肝臓
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43 巻, 9 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 池田 健次
    2002 年 43 巻 9 号 p. 385-394
    発行日: 2002/09/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
  • 竹迫 賀子, 相良 勝郎, 瀬戸 貴司, 伊藤 清治, 吉松 俊治
    2002 年 43 巻 9 号 p. 395-399
    発行日: 2002/09/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    〔目的〕肝細胞癌 (HCC) の予後に寄与する因子を retrospective に検討した.〔対象〕1991年から1999年までの期間に当センターでHCC初発と診断された398症例を対象とした.〔方法〕一般的な予後因子について単変量解析を行い, 予後に影響を与えている因子間で多変量解析を行った.〔結果〕生存期間中央値は637日であり, 肝機能因子別ではAlb, PT, 臨床病期が, 腫瘍因子別では, 腫瘍サイズ, 腫瘍個数, 肝癌 Stage, 腫瘍マーカーが予後に寄与していたが, 治療因子は予後に寄与していなかった. 多変量解析ではAFP, Alb, PT, 腫瘍個数が独立した予後因子であった.〔考察〕以上の検討から, 早期に腫瘍を発見し治療を行うことでHCCの予後を延長しうる可能性が示唆された.
  • 相澤 茂幸, 吉治 仁志, 小嶌 秀之, 伯耆 徳之, 森田 誠司, 北出 光輝, 石川 昌利, 小林 信彦, 柴 亜伊子, 宮川 幸子, ...
    2002 年 43 巻 9 号 p. 400-405
    発行日: 2002/09/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    カルバマゼピン (商品名: テグレトール) による hypersensitivity syndrome (HS) に伴う重症肝炎の1例を報告する. 症例は53歳男性, 重症薬疹にて当院皮膚科に入院後, AST, ALT上昇を指摘され当科紹介となる. カルバマゼピン中止後, 肝機能は一旦改善傾向を示したが, その後再び著明な増悪を来し重症肝炎を呈した. 肝機能の増悪に伴って抗HHV-6抗体価は著明に増加し, 異型リンパ球の出現と肝脾腫を認めた. 近年HSとHHV-6の再活性化の関連は, 皮膚科領域で報告が見られるが, 重症肝炎との関連性に焦点を置く報告は少ない.
  • 山本 和寿, 道堯 浩二郎, 宮田 朋史, 越智 明子, 湯山 晋, 矢野 哲郎, 水上 祐治, 恩地 森一
    2002 年 43 巻 9 号 p. 406-410
    発行日: 2002/09/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    B型肝炎ウイルス (HBV) は, 成人への初感染で慢性化・キャリア化することは稀である. 今回我々は, 初診時慢性肝炎が疑われたが, 詳細な病歴聴取によりHBV成人初感染急性肝炎の慢性化例と判明した1例を経験した. 症例は20歳女性. 献血にてHBs抗原陽性, GOT・GPT上昇を指摘され来院. HBc抗体高力価陽性よりB型慢性肝炎が疑われたが, 病歴と過去の献血データの問い合わせにより性感染によるHBV初感染例と判定できた. HBe抗原と transaminase 異常が続き, 肝生検にて急性肝炎から慢性肝炎へ移行した像が得られた. インターフェロン療法によりHBe抗原と共にHBs抗原も陰性化した. HBV genotype は本邦では稀な genotype Dであった. 成人初感染の慢性化例ではインターフェロン著効例が多いことが知られており, B型肝炎例では感染時期・感染経路について詳細な病歴を聴取することが重要と考えられた.
  • 山浦 高裕, 六波羅 明紀, 松本 晶博, 吉澤 要, 堀内 朗, 田中 栄司, 清澤 研道
    2002 年 43 巻 9 号 p. 411-415
    発行日: 2002/09/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は20歳, 女性. 著明な肝機能障害にて入院. 血液検査にて急性B型肝炎重症型と診断. 与芝の劇症化予測式にて劇症化が予測されたためラミブジン (100mg/日) を投与. 約1カ月にて改善し, HBs抗原陰性, HBs抗体陽性となったため, 第67病日にラミブジンを中止とした. pre-core は変異型であり, 重症化した原因はウイルス側にその原因があったためと思われる. 急性B型肝炎重症例にラミブジン療法を試みた1症例を経験したので報告する.
  • 黒川 晃夫, 竹下 篤, 芥川 寛, 野田 直宏, 吉田 隆, 伊泊 裕子, 安田 恵美, 栗栖 義賢, 江頭 由太郎, 谷掛 雅人, 山本 ...
    2002 年 43 巻 9 号 p. 416-421
    発行日: 2002/09/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は68歳, 女性. Dynamic enhance CTにて, S6に典型的な肝細胞癌の像を呈する腫瘤 (直径5cm), S4~S8に動脈相で濃染する部と濃染されない部とからなる腫瘤 (直径4.5cm) が認められた. 塩酸エピルビシンを用いた lipiodol-TAE 施行2カ月半後, 造影CTで ring enhance を示す大小の腫瘤が肝内に多発し, 肝不全で死亡した. 剖検では, S6に被膜を有する単純結節型の腫瘤 (肝細胞癌), S4~S8に多結節癒合型の腫瘤 (肝細胞癌, 混合型肝癌, 肉腫様変化を起こした混合型肝癌), 肝全体に直径2cm以下の白色の浸潤型の腫瘤 (肉腫様変化を起こした混合型肝癌) の多発が認められた. TAE後, 肝細胞癌は壊死に陥ったが, 混合型肝癌は肉腫様変化を来し, 高度の肝内転移を起こして短期間に死亡した稀な症例である.
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