症例は55歳女性. HBe抗原陽性B型慢性肝炎にて外来で通院加療中, 肝炎の急性増悪を来し2000年11月入院となった. 入院時T. Bil 5.2mg/d
l, AST 114IU/
l, ALT107IU/
l, Alb 3.2g/d
l, PT 39.0%と肝予備能の著明な低下, 腹水貯留を認め, ラミブジン, プレドニゾロンの併用療法を開始した. 治療開始後, 黄疸, 腹水は速やかに消失し, 14週間後にはHBV-DNAがTMA法で感度以下となり, 14カ月後にはHBe抗原の seroconversion を得た. プレドニゾロンは8週間で中止し, ラミブジンは継続投与中である. 併用療法開始4週間後に施行した肝生検組織は活動性の肝硬変 (A3/F4) であったが, 12カ月後の肝生検ではA1/F3にまで組織学的改善を認めた. 16カ月後にYMDD変異株 (YIDD) の出現を認めたが, breakthrough は起こさず, HBV-DNA (PCR法) は感度以下である. B型肝硬変の急性増悪に対し, ラミブジンとプレドニゾロンの併用療法は有効であると考えられた.
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