肝臓
Online ISSN : 1881-3593
Print ISSN : 0451-4203
ISSN-L : 0451-4203
38 巻, 3 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 脳死肝移植レシピエントを中心に
    市田 隆文
    1997 年 38 巻 3 号 p. 129-133
    発行日: 1997/03/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
  • 初回500MU以上投与例における再治療24週, 48週の治療成績
    寺田 光宏, 池上 文詔, 太田 雅弘, 大山 高令, 瀬在 秀一, 伊藤 慎芳, 桜井 幸弘, 神坂 和明, 安部 孝, 田中 雄二郎
    1997 年 38 巻 3 号 p. 134-139
    発行日: 1997/03/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    初回500MU以上のIFN治療が施行され, 治療終了12カ月以内にALTの再上昇を認めた30例に対し, IFN 1回6MUを3回/週, 24週 (17例) 及び48週 (13例) の再治療を施行し, その治療成績を検討した. 完全著効率は24週, 48週及び全体で, それぞれ11.8%, 7.7%, 10%であった. また, 完全著効を呈した3例中2例は血中HCV-RNA量が+3と高ウイルス量であり, セロタイプは全例I型であった. さらに, 初回治療と再治療時の反応パターンの検討では, 完全著効例はいずれも初回治療中にALTの持続正常化と治療終了時に血中HCV-RNAの陰性化を認めた症例であった. しかし, 初回治療中にALTの持続正常化と治療終了時に血中HCV-RNAの陰性化を認めた症例のみを再治療の対象に選んでも, 完全著効が得られるのは18.8% (3/16) と低率であった.
  • 荒瀬 康司, 茶山 一彰, 村島 直哉, 菅原 和彦, 鯉田 勲, 小林 正宏, 坪田 昭人, 鈴木 義之, 斎藤 聡, 池田 健次, 熊田 ...
    1997 年 38 巻 3 号 p. 140-145
    発行日: 1997/03/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    C型慢性活動性肝炎に対し天然型インターフェロン (以下IFN) α1回量6MUを2ないし8週間連日+週2~3回間歇で1年を越えて長期的に投与した26例につきIFN投与終了後の治療効果を検討した. IFN総投与量は762 (IU) ~1, 972 (IU) (中央値1, 236IU) であった. IFN終了後GPT正常かつHCV-RNA陰性が継続した著効は13例 (50%) であった. HCV-genotype 1bでみるとHCV-RNA量が106copy/ml以上では著効は23.1% (3/13) と低率であったが, HCV-RNA量が106copy/ml未満では著効は77.8% (7/9) と高率であった. HCV-genotypeが2a, 2bでは4例中3例 (75%) が著効であった. 従来難治といわれているHCV-genotype 1bでもHCV-RNAが106copy/ml未満であればIFN長期投与にて著効率が増加する可能性があると考えられた.
  • 石井 耕司, 空 利之, 永井 英成, 畑 宗一郎, 窪田 学, 永井 一毅, 岡島 存男, 山室 渡, 羽鳥 知樹, 住野 泰清
    1997 年 38 巻 3 号 p. 146-151
    発行日: 1997/03/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    インターフェロン療法 (IFN) 無効のC型慢性活動性肝炎 (CAH) の多くにウルソデオキシコール酸 (UDCA) の投与が奏効するが, 無効例も存在する. 今回, UDCAの有効性を予測できるか否か有効例と無効例の臨床背景を検討した. 対象はIFNの無効であったCAH 27例で, 全例にUDCA 600mg/日を投与. 血清GPTが正常上限の2倍未満に維持されたものを有効とすると, 27例中14例 (52%) が有効, 13例 (48%) が無効であった. 両群のIFN前の肝組織像, ウイルス量, IFN投与量と種類, IFN開始前, 終了時およびUDCA開始時の血清GPT, γGTP, 総胆汁酸 (FTBA) に有意な差はなかった. しかし, UDCA投与平均12.6 (3~28) カ月後の血清胆汁酸分画上, UDCA, コール酸, ケノデオキシコール酸, 胆汁酸総量に占める総タウリン抱合型胆汁酸の割合は無効例で有効例に比し有意 (p<0.05) に高値を示した. UDCA療法の有効例, 無効例における胆汁酸分画の差異が明らかになった.
  • 松岡 裕士, 陳 明, 安藤 岳彦, 児玉 隆浩, 宮地 清光, 中沼 安二, 西岡 幹夫
    1997 年 38 巻 3 号 p. 152-158
    発行日: 1997/03/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    各種慢性肝疾患600例について抗SLA抗体を検索し, その陽性率と陽性症例の臨床的特徴およびその対応抗原について検討した.
    本抗体の検索は, ラット肝100,000g超遠沈上清を抗原としたELISA法にて行い, 陽性例に対しては同抗原を用いてWestern blot法を行い反応像を検討した.
    抗SLA抗体は自己免疫性肝炎の6.4%およびB型慢性肝炎の1.4%に認められた. 抗SLA抗体陽性自己免疫性肝炎症例のWestern blot法による検討では, 5症例中4例において, cytokeratin 8および18に相当する52kDおよび45kDに反応バンドが認められた. 抗SLA抗体陽性自己免疫性肝炎症例の臨床的特徴は, 自己免疫性肝炎I型症例と比較して発症年齢はやや若年であったものの, 血液生化学的所見および免疫遺伝学的背景など, その特徴は類似していた.
  • 安藤 裕一, 市川 直哉, 菊池 賢治, 銘形 和彦, 渡辺 建詞, 別宮 好文, 冨川 伸二, 長尾 桓, 出川 寿一, 内田 久則
    1997 年 38 巻 3 号 p. 159-165
    発行日: 1997/03/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    肝移植が末期肝不全に対する標準的な治療法として世界で確立されている現在, 日本でも肝移植が普及することが予想されるが, 臨床面での問題点も多い. そこで, 海外で肝移植を受けることを希望した成人10例の臨床経過を検討したので報告をする. 原疾患の内訳は, 肝硬変7例, 慢性活動性肝炎, 原発性胆汁性肝硬変, 薬剤性肝炎各1例であった. 実際に肝移植を受けた5例のうち2例は術後に肝不全または敗血症のために死亡した. 4例は肝移植を受けることができずに死亡し, 薬剤性肝炎の1例は待機中に肝機能が軽快したため肝移植を受けずに生存している. 肝移植術後生存中の3例はいずれも肝炎ウイルスの再感染を認めた. 今後日本国内で脳死肝移植が可能となっても, 適応疾患の選択, ウイルス性肝炎や肝癌などの原疾患の再発, 待機中の死亡, 拒絶反応や免疫能低下による感染症の発生の問題など, なお解決せねばならない諸問題が残されている.
  • 小松 陽樹, 乾 あやの, 茂木 陽, 黒木 康富, 宮川 芳宏, 尾上 昌弘, 藤沢 知雄
    1997 年 38 巻 3 号 p. 166-171
    発行日: 1997/03/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    インターフェロン (IFN) 療法に抵抗し, 特異的な抗体反応を示したC型慢性肝炎の1例を経験した. 症例は18歳の女性で, 15歳時に急性リンパ性白血病と診断され, 寛解導入および末梢血幹細胞移植時に頻回に輸血を受けた. その頃よりトランスアミナーゼ値の多峰性の変動がみられ, C型慢性肝炎と診断し, 白血病の完全寛解後にIFN療法を行った. しかし, IFN投与中および投与終了後もトランスアミナーゼ値は正常化せず, HCV-RNA量も全く減少しなかった. 本例ではHCV抗体の産生能が低く, この免疫異常がIFN療法に影響を与えた可能性がある.
  • 木村 公則, 杉原 潤一, 村上 啓雄, 内藤 智雄, 石木 佳英, 齋尾 友希江, 中村 俊之, 森脇 久隆, 武藤 泰敏
    1997 年 38 巻 3 号 p. 172-177
    発行日: 1997/03/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    甲状腺機能亢進症の治療中に出現する薬剤性肝内胆汁うっ滞では, 抗甲状腺剤の投与が不可能となる. したがってヨードの口腔内滴下などしか用いることが出来ず, 甲状腺機能のコントロールを含めた疾病全体の管理が困難な場合が多い. このような1症例にビリルビン吸着と血漿交換を行なうことにより, 薬剤性肝内胆汁うっ滞と甲状腺機能亢進症の両病態を同時に治療し得た. これらの療法は, 同様の原因, 病態の症例に用いうる治療法の一つと考えられる.
  • 影山 努, 福士 秀悦, 栗原 千枝, 石山 業弘, 岡村 博文, 野尻 治, 大谷 明, 片山 和彦
    1997 年 38 巻 3 号 p. 178-179
    発行日: 1997/03/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
  • パネルディスカッション (13) 自己免疫性肝炎-C型肝炎ウイルス発見後の展開
    今井 明彦, 一條 哲也, 大平 弘正, 粕川 禮司, 樋口 清博, 渡辺 明治, 橋本 直明, 潘活 寛, 岩渕 省吾, 飯野 四郎, 前 ...
    1997 年 38 巻 3 号 p. 180-197
    発行日: 1997/03/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
feedback
Top