症例は,57歳,女性.2002年全身倦怠感を主訴に,近医を受診,血液検査と肝生検にて,原発性胆汁性肝硬変Scheuer分類III期と診断された.その後ウルソデオキシコール酸による内服加療を続けていたが,2004年1月頃より血清ビリルビン値の上昇傾向を認め,2005年2月頃より動悸,手指振戦,労作時呼吸困難の出現とともに,ビリルビン値の急激な上昇を認め,2005年5月精査加療目的に当科へ入院となった.入院後,甲状腺機能検査,甲状腺自己抗体検査,甲状腺ラジオアイソトープ検査にてBasedow病の合併を診断した.その後抗甲状腺剤による治療を開始し,甲状腺機能の速やかな正常化とともに,ビリルビン値の改善を認めた.
原発性胆汁性肝硬変例でのBasedow病の合併の報告例は極めて稀ではあるが,原発性胆汁性肝硬変の経過観察中に急激な黄疸の進行を認めた場合は,Basedow病の合併の可能性も考慮する必要があると考えられた.
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