進行肝癌においては, 門脈本幹内の腫瘍栓の進展を認めることがあるが, 通常腫瘍栓は主腫瘍から直接進展しており, 転移リンパ節からの進展は非常に稀である. 今回我々は, 巨大進行肝癌で, 膵頭後部リンパ節転移から直接門脈本幹内に腫瘍栓を形成した非常に稀な症例を経験した. 症例は51歳, 女性. 右季肋部痛を主訴に近医を受診. 腹部CTにて肝腫瘍を指摘され, 当科へ紹介受診となった. CT上肝右葉全体を占める巨大腫瘍と対側葉にも肝内転移と思われる腫瘍を認め, また門脈本幹に腫瘍栓と膵頭部背側にリンパ節腫大を認めた. 手術は拡大肝右葉切除を施行し, 転移リンパ節は膵頭部への進展を認めたので, 膵頭十二指腸切除術を追加した. さらに腫瘍栓は転移リンパ節より門脈本幹内に直接進展していたので, 門脈を合併切除し, 腫瘍栓を摘出した. 術後補助療法としてインターフェロン (Interferon 以下IFN) 併用動注化学療法を施行したが, 治療効果は認められず, 癌死した.
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