肝臓
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39 巻, 5 号
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  • 下遠野 邦忠
    1998 年 39 巻 5 号 p. 311-324
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
  • 特に肝硬変患者におけるBTR値と肝アシアロシンチとの比較検討
    森 能史, 太田 正治, 酒井 基成, 堀井 孝容, 藤野 博也, 稲田 安昭, 岡上 武, 加嶋 敬
    1998 年 39 巻 5 号 p. 325-330
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    総分枝鎖アミノ酸/チロシンモル比 (BTR) の肝予備能評価における意義を明らかにするために以下の検討を行った. 肝硬変患者, 肝癌合併肝硬変患者を対象にBTRと従来の肝予備能検査およびBTRと肝予備能評価に有用である肝アシアロシンチの相関につき検討した. BTRはFischer比と良好に相関した. BTRは慢性肝炎, 肝硬変で有意な変化を示した. 肝硬変, 肝癌合併肝硬変患者で, BTRは肝アシアロシンチのLHL15とr=0.631 (P<0.001), HH15とr=-0.645 (P<0.001) と良好な相関を示した. またBTRは, 種々の肝機能検査値とも良好な相関を示した. BTRのカツトオフ値による, 代償期, 非代償期の鑑別は, 肝硬変群で2.40 (感度100%, 特異度92%), 肝癌合併例では, 3.45 (感度81.3%, 特異度78.6%) であり, 病態の把握に本検査は有用と考えた. 以上よりBTRは, その測定法の簡便さから, 日常臨床の場で肝疾患患者の肝予備能, 病態把握に有用な検査であると考えた.
  • 月岡 幹雄, 松田 充, 荻野 英朗, 里村 吉威, 中川 彦人, 鵜浦 雅志, 三輪 淳夫, 中沼 安二
    1998 年 39 巻 5 号 p. 331-334
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    症例は28歳の女性. 原発性骨髄線維症のため1995年12月1日同種骨髄移植術を施行された. 移植後cyclosporin (以下CYA) 投与にて経過良好であったため, CYAは1996年10月15日にて中止となった. 1996年11月22日より発熱, 褐色尿が出現し来院. AST735IU/1, ALT390IU/1, と肝障害を認め入院となった. ウイルスマーカーは全て陰性であった. 一方, 抗核抗体320倍, LE test陽性, γグロブリン4.74g/dl, IgG4330mg/dlと自己免疫性肝炎診断基準の主要所見を満たしていた. 肝生検では肝の線維化と形質細胞の浸潤を認めた. CYAを再開したところ翌日より発熱が消失し, 肝障害は改善を認め正常化した. CYA投薬中止を契機に自己免疫性肝炎類似の病態を呈したchronic GVHDの一例を経験した. 本例は自己免疫性肝炎発症機序の点からも興味深く報告した.
  • 城井 啓, 吉川 正英, 木下 國浩, 豊原 眞久, 山根 佳子, 小鳥 秀之, 植村 正人, 福井 博, 美登路 昭, 山本 浩治, 三村 ...
    1998 年 39 巻 5 号 p. 335-339
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    発端例は51歳男性で息子 (症例1). 平成4年, 偶然肝障害を指摘され, 飲酒歴および胆道系酵素高値よりアルコール性肝障害と説明されていた. 約1年後, 皮膚掻痒感にて近医を受診した際, 厳格な禁酒にもかかわらず依然胆道系酵素値の上昇を認めたため当院を受診. 臨床症状, 胆道系酵素の高値, 抗ミトコンドリア抗体 (AMA) 陽性, 腹腔鏡像, および肝組織所見より症候性PBCと診断した. 父親は76歳 (症例2). 平成5年に肺炎にて他院に入院した際, 肝機能異常の指摘を受けたとの情報を息子より得, 当院にて精査を行った. 腹腔鏡検査および肝の組織学的検索の機会は得られなかったが, 胆道系酵素値の上昇, 血清IgM高値およびAMA陽性より無症候性PBCと考えられた. PBCの父子例は我々の知る限り本報告が初めてで, 貴重な症例と考え報告する.
  • 中井 隆志, 岡 博子, 森吉 靖子, 倉井 修, 木岡 清英, 針原 重義, 檜垣 一行, 山崎 修, 井上 健, 小林 庸次, 宋 健二 ...
    1998 年 39 巻 5 号 p. 340-344
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    症例は24歳, 女性. 他院での腹部超音波で肝内腫瘤を認め, 当院を紹介された. 当科外来初診時の腹部超音波では肝のCouinaud分類のS5領域に径35mm大の辺縁がやや不明瞭で, 内部が均一な低ェコー腫瘤を認めた. 同時に施行したパワードプラエコーでは腫瘤内に放射状の血流シグナル, いわゆる車軸状血管像を認め, 肝FNHと診断した. 99mTc-Snコロイドシンチでは同部に円形のhot spotを認め, 腹部血管造影にても車軸状血管像を認めた. しかし肝生検にて他の肝腫瘍も疑われたため肝切除術を施行した. 腫瘤は肉眼上やや赤褐色調が強く, 中央に暗赤褐色を示す領域が放射状に認められたが, 明らかな中心性瘢痕を伴わず, また組織では異型性のない軽度腫大した肝細胞より構成された過形成性病変であったが, グリソン鞘周辺では類洞の著明な拡張を認めるなど, 非定型的なFNHであった.
  • 李 尚憲, 首籐 太一, 池辺 孝, 久保 正二, 広橋 一裕, 木下 博明
    1998 年 39 巻 5 号 p. 345-348
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    66歳, 男性. 1985年に腹部超音波検査で肝 胞を指摘され, 1991年以降定期的にCT検査が行われていたが, 1995年3月の腹部CT検査で肝右葉ほぼ全域を占める 胞性病変が認められたため当科入院となった. 肝機能検査, 腫瘍マーカーに異常を認めなかったが, CT像上 胞内腔の乳頭状増殖領域が認められた. 腹部血管造影で腫瘍濃染像を認め, 経皮経肝門脈造影では, 門脈右枝が閉塞していた. 肝 胞腺癌を疑い1995年6月, 肝右3区域切除術, 左肝管空腸吻合術を施行した. 切除肝重量は1200g. 腫瘍径は13×13×12cm. 多房性の 胞領域と黄白色の充実性領域からなり, 病理組織学的には乳頭状腺癌と診断されたが, リンパ節転移や脈管侵襲はみられなかった. 肝 胞腺腫の発育は緩徐であるが, 悪性化の所見がみられれば早急に切除するべきである.
  • 阿部 和裕, 宮川 浩, 北澤 絵里子, 藤川 博敏, 菊池 健太郎, 永井 孝三, 賀古 眞, 川口 直美
    1998 年 39 巻 5 号 p. 349-355
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
    II型自己免疫性肝炎に検出される肝腎マイクロゾーム (liver-kidney-microsome: LKM) -1抗体は, C型慢性肝炎の一部にも検出される. 今回我々は, 本抗体陽性のC型慢性肝疾患の観察中, 肝細胞癌を発症した2症例を経験した. 症例1は64歳, 男性. LKM-1抗体は160倍陽性で, インターフェロン治療を行ったが, HCV-RNAの持続陰性化には至らず, その約2年後, 肝細胞癌を発症した. 手術所見ではwell differentiated hepatocellular carcinoma trabecular typeで, 非癌部は肝硬変の所見はなかった. 症例2は61歳, 女性. 輸血歴のあるC型肝硬変でLKM-1抗体は20480倍陽性で, 経過中, 肝細胞癌を発症し, TAEを行ったが約3年後死亡した. 我々はLKM-1抗体陽性のC型慢性肝炎は真の自己免疫性肝炎でなく, HCVの持続感染に伴う自己免疫現象であることを以前から主張しているが, かかる臨床的観察もこの仮説を支持するものと考えられる.
  • 柴田 高, 新居延 高宏, 村上 卓道, 石田 毅
    1998 年 39 巻 5 号 p. 356-357
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
  • ラット90%肝部分切除モデルにおいて
    加藤 一哉, 小野寺 一彦, 坂田 博美, 葛西 眞一, 水戸 迪郎
    1998 年 39 巻 5 号 p. 358-359
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
  • 内山 哲之, 鈴木 正徳, 海野 倫明, 力山 敏樹, 福原 賢治, 遠藤 公人, 及川 昌也, 松野 正紀
    1998 年 39 巻 5 号 p. 360-362
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2009/11/17
    ジャーナル フリー
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