. 627-628
    発行日: 1997/10/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
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