肝臓
Online ISSN : 1881-3593
Print ISSN : 0451-4203
ISSN-L : 0451-4203
47 巻 , 6 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
原著
  • 中尾 瑠美子, 八橋 弘, 明時 正志, 土田 貴彦, 楠本 浩一郎, 上平 幸史, 長岡 進矢, 大畑 一幸, 矢野 公士, 阿比留 正剛 ...
    原稿種別: 原著
    2006 年 47 巻 6 号 p. 279-282
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/28
    ジャーナル フリー
    B型急性肝炎53例とHBVキャリア急性増悪例60例のIgM-HBc抗体を化学発光免疫測定法にて測定し,本法がB型急性肝炎とHBVキャリア急性増悪の判別に有用であるかどうかについて検討した.B型急性肝炎53例全例IgM-HBc抗体価が1.0S/CO以上を示し,HBVキャリア急性増悪例では60例中36例(60%)が1.0S/CO以上を示した.抗体価1.0S/CO以上を陽性とする定性判定を用いた正診率は68%であった.一方,IgM-HBc抗体価が10.0S/CO以上を示した症例は,B型急性肝炎では53例中49例(92%),HBVキャリア急性増悪例では60例中4例(7%)であり,抗体価10.0S/COを用いた両者判別の正診率は93%であった.以上の結果,B型急性肝炎とHBVキャリア急性増悪例との判別値として抗体価1.0S/COは不適であり,10.0S/COを用いることにより,高い正診率で判別が可能であると考えられた.
  • 堀田 洋介, 荻野 英朗, 平松 活志, 松田 充, 里村 吉威, 出町 洋, 宮田 佐門, 野田 八嗣
    原稿種別: 原著
    2006 年 47 巻 6 号 p. 283-289
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/28
    ジャーナル フリー
    1996年4月∼2002年3月に当科において放射線療法を施行した肝細胞癌患者21例を対象とし,脈管侵襲を伴う肝細胞癌に対する放射線療法の治療効果と予後について検討を行った.また,治療前後での食道胃静脈瘤・腹水等随伴所見の変化についても検討した.結果はMinor Response以上の奏効例が全体の21例中5例(23.8%)であった.また,門脈侵襲症例では15例中3例(20.0%)に奏効を得た.食道胃静脈瘤は10例中1例(10.0%)で改善,5例(50.0%)で悪化が見られた.また,治療前に腹水を認めた13例は全例で改善は見られなかった.放射線療法開始から死亡までの平均生存期間は242日(25∼949日)であった.放射線療法は肝細胞癌に対しての集学的治療の一つとして一部症例では効果の期待しうる治療法と考えられた.
  • 松下 典子, 徳重 克年, 高倉 美保子, 戸張 真紀, 八辻 賢, 谷合 麻紀子, 橋本 悦子, 白鳥 敬子
    原稿種別: 原著
    2006 年 47 巻 6 号 p. 290-297
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/28
    ジャーナル フリー
    (目的)IFN, Ribavirin併用療法の効果予測は,今だ不明な点が多い.今回,ウイルスが一度も消失しなかった無効例の遺伝子多型等の関与について検討した.
    (対象)C型慢性肝炎患者でIFNα+Ribavirinを投与した66例を対象とした.IFNの効果は,持続消失(SR)32例,一過性消失(TR)16例,HCV消失せず(NR)18例で,TNF-α, TNF-β, IL10, MxA遺伝子の多型性部位に関して検索した.
    (結果)Serotype 2型がNR例で有意に少ないが,ウイルス量は差を認めなかった.生体側因子として,F3以上の高度線維化群の割合がNR例に多かった.遺伝子多型に関しては,TNF-β genotypeのB2/B2保有率がNR例に多かった.
    (結論)IFN, Ribavirin併用療法の無効例では,Serotype,肝線維化,TNF-β遺伝子多型などが関与している可能性が示唆された.
症例報告
  • 後藤 貴史, 石川 博基, 佐伯 哲, 猪狩 成彦, 福田 麻里子, 田浦 直太, 西村 大介, 市川 辰樹, 濱崎 圭輔, 中尾 一彦, ...
    原稿種別: 症例報告
    2006 年 47 巻 6 号 p. 298-303
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/28
    ジャーナル フリー
    肝炎後再生不良性貧血の2例を経験した.症例1は35歳男性,2003年4月中旬より全身倦怠感出現し,4月20日にT-Bil 6.2mg/dl, AST 1900IU/L, ALT 3020IU/Lと肝機能異常を認めPT 68%と低下していた.A∼E型の肝炎ウイルスは陰性で各種自己抗体陰性,薬剤の関与も否定的であった.徐々に肝機能は正常化したが,同年7月14日にWBC 3000/mm3, Plt 7.4万/mm3と2系統の血球減少が出現し,7月25日に再入院となった.骨髄は低形成性を呈しCD4/CD8比は0.207と低下していた.症例2は26歳男性,2003年6月下旬より全身倦怠感出現し,7月1日にT-Bil 13.2mg/dl, AST 1748IU/L, ALT 2924IU/Lと肝機能異常を認めPT 62%と低下していた.各種ウィルスマーカーは陰性で肝炎の原因は不明であった.徐々に肝機能異常は改善したが,7月中旬より血球減少が出現した.骨髄は低形成性でありCD4/CD8比は0.335と低下していた.2症例とも免疫抑制剤等の治療により汎血球減少は改善した.若年者の原因不明の肝炎後に再生不良性貧血を合併する事があり注意が必要と思われた.
  • 高田 弘一, 加藤 淳二, 高梨 訓博, 河野 豊, 奥田 敏徳, 林 毅, 石渡 裕俊, 高橋 祥, 宮西 浩嗣, 佐藤 勉, 佐藤 康史 ...
    原稿種別: 症例報告
    2006 年 47 巻 6 号 p. 304-309
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/28
    ジャーナル フリー
    症例は,54歳女性.平成13年3月よりPBC-AIH overlap症候群の診断のもと外来にてUDCA投与で良好にコントロールされていた.平成16年1月の定期受診時の血液検査にてトランスアミナーゼの上昇を認め,同年1月14日当科入院となった.IgG増加はなかったが,Revised IAHG scoring systemではscore 11となりprobable AIHであり病理所見と併せて,AIHの増悪と診断した.そこでステロイド治療を開始した.その結果トランスアミナーゼは徐々に低下し,現在ステロイドを減量中であるが再燃を認めず外来経過観察中である.HLA-DR4陽性のPBC-AIH overlap症候群の患者はUDCA投与中にも拘わらずAIHが増悪する可能性を考慮する必要がある.
  • 銭谷 平, 高木 優, 荒木 崇, 高松 正視, 鈴木 憲治, 春日 葉子, 内藤 嘉彦, 新谷 稔, 藤瀬 清隆, 前山 史朗
    原稿種別: 症例報告
    2006 年 47 巻 6 号 p. 310-315
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/28
    ジャーナル フリー
    症例は18歳女性.生来健康だったが,ウコン,女性ホルモン剤を内服していたところ黄疸,肝障害を認めた.肝生検では形質細胞浸潤,ロゼット形成を伴う肝硬変像を呈し,実質には著明な出血壊死を認めた.腹部CTでは脾腫,胃腎シャントを認め,内視鏡では胃・食道静脈瘤を認めた.自己免疫性肝炎(AIH)の国際診断基準スコアは治療前で+15であり,背景肝としてAIHが考えられた.大循環シャントが形成されており,ある期間をかけてAIHから肝硬変に進展した後に急性肝障害が加わったと推測された.
短報
速報
feedback
Top