肝臓
Online ISSN : 1881-3593
Print ISSN : 0451-4203
ISSN-L : 0451-4203
39 巻, 4 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 周防 武昭
    1998 年 39 巻 4 号 p. 237-239
    発行日: 1998/04/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
  • 中野 博, 岡本 康幸
    1998 年 39 巻 4 号 p. 240-245
    発行日: 1998/04/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    肝線維症では肝内に大量の細胞外マトリックスの沈着がみられる. 肝内に過剰に沈着する細胞外マトリックスの主たる産生細胞は肝類洞周囲に存在する伊東細胞であることが明らかにされている. 今回はヒト伊東細胞の産生するIV型コラーゲンの分解過程に及ぼすアセトアルデヒド (AcCHO) の影響を検討するため, ヒト伊東細胞培養系にAcCHOを添加し, IV型コラーゲン分解酵素であるMMP-2, MMP-9, およびその阻害物質であるTIMP-1, TIMP-2, TIMP-3の遺伝子発現, およびIV型コラーゲン量の変動を検討した. その結果, 培養伊東細胞内のMMP-2, TIMP-1, 3発現量はAcCHOの添加濃度, および時間経過に従って低下することが明らかになった. また, IV型コラーゲン量は対照に比し変化がみられなかった. 今回のヒト伊東細胞を用いたin vitroの系での検討ではAcCHO添加によりIV型コラーゲンの増加は観察されなかったが, IV型コラーゲン分解酵素であるMMP-2の低下があり, これに対応してMMP-2阻害物質であるTIMP-1, 3の低下が生じたと推測される. 以上の成績はAcCHOはIV型コラーゲン分解酵素, とくにMMP-2を低下させ, 肝内結合線維増殖に促進的に作用するものと考えられた.
  • 足立 浩司, 森本 日出雄, 上山本 伸治, 水腰 英四郎, 稲垣 豊, 杉岡 五郎, 佐々木 素子, 中沼 安二, 内田 俊和
    1998 年 39 巻 4 号 p. 246-250
    発行日: 1998/04/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    症例は40歳, 男性. 1983年初めて肝障害を指摘され, 近医で加療を受けていたが改善しないため, 1994年3月当科を受診, 入院となった. HBs抗原陽性, HBc抗体高力価陽性であったが, HBe抗原陰性, HBe抗体陽性, DNA polymerase陰性, 抗δ抗体および血清HDV-RNAが陽性であり, HBVキャリアにHDVが重感染したものと考えられた. 肝組織所見は, CAH, moderateを呈し, 肝細胞核にδ抗原を認め, D型慢性肝炎と診断した. HLBIを67週間投与し, 血清HDV-RNAは陰性となり, ALT値も正常化した. しかし, 早期に血清HDV-RNAが陽性化し, 投与終了14カ月後にALT値が406IU/Lと上昇したため, HLBIを24週間再投与し, 投与終了4カ月後の現在まで, ALT値は正常で, 血清HDV-RNAは陰性が持続している. 本例はIFNを繰り返し投与することにより, 肝炎がコントロールされたと考えられる症例であり, 今後投与法のさらなる工夫により慢性D型肝炎の予後が改善される可能性が示唆された.
  • 大江 さつき, 野田 修造, 藤見 佳代子, 北田 学利, 作田 茂, 田村 和子, 黒島 俊夫, 椿尾 忠博, 那須 輝史, 吉原 渡
    1998 年 39 巻 4 号 p. 251-254
    発行日: 1998/04/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    急性重症型肝炎像にて発症した抗核抗体 (ANA) 陰性, 抗平滑筋抗体 (SMA) 陽性の自己免疫性肝炎 (AIH) の一例を経験したので報告する. 79歳女性. 平成8年1月黄疸, 肝機能異常にて入院. 輸血歴, 飲酒歴なし. 内服薬のDLSTは陰性, 肝炎ウイルスマーカーは陰性であった. 入院一週間後, T-Bil 19.6mg/dl, PT49%と悪化し腹水も出現した. ANA陰性であったがSMA陽性よりAIHを考えステロイド療法を開始した. その後肝機能及び臨床症状の著明な改善を認めた. 肝生検は慢性肝炎活動型でAIHに合致していた. 本例は従来の厚生省の診断基準では合致し得ないが, 国際診断基準と, さらにその後改訂された厚生省の診断基準ではAIHに合致した. AIHの急性発症はまれとされ, 一旦劇症化すればその予後は極めて不良である. 本例は急性重症型を呈したが早期診断により治療し得た稀な一例と考え, 文献的考察を加え報告する.
  • 工藤 欣邦, 寺尾 英夫, 有田 毅, 佐藤 竜吾, 西園 晃, 藤岡 利生
    1998 年 39 巻 4 号 p. 255-260
    発行日: 1998/04/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    症例は58歳, 男性. 低ウイルス量の代償性C型肝硬変に対してインターフェロン (IFN) 療法を行い, HCV-RNAの消失, 血清トランスアミナーゼ値の正常化, 血小板数の増加, 肝線維化マーカーの改善が見られ, 臨床検査上著効を示した. また投与終了後経時的に施行した肝生検では, 組織学的に著明な肝線維化の改善が段階的に認められた. 現在C型肝硬変に対するIFN療法は積極的に行われていないが, 本症例はIFN療法によりC型慢性肝炎だけでなくC型肝硬変でも肝線維化を著明に改善させ得る可能性が示唆され, 肝細胞癌予防の観点からも今後C型肝硬変に対しても症例によってはIFN療法を積極的に検討していく必要があると考えられる.
  • 山中 秀高, 末永 昌宏, 国場 良和, 田中 穣, 飛永 純一, 初野 剛
    1998 年 39 巻 4 号 p. 261-267
    発行日: 1998/04/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    症例は64歳, 男性. 肝腫瘤にて入院. 入院時検査成績でCEA7.9ng/mlと高値であった. 腹部USで肝前区域に径3cmの低エコー腫瘤を認め, 腹部CT上, ring enhancementを示した. 腹部血管造影上淡い腫瘍濃染像を認め, 胆管細胞癌と診断し, 肝前区域部分切除術を行った. 摘出標本は軟らかく, 褐色調を呈し, H-E染色上では確診が困難で, 各種の特殊染色にて胆管由来の神経内分泌癌と確診された. 進行度はstage I. であった. 術後52日目に第VII胸椎以下の両側完全麻痺を来し, 胸椎X-P, 骨シンチ, MRIにて第VII胸椎転移を認めた. 放射線治療にて麻痺は軽快したが, 術後5カ月目に左上肢の強直性間代性痙攣を来し, 頭部CTにて多発性脳転移を認めた. 現在, 対症療法にて経過観察中である. 以上, 組織診断に難渋したstage I. の胆管由来の神経内分泌癌で術後早期に, 急速な遠隔転移を来した1例を報告する.
  • 霜山 龍志, 坂本 眞一, 坂本 裕史, 今井 浩三, 狩野 吉康, 豊田 成司, 関口 定美
    1998 年 39 巻 4 号 p. 268-269
    発行日: 1998/04/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
  • 今村 也寸志, 油田 幸子, 窪薗 修, 坪内 博仁
    1998 年 39 巻 4 号 p. 270
    発行日: 1998/04/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
  • パネルディスカッション(16) 門脈圧元進症-診断と治療の進歩-
    佐藤 隆啓, 豊田 成司, 安倍 弘彦, 実藤 俊昭, 舛田 一成, 丸橋 暉, 深沢 正樹, 二川 俊二, 是枝 ちづ, 井上 恭一, 金 ...
    1998 年 39 巻 4 号 p. 271-290
    発行日: 1998/04/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
  • ワークショップ(1) 肝発癌とその制御
    金子 周一, 村上 清史, 松崎 靖司, 千葉 俊也, 斎藤 吉史, 土井 幹雄, 田中 直見, 梶野 一徳, 樋野 興夫, 二宮 俊明, ...
    1998 年 39 巻 4 号 p. 291-309
    発行日: 1998/04/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
feedback
Top