肝臓
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46 巻 , 11 号
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症例報告
  • 岡田 誠, 實藤 隼人, 渡辺 次郎, 佐藤 丈顕, 中牟田 誠, 増本 陽秀
    原稿種別: 症例報告
    2005 年 46 巻 11 号 p. 641-646
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/11/24
    ジャーナル フリー
    症例は75歳, 女性. 2002年9月右季肋部痛と嘔気を自覚し, AST152IU/l, ALT206IU/l であり当科に入院した. IgM-HA抗体陽性でありA型急性肝炎と診断した. AST, ALT値は次第に上昇し, 第14病日にAST422IU/l, ALT833IU/l となった後低下傾向を認めたが異常値が遷延した. 第37病日に肝生検を施行したところ, 急性肝炎の所見に加え小葉内に多数の多核巨細胞を認め, giant cell hepatitisの所見であった. 第80病日にAST148IU/l, ALT292IU/l であったため第85病日に再度肝生検を施行したところ, 初回生検時と比較して多核巨細胞の数は減少していた. 本症例は通常のA型肝炎と比較して肝機能異常が遷延し, ALT値は発症から約6カ月後に正常値となった.
  • 織田 聡, 新敷 吉成, 清水 幸裕, 岩本 真也, 工藤 浩, 平野 克治, 矢田 豊, 安村 敏, 峯村 正実, 高原 照美, 高橋 和 ...
    原稿種別: 症例報告
    2005 年 46 巻 11 号 p. 647-652
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/11/24
    ジャーナル フリー
    近年本邦におけるE型急性肝炎は, 渡航歴のない国内発症例が増加してきており, そのHEV株がそれぞれの地域に特有の土着株であることが明らかになってきた. 今回, 渡航歴のない感染経路不明の散発性E型肝炎の1例を経験した. 症例は50歳男性. 海外渡航歴, 輸血歴, 性交渉, 最近の生肉の摂取歴はなかった. 2004年6月発熱および全身倦怠感が出現. 市販の感冒薬を服用するも軽快せず, 近医を受診, 著明な肝機能障害を指摘され当科紹介入院となった. メシル酸ガベキサート・プロスタグランジンE1で加療し, 肝炎は沈静化, 第22病日に退院となった. IgG, IgM-HEV抗体陽性およびHEV-RNA陽性により急性E型肝炎と診断した. HEVはgenotype IIIで既報日本株に一致ないし酷似するものがなかった.
    HEVは日本国内に広く定着し感染経路として生の獣肉が有力であるが, 多くの症例で感染経路が明らかになっておらず, genotype解析等による解明が望まれる.
  • 稲垣 優, 田辺 俊介, 吉田 亮介, 有木 則文, 常光 洋輔, 大塚 眞哉, 三好 和也, 大崎 俊英, 淵本 定儀, 湯村 正仁, 堀 ...
    原稿種別: 症例報告
    2005 年 46 巻 11 号 p. 653-657
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/11/24
    ジャーナル フリー
    患者は67歳女性. 主訴は呼吸困難. C型肝硬変症にて当院内科にて治療中, 胸腹水貯留にて入院. 胸水に対し胸腔ドレーンを挿入したが, 1.5l/dayの胸水を認め, ドレーンクランプにて呼吸困難を生じ, 胸水コントロールのため, 当科紹介となった. Child-Pugh score9点Bであった. CTにて右胸腔内に著明な胸水貯留を認め, 肺実質は虚脱していたが, 腹水は少量であった. 以上より, 胸腔静脈シャントの手術を行った. 手術は腹腔静脈シャント用のDenver shuntシステムを用いた. 術後経過は当初300回/dayでポンプを押していたが, 胸水の改善が見られず, 回数を増やすと共に胸水穿刺を適時行うことにより, 胸腔内で肺の再膨張が見られるようになり, 患者の呼吸状態も改善し, 現在ポンプのみにて平衡状態が保たれている. 末期肝硬変患者で腹水が少量で, 難治性胸水を認める症例では積極的に胸腔静脈シャントを留置することにより, 患者の状態が改善できると考えられた.
  • 有尾 啓介, 水田 敏彦, 八田 美幸, 熊谷 貴文, 河口 康典, 江口 有一郎, 安武 努, 久富 昭孝, 尾崎 岩太, 藤本 一眞
    原稿種別: 症例報告
    2005 年 46 巻 11 号 p. 658-662
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/11/24
    ジャーナル フリー
    症例は13歳の男児. 海岸でアメフラシ (学名Aplysia kurodai) の卵を生で摂取後, 持続性の嘔吐と肝機能障害が出現した. 入院時 (摂食後3日目) AST661IU/l, ALT1186IU/l と肝障害がみられ, ウイルスマーカー陰性で, 他に肝障害を起こしうる原因がないことからアメフラシの卵の摂取による急性肝障害と診断した. 安静, 輸液, グリチルリチン製剤静注により自覚症状, トランスアミナーゼ改善し, 併発症なく入院18日目に退院となった. 肝病理組織では散在性に肝細胞の巣状壊死とリンパ球, 好中球の浸潤を認めた. 水棲生物の中には外敵から身を守る生体防御機構としての有害物質を保有しているものがいる. アメフラシは日本中の海岸のいたるところに生息し, その卵塊は一見摂食可能な印象を受けるが, アプリシアニンという毒性物質を含有しており, 摂食により肝障害を起こす可能性がある.
短報
  • 柴山 隆男, 増田 剛太, 味澤 篤, 五反田 裕子, 吉川 昭, 溝口 秀昭, 岡本 宏明, 津田 文男
    原稿種別: 短報
    2005 年 46 巻 11 号 p. 663-664
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/11/24
    ジャーナル フリー
    We examined the prevalence of hepatitis A virus (HAV) and hepatitis E virus (HEV) infections among 280 Japanese patients infected with human immunodeficiency virus type 1 (HIV) and among 1,000 apparently healthy blood donors as a control. The prevalence of antibody to HAV was significantly higher among the HIV-infected patients than among the healthy donors (25.4% vs. 19.0%, P=0.025). When restricted to subjects aged <50 years, HAV antibody was detected significantly more frequently among the patients than among the donors (15.8% vs. 0.8%, P<0.0001). On the contrary, the prevalence of HEV antibody among the patients was almost equal to that among the donors (12.5% and 10.6%, respectively). HAV and HEV infections among HIV-infected patients deserve further studies.
  • 河合 健吾, 矢田 豊, 平野 克冶, 安村 敏, 工藤 浩, 田尻 和人, 時光 善温, 新敷 吉成, 峯村 正実, 清水 幸裕, 高原 ...
    原稿種別: 短報
    2005 年 46 巻 11 号 p. 665-666
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/11/24
    ジャーナル フリー
    A 84-year-old man who had been treated with percutaneous radiofrequency ablation (PRFA) under the artificial pleural effusion for hepatocellular carcinoma in the liver S8 was admitted to our hospital 13 months later from PRFA because of severe abdominal pain and vomiting. Plain CT revealed a diaphragmatic hernia with slided small intestine into the right thoracic cavity. We diagnosed the case as ileus with diaphragmatic hernia caused by PRFA. Although he was treated conservatively, he died from sepsis based on the ileus on the 11th hospital day. It was suggested PRFA close to the diaphragm induced diaphragmatic hernia 13 months later from PRFA procedure. In cases of HCC locating at sites adjacent to surrounding organs such as the diaphragm, gall bladder, or intestine, careful PRFA procedure and follow-up observation are necessary. The numbers of late complications including this case may increase by the accumulation of PRFA cases and longer-term observation.
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