肝臓
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45 巻, 1 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 吉澤 要
    2004 年 45 巻 1 号 p. 5-7
    発行日: 2004/01/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
  • 平田 珠希, 狩野 吉康, 荒川 智宏, 桑田 靖昭, 赤池 淳, 山崎 克, 佐藤 隆啓, 大村 卓味, 豊田 成司
    2004 年 45 巻 1 号 p. 8-13
    発行日: 2004/01/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    C型慢性肝炎の新たな治療法としてIFN+リバビリンン併用療法が導入され, IFN単独療法に比べ, 優れた治療効果を得られるようになった. しかし, 併用療法における重大な副作用の一つに貧血があり, 投与患者の約75%に見られる. 今回われわれはIFN+リバビリン併用中に著明な貧血と骨髄抑制を来した2例を経験した. 高度の貧血はリバビリン血中濃度の高値の症例に出現する傾向があり, 投与中のヘモグロビンとリバビリン血中濃度のモニタリングが有用である. また著明な貧血にも拘わらず網赤血球の増加を認めない場合, リバビリンまたはIFNによる骨髄抑制の可能性も考慮する必要がある.
  • 石渡 裕俊, 高橋 稔, 高田 弘一, 宮西 浩嗣, 由崎 直人, 堀田 美紀, 黒岩 巌志, 川西 奈々恵, 高橋 祥, 高梨 訓博, 加 ...
    2004 年 45 巻 1 号 p. 14-20
    発行日: 2004/01/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は53歳, 男性. スクリーニングの腹部超音波検査にて肝腫瘤を指摘され, 当科精査入院となった. 腹部超音波検査では肝左葉外側区域に径20mmで境界明瞭な内部不均一な腫瘤を認めた. CTでは単純で低吸収域, 造影早期に高吸収域として描出された. 総肝動脈造影では造影早期から腫瘤は造影され, 実質相で門脈枝が描出され流出血管と考えた. 腫瘤の血流動態を評価する目的に Dynamic CTAを施行した. 造影4秒後より腫瘍は造影されはじめ, 7秒後に腫瘍全体が造影された. さらに腫瘍周囲に門脈枝が描出されはじめ腫瘍辺縁が濃染し, その後肝静脈が描出され, 造影剤は除々に wash out された. 確定診断のために経皮的針生検を施行し肝血管筋脂肪腫の診断にいたった. 門脈が流出静脈であると考えられた報告は稀である. 古典的肝細胞癌と同様に多血性腫瘍であり詳細に画像所見を蓄積することは今後鑑別診断を行う上で重要と考えられた.
  • 平岡 淳, 木阪 吉保, 竹下 英次, 広岡 昌史, 熊木 天児, 黒瀬 清隆, 堀池 典生, 藤山 泰二, 小林 展章, 恩地 森一
    2004 年 45 巻 1 号 p. 21-25
    発行日: 2004/01/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は66歳男性. C型慢性肝炎で他院通院中, 平成11年2月S8に径15mmの占拠性病変 (SOL) を指摘, 当科紹介受診. 肝細胞癌 (HCC) と診断, 加療. 以後, 再発に対し局所療法を2回施行. 平成13年12月腹部超音波 (US) で尾状葉 (S1) に径2.3cm大SOLを指摘され, 精査加療目的にて平成14年1月21日当科入院. 腫瘍は下大静脈 (IVC) 背側S1より発生し, IVCを背側から腹側へ圧排. S1, S2に腹部造影CTで動脈相 high density, 門脈相low density, 血管造影検査で腫瘍濃染あり. S1のHCCはUS肋間走査で深部に存在し, 肋弓下走査では描出困難であり外科的切除を選択した. 手術時HCCのIVCへの浸潤はなく剥離可能で腫瘍を含め Spiegel 葉の部分切除術を施行し, S2のHCCは術中ラジオ波焼灼療法を施行. S1のIVC背側にHCCが発生するのは稀で, 画像診断が困難, かつ予後不良とされる. 外科的に根治可能であった1例を経験したので文献的考察を加え報告する.
  • 丸上 永晃, 廣橋 伸治, 吉村 佳子, 高濱 潤子, 北野 悟, 吉川 公彦, 大石 元, 中島 収, 神代 正道
    2004 年 45 巻 1 号 p. 26-32
    発行日: 2004/01/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は79歳の男性. 肝炎ウイルスが陰性で, PIVKA-IIが10.1AU/mlと上昇. 肝S4に被膜を有し内部出血・壊死を伴った径7cm大の腫瘍を認めたため外科的切除が行われた. 当初肝細胞腺腫の病理学的診断を得たが, 術後1年6カ月後に再発を認めたため, 高分化型肝細胞癌と診断を変更した. このような比較的高齢で肝炎ウイルス陰性の肝に発生する, 動脈性の腫瘍血管を有する肝細胞腺腫類似の, 大型の高分化型肝細胞癌の存在に留意する必要がある. 肝細胞腺腫と診断された症例でも術後の経過観察が重要と考えられた.
  • 平田 珠希, 佐藤 隆啓, 山崎 克, 赤池 淳, 桑田 靖昭, 大村 卓味, 狩野 吉康, 豊田 成司, 松下 通明, 神山 俊哉, 中川 ...
    2004 年 45 巻 1 号 p. 33-38
    発行日: 2004/01/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は58歳, 男性. 平成11年8月近医にて肝右葉に径16cmの巨大血管腫を指摘されるも放置. 平成14年4月腹部膨満の増強を自覚し当科外来受診. 血液検査にてHb 6.8g/dl, 血小板7.2×104lと著明な貧血と血小板減少を認め入院となった. CT, MRIにて肝右葉を中心に肝外へ突出する径20cmを超える巨大血管腫を認めた. 入院後貧血の進行と出血斑の拡大を認め, Kasabach-Merritt 症候群と診断し抗凝固療法を開始し, 同時に血管腫内の出血と消費性凝固障害に対し肝動脈塞栓療法を施行した. その後貧血の進行が止まり, 出血斑, 血液凝固系の改善を認めたため, 6月4日肝右三区域切除術を施行した. 術後経過良好で術直後に凝固系の著明な改善を認めた.
  • 丸茂 達之, 笹本 貴広, 永山 亮造, 川杉 和夫, 星野 惠津夫, 滝川 一, 三宅 和彦, 長島 郁雄, 入江 宏
    2004 年 45 巻 1 号 p. 39-45
    発行日: 2004/01/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は66歳の男性. 巨大肝血管腫のため外来通院していた. 2001年にうっ血性心不全による呼吸困難のため入院した. 入院時より出血傾向が認められDICを来していた. 肝血管腫による Kasabach-Merritt 症候群と診断され, ダルテパリンナトリウム投与によってDICは改善したが減量により増悪した. 根治的治療のため巨大肝血管腫切除術を第77病日に施行した. しかし, 術後も出血は続き第79病日に死亡した. Kasabach-Merritt 症候群の肝血管腫切除術の成績は一般に良好であると報告されている. 自検例では術後もDICが遷延し, 肝に強度の出血性壊死を来していた. 自験例以外にも術中大量出血を来した症例の報告がある. よって Kasabach-Merritt 症候群の肝血管腫切除術では, 大量出血を来す可能性を念頭において手術に臨む必要がある. また, 術前動脈塞栓術などの出血の危険性を減らす方法も検討すべきと考える.
  • 黒川 晃夫, 竹下 篤, 村田 進, 住吉 一浩, 芥川 寛, 安田 恵美, 栗栖 義賢, 江頭 由太郎, 木下 ちさ, 木下 善詞, 福西 ...
    2004 年 45 巻 1 号 p. 46-50
    発行日: 2004/01/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は胸部CTで横隔膜~肝部下大静脈周囲に不整な低吸収域を指摘された2カ月後に Budd-Chiari 症候群, 黄疸を来して死亡した76歳, 女性である. 剖検で, 横隔膜を中心として後縦隔, 右心房, 肝右葉上部にまで浸潤, 増殖する超鶏卵大の腫瘍が認められた. 腫瘍細胞は多彩であり, ミオグロビン陽性の好酸性の胞体, 横紋筋様構造などがみられ, 横隔膜原発の多形型横紋筋肉腫と診断された. 腫瘍は下大静脈へ浸潤し, 同部に形成された血栓は右肝静脈にまで達しており, 肝右葉は高度の鬱血, 出血を伴って萎縮し, 尾状葉は代償性に肥大していた. この肥大した尾状葉によって肝門部胆管は圧迫されて扁平化しており, 肝内には胆汁鬱滞などの閉塞性黄疸の像がみられた. Budd-Chiari 症候群にみられる黄疸の発生機序は不明であるが, 尾状葉肥大をしばしば伴うことから, 本症例のような機序による閉塞性黄疸の可能性もあると考えられる.
  • 横浜 吏郎, 中村 公英, 玉木 陽穂, 岡本 聡, 伊藤 拓, 岡田 充巧, 麻生 和信, 長谷川 岳尚, 米田 政志
    2004 年 45 巻 1 号 p. 51-52
    発行日: 2004/01/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
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