症例は40歳男性. C型慢性肝炎のIFN治療のため受診. GOT 147IU/
l, GPT 238IU/
l, HCV-RNA陽性で肝生検像は慢性活動性肝炎であった. IFNα2b 10MIU/日の投与を開始したところ, 1週間後GOT 805IU/
l, GPT 1130IU/
lなど肝機能の急性増悪, HCV-RNAの陰性化とIFN投与前陰性であった抗核抗体の陽性化を認めた. IFN投与を中止しSNMCなど投与にて肝機能は一旦改善したが, 1カ月後肝炎の再燃を認めた. その後肝炎は沈静化したが, 約5カ月後GOT 344IU/
l, GPT 555IU/
lと上昇し, HCV-RNAの再陽性化を認めた. 経過観察のみで肝機能異常は徐々に改善し, また抗核抗体は陰性化した. C型慢性肝炎のIFN治療においてウイルスが消失すれば肝機能は通常正常化する. 本例ではIFN投与により自己免疫, あるいは細胞性免疫が異常に誘導されたことにより, 肝機能の急性増悪が生じたものと推測する.
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