肝臓
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38 巻, 11 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 佐々木 裕
    1997 年 38 巻 11 号 p. 633-645
    発行日: 1997/11/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
  • 渡辺 文時, 銭谷 幹男, 安部 宏, 小池 和彦, 奥田 丈二, 榎本 康之, 新 智文, 林 昭太, 穂苅 厚史, 高橋 宏樹, 相澤 ...
    1997 年 38 巻 11 号 p. 646-653
    発行日: 1997/11/25
    公開日: 2010/02/19
    ジャーナル フリー
    自己免疫性肝炎 (AIH) 治療選択に対するAIHスコアーの有用性, 特にHCV陽性例に対する治療選択にAIHスコアーが有用であるか否かを明らかにする目的で, 臨床的にAIHと診断された65例を対象に, 治療効果とAIHスコアーの関連について検討した. scoring systemによりAIHと診断された症例のAIHスコアーは, 16点と10点にピークを有する二峰性を示し, それぞれHCV陰性例, HCV陽性例により構成されていた. これらスコアーの相異は, 主にウイルス関連スコアーによるものであった. AIHスコアーが低く (疑診例), 臨床的活動性の低いAIH症例の中には, ウルソデオキシコール酸によりトランスアミナーゼの改善を認める例が存在した. HCV陽性症例の治療では, AIHスコアー10点と11点の5症例にインターフェロン (IFN) が投与されていたが, すべて無効であった. 特に, genotype 2a型でウイルス量も102.5 copies/50μl以下と低値にも関わらず, IFNが無効であった2症例のAIHスコアーは, ともに11点であった. AIH症例の治療選択に際し, AIHスコアーの有用性が示唆された.
  • 吉本 次郎, 武井 雅彦, 北山 尚也, 岩田 豊仁, 須郷 広之, 行方 浩二, 神田 博司, 児島 邦明, 深沢 正樹, 別府 倫兄, ...
    1997 年 38 巻 11 号 p. 654-659
    発行日: 1997/11/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    先天性と思われる門脈瘤に合併した血栓によって肝外門脈閉塞をきたし, Hassab手術を行うに至った症例を経験した. 症例は28歳, 男性. 生来健康であったが, 平成5年10月18日急激な心窩部痛のため近医受診. 急性腹症の診断で緊急手術施行. 術中門脈造影にて門脈本幹の球状の腫大とその内部に血栓を認めたため, 門脈切開, 血栓除去術を行った. 術直後脾腫, 食道静脈瘤は認めなかったが, 平成6年2月に肝門部に著明な側副血行路を, 3月には食道静脈瘤, 4月には著明な脾腫が証明され, その後胃静脈瘤の増悪を認めたため, 手術目的で6月2日当科入院. 7月12日Hassab手術を施行. 術中肝臓は肉眼的にはほぼ正常であった. 術後経過は順調で静脈瘤は消失した.
  • 和栗 暢生, 市田 隆文, 藤巻 亮子, 滝川 真吾, 長谷川 聡, 三浦 充邦, 青柳 豊, 朝倉 均
    1997 年 38 巻 11 号 p. 660-667
    発行日: 1997/11/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌の眼窩, 頭蓋底への骨転移により, 眼球突出, 眼球運動障害, 視覚障害をきたした稀な3例を報告する. 全例C型肝硬変を背景としていた. 2例は肝細胞癌初発時期から4~5年間で度重なる治療経過を経て転移巣が出現した. 一方, 残る1例は転移巣による症状を契機に肝細胞癌が診断された初発例であった. いずれの症例も肺に明らかな転移巣を認めず, 肝原発巣から椎骨静脈叢を介した血行性転移が主たる要因と推測された. 1例で眼窩転移巣摘出術が施行され, 一時的な症状改善がみられたが, 術後3カ月で急速な再発をみた. なお2例で転移巣に対する放射線療法が施行されたが, 疼痛緩和がみられたものの, 腫瘍縮小効果はみられなかった. 今後は原発巣治療の完全性の追求に加え, 遠隔転移巣への新たな治療戦略が必要と考えられた.
  • 長戸 孝道, 関山 達也, 松田 裕之, 勝田 悌実, 里村 克章, 荒牧 琢己, 吉田 寛, 梅原 松臣, 田尻 孝, 恩田 昌彦
    1997 年 38 巻 11 号 p. 668-672
    発行日: 1997/11/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    症例は59歳の男性, 高アンモニア血症と意識障害を有する肝硬変患者. フラジオマイシン, ラクチュロースで治療するも高アンモニア血症, 意識障害が持続した. 血管造影で左胃静脈, 後胃静脈から左腎静脈への側副血行路が造影され肝硬変に基づくportal-systemic encephalopathyと診断. 経皮経肝門脈塞栓術 (PTO), バルーン下逆行性経静脈的塞栓術 (B-RTO) に先立ち, 各部の採血によりアンモニアの側副血行路を介した大循環への流出を確認した後, 後胃静脈, 左腎静脈をPTO, B-RTOにより閉塞した. 術後, アンモニア, 意識障害は改善, 正常化した. 塞栓術の1年3カ月前に行われたMRIでは淡蒼球に両側対称性のT1強調画像高信号が認められたが, 術後1年4カ月のMRIでは高信号は消失していた. 淡蒼球高信号の成因, 出現機序については諸説があるが, 側副血行路形成が最も重要で, アンモニアなどの中毒物質が関与すると思われた.
  • 草野 史彦, 田沢 潤一, 前田 学, 酒井 義法, 山本 力, 佐久間 郁行, 前川 伸哉, 鈴木 恵子, 佐藤 千史
    1997 年 38 巻 11 号 p. 673-677
    発行日: 1997/11/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    症例は61歳の男性, 維持透析中のアルコール性肝硬変患者で, 週2回, 毎回7リットルの穿刺排液を必要とする難治性腹水があり, 腹水濃縮静脈内再注入でもコントロール不良であったため, 経頸静脈的肝内門脈静脈短絡術 (Transjugular intrahepatic portosystemic shunt; TIPS) を行ったが, 腹水は著明に改善したものの肝不全が進行し死亡した. 肝ネクロプシーでは, 完成された小結節性肝硬変に加えて多発性巣状の凝固壊死を認め, アルコール性肝硬変にさらに虚血性の肝細胞壊死が加わった所見と考えられた. 難治性腹水は本法の適応の1つとされているが, 効果は必ずしも一定していない. さらにTIPS施行後の予後に関しても必ずしも良いとはいえない. また本邦では維持透析中の肝硬変症患者における難治性腹水に対して本法を施行したという報告はない.
  • 中野 敦史, 渡辺 勲史, 西崎 泰弘, 高清水 眞二, 細井 克美, 川添 一哉, 長田 成彦, 稙田 充, 加川 建弘, 松崎 松平, ...
    1997 年 38 巻 11 号 p. 678-683
    発行日: 1997/11/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    症例は43歳, 女性. 1993年9月頃より腹水の貯留, 黄疸が出現し, 1994年1月入院. 血液検査では全血球系の著増とともに著明な肝障害が認められた. 血液所見および骨髄生検より真性多曲症ならびに急性肝不全と診断した. また腹部超音波検査にて右・中・左肝静脈は血栓で充満し面流は認められず, 血栓による肝静脈の閉塞が考えられた. 入院後急速に肝不全が進行し, 1カ月の経過でDIC, 多臓器不全のため死亡. 病理解剖では肝静脈内に器質化した血栓が認められ, 肝細胞はzone 3を中心に広範な変性, 壊死を示していた. 本邦におけるBudd-Chiari症候群の多くは膜様閉塞に伴うものであり, 肝静脈血栓によるBudd-Chiari症候群の報告は少ない. 特に真性多血症に伴う肝静脈閉塞は本例を含め2例のみで極めて稀な症例と考えられる.
  • 佐藤 祐一, 市田 隆文, 原田 武, 伊藤 信市, 朝倉 均, 加藤 仁, 橋倉 泰彦, 池上 俊彦, 川崎 誠治, 松波 英寿, 幕内 ...
    1997 年 38 巻 11 号 p. 684-689
    発行日: 1997/11/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    症例は52歳の成人女性で, 1984年に皮膚掻痒感で発症し, Scheuer I期の原発性胆汁性肝硬変 (PBC) と診断され, 外来で経過観察されていた. 1992年頃より黄疸が出現し, 1993年3月に当科入院したが, 黄疸の高度進行, 腹水の増加, 肝性脳症の悪化, 肝腎症候群を認め, 血漿交換を含めた内科的治療も奏功しなかった. そこで本人と家族が肝移植を強く希望したため, 正式にインフォームド・コンセントを得て, 1993年10月20日信州大学第1外科へ移送し, 同年11月2日, 長男 (25歳) をドナー (グラフト肝重量402g) とする成人間生体部分肝移植を施行した. その後, 原病の再発とも思われる組織像と, 抗糸粒体抗体, 抗PDH抗体, IgM, ALPの上昇を認めた. 術後約3年半を経た現在, 上述のように血清学的には原疾患の再発が示唆されるが, QOLはよく, 日常生活に支障は生じていない. 一方, ドナーである長男も結婚し, 普通と全く変わらない生活を送っている. 以上PBCに対する治療として, 生体肝移植は我が国で選択されうるべき治療法の一つであり, 今後その推進に力を注ぐ必要があると思われた.
  • 鈴木 剛, 平野 正憲, 櫻林 眞, 吉野 克正, 西村 秀司, 安部 潔, 岩瀬 透, 岡 博, 平野 哲夫
    1997 年 38 巻 11 号 p. 690-691
    発行日: 1997/11/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
  • 上平 晶一, 二村 貢, 平川 隆一, 吉田 行雄, 山中 桓夫
    1997 年 38 巻 11 号 p. 692
    発行日: 1997/11/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
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