肝臓
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47 巻 , 3 号
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原著
  • 西村 守, 狩山 和也, 湧田 暁子, 辻 英之, 難波 次郎, 東 俊宏
    原稿種別: 原著
    2006 年 47 巻 3 号 p. 123-128
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/24
    ジャーナル フリー
    ラジオ波焼灼療法 (RFA) は肝細胞癌 (HCC) の局所治療として有効で広く普及したが, 胆管損傷によるbilomaや閉塞性黄疸などの合併症の報告も次第に増えてきている. 我々は胆管損傷の予防に内視鏡的経鼻胆管ドレナージ (ENBD) チューブをあらかじめ挿入し, 冷却しながらRFAを行う方法 (ENBDクーリング下ラジオ波焼灼療法) を以前報告したが, 今回5例について検討した. 5例中4例で局所再発は認めなかった. 術後全例で胆管損傷はなく, 2例で軽度の膵炎を認めたがその他の合併症は認めなかった. ENBDクーリング下ラジオ波焼灼療法はRFAの重篤な合併症の1つである胆管損傷の予防に有用と考えられた.
症例報告
  • 林 藍子, 乾 由明, 渡邊 知英, 松本 由美, 吉田 直恵, 安永 祐一, 西川 正博
    原稿種別: 症例報告
    2006 年 47 巻 3 号 p. 129-133
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/24
    ジャーナル フリー
    C型慢性肝炎の70歳男性. 13年前インターフェロン (以下IFN) の治療歴あり. 今回Peg-IFN/ribavirin療法目的に入院. 治療開始7週目から不随意運動と筋緊張低下が出現した. 不随意運動は右下肢に限局し, 座位で内旋と外旋を繰り返す舞踏病様運動であった. 頭部MRI検査では異常を認めなかった. 治療中止5カ月後に症状は消退した. IFN治療で舞踏病様運動を呈する症例は稀であるが, 留意すべきである.
  • 山本 尚樹, 大野 靖彦, 須崎 紀一, 太田 和美, 佐々木 章公, 松尾 嘉禮, 次田 誠, 山内 一彦
    原稿種別: 症例報告
    2006 年 47 巻 3 号 p. 134-139
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/24
    ジャーナル フリー
    症例は60歳, 男性. 顔面及び陰茎の発赤及び掻痒感を主訴に近医受診し, 血液検査で糖尿病と軽度の肝機能異常を指摘され当院内科受診. 精査, 加療目的で入院となった. 胆道系酵素の軽度上昇及び, 腹部超音波検査, 腹部CTで肝S8に腫瘤を認め, 胆管細胞癌を疑い肝前区域切除を行った. 術後の病理組織診断では肝臓紫斑症であった. 本症例は糖尿病, 高血圧症はあるものの本症を示唆するような基礎疾患及び薬剤使用歴がないことから, 正常肝に発症した肝臓紫斑症と考えられた. 単発で約5cmと大きな腫瘤状で, 非特異的な画像所見であったため術前診断が困難であった. 肝臓紫斑症は稀な疾患ではあるが蛋白同化ホルモン, 免疫抑制剤の使用に伴い増加が予想されるため, 本症も念頭においた精査が必要である.
  • 松居 剛志, 辻 邦彦, 西森 博幸, 松永 隆裕, 野村 昌史, 桜井 康雄, 三井 慎也, 姜 貞憲, 真口 宏介
    原稿種別: 症例報告
    2006 年 47 巻 3 号 p. 140-146
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/24
    ジャーナル フリー
    肝左葉S4の肝細胞癌に対し, 近接する横行結腸への熱波及を防止する目的で逆行性小腸造影チューブを用いて, 大腸内に生理食塩水の貯留下にラジオ波焼灼療法 (Radiofrequency ablation: RFA) を施行した1例を報告する. 症例は80歳, 男性. 1998年よりC型肝硬変で近医通院加療中であった. 2002年4月, 腹水治療のために近医入院. 腹部超音波検査および腹部CT検査にて肝左葉S4に腫瘍性病変を認め, 同年5月30日, 精査治療目的に当科紹介入院となる. 既往歴に1981年に腹部多発外傷, 1998年に回盲部腫瘍と頻回の手術歴がある. 精査の結果, 肝S4の表面に存在する径18mmの肝細胞癌と診断したが, 横行結腸が担癌区域に癒着していた. 手術を拒否されたため, RFAを選択した. 癒着のため腹腔鏡下治療や人工腹水注入は施行困難であり, バルーンカテーテルを大腸へ留置し, 冷生理食塩水を充満させることで大腸内を冷却してRFAを施行した. 偶発症はなく十分な焼灼範囲が得られ, 現在まで3年1カ月, 局所再発を認めていない.
  • 吉田 尚弘, 土山 寿志, 増山 聡子, 竹村 健一, 山田 真也, 大森 俊明, 島崎 英樹
    原稿種別: 症例報告
    2006 年 47 巻 3 号 p. 147-151
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/24
    ジャーナル フリー
    今回我々は, ペースメーカー植え込み患者における大腸癌の肝転移に対し, ラジオ波焼灼療法 (RFA) を施行した1例を経験した. ペースメーカー埋め込み患者にRFAを施行する場合には, Electromagnetic Interferenceの存在を念頭に置く必要がある. 本症例では術前から術後にかけての適切な対策を講じることによって, 安全に手技を施行することができた. ペースメーカー植え込み患者においても, RFAは十分適応となる可能性のある手技であると思われた.
  • 太田 英夫, 永野 浩昭, 中村 将人, 和田 浩志, 野田 剛広, 丸橋 繁, 宮本 敦史, 武田 裕, 梅下 浩司, 堂野 恵三, 村上 ...
    原稿種別: 症例報告
    2006 年 47 巻 3 号 p. 152-160
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/24
    ジャーナル フリー
    主腫瘍の存在診断が困難であった肉眼的門脈内腫瘍栓を伴う細小肝細胞癌という稀な1例を経験した. 症例は60歳男性. 1991年, 1997年に肝細胞癌に対して2回肝切除を施行している. 以後4年間, 再発所見はなかったが, 2001年10月よりAFPの上昇と, 画像上P2枝に門脈内腫瘍栓を疑うthreads and streaks signを認めたが, 主腫瘍は描出されなかった. しかしながら肝細胞癌の再発を完全には否定し得ないため, 2002年3月5日S2亜区域切除術を施行した. 主腫瘍は径8mmのEdmondson III型の肝細胞癌でfc(+), fc-inf(+), vp1, vv0, b0, t2n0m0, stage IIであった. 本症例のように術前に主腫瘍を同定できず, 門脈内腫瘍栓のみ存在する症例は非常に稀であり, 門脈内血栓との鑑別のために種々の腫瘍マーカーや画像による総合的な診断が必要であると思われた. また細小肝癌症例の予後は極めて良好であるが, 腫瘍栓を合併した場合, その予後は不良である可能性も示唆される. しかし門脈内腫瘍栓がVp2より末梢にとどまる場合は, 積極的な治癒切除による長期生存例も存在し, 肝切除が予後延長に十分寄与すると思われた.
短報
  • 中村 正治, 平良 勝也, 大野 惇, 平良 雅克, 佐久川 廣, 高橋 和明, 三代 俊治
    原稿種別: 短報
    2006 年 47 巻 3 号 p. 161-162
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/24
    ジャーナル フリー
    We investigated for HEV-RNA in serum samples obtained from 15 wild boars in the Iriomote Island of Okinawa Prefecture, and 2 of 15 (13.3%) were positive for HEV-RNA. Sequence analysis of a part of ORF1 region (326 nt) indicated that the 2 isolates from the Iriomote's boars (wbOK126 and wbOK128) were fairly remote from known strains: none of known sequences showed a nucleotide similarity greater than 90%. In phylogenetic tree analyses, however, the wbOK126 and wbOK128 isolates segregated to genotype 4, and formed a cluster with Chinese strains, rather than with Japanese ones interestingly. Regarding the geographical situation of the Iriomote Island (i.e., nearer to China than to Japan's main lands), our present results provide a clue to the origin of Japan-indigenous HEV strains.
  • 大西 幸代, 姜 貞憲, 荒川 智宏, 狩野 吉康, 豊田 成司, 前久保 博士
    原稿種別: 短報
    2006 年 47 巻 3 号 p. 163-164
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/24
    ジャーナル フリー
    Hepatitis E virus (HEV) infection is a zoonotic food-borne disease. In Hokkaido, ingestion of raw pork liver or intestines is considered to be responsible for HEV infection. We interviewed patients on animal internal organ intake prior to developing hepatitis E, to investigate into this relationship. Among 32 patients with hepatitis E, four patients had history of raw or undercooked liver, and nine undercooked intestines intake. Two patients ingested both raw liver and undercooked intestines. 11 cases (34%) had no history of eating intestine during latency period. In this series of patients in Sapporo, ingestion of liver or intestine was at most responsible for 34% of patients with hepatitis E and was a predominant risk factor of HEV infection.
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