肝臓
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38 巻, 4 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 草野 満夫, 紀野 修一
    1997 年 38 巻 4 号 p. 199-202
    発行日: 1997/04/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
  • 伊藤 彰彦, 柏木 徹, 長澤 昌史, 外山 隆, 田中 好男, 尾崎 晋一, 内藤 雅文, 石橋 一伸, 東 正祥
    1997 年 38 巻 4 号 p. 203-206
    発行日: 1997/04/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    C型慢性肝炎に対するインターフェロン (IFN) 療法の循環器系副反応を検討した. 123例のC型慢性肝炎患者に対し, IFN療法前後に心電図 (ECG), 心臓超音波検査 (UCG) を行い, 心筋障害の指標として, CPK, CPK-MB, ミオシン軽鎖を測定した. ECGでは不整脈の出現, PQ間隔の延長, ST変化等を認めた. UCGでは左室の拡張, %FSの低下, A/Eの変化を認めた. これらの変化の出現率は約15%程度であった. CPK, CPK-MB, ミオシン軽鎖の上昇はそれぞれ6.7%, 5.2%, 13.0%の症例にみられた. IFNの投与期間, 投与量による副反応出現率の差はみとめなかった. 自覚的に重篤な症状を呈した症例はみとめず, IFN投与の中止を余儀なくされた例もなかった. 以上より, C型慢性肝炎に対するIFN療法においては重篤ではないが, 比較的高率に循環器系に対する副反応がみられ, 基礎に心疾患, 糖尿病を有する例などでは厳重な観察が必要であると考えられた.
  • 武藤 俊哉, 福井 祥二, 岩渕 省吾
    1997 年 38 巻 4 号 p. 207-212
    発行日: 1997/04/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    インターフェロン (IFN) 投与の性ホルモンに対する影響を検討するため, C型慢性活動性肝炎の男性24例にインターフェロンα (IFNα) を2週連日+10-20週間歇投与し, 投与前後の血清性ホルモンの変動について検討した. 血清黄体化ホルモン (LH) 濃度は間歇投与終了時から終了3カ月後にかけ有意な低下が見られた. 血清テストステロン, エストラジオールは, 2週間の連日投与終了時に有意な低下が見られ, その後は回復傾向を示した. 血清遊離テストステロン, 総コレステロール濃度は2週間の連日投与後に有意な低下を示し, その後ほぼ前値に復した. 血清卵胞刺激ホルモン (FSH), プロゲステロン濃度には有意な変動は見られなかった. 通常行われているIFN療法において, 精巣および下垂体前葉に対する影響が示唆され, このホルモンの不均衡が性機能障害の原因となり得ると考えられた.
  • 坂下 佳子, 滝川 康裕, 鈴木 一幸
    1997 年 38 巻 4 号 p. 213-219
    発行日: 1997/04/25
    公開日: 2010/03/25
    ジャーナル フリー
    急性肝不全の発症における炎症性メディエーターと血液凝固線溶系の関与を明らかにする目的で, 劇症肝炎 (FH) 14例, 亜急性肝炎 (SH) 11例, 急性肝炎重症型 (AH-s) 16例, 急性肝炎 (AH) 9例を対象として, 血漿好中球エラスターゼ (PMN-E), TNF-αおよび血液凝固線溶系の分子マーカーの変動を検討した. PMN-E (median [25-75 percentile] ng/ml) はFH 143 [104-285], SH 78.0 [68.0-101], AH-s 71.5 [57.3-105], AH 74.0 [57.0-137] であり, FHがSH, AH-s, AHに比し有意の高値を示したが, TNF-αは陽性例が少なく, またそのレベルも疾患で差を認めなかった. PMN-EはGOT (r=0.50, p<0.001), thrombinantithrombin III complex (r=0.62, p<0.001), plasmin-α2 plasmin inhibitor complex (r=0.39, p<0.001), fibrin degradation products (r=0.60, p<0.001) と有意の正の相関を示し, 好中球の活性化が血液凝固線溶亢進および肝細胞壊死に密接に関連していると考えられた.
  • 古賀 郁利子, 佐田 通夫, 池尻 直幹, 坂井 慈実, 神代 龍吉, 安倍 弘彦, 谷川 久一
    1997 年 38 巻 4 号 p. 220-224
    発行日: 1997/04/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    近年, 肝性脳症患者の血中に増加したベンゾジアゼピン様物質が, 肝性脳症の一因をなすという報告がある. また, 国外では肝性脳症に対しベンゾジアゼピン拮抗薬が投与され, さらにdouble blind studyで評価がなされている.
    アルコール性肝硬変に伴う肝性脳症10例に対し, ベンゾジアゼピン拮抗薬であるフルマゼニルを単回投与し, 前後での意識レベルと脳波を検討し, その有用性を検討した. 意識レベルの変化では10例中6例 (60%) に改善を認めた. 6例中2例は改善後再悪化なく, 残り4例は30分から2時間の一時的な改善にとどまった. 脳波の改善は, 10例中6例 (60%) に認めた. フルマゼニルの投与は基礎にある肝障害の根本的治療ではないが, 肝性脳症の治療の一つとして, 評緬できるものと考える.
  • 宮内 嘉明, 有馬 啓治, 黒河内 和貴, 渡辺 精四郎, 桑原 宏子, 西岡 幹夫
    1997 年 38 巻 4 号 p. 225-231
    発行日: 1997/04/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    今回われわれは各種肝疾患135例について血清中の抗p53抗体 (p53抗体と略す) を測定した. 用いた標的p53抗原は, p53AKBR, p53のアミノ酸37~52を含むリコンビナントペプタイドである. p53抗体は肝細胞癌 (HCC) 患者102例中37.3%に陽性であった. 対照例では, 肝硬変症 (LC) 18例中1例 (5.6%), 自己免疫性肝炎 (AIH) 15例中1例 (6.7%) に弱陽性で, 健常人35例は全例陰性であった. p53抗体の腫瘍径別陽性率は, 単発性HCCで, 径3cm未満が径3cm以上に比し有意に高かった (p<0.05). 起因ウイルス別陽性率は, HCV感染例がHBV感染例に比し高かった. p53抗体は, α-fetoprotein (AFP) との相関は無く, AFP陰性HCCにおいても39.3%に陽性であった. p53抗体はHCCの診断, 特に早期のHCCにおいて有効であった.
  • 長堀 薫, 松田 政徳, 奥田 純一, 馬 文鋒, 山本 正之, 松本 由朗
    1997 年 38 巻 4 号 p. 232-237
    発行日: 1997/04/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌 (以下, 肝癌) 破裂例に対する切除成績と再発形式を分析した. 対象は肝癌破裂9例のうち肝切除術を施行した8例で, 全て男性, 平均年齢は54.2歳, B型肝炎ウイルス陽性が5例, 肝硬変の併存を4例にみとめた. 緊急手術は2例, 待機手術が6例であり, 7例に肉眼的治癒切除を行ない得た. 平均腫瘍径は6.8cm, 門脈侵襲と肝内転移陽性がそれぞれ4例と7例であり, 3例に腫瘍を被覆した組織内に癌細胞を認めた. 術死はなく, 50%生存期間は19.0カ月, 3年以上生存は4例であった. 肉眼的治癒切除7例中1例は113カ月間無再発生存中で, 他の6例は平均10.3カ月で再発し初回再発部位は肝内と腹膜がそれぞれ, 3例ずつであった. 非治癒切除の1例を含めて腹膜播種巣はいずれも膨脹性に発育しており, 切除し得た. 癌転移抑制遺伝子nm23-H1遺伝子の発現は陽性4例, 陰性3例で陰性の全例が腹膜播種性転移をきたした.
  • 山中 秀高, 末永 昌宏, 国場 良和, 久留宮 隆, 初野 剛
    1997 年 38 巻 4 号 p. 238-243
    発行日: 1997/04/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    症例は29歳男性. 検診の腹部超音波で肝腫瘤を認め入院. 腹部超音波で肝のQuinaud分類のS2に11×14mm大の辺縁比較的平滑, 境界明瞭で中心がhyperechoicなhypoechoic massを認めた. 腹部CTでは描出できなかった. 腹部血管造影で左外側上枝 (A2) より分岐し, 中心から周囲に向かい車軸状に造影される腫瘤影と, 静脈相で中心に無血管域を認めた. 以上より肝FNHと診断し手術を施行した. 術中所見では術中超音波でS2に14×7mm大, 辺縁平滑, 境界明瞭, 中心がhyperechoicなhypoechoic massを認め, 腫瘤を含めた肝部分切除を施行した. 結節は肉眼上, 中心性瘢痕を伴い周囲正常組織を圧排し, 組織では内部にグリソン鞘が無く, 中心性瘢痕から不規則な血管を伴う薄い線維性隔壁が実質内に進入し, 異型の無い肝細胞の不規則で一部腺管様の増生を認め, FNHと診断された.
  • シンポジウム (5) アルコール性肝障害の現状と問題点
    高橋 久雄, 丸山 勝也, 大竹 寛雄, 柴山 隆男, 小松 眞史, 小野 剛, 中野 雅行, 前山 史朗, 打越 敏之, 高橋 達, 朝倉 ...
    1997 年 38 巻 4 号 p. 249-267
    発行日: 1997/04/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
  • ワークショップ (7) 人工肝の現状と問題点-将来の展開-
    川田 雅昭, 永森 静志, 成瀬 勝俊, 長島 郁雄, 酒井 康行, 須永 昇, 高 暁江, 鈴木 基之, 武藤 徹一郎, 蒲原 行雄, 兼 ...
    1997 年 38 巻 4 号 p. 268-282
    発行日: 1997/04/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
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