肝臓
Online ISSN : 1881-3593
Print ISSN : 0451-4203
ISSN-L : 0451-4203
39 巻, 1 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 福井 博
    1998 年 39 巻 1 号 p. 1-4
    発行日: 1998/01/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
  • 肝移植研究会 , 森井 和彦
    1998 年 39 巻 1 号 p. 5-12
    発行日: 1998/01/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    肝移植研究会で行っている日本人の肝移植症例登録の集計結果について報告する. 45施設より登録がなされ, 総数は493例で, 生体肝移植364例, 死体肝移植129例, また, 初回移植477例, 再移植16例であった. レシピエントの年齢は10歳未満が345例と多数を占め, また, 原疾患は胆汁鬱滞性疾患が370例と最も多く, そのうち胆道閉鎖症が332例を占めた. 生体肝移植のドナーは両親が94.8%, その他の親類3.8%, 配偶者1.4%であった. ドナーとレシピエントのABO血液型適合性は, 脳死肝に比べ生体肝で有意にidenticalが少なく, また, 有意にincompatibleが多かった. 移植後の累積生存率は, 死体肝移植が1年76%, 3年70%, 5年65%, 生体肝移植は1年79%, 3年76%, 5年76%であった. 再移植では, 初回移植に比べて有意に累積生存率が悪かった. また, ABO血液型適合性別では, identicalとcompatibleとの間には差がなかったが, incompatibleでは両者に比べて有意に劣っていた.
  • 鈴木 憲治, 石川 智久, 内藤 嘉彦, 唐沢 達信, 新谷 稔, 藤瀬 清隆
    1998 年 39 巻 1 号 p. 13-17
    発行日: 1998/01/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    症例は51歳女性, 看護婦. 主訴は全身倦怠感. 平成8年3月22日, C型慢性肝炎患者に使用した注射針にて左足背部を刺傷. 同年4月5日頃より, 全身倦怠感出現し, 4月13日の血液検査で肝機能障害を指摘され入院となった. 入院時の肝炎ウイルスマーカーはHBs抗体を除き全て陰性であったが, DNA probe法によるHCV-RNAの定量では40Meq/ml以上と高値を呈していた. そのため, インターフェロン (IFN) -βの投与を施行し, 効果が認められた. しかし, 終了後19日目に再燃がみられ, IFN-α2bの追加投与を行い著効が得られた. また, 汚染血と被汚染血中のHCV-RNAのgenotypeは1b型で一致していた. さらに, direct sequence法によるNS5A領域内の40アミノ酸の解析でも, 両者ともに2カ所に同一の変異がみられ一致していた.
  • 山口 開, 奥瀬 千晃, 鈴木 啓弘, 小林 裕太郎, 長田 達郎, 巴 雅威, 遠山 裕樹, 林 毅, 吉田 秀樹, 高橋 泰人, 前山 ...
    1998 年 39 巻 1 号 p. 18-22
    発行日: 1998/01/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    症例は23歳, 女性. 飲酒歴, 輸血歴および鍼灸治療歴はない. 常用薬剤なし. 感冒様症状に伴う食欲不振, 腹部不快感および2週間で約4kgの体重減少を主訴に近医を受診した. 生化学検査でtransaminaseの上昇を認め急性肝炎が疑われ当科紹介, 入院となった. 入院時現症では標準体重の-32%のるいそうを認め, 入院時検査所見では総蛋白, コリンエステラーゼの低下及びtransaminaseの上昇が認められた. しかし肝炎ウイルスマーカーはすべて陰性で, 抗核抗体および抗ミトコンドリア抗体も検出されず免疫グロブリンはいずれも正常ないし軽度低下を呈した. 腹部超音波およびCTでは著明な脂肪肝を認めた. 肝生検像では肝実質にacuteyellow collapsed cellを含む巣状壊死を散見し, 大脂肪滴沈着をzone 2~3に小葉の1/2以上に認め飲酒歴がないことからnon-alcoholic steatohepatitisと診断した. 本例は肥満, 耐糖能異常を伴わず, 薬剤服用歴もなく経過より急激な栄養障害による飢餓状態が原因と考えられた
  • 西島 弘二, 清水 康一, 大西 一朗, 長谷部 健, 谷 卓, 橋本 哲夫, 八木 雅夫, 三輪 晃一, 野々村 昭孝
    1998 年 39 巻 1 号 p. 23-27
    発行日: 1998/01/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    症例は58歳の女性. 高血圧で近医入院中に腹部CT検査にて肝に腫瘍を指摘された. 血液検査所見では軽度の貧血が認められたのみで肝機能, 腎機能等は正常であり, 腫瘍マーカー, 肝炎ウイルスマーカーは陰性であった. CT, MRIにてS7肝表部に径2cmの腫瘤を認め, 血管造影で同部に淡い腫瘍濃染像を認めた. 炎症性腫瘤が疑われたが, 悪性腫瘍も否定できず, 肝S7の部分切除術を施行した. 病変は黄白色で, 大きさ1.5×1.4×1.3cm, 境界明瞭な被膜のない腫瘤で, 組織学的には正常リンパ節に類似し, 小型の成熟リンパ球, 形質細胞の増生を認め, 所々にリンパ濾胞の形成が認められた. 細胞異型は認めず, リンパ球の増生は反応性の変化と考えられた. また, 免疫組織化学染色によって, 正常リンパ節と類似したT-cell, B-cellの分布が観察され, 肝のpseudolymphomaと診断された.
  • 森井 和彦, 中村 進一郎, 貴志 文俊, 奥新 浩晃, 湯浅 志郎
    1998 年 39 巻 1 号 p. 28-35
    発行日: 1998/01/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    症例は74歳, 男性. 超音波検査で偶然に肝結節性病変を指摘された. 結節の直径は5mmから25mmで, 多発性であった. Dopplerエコーで結節内に動脈血流が検出され, bolus CT早期相で均一な濃染を受け, 晩期相で等濃度となった. MRIのT1強調像, T2強調像ともに等信号で, T2強調像とangio-CTで中心性瘢痕が確認された. 肝動脈造影ではspoke wheelappearanceを認めた. US angiographyでは血流が結節の中心に流入し, 濃染が遠心性に拡大する様子が明瞭であった. 肝生検組織には, 肝細胞の過形成, 小胆管の増生と異常血管を認めた. 以上より肝限局性生結節性過形成を含む, 多発性の肝細胞性結節と診断した.
  • 吉田 直哉, 佐藤 源一郎, 上野 幸久, 山上 朋之
    1998 年 39 巻 1 号 p. 36-41
    発行日: 1998/01/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    症例は28歳男性. 血清胆道系酵素の上昇にて1995年8月入院. 自覚症状なく, 血清GOT, GPT, IgMは正常, AMA陰性. 腹部CTでは脾腫と肝・脾に多発性の結節性病変を認めた. 逆行性膵胆管造影では肝内胆管はdiffuse irregularityを示し, 原発性硬化性胆管炎 (PSC) 様の所見であった. 肝生検は非乾酪性類上皮細胞肉芽腫・ラングハンス型巨細胞がみられるが胆管周囲の線維化はなく, 肝サルコイドーシスと診断. 経過中血清ACE 32.9IU/lと高値を示し, 胆道系酵素も上昇したため, プレドニゾロン30mg/日投与開始したところ検査成績は速やかに改善した. 1995年12月腹腔鏡下肝生検施行. 肝組織像は前回と同様の所見であった. ここにPSC様病変を合併した肝サルコイドーシスの稀な1例を報告し, この両疾患の関連性について考察した.
  • 森田 翼, 岡田 浩, 伊藤 哲史, 有馬 啓治, 渡辺 精四郎, 西岡 幹夫
    1998 年 39 巻 1 号 p. 42-45
    発行日: 1998/01/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    症例は55歳男性. 平成7年12月20日, 近医にてC型慢性肝炎IFN治療前の肝生検を施行した. 生検には18Gの自動生検針を用いた. 翌日から心窩部痛, 4日後からは黄疸が出現した. 内視鏡的ドレナージ (ENBD) により多量の凝血塊の流出を認めた. 保存的療法を試みたが, hemobiliaは改善せず, 平成7年12月28日, 当科へ転院となった. 来院時, 右季肋部痛と黄疸があり, 血管造影ではA-Pシャントはなく, 動脈相にてstainを認めたため右肝動脈にて経カテーテル的動脈塞栓術 (TAE) を施行した. 3日間はENBDより間歇的に出血があったが, 徐々に黄疸は改善し, 1週間目には経口摂取を開始し, 2週間目にENBDチューブを抜去した. 同時期に撮ったCTではS5中心の梗塞像を認めた. 肝生検の稀な合併症であるが, TAEにて止血しえたhemobiliaの一例を経験したので報告する.
  • 布施屋 芳恵, 小森 美奈子, 石崎 一穂, 羽鳥 和江, 井野 元勤, 佐藤 芳之, 池田 有成
    1998 年 39 巻 1 号 p. 46-47
    発行日: 1998/01/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
  • 特に蛋白合成能評価としてのアポ蛋白B測定の意義
    桂巻 正, 平田 公一, 木村 仁, 磯部 将人, 佐藤 文彦, 松野 孝, 古畑 智久, 向谷 充宏, 及川 郁雄, 傳野 隆一
    1998 年 39 巻 1 号 p. 48-49
    発行日: 1998/01/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
feedback
Top