肝臓
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38 巻, 9 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 松田 充, 小林 健一
    1997 年 38 巻 9 号 p. 531-534
    発行日: 1997/09/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
  • 小島 眞樹, 金澤 一也, 袴田 拓, 相川 達也, 澤田 直登, 津田 文男, 岡本 宏明
    1997 年 38 巻 9 号 p. 535-540
    発行日: 1997/09/25
    公開日: 2010/02/19
    ジャーナル フリー
    慢性肝疾患患者333例について, PCR法を用いてHGV RNAを測定した. B型慢性肝疾患85例では1例 (1.2%), C型慢性肝疾患患者189例では22例 (11.6%), 非B非C型慢性肝疾患患者54例では, 1例 (1.9%) にそれぞれHGV RNAが検出された. B型慢性肝疾患, 非B非C型慢性肝疾患におけるHGVの関与は大きくないと考えられた. C型慢性肝疾患については, 慢性肝炎141例中16例 (11.4%), 肝硬変35例中3例 (8.6%), 肝癌13例中3例 (23.1%) でHGV RNAが陽性であり, HCVの推定感染経路によって分類すると, 輸血歴を有する場合, 8.3%であったのに対し, 経静脈的薬物濫用歴を有する場合に24.0%と極めて高率にHGVRNAが陽性であった. HGV RNAの陽性, 陰性群で年齢, 性別, 肝疾患, 肝機能等に有意の差は認められなかった.
  • 前場 隆志, 森 誠治, 濱本 勲, 岡田 節雄, 若林 久男, 前田 肇
    1997 年 38 巻 9 号 p. 541-546
    発行日: 1997/09/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    慢性肝炎 (CH) 併存肝細胞癌36切除例の再発様式を検討し, CHと異時性多中心性発癌の関連性と肝切除の意義を考察した. 対象の61%が組織学的stage III, IV-A進行癌であり, 術後9年目の1例以外は全て3年以内に再発した. 異時性多中心性再発の条件を, (1) 初発巣が早期肝細胞癌で絶対治癒切除が得られた例, (2) 初発巣に浸潤像のない術後3年以降単発再発例, (3) 術後5年以降再発例, (4) 再発再肝切除病巣に高分化型組織像が存在する例とすると, 異時性多中心性発癌例は術後9年目再発の1例 (肝硬変進展例) のみであった. 累積5年再発率・生存率はそれぞれ37.7%・70.8%と良好な成績であり, この理由は対象の64%に葉単位以上の広範肝切除を適用したこと, 異時性多中心性再発例が1例に過ぎなかったことの2点が考えられた. CH併存例は単中心性に発生する可能性が強く, とくに径30mmを越える肝癌では広範肝切除による根治性の追及で良好な遠隔成績が得られている.
  • 小椋 真佐子, 橋本 直明, 大野 悦, 竹田 康, 出張 玲子, 古家 正, 佐渡 敬, 秋元 公彦, 松浦 広, 三田 勲司, 河原 弘 ...
    1997 年 38 巻 9 号 p. 547-552
    発行日: 1997/09/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    69歳, 女性. 脳出血後の通院中, 偶然占拠性肝病変を指摘されて入院. 輸血歴あり. 黄疸, 掻痒感なし. ALP 560IU/l, γ-GTP 357IU/l, 抗ミトコンドリア抗体320倍, 非腫瘍部の肝生検で非化膿性破壊性胆管炎を認め, Scheuer II期の無症候性原発性胆汁性肝硬変 (PBC) と診断した. 占拠性病変は血管造影で濃染し, AFP 1, 350ng/ml, PIVKA II 0.4AU/mlより肝細胞癌 (HCC) と診断. ジノスタチンスチマラマー (SMANCS) の動注療法後, リピオドールの沈着を認めた. 血中のHBc抗体を含むHBVマーカー, HCV抗体, HCV-, HGV-RNAはいずれも陰性. 肝生検所見に加え, ICG 7.2%, 血小板数正常, 食道静脈瘤および血管造影上コルクスクリューサインを認めず, 肝硬変ではないと考えた. B型, C型肝炎ウイルスマーカー及びHGV-RNAが陰性で, 肝硬変のないPBCに合併したHCCは極めて稀と考え報告した.
  • 松田 充, 島崎 猛夫, 平松 活志, 代田 幸博, 鍛治 恭介, 北野 善郎, 池田 直樹, 河合 博志, 寺崎 修一, 下田 敦, 松下 ...
    1997 年 38 巻 9 号 p. 553-558
    発行日: 1997/09/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    症例は64歳, 男性. 糖尿病, アルコール性肝障害で外来通院中に胆道系酵素の著明な上昇と肝予備能の低下, 労作時呼吸困難を認め入院した. 著明な低酸素血症を認め, 呼吸機能検査では拡散障害を認めた. 心臓および肺に器質的異常はなかったが, 肺血流シンチグラフィーにて脳, 腎実質の描出があり, Hepatopulmonary syndromeと診断した. 基礎肝病変に関しては腹腔鏡, 肝生検にて胆汁性肝硬変と診断した. 内視鏡的逆行性胆管造影, 大腸内視鏡にて原発性硬化性胆管炎や炎症性腸疾患の所見はなく, 抗ミトコンドリア抗体陰性原発性胆汁性肝硬変と考えた. 低酸素血症に対してポリミキシンB, 塩酸ミドドリン, PGF2α, 酢酸オクトレオチドの投与を行ったが有意の改善はなく, 在宅酸素療法となった.
  • 前川 伸哉, 宮坂 有香, 永山 和宣, 余 心漢, 佐久間 郁行, 酒井 義法, 田沢 潤一, 鈴木 恵子, 佐藤 千史
    1997 年 38 巻 9 号 p. 559-563
    発行日: 1997/09/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    症例は64歳女性. 1989年に検診で肝機能異常を指摘され当科受診. 肝生検等にてScheuer 2期の無症候性の原発性胆汁性肝硬変 (PBC) と診断され, UDCA 600mg/日の内服を続けていた. 1994年に進行性の貧血と腰痛が出現, 血中にmonoclonalなIgD-λ蛋白の著増と骨髄像にて異型形質細胞を25.2%に認め多発性骨髄腫の合併と診断した. VAMD療法とCMP療法により骨髄腫は軽快し約3年にわたり寛解が維持されている. 興味深いことにPBCもそれに伴って改善傾向を示しながら推移している. PBCと多発性骨髄腫の合併は稀ではあるが, 既報告例からは合併例に共通した一定の臨床傾向が認められる. IgD型骨髄腫の合併は本例が初めてであるが臨床像において同様の傾向を認め, 両疾患の関連性を示唆する興味深い症例と思われた.
  • Caroli病非合併例
    伊藤 雄介, 伊藤 和幸, 物江 孝司, 田中 明隆, 祖父江 雅至, 松井 泰道, 近藤 豊, 東 克謙, 伊藤 誠
    1997 年 38 巻 9 号 p. 564-569
    発行日: 1997/09/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    症例は63歳, 女性で, 両親が従兄婚. 1995年8月黄疸, 心窩部痛を主訴として入院. 入院時血液生化学検査では炎症所見, 肝・胆道系酵素, ビリルビン値の上昇を認めた. 腹部超音波検査, 腹部CTでは肝内・外胆管の広狭不整を伴った軽度拡張および肝内に多発性小 胞性病変を認めた. 臨床的に胆管炎と診断, 保存的治療により自・他覚症状とも改善した. 内視鏡的胆管造影では肝外胆管は軽度拡張し, 肝内胆管は枯れ枝状で, 広狭不整であった. 腹腔鏡検査では肝表面に比較的幅の広い白色紋理がびまん性にみられた. 肝組織所見は門脈域の著明な線維化, 小葉間胆管の増生, 拡張を示し, 先天性肝線維症 (CHF) と診断した. CHFは門脈圧亢進症状を示す例が多く, 一方, CHFを合併することが多いCaroli病では胆管炎症状を呈する頻度が高いとされている. 本症例は胆管炎症状を初発症状としたCaroli病非合併例のCHFであり, 極めて稀な症例と考えられる.
  • 山澤 紀子, 大曲 勝久, 木下 秀樹, 松尾 功, 水田 陽平, 山口 広之, 中越 享, 綾部 公懿, 石崎 驍, 河野 茂
    1997 年 38 巻 9 号 p. 570-573
    発行日: 1997/09/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    症例は59歳, 男性. 左下腹部痛で近医を訪れ, 腹部超音波検査で左肝内胆管の拡張を指摘され, 当科へ入院となった. 腹部CT, MRI, ERCPにて肝内胆管左外側枝に拡張がみられ, 左外側下枝に一部陰影欠損像を認めた. Caroli病を疑ったが, 肝内胆管癌も否定できないため肝左葉外側区域切除術を施行した. 組織学的には, 胆管内腔の円柱上皮は扁平化していたが, 腫瘍性の変化はみられず, Caroli病に矛盾しない像であった. また, 拡張した胆管の近傍に若干の線維化を伴う小胆管の増生がみられ, von Meyenburg complex (VMC) と考えられた. Caroli病とVMCはともに肝胆道系の線維性多 胞性疾患の一つであるが, 両者の合併例の報告はきわめて稀であり報告する.
  • 平田 喜裕, 光野 雄三, 立石 敬介, 川上 高幸, 前田 修, 田川 一海, 鵜沼 直雄, 大森 友幸, 津田 文男, 岡本 宏明
    1997 年 38 巻 9 号 p. 574-575
    発行日: 1997/09/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
  • 山崎 正晴, 栗山 茂樹, 菊川 政次, 中谷 敏也, 増井 一弘, 阪本 たけみ, 豊川 泰勲, 長尾 慎太郎, 富永 謙太郎, 北野 浩 ...
    1997 年 38 巻 9 号 p. 576-577
    発行日: 1997/09/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
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