肝臓
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50 巻 , 12 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
原著
  • 島田 紀朋, 吉澤 海, 井家 麻紀子, 土橋 昭, 野村 直人, 戸田 剛太郎, 坪田 昭人, 安部 宏, 相澤 良夫
    原稿種別: 原著
    2009 年 50 巻 12 号 p. 687-702
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/01/27
    ジャーナル フリー
    Genotype 1b・高ウイルス量のC型慢性肝炎に対して48週,72週のPeg-IFNα-2b+RBV併用療法を完遂した250例を対象として,response-guided therapyの検証を行った.RVRは48週投与で全例SVRであった.cEVRは72週延長投与でSVR率に有意な向上を認めなかったが,pEVRは延長投与により有意にSVR率が向上した(8.0% vs. 59.6%,p <0.0001).NVR以外のNon-RVRでも72週投与でSVR率は有意に向上した(57.8% vs. 72.4%,p =0.0413).SVRに寄与する因子の多変量解析では,宿主因子はLDL-C 86 mg/dL以上,治療因子は体重比RBV総投与量3 g/kg以上,72週の延長投与,ウイルス反応因子はcEVR,20週までのウイルス陰性化が抽出された.Non-RVRで0-4 ratioが2 Log10IU/mL未満であってもLVRが得られた症例では,体重比RBV総投与量を確保し,投与期間延長によりSVR率を上昇させる可能性が示唆された.response-guided therapyは実地診療において有用な治療戦略であると考えられた.
  • 小池 和彦, 田尻 久雄, 伊坪 真理子
    原稿種別: 原著
    2009 年 50 巻 12 号 p. 703-710
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/01/27
    ジャーナル フリー
    MRI拡散強調画像の画像診断能について,動脈性血流に富む肝細胞癌52例で造影CT所見との比較をレトロスペクティブに検討した.肝動脈塞栓術目的に行った血管造影下CTにおけるCTHAでの早期濃染とCTAPでの還流低下を示した170病変をゴールドスタンダードとして対比した結果,腫瘍の検出感度はMRI拡散強調画像が78.2%,造影CTが80.0%と同等であり,ともに腫瘍多発例より単発例で良好であった.各症例での検出腫瘍数は両者同等が65.3%で,MRI拡散強調画像優位が13.5%であったのに対して造影CT優位が21.2%であったが,有意差はなかった.肝細胞癌治療歴の有無での検討でも有意差はなかったが,とくに治療歴を有する症例ではMRI拡散強調画像優位が20.8%であった.動脈性血流の増加を伴う肝細胞癌患者において,MRI拡散強調画像は造影剤を必要とせず,また放射線被曝のない画像検査として有用と考えられた.
症例報告
  • 白鳥 美里, 石井 耕司, 高山 竜司, 金山 政洋, 樋上 勝也, 篠原 美絵, 宮崎 泰斗, 吉澤 定子, 坪田 貴也, 本多 満, 吉 ...
    原稿種別: 症例報告
    2009 年 50 巻 12 号 p. 711-718
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/01/27
    ジャーナル フリー
    症例は66歳女性.全身倦怠感を主訴に近医を受診し,急性B型肝炎重症型と診断され当院に紹介入院となった.第2病日目には脳症II度となり,劇症肝炎急性型と診断した.人工肝補助,抗ウイルス療法やステロイドパルス療法などの集中治療が奏効し肝炎は改善した.しかし,淡い多発性の斑状陰影が両肺にみられ,右腎の腫瘤像も増大するため,腎腫瘤をドレナージ目的で穿刺したところ,アスペルギルスが検出され,侵襲性肺アスペルギルス症(invasive pulmonary aspergillosis:IPA)と診断し,その後から発熱が続き,翌日には自然気胸と脳出血が同時に発生した.一時,回復傾向がみられたが,致命的な両側脳室に穿破するクモ膜下出血が起こり,第75病日に死亡した.アスペルギルスは免疫力が衰えた患者では致命的なIPAを起しうるが,検出の困難な場合が多く,抗真菌治療を行なっても予後不良であるとされており,ハイリスク患者では予防的抗真菌治療が勧められる.
  • 的野 智光, 徳永 志保, 杉原 誉明, 永原 天和, 植木 賢, 岡本 欣也, 大山 賢治, 法正 恵子, 岡野 淳一, 前田 直人, 孝 ...
    原稿種別: 症例報告
    2009 年 50 巻 12 号 p. 719-724
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/01/27
    ジャーナル フリー
    症例は54歳,男性.全身倦怠感を主訴に受診し,胆道系酵素の著明な上昇を認めた.肝炎ウイルスマーカー,抗核抗体は陰性であったが,梅毒血清反応が陽性で,陰茎に硬結を認めた.腹腔鏡検査では,肝表面に白色調小結節を認め,肝組織では肉芽腫性炎症を認めた.早期梅毒性肝炎と診断し,amoxicillin(AMPC)内服を開始後,胆道系酵素は速やかに改善した.早期梅毒性肝炎の報告は比較的稀であり,組織学的に肉芽腫性炎症を認める例も少なく,若干の文献的考察を加えて報告する.
  • 川上 万里, 梅川 康弘, 柴田 憲邦, 久保木 真
    原稿種別: 症例報告
    2009 年 50 巻 12 号 p. 725-730
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/01/27
    ジャーナル フリー
    症例は41歳女性.BMI 36.2 kg/m2の肥満,高血圧,糖尿病,高脂血症があり,画像上脂肪肝を認めたため,経皮的エコー下肝生検を施行したところ,肥満,糖尿病,高脂血症などの危険因子下での安静臥床や止血剤の投与が誘発したと推測された深部静脈血栓症と肺塞栓を発症した.非アルコール性脂肪性肝炎の診断には現在組織検査が必要であるが,当疾患は深部静脈血栓症の危険因子を併存していることが多いため処置について留意する必要があると考えられた.
  • 川村 梨那子, 永松 良介, 大橋 理奈, 伊藤 大
    原稿種別: 症例報告
    2009 年 50 巻 12 号 p. 731-735
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/01/27
    ジャーナル フリー
    71歳女性.2000年3月,肝S2に約1 cm大の肝細胞癌を発症し,肝生検及び経皮的エタノール注入療法を行った.その後も肝細胞癌の再発を認めエピルビシンやマイトマイシンを用いた肝動脈化学塞栓術や経皮的肝局所療法(経皮的エタノール注入療法,経皮的マイクロ波凝固療法)を行ってきたにもかかわらず,両葉多発肝細胞癌と進行し左門脈にも腫瘍塞栓が出現したため,2005年2月より動注用シスプラチン(アイエーコール®)を用い約2年間で計6回の反復投与を行った.その後腫瘍は消失し,腫瘍マーカーも正常化した.経過中大きな副作用や合併症も認めず現在も外来にて経過観察中である.予後不良な門脈塞栓を伴う進行肝細胞癌に対しシスプラチンを用いた治療は今後も予後改善に寄与すると考える.
速報
特別寄稿
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