肝臓
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42 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 石井 裕正, 東 俊文, 冨田 謙吾, 横山 裕一, 足立 雅之
    2001 年 42 巻 1 号 p. 1-14
    発行日: 2001/01/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
  • 門野 潤, 上本 伸二, 猪股 裕紀洋, 田中 紘一
    2001 年 42 巻 1 号 p. 15-21
    発行日: 2001/01/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    劇症肝不全IV度症例を中心に移植前の理学所見, 脳波及びCT所見と神経学的予後を検討した. 脳症II, III度は全例神経学的予後は良好であった. 以下16例のIV度症例では, 術前, 硬直性痙攣を来した6例の内, 3例が広範囲脳萎縮となった. 脳波上, 徐波は9例で, 内, 脳萎縮, 脳死が各々1例に認められた. 低電位は4例で, 2例が脳萎縮のために寝たきりとなった. 平坦脳波の1例は広範囲脳萎縮を来した. CT上, 瀰漫性浮腫を来した1例は重度の四肢拘縮となり従来の報告通り肝移植の非適応と考えられた. 脳死となった1例を除き限局性の脳浮腫は予後良好であった. 脳浮腫が認められなかった1例が術後広範囲の脳萎縮を来した. 瀰漫性浮腫以外の硬直性痙攣, 低電位, 平坦脳波のいずれかを有した症例は6例で移植後, 神経学的後遺症を残す可能性が高かったが, 4例は完全に回復し, 移植の絶対非適応とはならない.
  • 大崎 往夫, 木村 達, 喜多 竜一, 国立 裕之, 高松 正剛, 清水 達夫
    2001 年 42 巻 1 号 p. 22-28
    発行日: 2001/01/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌に対する経皮的な穿刺局所療法は侵襲が低く簡便であり, 方法によっては局所の根治も可能とすることができる. そのため単独であるいは経カテーテル治療と併用して広く行われるようになっている. なかでも近年導入されたラジオ波による穿刺凝固療法は1穿刺凝固範囲が広く大きな期待が持たれている. 肝細胞癌72例91結節に対して107回のラジオ波熱凝固療法 (RFA) を行い, その有用性を検討した. 1. RFA後腫瘍マーカーは高値例では全例低下し, 造影CTでの壊死効果も良好であった. 2. 術後軽度の炎症反応と肝機能の悪化を認めたが, 1週後には回復した. 副作用は軽度であり, 合併症は腹水, 胸水の1例だけであった. 3. 肝細胞癌に対するRFAは安全かつ簡便に行える治療法であり, 良好な凝固壊死効果を期待できる.
  • 影山 富士人, 高木 正博, 川村 欣也, 小出 茂樹, 室久 剛, 熊岡 浩子, 大竹 真美子, 笹田 雄三, 小林 良正, 玉腰 勝敏, ...
    2001 年 42 巻 1 号 p. 29-33
    発行日: 2001/01/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は16歳女性. 10年前に肝障害を伴う全身性エリテマトーデス (SLE), 抗リン脂質抗体症候群 (APS) と診断されたが, 1年前にはCTとMRIにて肝静脈の完全閉塞と下大静脈の狭窄を有し, F3の胃静脈瘤を伴う Budd-Chiari syndrome (BCS) が判明した. 胃静脈瘤の出血のリスクおよび月経出血のため抗血小板療法のみを行ったが, 約1年の経過で下大静脈は完全に閉塞し, すでに少量の腹水と尿蛋白が検出された. このことは, 抗血小板療法のみでは本疾患には無効であり, 肝移植を含めた観血的治療の適応を検討していく必要があることを示唆した. APSの合併症にBCSがあることは以前より指摘されていたが, 本邦での報告は稀で, 特に進行した症例においてはその治療にかかる侵襲が大きく, 早期の診断加療が望ましい. 原因不明の肝脾腫, 肝障害を伴う症例ではAPSおよびBCSの可能性を常に念頭に置く必要がある.
  • 南 尚佳, 平田 真美, 井内 英人, 恩地 森一
    2001 年 42 巻 1 号 p. 34-38
    発行日: 2001/01/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は69歳, 男性. 腹部膨満感にて発症し, 門脈圧亢進症 (門亢症) を合併した原発性骨髄線維症と診断された. 食道静脈瘤に対し, 内視鏡下食道静脈瘤硬化療法を行ったところ, 門亢症の悪化を認めた. 門脈血行動態をカラードプラ超音波断層法を用いて経時的に評価し, 巨脾性肝硬変類似の病態と診断し, 巨大脾腫に対する放射線治療により, 門亢症は著明に改善した. 門亢症の病態について示唆に富む症例を経験したので, 報告する.
  • 徳原 孝哉, 原 均, 篠原 尚, 土肥 健彦, 森田 眞照, 谷川 允彦, 竹下 篤, 成山 硬, 栗栖 義賢, 江頭 由太郎, 芝山 雄 ...
    2001 年 42 巻 1 号 p. 39-45
    発行日: 2001/01/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は47歳, 女性. 肝外発育型肝細胞癌および胆嚢癌の診断のもとに尾状葉亜全摘術および胆嚢摘出術が施行された. 肝外発育型肝細胞癌 (13×9×8cm, 1050g) は尾状葉から肝外に膨脹性に発育していた. 癌は尾状葉と結合織性隔壁で比較的明瞭に区分されており, 尾状葉近傍の異所性肝あるいは副肝葉から発生したものと考えられる. 胆嚢には底部からポリープ状に増殖する肝細胞癌 (9×5×4cm) があり, その内腔全体を占めていた. 術前には癌の肝内および他臓器転移は認められず, 切除標本に胆嚢への血行性, リンパ行性, 管内性転移および直接浸潤を示唆する所見もみられなかったことから, この胆嚢の癌は胆嚢底部の異所性肝組織から同時発生した肝細胞癌である可能性が高いと考えられる.
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