肝臓
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47 巻, 11 号
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総説
Editorial
症例報告
  • 真崎 由子, 佐藤 丈顕, 岡田 誠, 渡辺 次郎, 桑野 晴夫, 塩崎 宏, 實藤 隼人, 増本 陽秀
    2006 年 47 巻 11 号 p. 503-510
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/02/21
    ジャーナル フリー
    症例は38歳,女性.焼酎3∼5合/日15年間の飲酒歴を有する大酒家である.1996年アルコール性肝硬変と診断され,食道静脈瘤破裂のため当科に入院した.1999年,肝両葉に径10-20mmの多発性低エコー腫瘤を認め,S8腫瘤の生検で大酒家肝過形成結節と診断した.2002年,この腫瘤が造影CT早期相で造影効果を呈し,再生検したが同様に過形成結節の組織像であった.また2000年にS4に出現した径5mmの腫瘤が次第に増大して径20mmとなり,2004年7月生検したところ過形成結節の所見であった.この腫瘤はその後CT造影効果の変化を呈し,2005年7月径30mmとなったが再生検の結果同様の組織所見であった.今回,大酒家の肝過形成結節を6年間追跡し,腫瘤径の増大および縮小と画像所見の変化を呈する興味ある経過を観察した.
  • 土居 忠, 菊地 尚平, 奥田 敏徳, 佐藤 康裕, 太田 英敏, 藤見 章仁, 蟹沢 祐司, 藤瀬 幸保, 信岡 純, 梅田 いく弥
    2006 年 47 巻 11 号 p. 511-515
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/02/21
    ジャーナル フリー
    症例は74歳,男性.2002年7月に肝細胞癌と診断され,2003年9月までに合計3回のTAEを施行されいる.2004年2月ごろより背部痛を自覚,エコー,CTにて肝S4に腫瘤を認めたため精査目的で入院となった.腹部エコーでは肝S4に直径6cmほどの不整型で境界不明瞭な低エコー腫瘤を認めた.腹部CTでは動脈相で腫瘍辺縁のみ濃染するhypovascularな腫瘤で,中心部にはlipiodolの沈着を認めた.その他,肺および胸椎に多発性転移を認めた.臨床経過並びに画像所見よりTAE後の肉腫様変化と診断した.入院中に突然死したため死因を検索する目的からも病理解剖が行われた.腫瘍は肝左葉から肝被膜を超えて横隔膜へ浸潤していた.他臓器では両側副腎,肺,胸椎への転移が確認された.また心筋内には最大径5mm以下の微小な転移巣が多発していた.組織所見では肝腫瘍および各転移巣で錯綜する短紡錘形の腫瘍細胞の増殖を認めた.免疫染色ではcytokeratin, vimentinともに陽性を示し,肝癌の肉腫様変化に矛盾しなかった.肉腫様肝癌が心臓に転移した稀な症例と考えられたので報告する.
速報
特別寄稿
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