肝臓
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40 巻, 11 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 岡上 武
    1999 年40 巻11 号 p. 579-587
    発行日: 1999/11/25
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    我が国における肝サイトスケレトン研究のスタートの歴史を簡単に述べた. そして, 最近注目されているIFとアポトーシス, 細胞の情報伝達, 癌化, 遺伝子異常と肝疾患などについて述べた. 言うまでもなく, 医学の基礎として細胞生物学は極めて重要であるが, 残念ながら肝細胞を対象としての細胞骨格関連の分野での先端的な研究は近年あまり多くない. 日本肝臓学会の会員の中で細胞骨格関連の研究に従事している者が極めて少ない事が一因と思う. このレビューがこの研究領域の今後の進展に少しでも役立てば幸いである.
  • 仁平 芳人, 安田 是和, 石橋 敏光, 山下 圭輔, 金澤 暁太郎, 永井 秀雄
    1999 年40 巻11 号 p. 588-595
    発行日: 1999/11/25
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    症例は49歳, 女性で1977年4月よりSLEを疑われ当院アレルギー膠原病科にて経過観察されていた. 脾機能亢進症を認め当科紹介となり, 精査にて特発性門脈圧亢進症の診断でHassabの手術及び胆嚢摘出術を施行した. 術前の超音波及びCT検査では門脈本幹と末梢の門脈に多発するブドウの房状を呈する極めて稀な形態を呈する多発性門脈瘤を認めた. 自験例を含めた本邦における門脈瘤報告例110例について若干の文献的考察を行った.
  • 尾形 靖一郎, 小池 淳樹, 中沢 裕貴, 相田 芳夫, 前山 史朗, 打越 敏之, 飯山 和郎, 宮崎 裕, 河野 誠
    1999 年40 巻11 号 p. 596-601
    発行日: 1999/11/25
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    症例は40歳, 女性. 転居を機会に近医を受診, 肝機能障害の既往があるため精査を行った. 血液生化学検査で, 赤沈は軽度亢進, トランスアミナーゼの中等度の上昇とγ-GTPの軽度の上昇を認めた. また, γ-グロブリンは2.16g/dlと上昇し, 抗核抗体は80倍であり, 肝生検組織像では, 著明な肝実質障害像がみられ, 採取された生検肝組織の被膜下に類上皮細胞性肉芽腫を認め, 国際AIHスコアは17点を呈した. 経過観察中にトランスアミナーゼは改善傾向にあったためコルチコステロイドの投与はせず, ウルソデオキシコール酸300mg/日を開始した. 臨床的にはAIH様の所見を呈したが, 組織学的には肝被膜直下に類上皮細胞性肉芽腫の出現を認め, 実質炎の強いタイプのPBCに類似しており, 診断に難渋した1例を経験したので報告する.
  • 工藤 欣邦, 寺尾 英夫, 有田 毅, 佐藤 竜吾, 園田 祥子, 西園 晃
    1999 年40 巻11 号 p. 602-607
    発行日: 1999/11/25
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    症例は58歳, 男性. 食道静脈瘤破裂の既往をもつ血小板4.9×104/mm3のC型肝硬変に対してインターフェロン (IFN) 療法を行い完全著効が得られ, 組織学的にも肝線維化の減少が見られた. またIFN療法後, 長期間にわたり食道静脈瘤の再発を認めなかった. 著明な血小板減少をともなうC型肝硬変といえども, ウイルス学的条件や投与法の工夫次第では本症例のように著効が得られ, 患者のQOLの改善が得られる. さらに発癌予防, 肝不全予防, 門脈圧亢進症の進展予防の可能性もあり, 症例によってはIFN療法を一度は検討する必要があると考えられる.
  • 工藤 欣邦, 寺尾 英夫, 有田 毅, 佐藤 竜吾, 園田 祥子, 西園 晃
    1999 年40 巻11 号 p. 608-613
    発行日: 1999/11/25
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    症例は60歳, 男性. 初発肝細胞癌の完治の得られたC型肝硬変に対しIFN療法を行い著効が得られた. また組織学的にもIFN療法後, 肝線維化の改善が得られた. 初回治療から3年5カ月後に肝細胞癌の再発を見たがこれも根治せしめ, 初発より5年1カ月後の現在Tumorfreeの状態で生存中である. C型肝硬変は肝細胞癌の高危険群であり, 特に一度肝細胞癌が発生した場合その再発率は非常に高い. 現在のところただ単に再発の早期発見に努めるのにとどまっているのが現状であり基礎病変の進展や再発予防に対する対策はほとんどなされておらず, 肝細胞癌完治後のC型肝硬変に対する治療法の1つとしてIFN療法は考慮すべき方法と考えられる.
  • 堀井 孝容, 酒井 基成, 太田 正治, 森 能史, 堀 直樹, 山口 寛二, 稲田 安昭, 中村 憲二, 岡上 武, 加嶋 敬
    1999 年40 巻11 号 p. 614-618
    発行日: 1999/11/25
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    症例は61歳, 男性. 平成9年7月の健診で肝内腫瘤を指摘され当院内科入院. 腹部エコー, CT, MRIで肝S5領域に直径50mmの腫瘤像がみられた. HBsAg, HCVAbは陰性, 肝機能異常もなく, 腫瘍マーカーは正常. 腹部血管造影で腫瘍血管濃染はなかった. 経皮的腫瘍生検で原発性肝癌と診断し9月肝S5部分切除術を行った. 肉眼所見は最大径80mm大, 表面は暗赤色, 割面は辺縁明瞭で不整形黄白色調の充実性腫瘍であった. 組織所見は中分化型腺癌のなかに肉腫様変化を伴った原発性肝癌と診断した. 非腫瘍部は正常肝組織であった. 術後2ヵ月後に腫瘍生検の穿刺ルート上の胸壁に転性皮下腫瘤が形成された. 腫瘍生検にて胸壁転移を来した肉腫様変化を示す肝細胞癌の1例を経験したので報告する.
  • 三谷 圭二, 箱崎 幸也, 岩本 淳一, 清家 英二, 峯 雅文, 武井 一雄, 萱嶋 信介, 松熊 晋, 桑原 紀之
    1999 年40 巻11 号 p. 619-625
    発行日: 1999/11/25
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    C型肝硬変・肝細胞癌 (HCC) で肉腫様変化を認め, 明らかな血行性 (肺・骨髄) 転移を伴わず, 著明な全身リンパ節転移を認めた2剖検例を経験した. 2症例とも治療前の腫瘍生検にて高分化型HCCと診断し, 抗癌治療として主にPEITを施行した. PEIT後の経過観察中・腹部エコー・CT検査では明らかなHCC再発や他臓器転移を伴わず, 著明な全身リンパ節腫脹を来した. 剖検時の残存HCCおよびリンパ節転移巣は2症例とも未分化型HCCであり, 症例1では軟骨肉腫および骨肉腫成分, 症例2では巨細胞型の腫瘍細胞および肉腫成分を含んでいた. 本2症例のように未分化型や肉腫様変化を伴うHCCではリンパ節転移が高頻度であり, HCCの再発が明確でない時には, 悪性リンパ腫との鑑別が重要となる. 近年transcatheterarterial embolization (TAE) ・エタノール局注療法 (PEIT) などの局所治療の増加とともに肉腫様変化を伴うHCCの報告が増加しており, これらの2症例で認められた組織学的変化もPEITやTAEの直接, 間接的作用が示唆された.
  • 村上 卓道, 高村 学, 清水 潤三, 中森 正二, 柴田 高, 石田 毅, 左近 賢人, 門田 守人, 中村 仁信
    1999 年40 巻11 号 p. 626-630
    発行日: 1999/11/25
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    膵癌の転移性肝腫瘍に対し, バルーンカテーテルおよびSpherexR併用区域肝血流遮断下マイクロ波凝固療法 (MCT) を施行し, 著効した症例を経験した. 75歳, 男性. 根治手術不可の膵癌に対し, 化学療法および放射線療法を施行され, 主腫瘍は縮小したが, 肝左葉外側区域に25mm大, 右葉後下区域に45mm大の転移を認めた. 肝の担癌区域を還流する肝静脈をバルーンカテーテルで閉塞し, 更に同区域に流入する肝動脈を細動脈レベルで一過性に閉塞する微少デンプン粒子 (SpherexR) で塞栓することによって, 担癌区域の肝血流による冷却効果を低下させMCTを行った. 1.6mm径砲弾型深部用電極を用いて, 右葉の腫瘍は60W, 4分間凝固, 左葉の腫瘍は2分凝固で, 腫瘍を完全凝固できた. 術後SpherexRで塞栓した血管はすべて再開通が見られ, また合併症も見られなかった.
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