肝臓
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41 巻, 11 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 岡崎 勲, 渡辺 哲, 朴沢 重成, 荒井 正夫, 丸山 勝也
    2000 年 41 巻 11 号 p. 741-753
    発行日: 2000/11/25
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
  • 小島 峯雄, 大西 弘生, 清水 勝
    2000 年 41 巻 11 号 p. 754-758
    発行日: 2000/11/25
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    平成6年11月1日より平成11年12月30日までにKクリニックを受診した特発性末梢性顔面神経麻痺 (ベル麻痺) 10名のうちC型慢性肝疾患5名, 糖尿病3名の合併を認め, うち1例は重複例であった. ベル麻痺既往の有無について検討した結果, C型慢性肝疾患患者617名中他に14名にベル麻痺の既往を認めた. 前述の5名のうち調査期間中に来院しなかった1名を除く4名と合わせ, 18名 (2.91%) のHCV抗体陽性者でベル麻痺の既往を認めた. 一方, HCV抗体陰性で糖尿病を合併しない本態性高血圧症患者でベル麻痺の既往を認めた症例は635名中3名 (0.47%) であり, C型慢性肝疾患患者におけるベル麻痺の既往を有する割合は本態性高血圧症患者に比し有意 (P<0.001) に高率であった. 従って, ベル麻痺はHCV感染の肝外病変のひとつである可能性が示唆された.
  • 中西 満, 永坂 敦, 若浜 理, 西川 秀司, 樋口 晶文
    2000 年 41 巻 11 号 p. 759-763
    発行日: 2000/11/25
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    早期梅毒において時に肝障害が認められることがあり早期梅毒性肝炎として知られている. 今回我々は著明な肝実質障害を伴った早期梅毒性肝炎の1例を経験したので報告する. 症例は25歳男性. 平成11年7月, 献血に行った際, 肝機能障害を指摘され, 同時に手掌及び足底に丘疹性紅斑が出現したため当院受診. 梅毒血清反応が強陽性であり, 発熱・発疹・咽頭炎等の臨床症状から早期梅毒と診断, DPEC-PCGによる駆梅療法を開始した. 以後, 血清梅毒反応の低下に伴ってトランスアミナーゼの著明な改善を認めたため早期梅毒に伴った肝障害と考えられた. 早期梅毒性肝炎の臨床的特徴として, ALPの高値に比してトランスアミナーゼ上昇は認めないか, あってもごく軽度であるとされている. しかし, 本症例はALP正常, ALTが1000IU/l以上と著明な肝実質障害を示しており比較的稀と考えられたため今回ここに報告する.
  • 静間 徹, 小幡 裕, 橋本 悦子, 谷合 麻紀子, 林 直諒
    2000 年 41 巻 11 号 p. 764-768
    発行日: 2000/11/25
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    症例は24歳男性で, 肝機能障害にて当科に入院. 入院時T-bil 5.8mg/dl, AST 1262 IU/l, ALT1877IU/lで, IgM-HA抗体5.9, HBs抗原37.9, HBe抗原96.2, IgM-HBc抗体7.6, HBc抗体 (200倍希釈) 68.5%であり, HAVとHBVの重複感染による急性肝炎と考えられた. 入院8週後の肝生検では急性肝炎に一致した所見であり, HBs抗原は発症から6カ月後に陰性化した. またT-bilの正常化には発症から12週以上, ALTの正常化・HBe抗原のseroconversionには17週以上を要し, HAVあるいはHBVの単独感染による急性肝炎に比べると, 経過は遷延傾向にあると考えられた. HAVとHBVの同時重複感染による急性肝炎は稀であり, ウイルスの相互作用については不明な点も多いが, 本症例ではHAVとHBVの重複感染による相乗作用を示唆するものと思われた.
  • 大西 泰裕, 東 俊宏, 辻 英之, 山本 和秀, 糸島 達也, 辻 孝夫
    2000 年 41 巻 11 号 p. 769-774
    発行日: 2000/11/25
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    今回基礎疾患として木村病とアルコール性肝硬変を有する27歳の男性に広範な肝内出血を認めたので報告する. 患者は大酒家で腹部膨満を主訴に来院, 腹部US・CT検査にて肝右葉に巨大な腫瘤様病変を, またS5に結節性病変を認めた. 同時に左腋窩部リンパ節の腫脹を認め生検にて木村病と診断された. 病理組織所見では肝臓はアルコール性肝硬変が基盤にあり, 右葉には広範な出血を認めた. S5の腫瘤は悪性所見はなく過形成性病変と考えられた. 右葉の出血には木村病にみられるHypereosinophiliaが関与している可能性が考えられた.
  • 本告 正明, 永野 浩昭, 左近 賢人, 梅下 浩司, 宮本 敦史, 江口 英利, 近藤 礎, 塩崎 憲, 堂野 恵三, 中森 正二, 中村 ...
    2000 年 41 巻 11 号 p. 775-780
    発行日: 2000/11/25
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌におけるリンパ節転移は, 剖検時には26.6%としばしば認められるが, 手術時には2.2%と少なく, 転移形式としては非常に稀である. 今回我々は, リンパ節転移を契機として発見された, 最大腫瘍径2.0cm以下の細小肝細胞癌という極めて希な症例を経験し, リンパ節転移を伴う肝細胞癌について文献的に考察した. 転移リンパ節の個数については, 多発リンパ節転移を認めた症例のほうが, 予後が悪い傾向があった. 肝細胞癌におけるリンパ節転移は, 病理組織学的に未分化なものに多く, 病巣の進展に伴い発生し, 再発形式としては残肝再発が多く, 残肝再発を念頭に置いた経過観察が必要であると考えられた. また, リンパ節転移を伴う肝細胞癌の手術時には, 系統的なリンパ節郭清を行うよりは, 腫大したリンパ節の摘出にとどめるほうがよいのではないかと思われた.
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