肝臓
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42 巻, 9 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 滝川 一
    2001 年 42 巻 9 号 p. 445-447
    発行日: 2001/09/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
  • 渡辺 真彰, 渋谷 明隆, 里道 哲彦, 小野 弘二, 土橋 健, 日高 央, 國分 茂博, 西元寺 克禮
    2001 年 42 巻 9 号 p. 448-454
    発行日: 2001/09/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    薬物性肝障害の診断には, 本邦ではリンパ球刺激試験 (DSLT) を重視した診断指針 (薬物と肝研究会, 1978年) が用いられている. 一方欧米では臨床所見や過去の報告等を点数化した診断指針 (Maria, CIOMS) が用いられている. 我々は薬物性肝障害を疑った58例について, DLSTの意義と各診断基準の相互関係について検討した. その結果, 日本の診断基準でみるとDLSTは感度59.5%, 特異度100%, 陽性適中率100%, 陰性適中率48.5%であったが, CIOMSの基準では43.4%, 60%, 92%, 9.1%であった. 本邦の診断基準に比しCIOMSの基準は診断域が広く, Maria の診断基準の compatible case を包括していた. 各診断基準と臨床病型・被疑薬の種類との間に一定の傾向はなかった. 以上より, DLSTは有用な検査ではあるが, 陰性であった場合でも薬物性肝障害を否定できず, 診断能には限界があることから, 臨床的情報を加えた新しい診断基準の設定が必要である.
  • 石井 禎暢, 植村 正人, 小嶌 秀之, 安 辰一, 櫻井 伸也, 福井 博
    2001 年 42 巻 9 号 p. 455-459
    発行日: 2001/09/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は64歳, 男性. 飲酒歴, 輸血歴はない. 前壁急性心筋梗塞の既往があり, 62歳時冠動脈バイパス術 (LAD-LITA, GEA-4PD) を受け, その後順調に経過していたが, 1996年12月より虚血性心疾患に有効とされている片仔廣の服用を開始. 服用2カ月後の定期検血にて, トランスアミナーゼの上昇 (AST 79IU/l, ALT 120IU/l) が認められたが, 自覚症状がなかったため服用し続け, 10カ月目には, AST 217IU/l, ALT 296IU/lとさらに上昇してきたため, 入院となる. 入院時の腹部超音波およびCT検査では, 脂肪肝と軽度の肝腫大を認めるのみであった. 肝炎ウイルスマーカーはすべて陰性であり, 漢方薬による薬剤性肝障害が疑われたため, 服用を中止したところ, 肝機能は速やかに改善した. 片仔廣および入手可能な生薬である牛黄, 田七人参, 蛇胆に対しLSTを施行した結果, 合剤の片仔廣と構成成分の1つである蛇胆が陽性であった. 本例は片仔廣その生薬である蛇胆によるアレルギー性肝障害と考えられたが, 本薬剤による肝障害の頻度は極めて少なく, 興味ある症例と考え報告する.
  • 萬谷 直樹, 小暮 敏明, 貝沼 茂三郎, 嶋田 豊, 寺澤 捷年
    2001 年 42 巻 9 号 p. 460-464
    発行日: 2001/09/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    リンパ球幼若化試験 (LST) 陽性のため漢方薬による肝障害が疑われたが, 最終的に自己免疫性肝疾患と診断された2例を経験した. 症例1は59歳女性. 漢方薬治療中に肝障害が出現し, LST陽性のため同薬による肝障害が疑われた. 同薬中止後も肝障害は遷延し, 抗核抗体陽性・IgG高値から自己免疫性肝炎 (AIH) を疑い, ステロイドにて軽快した. 同薬再投与にても増悪せず, 薬剤性肝障害は否定的であった. 症例2は70歳女性. 1980年全身性硬化症と診断され, 1988年初診時より胆道系酵素の軽度上昇を認めたが, ウイルスマーカーや抗ミトコンドリア抗体 (AMA) は陰性であった. 1997年9月肝機能障害が増悪し, 服用漢方薬中止後に速やかに回復した. 同漢方薬の構成生薬がLST陽性であったが, 同薬再投与にても増悪せず, 肝障害の原因を再検討した. 抗核抗体や抗セントロメア抗体の強陽性から, AMA陰性の原発性胆汁性肝硬変が疑わしいと考えられた.
  • 山浦 高裕, 吉澤 要, 六波羅 明紀, 西澤 好雄, 松本 晶博, 田中 栄司, 清澤 研道
    2001 年 42 巻 9 号 p. 465-470
    発行日: 2001/09/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は66歳, 女性. C型慢性肝炎の加療目的にて, 天然型インターフェロン (IFN)-αによる治療を行ったところ, 約2カ月後より軽度の正球性正色素性貧血が出現し, 約4カ月後にはヘモグロビンが7.2g/dlまで低下した. 血液検査にて網状赤血球の増加, LDHの上昇, ハプトグロビンの低値を認めたが, Coombs テストは陰性であった. しかし, 赤血球結合IgG分子数の高値と骨髄像にて赤芽球系の過形成を認めたことより, Coombs 陰性の自己免疫性溶血性貧血と診断した. 臨床経過よりIFNが自己免疫性溶血性貧血を誘発したと考え, IFNを中止とし経過観察を行ったところ貧血の改善およびハプトグロビンの正常化を認めたため, IFNによる自己免疫性溶血性貧血と診断した. C型慢性肝炎に対しIFN療法中に自己免疫性溶血性貧血を合併した症例は極めて稀な症例と考え報告した.
  • 河合 英, 原 均, 土肥 建彦, 森田 真照, 谷川 允彦, 竹下 篤, 成山 硬, 栗栖 義賢, 江頭 由太郎, 芝山 雄老
    2001 年 42 巻 9 号 p. 471-476
    発行日: 2001/09/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例はC型慢性肝炎の58歳, 男性である. 腹部超音波および腹部CT検査にて肝S6に直径5cmの被膜を有する腫瘤性病変が認められ, 腹部血管造影では被膜のみが濃染された. 肝細胞癌の診断のもとに, 肝部分切除が施行された. 腫瘤は線維性被膜で取り囲まれており, その内部は完全に凝固壊死に陥り, 黄白色を呈していた. これは肝動脈塞栓術後の壊死に陥った肝細胞癌結節に酷似しており, 壊死巣の一部には脂肪化を伴う索状型肝細胞癌を彷彿とさせる像が認められたことから, 肝細胞癌が自然に凝固壊死に陥ったものと考えられる. この病変の発生機序には, 結節周囲および被膜の肝動脈枝および門脈枝に高度の狭窄, 閉塞がみられたことから, 結節への血液供給減少が関係していると推測される.
  • 中村 英明, 堀田 彰一, 藤田 朋紀, 目黒 高志, 福田 守道
    2001 年 42 巻 9 号 p. 477-484
    発行日: 2001/09/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    肝腫瘍に対する新しい治療法としてRFAが最近注目されつつある. 今回我々は経皮的RFA施行後, 手術的に切除した肝細胞癌3症例3病変で病理組織学的にその効果を検討した. 病理組織学的検討でRFAによる焼灼域外側に二次性線維化を認め画像診断との対比から, dynamic MRIの delayed phase で認めた被膜様高信号域に一致するものと考えた. 3症例はいずれも画像診断上壊死と診断された領域内に necrosis と necrobiosis とを示す腫瘍細胞が含まれていた. 抗ssDNA抗体を用いた免疫染色像から necrobiosis 部でDNA断片化亢進の可能性が示唆されたことから同部はDNA断片化を伴う細胞死の過程にあることが示唆された. 以上から症例1, 3では遺残率0%, 症例2では27%と診断した.
  • 二宮 俊明, 尹 聖哲, 瀬尾 靖, 長野 秀信, 矢野 嘉彦, 中治 美有紀, 春日 雅人
    2001 年 42 巻 9 号 p. 485-486
    発行日: 2001/09/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
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