症例は22歳, 女性. 肝機能異常の精査を目的として入院した. 血液検査では, AST137IU/
l, ALT148IU/
l, IgG3851mg/d
l, 抗核抗体1280倍, 抗平滑筋抗体40倍, LEテスト陽性, 赤沈98mm/h, CRP1.3mg/d
l, CA19-9206U/m
lであった. A型, B型, C型肝炎ウイルス関連マーカーおよび抗ミトコンドリア抗体は陰性で, 組織学的には慢性活動性肝炎の所見が認められた. 更に, 抗LKM-1抗体は680倍と高値を示し, International Autoimmune Hepatitis Groupの診断基準 (1993) に従ったスコアリングは19点であったことから, IIa型自己免疫性肝炎 (AIH) と診断した. 治療としてプレドニゾロン (PSL) 内服を開始したところ, 血清ALTの低下に並行してCA19-9は低下した. PSLの漸減にともなってAIHは一過性に再燃したが, 同時にCA19-9の再増加が認められた. 免疫組織学的な検討では小葉間胆管細胞がCA19-9に陽性であった. その後, PSLとウルソデオキシコール酸の併用で良好なコントロールが得られており, CA19-9も正常範囲を持続している. IIa型AIHは主に欧州で報告されており, 急速に肝硬変へ進展するためその予後は不良とされる. 一方, 本邦では少数が報告されているに過ぎないが, 予後は比較的良好であり, 欧米型とは異なる病像を呈する可能性が指摘されている. 本症例においても約8年間の外来経過観察でAIHの増悪および肝線維化の進展は認めていない. 更に, CA19-9が病勢を反映して変動するという興味深い経過を呈した.
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