肝移植研究会で行っている日本人の肝移植症例登録の集計結果について報告する. 45施設より登録がなされ, 総数は493例で, 生体肝移植364例, 死体肝移植129例, また, 初回移植477例, 再移植16例であった. レシピエントの年齢は10歳未満が345例と多数を占め, また, 原疾患は胆汁鬱滞性疾患が370例と最も多く, そのうち胆道閉鎖症が332例を占めた. 生体肝移植のドナーは両親が94.8%, その他の親類3.8%, 配偶者1.4%であった. ドナーとレシピエントのABO血液型適合性は, 脳死肝に比べ生体肝で有意にidenticalが少なく, また, 有意にincompatibleが多かった. 移植後の累積生存率は, 死体肝移植が1年76%, 3年70%, 5年65%, 生体肝移植は1年79%, 3年76%, 5年76%であった. 再移植では, 初回移植に比べて有意に累積生存率が悪かった. また, ABO血液型適合性別では, identicalとcompatibleとの間には差がなかったが, incompatibleでは両者に比べて有意に劣っていた.
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