高分化型肝細胞癌切除71例を腫瘍最大径により大型12例 (3cm超) と小型59例 (3cm以下) に分け, 臨床病理像を比較検討した. 背景では年齢, 性, 肝炎の罹患率に差は認められなかった. 大型は肝硬変の併存率が有意に少なく (
P=0.0329), AFP20ng/m
l以下の症例が多く (
P=0.0254), 血管造影では全例腫瘍濃染像を認めた (
P<0.0001). 5cm超7例では, 多発, 再発とも有意に小型より少なかった. (
P=0.0346,
P=0.0438). また, 病理組織像では全例被膜形成がみられ, 肝動脈, 門脈, 胆管の揃った門脈域は減少していた. 腫瘍の中心部には明らかな中分化型肝細胞癌の領域が6例 (50%) にみられ, 他の高分化型の領域でも中心部の方に細胞異型が強い傾向がみられた. 肝細胞癌多段階発癌の観点からも興味ある腫瘍であり, 特殊な肝細胞癌として取り扱う必要があると考えた.
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