症例は57歳女性で, B型肝硬変症にて当科にて経過観察されていた. 2000年2月, 腹水と黄疸にて入院. ALT 81IU/
l, T-Bil 4.4mg/d
l, ChE 49IU, HPT 31%と肝予備能は著明に低下していた. 肝炎ウイルスマーカーはHBeAg 230CI, HBeAb 0%, HBV DNA (TMA法) 5.4LGE/m
lであった. 胸水も合併, T-Bil は4.4mg/d
lまで上昇したため, 2000年4月3日より lamivudine 150mg/日を投与した. 胸腹水, 黄疸は消失. HBV DNA (TMA法) は検出感度以下になり, ALTも正常化した. 2001年4月の時点でYMDD変異ウイルスは認めていない.
肝移植以外には延命方法はないと思われる非代償性B型肝硬変の急性増悪に対し, lamivudine 投与により著明に肝機能が改善した1例を経験したので報告する.
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