近畿地区を中心に18施設の協力により, 1987年1月1日より1998年3月31日までの期間, 治療が施行された単発肝細胞癌 (単発肝癌) 3489例を対象に治療方針, 治療成績の実態を調査し以下の結果が得られた (観察最終日は1998年7月31日).
(1) 臨床病期I, IIでは腫瘍径に拘らず肝切除が選択されている症例が多い.
(2) 腫瘍径2cm以下, 臨床病期I, IIでは肝切除, PEIT, PMCTで累積生存に差は認められない.
(3) 腫瘍径3cm以下のPEIT症例で10年生存を確認.
(4) 腫瘍径3cm以上では, TAE+PEIT: 3<腫瘍径≦5cm, 臨床病期IおよびTAE: 5cm<腫瘍径, 臨床病期IIの群を除いて, 臨床病期I, IIともに肝切除の成績がもっとも良好であった.
(5) 10年生存者の87%は肝切除例.
(6) 腫瘍径5cm以下症例の死因の約40%は肝癌死以外.
(7) 症例数が100以上, 100未満の施設間で累積生存に差が認められた.
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